Text - Diary - Past - 1999 Selected the 1st Half
99.01.13
| 仕事を定時の6時で無理矢理きりあげるなり、私は赤坂の職場から吉祥寺へと、猛ダッシュを開始しました。 何しろ今日は、私の大好きな大好きなバンド『Hooper』のライブがある日なのです! もう、この日をどれだけ待ったことか。こればかりは逃すわけにはゆきません。 このHooperというバンド、私はデビュー当時からずーっとファンで、もう4年越しぐらいでファンを続けてるのです。東京でやったライブはほとんど行ってます。しかもこれがまた、CDで聴くよりライブの方が遥かに魅力的なバンドなんですね。私はライブを観るたびに愛着を深めていったくらいです。 でも最近の彼らは、2年ちょっと前にミニアルバムを出したきりまったくCDのリリースはなく、ライブも1年に1〜2回くらいしかないという、非常にお寒い状況が続いていたのです。 しかしここにきて、実に1年ぶりくらいでライブを観ることが出来ることになったのです! これが興奮せずにいられましょうか。 猛ダッシュのおかげで何とかライブには間に合いました。場所は吉祥寺のスターパインズカフェというライブハウス。ちょうど1曲目が始まった所でした。 もう、動いて音楽してる彼らを久しぶりに観ることが出来たというだけで、まず感動してしまいましたよ。はあ〜、たまりませんねえ。正直な所、長いこと彼らの音楽に触れていなかったものですから、ファン熱もちょっと冷め気味だったんですけど、でも目の前で演奏してる彼らを見たら、一気に再沸騰ですよ、そりゃあもう。 ボーカルの女性の中嶋さん、相変わらず細身で凛々しくてカッコイイ〜、それでいてカワイイ〜。歌いっぷりも、さらに表現力が増しているように思えました。やっぱり最高だぜ中嶋さん! もちろん彼女だけでなくて、バンドとしても、パワフルで一体感あるステージングは健在でしたよ。新しくメンバーとして加わった、女性ベーシストのエマさんも実に馴染んでました。 もともとCDよりも、ライブでこそその素晴らしい真価を発揮するバンドなんですよね。繊細さに力強さが加わって、さらに中嶋さんの魅力あふれる歌いっぷり。文句なしです。 そんな感じですっかり魅了されたまま、6曲があっという間に過ぎていってしまいました。 この日は実は、この後にさらに3組のバンドが待機しているという構成のイベントになっていたのです。だから彼らの出番も6曲で終わりです。まあ、もともと知っていたこととはいえ、ちょっと物足りなかったかな……。それでも元気な彼らの姿を見れただけで私は大満足でした。 ところがところが、話はまだ終わりではないのです。 せっかくだからというわけで、Hooperの出番が終わった後も、私は他のバンドの演奏を聞き続けてました。どのバンドもレベルが高く、新鮮でかつ聞き応えのある音楽を披露してくれたので、ちょっとトクした気分にさえなってしまったほどです。 3組目のバンドの演奏が終わったあたりで、私はいったんトイレに向かうことにしました。トイレは混んでて、ドアの前で順番待ちの列までありやがります。 うーむと唸りながら待っている時、ふと視界の片隅に入ってきたものがあります。 バーのカウンターで、見覚えのある4人が談笑している姿があるのです。 ――『本物』だっ!! その時の私の舞い上がるような気持ちといったらありません。もう半分無我夢中になって、彼らの所に突撃しました。 「あ、あのっ、Hooperのみなさんですよねっ」 どう見たって一目瞭然なのに、間抜けなことを訊いたものです。でも彼らは嫌な顔一つせず、 「そうですよー」 「ああっ、わ、私、すっごいファンなんです! 今日のライブもすごい良かったです!」 「わあ、ありがとう! 嬉しいね〜☆」 中嶋さんが満面の笑みで応えてくれました。Hooperの皆さんは、こんな私の言葉にもほんとに喜んでくれてるみたいでした。 リーダーの瀬川さんが訊いてきました。「きみ、東京の人?」 「はい、東京でのライブにはほとんど全部来てます!」 「いやあ、嬉しいなぁ」 すごい。中嶋さんや瀬川さんと会話が出来てしまうなんて! 夢にも思わなかったことです。 「で、」瀬川さんはさらに訊いてきました。しかも、「きみの名前は?」 「あ、えーと、○○(←本名)っていいます!」 「○○くんか、これからもよろしくね」 さらに笑顔。 ファンとして、これほどの喜びがあるでしょうか? 名前を訊いてくれるなんて……。単なる1ファンとしてでなく、一人の人間として認識してもらえたような気持ちにさえなりましたよ。うぬぼれが過ぎるかもしれませんが。 その後は、皆さんも忙しそうだったので簡単に挨拶を済ませて、私はまた客席へと戻ってきました。そして気付きました。 ああ、握手くらいしてもらえば良かった……! 4組目、最後のバンドの演奏が終わり、イベントは終了となりました。 しかし、私はやはり、もう一度でいいから彼らに会いたいという気持ちでいっぱいでした。そこで、さっき会ったバーカウンターのあたりを、ダメもとで探してみたりしたのです。 そうしたら……彼らはまだそこにいてくれました! うわあっ、嬉し過ぎる〜! 私は恥も何もかなぐり捨てて、再び彼らの元に接近しました。そしてまた「良かったです、次のライブも楽しみにしてますので!」等々と言いまくりました。 そしてそして。私は意を決して、中嶋さんに申し出ました。 「あの……よかったら、握手していただけませんか?」 「はい、いいですよ♪」 快諾です。うおぉ……。もう言葉になりません。本気で感激しちゃいましたよ、私は。 優しく握り返してくれた中嶋さんの手は、とっても暖かかったです……。はふぅ。 思えば、足掛け4年間ファンやってきて、もちろん初めはCDの声だけの存在でしかなかった人と、こうして僅かながらも直接言葉を交わして、さらにはその人の体温を感じ取ることが出来ようとは……! ああっ、もう、どうしたらいいんだ、俺! 嬉しすぎるぞ! ライブハウスを出た後も、久しぶりに味わった強烈な幸福感で、私はしばらくぼうっとしちゃってましたよ。心底しびれましたね。いやほんと、めちゃくちゃいい日だったと言えるでしょうな。 私はアイドルとか芸能人とかには基本的に興味がないので、たとえそれがどんなに有名人でも握手を求めるなんてことはまずしないのですが、今日は違いましたね。そして、「この右手、もう洗えないよぅ」という人の気持ちもわかった気がしました。 瀬川さんからの情報によると、次のライブは4月あたりを予定しているけど、詳細は不明だそうです。そして気になる新譜は、「今年じゅうに何とか出せたらいいな〜」というような、ファンにとっては少しばかりがっかりなお答えでした。しかし、ファンとしてはじっと待つほかないでしょうね〜。それがファンの楽しみでもあり、辛さでもあるのでしょうな。うむ。 とにかく、今年のHooperにはもっともっと頑張っていただいて、ぜひメジャーな存在になって欲しいものですねえ。あとコンスタントなライブと新譜を僕らに! ……とはいえ、あまりメジャーになってしまうと、今度は遠い存在になってしまうようで……アンビバレンツな感じです。このあたりも微妙なファン心理なんですかねー、なんて思ったりして。 ああ、とにかくとにかく、これからも応援して行こうという気持ちをさらに深めた今日のライブだったのでした。 |
99.01.18
