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チアーズ! Bring It On
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 チアリーディングの華麗さで有名なトロス高校。その人気は、アメフトの試合より、それを応援するチアリーダーたち目当ての観客の方が大勢押し掛けるほど。全国大会での優勝経験も何度もある実力派である。そのキャプテンに選ばれたヒロイン(キルスティン・ダンスト)は大はりきりだったが、就任早々、自分たちが誇りにしてきた振り付けに重大な欠陥があり、開催まで間もない大会では使えないことを知る……。

 これは楽しいぞー。とことん明るくテンポ良く、最後まで気持ちよく魅せきってくれる快作です。
 一番の見せ場は、当たり前ながら、その派手なチアリーディングのシーン。これがもう、何しろスゴイ。香港映画のワイヤーアクションもかくやと思うほどに、人が宙をクルクルと舞う様には、正直ド肝を抜かれます。音楽にもばっちりシンクロしていて実に爽快。まさかとは思うけど、あちらではこういうチアリーディングが当たり前になってるんでしょうか? これじゃあ確かに、観客も試合どこじゃないよなぁ。
 また、この映画で描かれている女の子たちが、単に可愛いだけでなく、みな凛々しくてカッコイイのも好感が持てます。それはライバルの女の子に関しても同様で、単に嫌な奴として描かれたりしてはおらず、だから対決の構図にも常に爽やかさがある。スポーツドラマとして大事なところをちゃんとクリアしてました。

 ヒロインを演じたキルスティン・ダンストは、飛び抜けて美人というタイプではないけども、いきいきと豊かな表情が魅力的でした。でも個人的には、助っ人役のミッシーを演じたエリザ・ドゥシュクのほうが、ちょっとクールな雰囲気を出していて好みだったかな。これから他の映画でも活躍して欲しいところ。

 ただ、ドラマとしては、恋愛・親との確執・ライバルとの友情など、そのどれもが、深く踏み込むことなく終わっていて、ややあっさりしすぎの感もあります。見終わったあと何も残らない典型的なパターンの作品ですね。
 とはいえ、だからこそこの映画独特の明るい軽さが出ていたともいえるわけで、そこはもう見る人の好きずきに委ねるほかないでしょう。
 とにかく2時間気持ちよく、ストレスなく楽しみたい! という方にうってつけの1本であることは間違いないですぞ。



(02.03.02)