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ハイ・フィディリティ High Fidelity
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 主人公はマニアックなレコード店を経営するさえない男。同棲していた女性に出て行かれたことから、彼は人生で経験した失恋ベスト・5を語り出す。

 ジョン・キューザックの軽妙な一人語り形式で進んでゆくこの映画、男の私からしてみれば、共感できてしまうところだらけの内容でした。情けなくて無節操で、それでいて飄々としていて憎めない主人公を、キューザックが活き活きと演じています。
 彼は失恋も多い代わりに、なんだかんだ言って成功率も高い。そのくせ魅力的な女の子たちに次々に目移りしてしまって、「俺の下半身は腐ってる!」なんて嘆く、そういう気持ち、わかるなあ(私は彼ほどモテやしないですけどね)。そうそう、理屈じゃないんです、うんうん。

 脇を固める人々もクセのある連中揃いで楽しませてくれます。特にレコード店員の太っちょくんがいい。物凄い毒舌でまくし立て、気に入らない相手だと、たとえ客でも追い返す。痛快です。

 全編シャキシャキとしたリズムで、最後まで一気に語り尽くしてくれるような感覚が気持ちのいい快作です。



(02.1.18)