| 毎月恒例、例のデカい病院に行きました。 相変わらず待たされる待たされる。予約時間は9時30分だったとゆーのに、実際に診察を受けられたのは12時過ぎでした。おかげで小説が1冊読めちゃいましたよ。まったく、予約の意味あんのか? いー加減にして欲しいもんです。 しかし、診療のためだから仕方ないとはいえ、会社で半休を取ると、いい顔されませんね……。女友達が「生理休暇ってとりにくいのよ……」って言ってた気持ちがちょっとわかったような気がします。 しかも、どうやら風邪をひいてしまったらしく、一日じゅう、咳が止まりませんでした。 私の咳は独特で、喘息のような、血を吐くような勢いの、ひどい咳をします。私自身相当苦しいのですが、周囲の人にとっても、聞かされて気分のいいものではないようです。やがて、それを聞きとがめた総務のおばさまが、こう忠告して下さいました。 「ひどい咳ね。大丈夫なの?」 「は、はあ……何とか。ありがとうございます……」 「明日もそれが続くようなら、風邪のマスクしたほうがいいわね」 「そうですか……あれ、効果ありますか?」 「いえ、とにかく、他の人に伝染ったら大変ですから。あなただけの問題じゃないのよ」 「……はあ……」 それはお気遣いなのでしょうか、思いやりなのでしょうか……どう判断したらいいのでしょう。 |
99.01.29
| もう夜もとっぷりと更けた頃、何ということもなく、大学時代に同級生だったSさんに電話してみることを思い立ちました。この人はちょっと面白いキャラクターを持った女性だったので、男どもにも(ある意味で)なかなか人気があった存在だったのです。かくいう私も彼女のファンの一人で、それなりに仲良くもしてました。 で、このSさんの消息が、ちょっと前から仲間内で危ぶまれていたのです。というのも、私を含めて何人かの友達が彼女に手紙やら年賀状やらを書いていたのですが、2年ほど前から、誰にもまったく返事がこないのです。これが近場に住んでる人ならちょっと電話すれば済む事なのですが、Sさんの現在の住まいは静岡。大した用もないのに気軽に電話できるような距離じゃありません。 向こうからの連絡が途絶えてしまっているので、こちらとしては色々勝手な想像が膨らんじゃいます。引っ越ししたんじゃないか、結婚したんじゃないか、あるいはすでにこの世の人ではなくなっているのでは……等々、好き放題言ってました。とはいえ実際には、まず90%は、彼女の単なる筆無精に起因するものだろうとは思っていたのですが。 そんな感じなので、こちらとしても連絡取るのに二の足踏んでいたわけですが……今日になって思い切って電話してみることにしたのです。特にこれと言った理由があったわけじゃないんですけど、まあ年賀状の返事が来る時期もとうに過ぎたことだし、こっちから動かないとどうにもならないだろうと考えての行動、とでも言えるでしょうか。 さて、静岡のSさんの実家に電話してみると……彼女はあっけなく家にいました。独特のマイペースな口調で、こちらが拍子抜けしてしまうくらいいつも通りのSさんでした。 でも、久しぶりに声が聞けて、何だかとってもホッとしてしまいました。嬉しかったです。 手紙の返事がなかった理由について、彼女は一言「単なる筆無精」。……やはり、そのまんまでした。変わってないなー、そういうとこも。 彼女自身の話も楽しかったのですが、彼女の口からは、他にも色々な新情報を聞くことができました。どうやら大学の同級生メンバーは結婚ラッシュのようです。去年の末に、YさんやStさんといった人たちが相次いで結婚したとのこと。私もその二人とはよく遊んだりしてたので、ちょっとびっくりというか、複雑な気持ちになりました。 結婚してしまうとどうしても、以前のように気軽に遊ぼう、ということができなくなってしまうものです。まして前述の二人は、静岡から東京にSさんが出て来るに際して、「宿泊所」(笑)として頼りにしていたところだそうな。Sさんはますます東京へ遊びに来る足がかりを失くしてしまったというわけですな。むう。 Sさん自身は結婚願望は強いものの、何度かあったお見合い話を断ったりして、相変わらずマイペースでゆっくりお相手を探す態勢のようです。まあもっとも、口ではそう言ってましたが、実際にはもうリーチがかかってたりするのかも知れませんけどね。あれでいてなかなかしたたかだからな、Sさんも。(笑) うーん。そうだよなー……。私のかつての同級生たちも、今や27〜8歳。男はもちろん、女の子であればなおのこと、結婚していてまったくおかしくない年齢なのですが……実際に「結婚した」という話を聞くと、確実に時間は経っているのだという実感と同時に、なんだか自分が取り残されていくような奇妙な淋しさを、ひしひしと感じてしまいます。 とはいえ、私自身には今のところ、結婚願望はまっーたくないのですけどね。のんきなもんです、我ながら。 ところで、まったく話は変わりますが。 この間、「優しさ」というものの意味について考えさせられてしまう、ちょっとした出来事がありました。出来事自体は些細な事なのでここでは書きませんが……「優しさ」って、いったいどんなものなんでしょうか。そのことを思ってしまったのです。 人に対して優しくする、というのは誰しもがすることだと思いますが、その行為は、果たして完全に相手のためのものなんでしょうか。人を思いやる気持ちから自然と優しくする、というのももちろんあるでしょうが、その時、「人に優しくすると、自分が気持ちいい」という気持ちが働いていることもあるんじゃないでしょうか。そしてそういう気持ちが含まれた上での「優しい」行為は、「偽善」と呼ばれてしまうのでしょうか? 自分で自分の行為を振り返った時、そのことが自分の中で判然としない時が、私には多々あります。もしかしたら自分は偽善者なのかも知れない。でもあるいは、優しくすると気持ちがいい、ということを自覚しているだけでも十分なのかも知れない。でもそれを本当に「優しい」って言えるのか? こんな事を友人と延々と議論してました。もうすぐ27歳にもなろうという人間が今ごろこんな青臭いことで悩んでどうするんだ、という気もしますが……皆さんはどう思われますか。 |
99.01.31
| 結局、『優しさの意味』に答えを出せぬまま、全ては終わってしまいました。 同じ言葉をしゃべっているのに、気持ちは少しも通いあわなかったんですね。 覆水盆に返らず。以上。 我慢できず、久しぶりに一人カラオケなんか行っちゃいましたよ……。 あとDDRの『Little Bitch』を初めてクリアしましたが、もうどうでもいいです。はふ。 |
| 今日からとりあえず2週間ばかりの予定で、商品の配送センターで実地研修を受ける事になりました。 初日の今日は、とにかくセンターの人たちの仕事ぶりを見学するばかりに終始していました。 その中で何より目を見張らされたのは、フォークリフトを操縦する人たちの、見事という他ないような職人芸ぶりです。 もともとフォークリフトという機械自体がものすごく小回りが利く構造になってはいるというものの、それを操る人たちの技術がまたすごいのです。とにかく迅速かつ正確無比で、動きに無駄がありません。的確に最短距離で荷物を運び、指定された場所に寸分違わず、しかも一発で置いていきます。『手足のように扱う』とはまさにこの事だと、見ていて思ったほどです。 その様子に思わず見とれていたところ、センターのおじさんの一人が、 「動かしてみるかい?」と誘ってきました。 「え……いいんですか? でも、こういうの使うのって、何か特殊な免許が必要じゃないんですか」 「普通自動車の免許は持ってるんだろ? じゃあ大丈夫だよ」 「はぁ、そうなんですか……」 言われるがままに、私はおずおずとフォークリフトに乗ってみました。ここで使っているのはリフトの中でも最も小型のもので、大きなものは運べない代わりに非常に機動性が高いというタイプのようでした。 