Text - Diary - Past - October,2002
| 02.10.02 | ・ | 流行りの音楽 |
| 私の部屋にある電話の保留音が 『大きな古時計』 であることに今日、気付いてしまった……。 なんだか、いかにも流行を追ってますって感じで恥ずかしいではないか。保留してる間の気まずさといったらなかった。 でもだからと言ってこの電話、保留音は変えられない仕組みになっているのでどうしようもない。そもそもこの曲の流行ぶり自体が私にはいまいち解せない。とりあえず今の風潮なら、平井堅に懐かしの曲を歌わせておけば何でもそこそこ売れるんじゃなかろうか。次は『チコタン』でも歌わせてみたらどうか。 |
| 02.10.04 | ・ | 名前で判断しよう |
| 以前から読みたいと思っていた漫画『カバチタレ!』の単行本を、古本屋を利用して買い集め始め、結局一気に9巻まで揃えてしまった。いやあ面白い面白い。庶民と法律と金との戦いを生々しく描いたこの作品、とにかく先が読めない展開と、いきいきしたキャラクターがいい。ただ、台詞が多くて、いろんな意味でコテコテなので、まとめて読むと疲れるのが難ではあるが。 それにしてもこの漫画、『ナニワ金融道』からの伝統ではあるんだけども、物語中に登場する人名や会社名のネーミングセンスがヒドイというか、メチャクチャ過ぎて笑える。“ねこそぎ金融”だの“破綻銀行”だの“沈没海上火災”だの……。ちなみにこいつらはみんな悪徳業者の名前なんだが、被害者も、騙される前にまず名前で疑えってば。ダメだよそんなとこから金借りちゃ。 |
| 02.10.05 | ・ | 自転車操業 |
| ちょっと近所まで買い物に出ようと自転車にまたがったら、後輪タイヤがぺったんこになっている。完全にパンクしているのだ。そんなはずはない、何しろ数日前に、同様にパンクの修理をしたばかりなのだ、高い修理代を払って。 憤慨しつつ自転車を引きずり、私は先日にも行った自転車店へ持ち込んだ。事情を話すと、20分ほどで直してもらえるという。自転車がないと移動もままならないので、そのまま店で待つことにする。 中の待合室で修理現場を眺めながら待っていると、ほどなくして、また新しい客が来た。パンクしてしまったみたいなんですが、という。へえ、パンクする人って意外にいるもんなんだな、とぼんやり思う。 すると、さらにそれから5分もしない内にまた客が現れ、「パンクして……」という。なんだなんだ? 土曜って、パンクする率が高まるんだろうか。当然ではあるが、あとの客になるほど待ち時間が10分ずつ増え、30分、40分となってゆく。修理現場も、目に見えててんてこまいになっていくのが分かる。どうも、今日はいつもより店員がひとり少ないらしい。 そうこうしているうちにまた別のかたちで客が増えてくる。修理だけでなく、部品を買いに来る人や、新しい自転車を買いに来た家族連れなども。一方で、「チェーンが外れた」と言う客に、1時間かかる、と告げると、じゃあ自分でやるから道具を貸してくれなどと言ってきたりする。勝手な客に、店員もキレる寸前なのが伝わってくる。なんだか私も悪いタイミングで来てしまって申し訳ないような気分になってきた。 結局、私の自転車は、タイヤ自体が古くなっていたのでパンクしやすい状態になっていたということらしい。応急処置では間に合わないのでタイヤそのものを丸ごと取り替えてもらった。タイヤ代は安くはない出費だったが、先日の修理代は差し引いてくれた。いい自転車屋さんだ。 待っている間、店内もいろいろ見ているうち、新しい自転車もちょっと欲しくなってしまった。今の自転車もだいぶ年期入って、あちこち凹んだりしてるから。 しかし、自転車って、見た目のかっこよさと実用性って反比例するものだと改めて思う。前カゴも後ろの荷台も必要だけど、美観とはほど遠い。ボタン1個で場合に応じて変形してくれるといいけど、それはもはや自転車とは呼ばないしな。 |
| 02.10.06 | ・ | ひとりの量 |
