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17歳のカルテ Girl, Interrupted
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 睡眠薬自殺を図り、ボーダーライン症候群と診断されて精神病院へと送致された女性が、そこでの人々との触れあいによって人間性を取り戻してゆくという物語。

 うーん……やっぱりどうしても『カッコーの巣の上で』を思い出してしまうんですよね。舞台設定といい、キャラクター設定といい(アンジェリーナ・ジョリーが演じていた破天荒な患者の役なんて、まんまジャック・ニコルソンだし)。単純比較できてしまう対象が過去の名作にあるというのは、それだけでマイナスでしょう。インパクトの面でも劣ってます。
 また、登場人物の感情の流れに脈絡がなく、感情移入しにくいというのも難。精神を病んでるから、という単純な理由ではありませんよ。登場人物たちの友好関係が成立するまでの過程をはしょりすぎてるからです。

 それでも、先に書いたアンジェリーナや主人公のウィノナ・ライダーの演技、そしていくつかの印象的なシーンのおかげで、それなりに退屈せずに見られる作品になってはいます。特にウィノナはその年齢不詳ぶりを活かして、実際には30過ぎの年齢だというのに、ティーンエイジャーの不安定さを上手く表現していました。とはいっても、さすがに10代に見えるか? というのは微妙なとこなんですけどね……。



(01.09.20)