おじさんが簡単に操作の説明をしてくれました。まず、レバーを前に倒すと前進、後ろなら後退。それに加えて、360°回るハンドルがあり、それを回すと後輪の車軸そのものも同じように回転します。これによって、普通の車にはない機動性が生まれるわけです。 足元にはペダルがひとつだけ。踏むとアクセルになり、離すと自動的にブレーキがかかる仕組みになっています。 というわけでさっそくリフトを動かしてみたのですが……これが難しいのなんのって。乗用車とはまるで違う操縦感覚に戸惑いっぱなしでした。意外なほどスピードが出るのも恐怖でしたし、あと特に、『離すとブレーキがかかる』というペダルの感覚に、どうしても慣れる事が出来ませんでした。 狭い倉庫の中、私は何度も荷物の山に衝突しそうになり、5分もしないうちにギブアップです。おじさんは愉快そうに笑ってました。くそう〜。 しかし、自分が実際にその操縦の難しさを体感した事で、職人の人たちの凄さがなおいっそう感じられるようになりました。惚れ惚れしちゃいますよ、ほんと。 しばらく後、センター長と話していた時、リフトの話題が出ました。 「いやー、あのフォークリフトってのは凄いですねぇ。あんまり見事なんで、つい見とれちゃいますよ」 感心することしきりの私に、センター長はニコニコ顔で、 「そうかい。まあ、それが仕事だからねぇ」 「それにしても、フォークリフトって普通自動車免許で運転できるんですねー。知りませんでしたよ」 「ダメだよ」 「……え?」 「普免じゃ運転できないよ。リフトの資格がないと」 ……なんだってぇ?! ちょっと待てい! 私は危うくそう口に出してしまうところでした。 「いや、だってさっき、大丈夫だって言われて……」 「はは、そうかい。まあ、資格ったって、2日も講習受ければ取れちゃうようなものなんだけどね」 そうなのか……。いやいややっぱり、そーゆー問題じゃないぞ。く〜、騙されたっ! そんなこんなで、昼食の時間になりました。 私はあらかじめ仕出しの弁当を注文していました。食べてみると、味はそこそこでしたが、ボリュームがけっこうあり、何より安いのが嬉しかったです。 食べながら、ふと、壁に張ってあったうどん屋さんの出前のメニューが目にとまりました。 きつねうどん、たぬきうどん、カレーうどん、鍋焼きうどん……どの店にもあるような品名が並んでいます。そしてこのメニューは右から、値段の高い順に並べられているようです。ということはいちばん左の品がいちばん高いという事になります。見ると、800円。きつねうどんが500円というところから見ても、この店では高級品の部類に入るといえるでしょう。 が。その肝心の品名が何かと見てみたところ、そこには―― 『パンチうどん』 という、前代未聞のネーミングをされたうどんの名が掲げられていました。 パンチうどん〜?! なんなんだそれはっ、私は声に出して言ってしまいそうになりました。単にインパクトがあるだけでなく、名前だけではその内容の想像がまったくつかないという点で、一種異様な雰囲気をかもし出しています。メニューにも何ら説明はありません。当たり前のように他のものと同列に並べられているのです。 この『モノが想像つかないネーミング』で、私には思い出す事があります。 それは大学時代、居酒屋での飲み会でのことです。サワーのメニューの中に、やはりヘンテコな名のサワーが一つありました。それは『スパークサワー』です。 なんだ、そんなに変な名前じゃないじゃん、と思うかも知れません。ところが、おもしろ半分に注文してみたそのサワーの正体は……なんと『朝鮮人参サワー』だったのです。 しかもこれが、壮絶にマズイ! 本当に単純に朝鮮人参そのものが入れてあるので、土臭いような漢方薬臭いようななんとも言えない味が口中に広がって、とても二口と飲めたものではありません。それはもう、数年経った今でも語り草になっているほどです。 だいいち、なんで朝鮮人参がスパークなんだ、というのが何より奇妙なところです。初めから朝鮮人参サワーって書けばいいものを、なぜスパーク……。う〜む。 そんな経験もあり、私は『パンチうどん』には強烈な興味を惹かれずにはいられないのでした。よしっ、センターで研修している間、チャンスがあったら挑戦してみる事にしようっと。 さて。以下、会社とはまったく関係ない戯れ言です。 いろいろありましたが、結局、すべて終わりました。 「これ以上進む気はまったくない」 それだけでも理由としては十分。まして、 「ほんとはやりたくなかったんだけど、断れなかったから、やってただけ」 相手の真意を、こうまではっきりした言葉で聞いてしまった以上……終わるしか、ないでしょう。 最終的にはお互いの立場が逆転してましたね。不思議なことに。 「またね」と言った相手に対して、 「『また』は、ない」 と答えたのは、私でした。 |
99.02.10
| おじさんたちの会話って面白いです。 ・ 「今年はインフルエンザがむちゃくちゃ流行ってるみたいだけど…俺さぁ、一度もかかったことないんだよね」 「それ、流行遅れ、っていうんだよ」 ・ 「なぁ、『能力』のノウ、って、漢字でどう書くんだっけ……」 「えーと……、ほら、クマって漢字に似てる字だよ」 「そうか〜。クマなら書けるんだけどな〜」 ・ 「俺はもうすぐ六十になるけど、毎年スキー行ってるよ。まきひさ(仮名)くんが生まれる前からスキーやってるからなぁ。うん、スキーはいいよ……点数がないからねぇ」 ・ なんというか実にいい味があって、好き。 ……もしかして、私の感性がおじさんたちのそれに近付いてるって証拠なの、か……?! ところで今日実家に戻ったら、感心にも妹たちが私にプレゼントをよこしました。ちょっと早いけどバレンタイン、ということで、チョコレートです。おお、嬉しいぞ。 ……と素直に言いたいとこだが。これ、百円の板チョコじゃねーかよ。しかも妹二人で連名して、たったの一枚だけだとぉ〜? まったく、義理チョコもここに極まれりって感じですな。 でもパッケージにはご丁寧にも、太字のマジックで『LOVE 命』とか書いて下さってました。 泣けてくるのう。……いろんな意味で。 |
99.02.16
| 配送センターで研修中の私です。今日はトラックの運転手であるMさんの助手席に座って、得意先の倉庫などをいろいろと見学させてもらいました。 その道すがら、タバコをふかしながら運転していたMさんが、ふと運転席の灰皿を開けました。当然、中にはタバコの吸い殻があるものと思いきや……中には、5円玉10円玉といった小銭がぎっしり詰まっていたのです。これにはちょっと意表を突かれました。 Mさんが言うには、「禁煙してたころの名残り」だそうな。それにしても変わった灰皿の使いかたもあるものです。 ちなみにその禁煙がどれくらいの期間もったのかと聞くと、Mさんは 「……2週間」 と苦笑いしつつ答えました。 「いやね、禁煙始めたばかりの頃は、いい感じで続いてたんだよ。ところがさ、俺が禁煙してるって知らなかった友達が、旅行のオミヤゲにって、タバコを1カートン買ってきてくれちゃってさぁ……」 もう読めましたね。「で、『とりあえずこの1カートンだけ吸い終わったらまた禁煙する』って思っちゃったわけですね」 「そうなんだよ〜(笑)」 「ずえったい無理ですよ、そんなの(笑)」 ところで私自身はタバコを吸わないし、人の煙を吸わされるのも正直言って嫌いです。 でも、タバコを吸う人は吸う人でいろいろ面倒みたいですね。 私の部屋はもちろん禁煙なのですが、そこへタバコ吸いの友人が来ると、彼らとしてはやっぱりどうしても定期的に一服せずには居られなくなってくるようです。