| アパートから歩いて5分くらいのところにある小料理店風の飲み屋に、なにやら張り紙がしてあるのに気が付いた。 『おかげさまでこの店も、開店10周年を迎えることができました。 そこで日頃のご愛顧に感謝の意を込めて、本日4時より、お一人様3千円で飲み放題・食べ放題とさせていただきたいと思います』 おおっ。飲み放題だけなら珍しくもないけど、食べ放題も、というのはなかなか豪気なのではないか。入ってみようかな……。 と、一瞬思ったのだが……問題がいくつか。 まず、実は私が、まだこの店に一度も入ったことがないということ。この手の店の常として、一見さんにはちょっと入りにくい雰囲気がある。まして、若者ひとりでは敷居が高い(私が“若者”かは微妙な問題としても)。 私がひとりきりだというのも厳しい。近所に友人でもいて一緒に騒げるならともかく、ひとりで飲んで3千円分の元が取れるほど飲み食いできるかというとけっこう、いやかなり難しいだろう。飲み放題・食い放題という言葉に惹かれはしたが、冷静に判断すれば3千円は3千円なのである。これが2千円以下となればまた話は別なのだが。タダとなれば、まったく別次元の話だが。 結局この店を見送った私は、同じバス通りにあるトンカツ屋に入って、900円の串カツ定食を食べた。おいしかったけれど、食べきれずごはんを何口分か残してしまい、こんな胃のコンディションで食べ放題に行ってたらと考えてぞっとした。 |
| 02.10.07 | ・ | 家事場のチカラ |
| 1人暮らしのさなか、突然スイッチが入ったように、家事に対してのやる気がみなぎってくる時がある。ここのところすっかり自炊からも遠ざかって外食ばかりになっていた私が、急に袖まくりして台所に立っているところを目撃されたら、正気を疑われてもやむを得ないところだろう。 とは言ったって、ただサンマを焼いて肉じゃがを作っただけなのだが。それにしても普段のグウタラぶりに比べれば雲泥の差である。こういう意志の力は出来るだけ持続させていきたいものである。外で食べるものがワンパターンになりすぎて、いいかげん飽き飽きしてしまった、という単純な動機付けもあることだし。 しかし、久しぶりに冷蔵庫の中をチェックすると、賞味期限切れのものが多くてぎょっとさせられることがある。焼き肉のたれのビンをふと見たら、まだ開封もしてないのに、賞味期限が『2002.8』なんて日付になっていた……。そんな前だったか、これ買ったの?! |
| 02.10.08 | ・ | 生搾り |
| 夜の銀座は小雨が降っていたが、デパート地下の食品街はさいわい関係がなかった。そんな中、「大特価! 超おトク」と書かれつつも1200円もしたりするステーキ肉を、誰が買うんだこんなものと恨めしげに見やりつつぶらぶら歩いていたら、色鮮やかな生ジュース店が目に止まった。ちょうどうんざり疲れていたときだったので、一休みすることにする。 『ご注文いただいてからお作りします』という400円のオレンジジュースを頼んだ。その工程を見ていると、なるほど、冷蔵庫からオレンジを二つ出してきてそれぞれ二つに切り、丸ごと絞り器にかけてジュースにするという、ちょっと贅沢な感じのするものだった。その味も、いわゆる100%ジュースのものとは不思議と違う新鮮な味わいがあった。 ただ、毛深い指先をした店員のお兄さんが素手で絞ったものを、そのまま飲む、っていうのは、なんだか非常に生々しい感じがしてしまった。私の考えすぎなんだろうか。 オレンジ2個の絞り汁で料金が400円、というのも、考えてみれば微妙な料金設定と言えなくもない。うーむ。 |
| 02.10.10 | ・ | リンゴ |
| リンゴの皮を包丁でくるくるときれいにむけた自分に、ちょっと感動してしまった。 というのも、1人暮らしを始めて以来、リンゴをむくのはこれが初めてだったのである。果物を買って食べる、という習慣そのものがほとんどないからだ。 もちろん、リンゴをむく作業は別に大変な能力というわけでも何でもない。実際、私もいざやってみたら、一回目で皮を一本に繋げたまま最後までむき終えることもできてしまった。考えてみれば、デコボコなジャガイモをむくよりよっぽど簡単なわけで、それだったら普段からしょっちゅうやっている。 でも、リンゴをこう、くるくる〜っとむく、っていうのは、私にとっては何というか一種のロマンを感じてしまう行為なのである。それがいつの間にか自分に身に付いていたというのが、ちょっと嬉しかったのであった。この調子で、知らないうちにソバが打てるようになってたりとか、気が付いたらフグの調理師免許持ってたりとかしないだろうか。もちろんそれを自分で食ったりはしないわけであるが。 |
| 02.10.11 | ・ | 絵馬シーン |
