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クロコダイルの涙 The Wisdom of Crocodiles
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 まずはその緻密で深みのある映像美に魅了されます。そして、苦悩する主人公を演じたジュード・ロウの造形の美しさにもまた、うっとりとさせられてしまいます。寂寞感と無常感とが内面から滲み出てくるようなそのたたずまい、ただそれだけでじゅうぶん絵になってしまうのでした。この映画での主人公の行動はかなり常軌を逸した残酷なものですが、それが決してグロテスクに映らないのは、ひとえに彼の特異なキャラクターあってのことでしょう。

 どちらかといえば雰囲気先行の映画であって、物語そのものはさほど意味があるものとは思えませんでした。それでも、緊張感張りつめたシャープな演出と、そしてやはりJ・ロウのオーラにも似た存在感で、最後まで観客を退屈させることなく引っ張ってくれます。

 でも、ま、端的に表現してしまえば……「美青年ってトクだよなー」と、そういう映画だったと言えなくもない、かな。



(01.01.24)