そのためにわざわざ、冷たい風の吹くベランダや、台所の換気扇の下なんかに行って、1本吸って帰ってきます。まるで栄養補給でもするかのようにです。人ん家にいる間くらい我慢できないのかな。 それにもまして以前から疑問なのが、このタバコというもの、どうも彼らにとっても、決して「うまい」ものではないらしい、ということなのです。 タバコ吸いの人に「そんなにタバコっておいしいの?」って訊くと、まず10人のうち8人までは、「うまくて吸ってるわけじゃない」って答えてきますね。限定された状況、例えば食事の後だとか、爽やかな高原の上でとかならばうまい、っていう人は多いのですが。 それでいて、タバコの銘柄の趣味は人によってほんとにバラバラなんですよね〜。「うまくない」って言ってるのに、ですよ。つまり半ば習慣的に惰性で吸ってるに過ぎないものなのに、なぜ銘柄にこだわるのかが、タバコ吸いではない私にはどうにも解せません。 見たところマイルドセブンのライトを吸っている人が比較的多いようではありますが、それとて全体の何割もいるとは思えません。友人や知人の吸うタバコをざっと思い返しても、ほとんど重複しない気がします。フィリップモリスあり、ピースあり、ラークあり、キャスターあり、珍しいところだとJPSとかデスとかを吸ってる友人もいました。果ては、マルボロライトのメンソールで、かつボックスじゃない方じゃないと嫌、とまでこだわってるやつさえもいます。ボックスタイプかそうでないかで、味が変わるとは思えないんですが……。 うーん、タバコだけはほんと、好きにならなくて良かったなぁ。一回好きになっちゃったら、タバコぢごくから抜け出すのは困難を極めるようですからねえ……。 |
99.02.18
| 仕事帰り、某牛丼チェーン店で焼肉定食など食べていた時のことです。 隣りに一見大学生ふうの男二人組が座っていて、何やら談笑しながら食事してました。一人は定食、もう一人はカレーを食べています。 やがてそのうちの片方が、定食を食べ終えるとやおら立ち上がり、ふたたび食券の販売機の方へ向かいました。 何か飲み物でも追加するのかな……などとぼんやり思っていたら、彼が注文したのはなんと、ビーフカレーライス。しかも大盛りでした。 定食をたいらげたあとにさらにカレーの大盛り! 私には想像もつかない食欲です。あの様子だとおそらく、今まで食べてた定食も当然ライス大盛りであったであろうことは、疑う余地がありません。 二人組の片われも呆れたように、カレーを食いつつ苦笑いし「おまえ、よく食うなー」などと評していました。いやまったく同感です。私にゃとても真似できません。 と、横目で見つつ思っていたら…… さらに驚くべきことが起こりました。 そのもう一人のほうも、今まで食べていたカレーを片付けるやいなや、すかさず追加注文したのです……牛丼(並)と野菜サラダを。人のこと「よく食うな」とか言ってる場合じゃないだろ、あんた! いや、単に大食いなだけの人なら珍しくもないかも知れません。これが例えば、その二人が見るからに巨漢で、いかにも大食いしそう〜、胃袋のキャパありそう〜、って雰囲気だったら、まだ納得も出来ようというもの。 だけど、全然そんな事なかったんですよ。二人ともむしろどっちかというとひょろりとした体形で、いったいその体のどこにそれだけの食料が詰め込めるんだ、というような感じだったんです。だからこそ私もびっくりしてしまったわけです。 私はその二人のその後の動向も大いに気になったのですが、あいにく自分が定食を食べ終えてしまったので、店を出ざるをえなくなってしまいました。もしかしたらあの後も、さらに追加注文してたりしたかも知れませんね〜。最後まで見届けたかったなぁ。 |
99.02.19
| 今日で配送センターでの研修は終わりです。そのお祝いというか送別会というか、とにかくそんなような理由で、センターでパーティーを催していただけることになりました。ありがたいことでございます。 運転手のおじさんたちのうちの一人が異様に張り切って、10人以上もの分のオデンやオードブル、焼き豚なんかを手作りで用意してくれました。おでん制作には私もちょっと参加したんですよ。で、どれもこれもおいしくて、ビールが進むことこの上なかったです。おいしいもの食べてお酒飲んでる時がいちばん幸せ。 センターは完全な男所帯の上に平均年齢も50才以上という、少しばかりむさくるしい状況ではありましたが、それはそれで気楽な感じに楽しく飲めて良かったです。ほんと、センターの人はみんな優しくていい人ばかりだったなぁ。名残り惜しや。 さて、来週から本社に戻って営業部に配属される運びとなったわけですが、センターを離れる前に、私にはどうしても謎を解いておきたいことが一つ残っていました。 それは、『パンチうどん』の正体です。(皆さんお忘れでしょうから、2月9日の日記をご覧くださいませ) ネーミングも謎なら、値段もうどんメニューの中でもっとも高い800円という、いったいヤツは何物なのか? それを確かめるには、そのうどん屋さんに直接聞いてみるにしくはありません。私はこの際、思いきって電話してみることにしました。 (トルルルル....ガチャ). 「はぁい、○○屋です(←ちゃきちゃきしたおばさんの声)」 「あ、○○屋さんですか? あのー、お忙しいところ恐縮なのですが、ちょっとお聞きしたいことがありまして……」 「はぁ?」 「えーと、そちらのメニューの中に、『パンチうどん』っていうのがありますよね。これって……どんなモノなんでしょうか?」 「ああ、これはね……」おばさんは苦もなく(当然ですが)答えます。「モツが入ってんのよ」 「モツ? ……ああ、じゃあ、モツ煮込みうどん、みたいなもんなんですかね」 「そうだね」 なるほどなるほど。それは確かにうまそうです。 ……しかし、肝心な、根本的な疑問についてはまだ不明のままです。すなわち、それがなんで『パンチうどん』という名前になるのか? モツでスタミナ付けて、パンチ力を増す、というような発想なんでしょうか。私はそんなふうに想像してみたりしましたが、どうもいまいちピンと来ません。 ええい、仕方ない、ここまで来たら徹底的に訊いてしまえ。 「なんでパンチかって? う〜ん……」 さすがのおばさんも今度は即答が難しいようです。 「肉の業者の人が、モツのことをパンチって言ってたような気がしたけど……なんでパンチかって言われるとねぇ、わからないねぇ」 「そうですかぁ〜……」失望を隠せない私でしたが、わからないと言っている以上、これ以上追求してもどうしようもありませんし、先方にも迷惑です。 「わかりました〜。すみません、変なことお聞きして。今度ぜひそちらに食べに行かせていただきま――」 (ブチ。ツー、ツー、ツー……) 私が言い切らないうちに、この忙しいのにくだらないこと聞いてくんなとばかりに、電話は向こうから切られてしまいました。まあ、無理もありませんな。ゴメンナサイでした、○○屋さん。正直言って、食べに行く機会もまず、ないです。 しっかし依然として気になるのう、パンチ。 そこでこの日記を読んで下さっている皆さんからも情報を募りたいと思います。パンチとは何か、ということはもちろん、私の近所のうどん屋さんでも同様のうどんがあった! とか、もっと謎な名前の食べ物がある! というような情報がありましたら、掲示板のほうにでも書いていただけると嬉しいです。よろしく〜。 ……なんかまったく主旨不明の日記になってきましたね。 |
99.02.21
