Text - Ｍｏｖｉｅ
| ユリイカ Eureka |
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| バスジャック事件によって心に深い傷を負ったバス運転手。そんな彼が、同じ事件がきっかけで家庭が崩壊した兄妹と始めた共同生活の中で、自己再生へ向かおうとする。そんな折、彼らの周辺で不可解な殺人事件が発生する……。 映像の非常に美しい作品です。淡々とした展開ながら、緊張感のある絵作りのため、３時間半という長尺もさほど気にはなりません。その点では評価したいと思います。 しかし残念ながら、それ以上の印象は私には残りませんでした。物語そのものは正直、理解不能だったといっていいくらいです。 長回しのシーンが多い中で、「何か起こるんだろう」と思わせぶりな雰囲気を漂わせて観客を引っぱりつつ、結局何も起こらない、というシーンが多すぎます。振り返ってみれば、今のシーンには何の意味があったのか分からない、そんなシーンの連続で、フラストレーションばかりが溜まっていきます。 また、聞き取りづらい方言も、物語の分かりにくさに拍車をかけていました。台詞の意味を取り違えて混乱してしまったことも何度かありました。 終盤になって明らかになる殺人事件の犯人、その動機がはっきりしないことも不満です。動機を描くことに興味がないのだとすれば、そこまでその事件で話を引っぱりすぎでしょう。 |
(02.07.26)