| こないだ大学時代のメンバーで飲んでいた時ふと、どいつもこいつももう30に手が届く歳になっているという事に気付いて、愕然としました。ノリは学生ん時とちっとも変わってないのに、でも確実に時間は経ってるんだなあ……。願わくは、今まで無為に時間だけを浪費していたわけではない事を。 というわけで27回目の誕生日も近まった私は今日、車の免許の更新に行ってきました。 優良ドライバーの認定をいただいている私は、手続きもほとんど書類だけで終わり、講習を受ける必要もなく、ラクラクでした。何の問題もなく、1時間もしないうちに新しい免許証を取得。これで明日からの仕事にも万全の態勢で挑めるというものです。 ただ、その手続きの過程の中で、ここの試験場はちょっと妙なモノを用意してありました。 正確な名称は忘れましたが、『危険感知シミュレーター』とかなんとか、そんなような名前を付けられた機械がそれです。見た目はゲーセンにあるレースゲームの筐体とそっくり。 これはやりたい人だけやればよく、更新の審査にも何ら関係しません。いわば余興のようなモノなのですが、所要時間も6分程度と短く、ゲーマー心も大いにくすぐってくれるものだったので、私はさっそく挑戦してみることにしました。 ところがこれがですね……実はワナ満載の、とんでもない代物だったのですよ。 まずシートに座って、画面の指示に従ってスタートボタンを押します。 「シートの位置を合わせて下さい」 アナウンスが聞こえました。言われるがまま、それぞれのペダルがちゃんと踏めるようにシートをスライドさせます。おっ、クラッチも付いてるではありませんか。本格的〜。 クラッチを何度か踏み、よしよし、半クラの感覚も忘れてないぞ、万事オッケー。さあ来いや! ……と思いきや、これがいきなり第一のワナ。この時になってアナウンスがこう告げたのです。 「この車はAT仕様になっております」 ガク。そーゆーことは先に言え! だいたいそれなら、クラッチなんか付けとく必要ないじゃんか。まったくもう。 しかしこの段階ではまだ余裕のあった私は、まあ、なかなかお茶目なマシンだな、程度に思ってました。 さてアナウンスは、テスト本題のガイダンスへと入っていきます。細かな注意事項が説明された後、いよいよ『場面1』の設問へ。 まずアナウンスが入ります。 「アクセルを踏みこんで、60kmで走行して下さい」 ほいほい……と思いつつ、ペダルを踏んでゆきます。画面には実際の走行さながらに、実写の映像が映し出され、なかなかの臨場感です。そろそろ60kmぐらいかな……とメーターを見た瞬間、 「ドン!」 という音とともに、画面上の私の車のボンネットの上で、見知らぬおじさんが転げまわっています。 私は人を跳ねてしまったわけです……。 しかしですねえ……『60km出せ』っていう指令が出されていたんだから、画面よりもまずスピードメーターに気がいくのが人情というものではありませんか? そのスキを狙ったように人を飛び出させるなんて、意地が悪いとしか思えません。何より、いくらシミュレーターとはいえ、人を跳ねた感覚の後味の悪さといったらたまりませんよ。正にワナと呼ぶにふさわしい設問といえますな。 次以降の問題はここまでひどくはありませんでしたが、やはりどれも判断が難しく、『失敗』してしまった事に納得がいかないようなものばかり。こんなんで危険感知のセンスとやらを判断されたらたまりません。 数問を経たのち、最後の問題。これがまたひどかったです。 「アクセルを踏みこんで、60kmで走行して下さい」 またかよ……と、いいかげんウンザリしつつ、アクセルを踏む足に力を込めます。 今回は最初の問題と違って、前後左右に車が併走しているような、ちょっと道が混雑した状況です。 スピードを上げていくと、前を走るライトバンとの車間距離が徐々に詰まってきました。しかし、まだこちらの走行速度は60kmに達していません。といってこれ以上アクセルを踏んでいると追突してしまいそうな勢いです。私はやむをえずアクセルから足を離しました。 にもかかわらず、私の車は減速する気配がありません。何だ? と思っているうちにも、車間距離はさらに詰まってきます。焦った私は思わずブレーキを踏み込みましたが、なんと、それでも止まらない! もはや追突寸前です。私はとっさにハンドルを切り、隣りの車線へと避け、なんとか衝突だけは免れることに成功した……ように思えました。 しかし、シミュレーターの診断は、こうだったのです。 「進路変更の際、ウインカーを出さなかった。危険です」 あのなあ……言うに事欠いて、ウインカーかい! そんな事言ってる場合じゃなかったろーが、おい! もともと、あの混雑した状況で60km出せっていう指示を出すこと自体がまずオカシイのです。その上で、スピード調節もままならない状況で、いざ危険って時に『ウインカー出せるかどうか』を診断してるなんて、ちょっとひどすぎるぞぉ。なんかほんと、『問題のための問題』という感じがしてなりませんでしたね〜。 シミュレーターから降りた私が思わず小声で「キタネェ〜」とつぶやいてしまったのも、無理からぬ事といえるでしょう……。皆さんも免許更新の際には、このワナ満載のシミュレーターにくれぐれもご注意ですぞ。 |
99.02.22
| 仕事がハードな事で知られる印刷業界。今日はその中でも大手といわれる『T印刷』の営業マンのかたに、直にお話を伺う事ができました。他業界の話でも、いろいろと参考になるものです。 その人はまだ33歳という事で見た目も若々しく、明るい雰囲気の楽しい人でしたが、彼の口から聞かされた業界の真実は、それはそれは凄まじいものだったのです。 「まずね、」 その人は軽い調子で話しはじめました。 「違う部署にいる知り合い同士が、会社の廊下とかでばったり会ったりするでしょ。その時の挨拶がさぁ、 『あ、お前、生きてたの? まだ死んでなかったのか?』 ――なんだよね」 「はぁ……」 この時点ではまだ私は、ちょっと大袈裟に言ってるだけの冗談だと思っていたので、曖昧なあいそ笑いで応じていました。 ところが、その人の話はまだ続いたのです。 「でも最近は、人が死ななくなったよね、昔に比べたら」 「……え?」 「一時期は年に何人も死んでたからね〜。90年前後あたりがピークだったなぁ。うん、毎年3人ずつくらい死んでた」 「ちょ、ちょっと待って下さい」あわててさえぎる私。「それ、ほんとの意味で『死んだ』って事ですか?!」 「そだよ。過労死とか、自殺とかでね。――僕の知りあいも、3階の踊り場で首吊り自殺しちゃったし。で、その時のロープを切ったナイフが、今でも仕事場に飾ってあるよ」 そんな事を、あくまで軽い口調のまま、笑いまじりに話してくれるのです。それがかえって、事態の寒々しさを強調する事になっていました。要はそれだけ、まさに殺人的なほどの忙しさのために、ノイローゼになる人が続出したということなのです。 その忙しさというのがどれくらいのものかというと―― 「そうだね……会社に泊まり込みで1日中働いて、1週間、家に帰らなかったりって事がザラにあったね。しかもさ、いざ家に帰るのも、朝の5時――そう、始発の電車で帰るんだよ。家に着いたら1,2時間寝て、9時半にはまた出社。その繰り返しが続くわけ」 私はただもう唖然としてしまうばかりで、言葉がありません。想像の域を遥かに越えていました。 「……そ、そんなんで、体がもつんですか…?!」 「だから、もたないやつは死んじゃうわけさ」 「そんなの……労働省の査察が入るんじゃありませんか。労働基準法違反とかで」 「入らないよ。勝手に働いて、勝手に死んでるんだもん」 「死にたくないなら、死ぬ前に仕事を辞めろって事ですか……」 「そ。それを選ぶのは自分だからね」 「……」 でも僕は死なずにこうして頑張ってやってるよ、あはは……、などと、その人は終始陽気な口調を崩しませんでした。 この話は、私の上司も一緒に聞いていました。 T印刷の人と別れ、上司と2人で車に乗って会社へ帰る途中、私は暗然たる気持ちで、さっきの話の感想を述べました。 「あれだけ辛い労働条件でもやってられるって事は……やっぱり、それなりの見返り(要はお給料)があるって事なんでしょうかねぇ……」 「いや、ないよ」上司はあっさり答えてきました。「例えば彼らがおれたちの2倍も3倍も働いてるからといって、給料も2倍3倍になったりはしてないよ。実際にはむしろ、仕事量に見合っただけの給料さえ払われちゃいないくらいだね」 「じゃあ、単純にその仕事が好きだから、とか」 「それもない。今日の彼だって、いつも辞めたがってるからな」 「それじゃあいったいどうして、あんな仕事を我慢してやってられるんですか」 納得がいかないあまり、私は詰問するような口調になっていました。 「……まあ、仕事に対する思い入れとかもあるんだろうけど」上司が言います。「結局は『責任感』じゃないかな。自分がこの仕事をやらなかったら、他の人に大きな迷惑がかかるから、って」 確かにそれは言えるでしょう。 でもそれは結局、仕事っていう列車に乗せられて、途中下車しようにも出来ずに、ズルズル引きずられっぱなしでいる、ただそれだけのことにしか私には思えないのです。 「責任感をもって仕事をするのは立派な事だと思いますよ。いくら働こうがそれは個人の自由ですし。でも、それで自分が死んじゃったらどうしようもないじゃないですか」 「そのあたりの気持ちは、たぶん……実際にその職場を体験してみないとわからないんだろうね。誇りとかプライドとか、なにか理屈じゃないものが、彼らを動かしてるんだと思うよ」 仕事をするために生きるか、生きるために仕事をするか。 その選択は人それぞれであって然るべきだと思いますが、その仕事が自分にとって生きる意味そのもの、というのでもない限り、私は「生きるために(つまりは収入を得るために)仕事をする」方を選んでしまう事でしょう……。 少なくとも、やりたくもない仕事に文字通り『忙殺』されてしまう、なんてことだけは、絶対に避けたいものです。まる。 |
99.02.24
| このごろ体力が落ち気味なので、栄養満点のものをたらふく食べてパワー回復を図りたいです。でも、出っ張ったおなかをしぼませるため、ダイエットもしたいのです。これを両立させる方法をご存じのかた、けちけちせずに一刻も早く私に教えなさい。 そんなたわけた事を思っている矢先、今日はお昼どきから、1,500円もする中華のランチを食べてしまいました。取引先の人にごちそうになってしまったのです。 しかも先方が払ってくださったのは、私の上司も含めて4人分ですよ。太っ腹〜。あーゆーのが『交際費』として経費で落とせちゃう会社って、やっぱり存在するんだなあ……。むう〜、ウラヤマシイ。 でもその会社、残業が夜の11時とかザラらしいけどね。 ところで、会社の同僚であるY氏が、実は昔、かなりのゲーマーだったという事が判明しました。 その腕前は相当なもので、当時は彼のプレイ見たさにギャラリーが大勢集まったそうな。その例として、グラディウス3周、沙羅曼蛇4周、ダライアス全ゾーンクリア、ドルアーガ1コインクリア、などなど……。わかる人には、これらの記録がどれだけ凄い事かわかることでしょう。もちろん私もたまげました。そして一気に、彼に対する親しみ度が高まったのでした。いいぞ、Y氏! そんな彼も、ストIIブーム後のゲーセンが格闘ゲーム一色に染まってしまって以来、ゲームからは遠ざかってしまったらしいです。 まあ、その気持ちもわかりますね。私だって格闘ゲームにはすっかり食傷してるもん。思えば、ダライアスとかが流行ってた頃って、もしかしたらゲーセンが一番面白かった頃かも知れないな。 |
99.03.08
| だんご三兄弟とかいうのが大ブレイクしているそうです。でも私は未だにこの曲を通して全部聴いたことがありません。興味もないし。 そのだんごブームについて先輩と話していた時のこと。 「ああいう系のヒット曲といえば……そういえばちょっと前に、『ピーヒャラピーヒャラ、パッパパラパ〜』とかいう曲もけっこうヒットしましたよねぇ」 「うん」 「……あれ? 待ってくださいよ……」 ふと言葉を失う私。 「あの曲のタイトル、なんていうんでしたっけ……?」 その後しばらく先輩と私は無言のまま、必死に記憶の糸をたぐり寄せました。 で結局、先輩に先に思い出されてしまって、すげー悔しかったです。む〜、無念〜。 皆さんはすぐにこの曲のタイトル出てきます〜? え、出る? ……もしかして、思い出せないほうがおかしいのかなあ……私、自信なくなってきちゃいました……。 |
99.03.11
| 営業の仕事はいろいろと苦労の多いものですが、いわばその大モトとなる、商品生産の現場のお仕事も、やはり別のカタチでかなりの苦労が要されているようです。今日もそこら辺の現状として、現場の人から直に生々しいお話を聞かされてしまいました。聞いてるだけで痛くなってくるような話です。 うちの会社の製品はその生産段階において、裁断機を使用します。言ってみれば、でかいカッターですな。これは職人的なワザが必要とされる危険な作業となるのですが、ここで不幸にも、不慮の事故が起こってしまうことがあるわけです。つまり……職人さんが、その自らの手や指を巻き込んで切り落としてしまう、という悲惨な事故が。 この、私にとっては想像するだにおっそろしい物騒な話を、しかし当の職人さんたちは、しれっ、とした顔で話してのけるのです。 「いやぁ、職人にとっちゃァ、指の1本や2本切り落として1人前、みたいな世界だからねェ。俺の知り合いにもいるぜ。片方の手の指なんかもうほとんどなくなってて、まるで――」 と、ここで、表現としてヤバすぎるのでとても書くことができないような、でも非常にイメージの浮かびやすい比喩表現を使い、 「――みたいになってやがるからなァ。そんなもんだよ、俺たちの仕事は」 私は肌が泡立つのを止められませんでした。身震いしちゃいましたよ。頭の中はもうそのイメージでいっぱいになってしまい、私は青ざめながら現場をあとにしたのでした……。 しかし、そういう職人さんたちの苦労があってこそ、私のような営業の仕事も成り立ってるわけです。その思いだけは忘れないようにしないといけませんね。 |
99.03.29
| どんなに手を伸ばしても、手の届かないものがある。 どんなに求めても手に入れられないものなら、初めから欲しがるべきじゃない。 なのに、どうしてそういうものばかり求めてしまうんだろう。 けして手が届かないと気付いた時に傷つき苦しむのは分かり切ってるのに、どうして同じ事ばかり繰り返してしまうんだろう。 バカだ、俺…… |
99.03.30
| 実はこの日は結局、会社を休んでしまったのでした。 朝から体調が最悪で、トイレとふとんの間を何往復もして、胃も腸もすっかり空っぽになってしまいましたよ。何か変なものでも食べたかな。 昨日の日記がやけに暗いのは、たぶん体調が悪かったせいなんでしょうね。そういうときに日記なんて書くもんじゃないですなぁ。なんだか恥ずかしいので削除しようかとも思ったのですが、自戒の意味も込めて、そのまま残しておくことにします。 |
99.04.07
| やたら墓穴掘り発言をすることで、職場の先輩たちのいいオモチャにされている、私の同僚のYくん。その発言の一つ一つに妙な味があって、ついツッコミ入れたくなってしまうキャラクターしてるんです。しかも冗談半分のツッコミに対して、実にいい感じのリアクションを返してくれるので、毎日のようにツッコミの標的にされてます。 そんな彼は野球ファンなのですが、これがまた、ごひいきのチームが、セ・リーグでは阪神、パ・リーグではロッテだったりするんですよ。どちらも昔っから、慢性的に勝ち星から見放されてるチーム。そりゃいいツッコミのネタにされるのも仕方ないことと言えましょう。 何しろ「ロッテファン」と公言したYくんに対する、先輩の反応がいきなりこうです。 「ロッテなんてチーム、ねえよ!」 「な、なんてこと言うんですか〜! ロッテは、去年のチーム防御率はリーグトップだったんですよ!」 「じゃあ、そんなチームがなんで勝てないんだよ」 「それを言われるとつらいですけど……でも、チーム打率だってリーグトップだったんですからね!」 「だからー、そんなチームなら優勝出来なきゃおかしいだろっての!」 後で確認したところによると、Yくんの言ってたことは全てホントのことのようです。しかし、だとすると確かに、どうして勝てなかったんだろう。私にも不思議に思えました。 その疑問に対するYくんの言い訳はこうでした。 「いやー、去年の場合、あの怒濤の二十連敗さえなければ、勝率五割いってたはずなんですよね〜……」 「――それでも五割しかいかねぇんじゃねえかっ!(笑)」 うむ、先輩のツッコミは実に的を射てますな。こんな感じでまたもYくんは墓穴を深めてしまうのでした。彼はいつもこんな感じです。何というか、ほんといいキャラクターよのう。 そんなロッテが、今日の試合ではダイエー相手に、なんと22点を奪う猛攻で大勝です。本来ならこれでYくんも大いに溜飲を下げるべきところ、ですよね。 でも、今日の野球の話題は何といっても、西武・松坂の、その恐るべきバケモノぶりで持ちきりです。最高球速155km、投球数が100球を超えてもなお150kmを出してしまうその剛腕は、彼が単に『ルーキーとしてスゴイ』どころか、『プロ野球界全体でも最強クラスピッチャー』だということを、まざまざとアピールしてくれたのでした。私も試合のラジオ中継を興奮して聞いてましたよ。 そのあまりにまばゆい輝きの前では、ロッテのせっかくの記録的な大勝さえかすんで見えてしまうのも、無理からぬことです……。不遇なり、ロッテファン。不遇なり、Yくん……。 |
99.04.14
| しばらく連絡の途絶えていた友人から、久しぶりに電話がかかってきました。 お互いの近況などを伝えあい、その後は四方山(よもやま)話に花が咲きました。風邪気味ということで声の調子にはちょっと元気がなかったけど、友人本来のノリはそのままだったので一安心です。 そんな中、一番盛り上がったのはやはり恋愛談義でした。私自身、ちょっと前にいろいろあって、その辺の経緯なんかを話してみたりしたわけです。 そうしたら奴、こう一喝してきやがりました。 「前から変わらないね。あんたの恋は『受け身』ばっかり」 一刀両断です。さすがに心外に思った私は抗弁を試みました。 「受け身、って事はないだろう。だって、俺のほうから思い切って行動起こしたんだぜ」 「でもさ、その状況だとあんた、無理な恋だとわかってて、完全に『フラレる事を前提に』行動してるじゃん。要は、自分の中であきらめの踏ん切りがつかないから、それを相手に委ねちゃってるわけでしょ。そういうとこが受け身だって言ってるわけ」 ……そう言われてしまえば、その通りです。ぐうの音も出ません。 「……確かに、そうだよ。でも俺は俺なりに頑張ったし、辛い思いもしたんだ。おまえから見れば、俺がしたことなんて、『受け身』で、大したことない、子供っぽい悩みに思えるのかもしれないけど――」 「そんなことは言ってない」奴の口調が険しくなりました。「似たようなことは自分だって経験したことがあるし。だから、大したことない、なんて思わない」 「……」 「ここでテキトウな慰めとかを言うのは簡単だよ。どうでもいい知り合いに対してなら、そんなことも言うよ。でも、あんたに対しては、そんなことは言いたくないんだ。もっと頑張って欲しいと思うから、あえて厳しく言ってるんだよ」 こいつはいつもそうです。いつもこんな感じで、こいつには諭されてしまうのです。その度に、自分と奴との視点の高さの差を感じます。そして、そんな奴に反感を抱きつつも、感謝もしている自分がいるのです。 ふいに奴はふだんの軽い口調に戻って、 「まあ、いいコは他にもいっぱいいるからね。またいい恋を見つけるんだね」 「ん……そうするよ。でも、正直言って……俺、自分の中に、未だに価値を見出せずにいるんだよね……」 「そんな奴は、死んじゃえばいいのさ」 ショッキングなことをさらりと言った直後、奴はさらに言いました。 「同じようなこと思ったとき、自分なんか、飛び降り自殺しようとしたもん」 「……え?」耳を疑って、私は訊き直しました。「……それ、いつの話……?」 「ついこないだだよ」ケロリとして言います。「環八の陸橋から、道路に身投げ図ったんだ」 「なんだってぇ?!」 「でもそれは結局、未遂で終わったんだけどね。その時はほんと、精神的にどうにもならなくなって……ま、今となってはバカな事したなーって、笑い話だけどさ」 冗談じゃない、何が笑い話だ。死ななかったのはまだ少し気持ちに迷いがあったおかげであって、本来ならこうして会話をすることすら、永遠に出来なくなるところだったんじゃないか。 「俺……おまえはそんな事しない奴だと思ってた」 自然、私の口調は怒りと呆れの入り混じったものになります。 「軽蔑するよ。自殺だなんて」 「なんで、自分の命を自分で捨てちゃいけないの?」奴はあくまで平然と切り返してきます。それとも平然を装っているだけなのか……。「いいじゃん、自分の命なんだから」 「極論を言うな。そんなのは、単なる逃げだよ。俺は、人間として生まれてきたからには、どうにか生きていくのが義務だと思ってる。みんなそうだよ。だからみんな、苦しみながらも一所懸命生きていこうと頑張ってるんじゃないか。それを自分の意志や都合だけで、勝手に死ぬなんて、卑怯な逃げでしかない」 その言葉をどれくらい本気で言っていたのか、正直なところ、自分でもよく判りません。『何で死んじゃいけないの?』――この問いに対する論理的な答えを、今の私は持っていないのです。でも、自殺というものに対する単純な嫌悪感が、私の口をひとりでに動かしていました。 「自分一人の命なんて思わないでくれ。おまえが死んだら辛い思いをする人間がいくらでもいるはずだろ。俺だってその内の一人だよ。だから……自殺なんて、しちゃダメだ、絶対」 「……大丈夫。もう、しないよ。自分がバカだったって、すぐに気付いたから」 「自殺しようとしたのに死ねなかったって事は……神様が、『まだ死ぬな』って言ってるって事だよ、きっと」 「うん。そうだね……」 まったく、冗談じゃない。ただでさえヘコみ気味なこのごろの私だというのに、そこへ持ってきて、『あいつが自殺して死んだ』なんて聞かされたら……私は本気で立ち直れなくなるところだったろう。 皆さんも、自殺するときは、事前に必ず連絡をよこすように。力ずくでも止めに行くので。 |
99.04.25
| 冬物の服を整理してもらうため実家に帰って、あとはそのままのんびりしてました。やっぱり、たまに帰る実家は落ち着くのう。 妹一号機は相変わらずイカレてました。「弾ませるぞ」とか言いながら、人の頭をドリブルしてきやがるし。 他には下北沢で髪切ったり、いろいろ雑用してたら、あれよの間に日曜は終わりです。明日からはまたお仕事か……。まあ、連休も近いし、がんばろ。 |
99.05.12
| 某お弁当チェーン店で、謎なキャンペーンを見つけました。 対象となっているのは一見、普通のハンバーグ弁当。しかしこれに期間限定ながら、価格は据え置きで、エビフライが1匹おまけで付いてくる、というキャンペーン中なんですね。このキャンペーン自体は、私のような貧乏社会人にとっては実にありがたい事で、どんどんやって欲しいと思います。 しかし謎というのは、このキャンペーンに付けられたキャッチコピーなのです。それは、 『おいしさに、うまさをプラス!』 ……。わかります? これ。 いや、言わんとしてるニュアンス的なことは、おぼろげながらわからなくもないですよ、ええ。 しかしそれにしても、その日本語はどうなのか。『おいしさ』と『うまさ』というのは、そんなに意味合いが違う言葉なのでしょうか? この文脈で行くと、ハンバーグは『おいしい』で、エビフライは『うまい』ということになりますよね。しかし、そんな使い分けをしている事例に、私は今まで出くわしたことがありません。 このお弁当店では、そこら辺、何か特殊なコダワリがあるようです……。 でも、ひどいコピーと言えば、こないだまであったモスのコピーもひどかったぞ。 えび竜田ライスバーガーの宣伝文句なのですが、これがあなた、言うに事欠いて、 『エビっと、新発売。』 と来たもんです。エビっと! エビを形容するのにこれ以上の感嘆詞があるでしょうか。というか、よそでは一度も聞いたことありません、そんな擬音。やる気があるんだかないんだか、えらく謎なコピーでありました。 でもインパクトだけは確かにあるので、その意味では成功しているのかもね。 うー、それにしても〜、ねぇ。もうちょい、ヒネらんかい! |
99.05.13
| うちの会社に、モノマネが得意な先輩がいます。 モノマネといっても、この先輩がするのは芸能人の真似とかではなく、ごく内輪な人物――例えば社長とか営業部長とか、そういった人たちのモノマネです。 しかしこれが、実に見事なほどに似てるんですな。今日たまたま、この先輩と二人きりで営業に回ることになったのですが、そのあいだ営業車の中で聞かされ続けた『芸』に、私は終始腹を抱えて笑い転げてましたよ。 まず、相手の口調のクセをうまく捉えて、それを笑える方向に誇張して真似るのがものすごくうまい。そして、単に口調だけでなく、しゃべる内容も「あー、この人ならこんなこと言いそうだな〜」と思わせる説得力があるのです。これはどちらも、卓抜した人間観察眼のなせるワザと言えるでしょう。 この先輩はもともと関西出身で、普段のしゃべりも関西弁です。だから余計に芸人色が強まって、笑わされてしまうという部分もありますね。 「先輩、昔からこういうモノマネとかうまかったんですか?」 「ああ、そやな、学生の時分はよく先生の真似とかしとったなぁ」 「やっぱり〜。人気者だったでしょ、先輩」 「そやなー。ま、みんなが笑ろてくれるのはええんやけど、リクエストされると断れんから、気が進まん時でもやらなあかんかったのがちょっとしんどかったけどな〜」 頼まれると断れないなんて、まさに『芸人』の鏡じゃないですか、先輩〜。(笑) |
99.05.26
| 社内業務の合間にふと訪れるヒマな時間帯、にわかに職場内に妙なものが流行りだすことがあります。社員同士が発するヒマ波長がシンクロしてしまった時、この現象は起こるようですな。 そんなわけで今日ブームになったのは……漢字クイズ、です。この脈絡のなさ、すばらしいですね。ヒマパワー爆発といったところです。 まあ深くは追求しない事にして、その内容を説明します。 例えば、『足袋』って書いて『たび』と読むように、ちょっと特殊な読み方をする単語ってありますよね、使われている漢字そのものは簡単でも。これと同類の単語をお互いに問題として出しあい、ちゃんと読めるかどうか挑戦しあう、というものだったのでした。 いろいろあって、さて、私が出題という順番になりました。私が出したのは―― 『束子』 です。皆さんはこれ、読めるでしょうか? 意外に読めない人が多いんじゃないかと思います。かくいう私も、割と最近までその一人でしたし。 職場のみんなも私の思惑どおり苦戦してくれました。いろんな答えは出ますが、正解はなかなか出てきません。 してやったり、と私がほくそ笑んでいたその時。業務のMちゃんが、首を傾げつつ、こう答えました。 「……“輪ゴム”?」 Mちゃん、キミは期待を裏切らない人だ……。“ゴム”ならまだしも、なんで“輪ゴム”なんだよ〜。大笑いの私にMちゃんは、 「だって、“束ねるもの”だから、と思って〜」 なぁるほど、そーゆー発想だったわけね。考え方自体は納得できました。でも輪ゴムはないよ、さすがに。「輪」がすでに漢字だし(そういうレベルの問題じゃないけど)。残念、100万円獲得ならず! ところで、皆さんはMちゃんのこと笑えるのかな? 正解はあえて伏せておきますね。ふふ。 |
99.05.28
| 同僚のY氏は、仕事中のテンションがやたら高いことで社内でも有名です。声も大きいし、とにかくいつも何かしていて、じっとしているということがありません。 そんな彼が、今日は親戚の法事ということでお休みだったのでした。 そしたらまあ、職場の静かなこと静かなこと。火が消えたようとはまさにこの事、と言いたくなるほどでした。いや実際は、本来の職場の静かさレベルに戻っただけのことなんでしょうが、その雰囲気の変わりようは、彼というキャラクターの持つ影響力の大きさというものを、はっきりと実感させてくれるものでしたね。 「あー、アイツがいないとほんとに静かだなー。仕事もやりやすいぜ」 先輩が冗談交じりにそんなことまで言い出します。でも私はいちおう同僚のよしみというものもあるので、フォローのつもりで、 「それだけ彼の存在感があるって事じゃないですかー?」 とか言ってみました。 そしたらその瞬間、 「存在感というより、『ウザい感』よ」 即座に切り返してきたのは、業務のMちゃんでした。 Y氏といつもバトルを繰り広げている天敵娘(笑)、Mちゃんの、その見事な切り返しに、私は机に突っ伏して、必死で笑いをこらえる羽目になってしまいましたよ。 まったくうまい……いやいや、ひどいこと言うなあ、Mちゃんてば。……ぷぷ。 |
99.06.09
| 世の中には、風変わりなお名前の人が実にたくさんいるもんなんですねぇ。今日は改めてそんなことを感じましたよ。 顧客の名簿を整理するという仕事をしていたのです、デスクに半日座ったまま。ともすれば単調になりがちなこんな作業も、次々に現れる変名さんたちのおかげで、退屈せずにすんだのでした。ありがたいのう。(←何に礼を言っているのか?) そんな中でも、個人的にインパクトが強かったのがこのお名前。 『四四男』さん、です。 どう読むかお分かりでしょうか。もっとも、特に当て字というわけではないので、読むだけならそう難しくないかも知れません。 正解はこちら。『四四男』さんと書いて――『よしお』さん、と読むそうな。珍しいですよねぇ。 しかし、私がほんとに言いたいのはこの先です。 いったい、どういう由来でもってこんな命名をしようと、親御さんは決めたのでしょう? 私にはそれがまったく理解できんのですよ。 ん〜、四人兄弟の四男だった? 四月四日生まれだった? ……ろくな想像が浮かびません。しかし、いずれにせよ、元来『四』という数字自体が日本では縁起の悪い数字とされているわけですし、ましてそれをダブルで使うなんて、ちょっと常人には思いつかないセンスだと思いますね。何か合理的な解釈を思いついた人、ぜひ教えて下さいな。 きっと誕生日のたびごとに、みんなから何かしら言われるんだろうなあ。そしてやがてこの人が44歳になった時なんて、どんな騒ぎになる事やら。そんなことを考えて、失礼だとは思いながら、ちょっと笑っちゃったりしてたのでした。 |