| 御茶ノ水にある病院へ行った帰り道、ふとした思い付きから、湯島聖堂に寄ってみた。駅のすぐ近くなのである。 境内には、願掛けの絵馬がたくさん提げられていた。賽銭箱に小銭を投げ入れたあと、この絵馬を何となく眺めて回ってたのだが、これが書き手それぞれの個性を感じさせて面白い。 ここに祀られている儒教の開祖たる孔子は学問の神様だから、基本的には当然ながら○○高校とか○○大学とかの合格祈願の絵馬ばかりである。ところがその中に、ちょっとピントのずれてる人が少なからずいるのだ。例えば、 「大人になったら、漫画家になりたいですっ! ぜーったいなりたい!」 お願いする窓口が間違っちゃってるだろ、それは。神様も当惑しているに違いない。もちろん漫画家にだって学力は必要なのだけれども。 そして、極めつけはこれである。 「メロンパンナちゃんとロールパンナちゃんが、わたしのみかたになりますように」 ジャムおじさんと同一視された孔子様の立場は? ヒゲが生えてるくらいしか共通点はないような気がする。天下の孔子も形無しである。何より、主人公なのに無視されたアンパンマンの立場は? 好き嫌いせずに食ってやれよアンパンも。 |
| 02.10.14 | ・ | ソルティ |
| 久しぶりに下北沢で買い物をした。実家から下北沢まではすぐそばなのでしょっちゅう来てたのだが、一人暮らしを始めて引っ越したら交通の便が一気に悪くなり、ほとんど来なくなってしまった。 しかし下北沢の街の雰囲気って独特である。ファッションセンスが特に違う。一目で分かるもんね、あ、下北沢だ、って。昔付き合ってた女の子が、いつもほんとに『ザ・下北沢』みたいなカッコしてる娘だったので、ふとそれを思い出させられて微妙に凹んだりする。 買い物のあと、高校の時によく行ったお好み焼き屋に入ったのだが、当時とはメニューも味もまるで変わっていて、がっかりした。しょっぱいばかりでちっともおいしくない。一緒だったのは店構えだけで、後はもう別な店と言っていい。あの頃、下北沢でお好み焼きを流行らせた火付け役となった店だったんだが……。 |
| 02.10.16 | ・ | ミュージックオフ |
| おとといあたりから遊んでるのが、PS2の『真三國無双2』というゲーム。 三国志をベースにしたこのアクションシミュレーションゲーム、ゲーマーの間では大絶賛されているらしい。なので、もともと三国志好きの私としても期待を持っていざ遊びはじめてはみたのだが、今のところは正直言って、あまりよく面白さが分からない。派手な見た目で楽しませてくれる反面、どうも細かいシステムに無用なストレスを感じるところが多いような気がする。 私がまだ下手だということもあるのだろうから、ゲームとしての評価は先送りにするけれども、何より、BGMが嫌。うるさいだけのエレキバリバリな音楽で、特にチャイナっぽいわけでもないし、グラフィックがせっかく雄大な自然を美しく描いてるのも台無しなので、今ではBGMオフにして遊んでいる。 代わりに聴いてるのはスピッツの新譜とか(『ババロア』と『夜を駆ける』が好き)。 そしてとりあえず難易度『易しい』にして無双モード、夏侯惇でクリアしたところ。易しいでも十分大変だった。道は長い。 |
| 02.10.23 | ・ | 発覚 |
| バンドのメンバーの人たちに、この日記の存在が知られてしまった。『足柄』『バンド』とかで検索かけてたら、偶然見つけたそうである。 私もとりたてて内緒にしているつもりはなかったし、読まれて困るようなことも書いてない……はずなんだけど、なんだかプライバシーの一部が急に公開されたような感じで、妙に恥ずかしい。ふだん本名で付き合っている一般の人に対して「まきひさ」だなんてハンドルを明かすのだけでも、悶絶ものの恥ずかしさである。まだしも普通の名前っぽいハンドルで助かったと言えよう。これが「ミッキー江戸川」だったり「染め毛55号」だったり「ガチャピン」だったりしたら、サイトの閉鎖を余儀なくされていたところだ。 しかしこれでいよいよウカツなことは書けなくなってきたな。ええと、とりあえず、なにか褒め言葉書いておいたほうがいいかも知れない。バンドの皆さん、人並み外れた技量の持ち主ばかりで凄いですね。酒の量とか。携帯電話の数とか。
フォームメールありがとうございます。 >ジャムおじさんも孔子も男です。共通点イェー! 「イエー」のあたりに無理矢理さが表れてますね。 つうか、「おじさん」と呼ばれてるからといって、男だと盲信してしまうのも危険です。もしかしたら、「ジャムオジ」までが名前なのかも。そんでほんとは女なのかも。うわー。 さて以下はいつも以上にゲームオタクなお話なので、興味ない方は読み飛ばしてくだされ。 >無双さん、1しかやったことがないのですが、めっぽうハマリました。なので、折を見て2と猛将伝を買おうと思っていたりします。 >(個人的な)あのゲームの楽しみ方は、「勝手にストーリーを作ってみる」です。目の前に敵が居るときに味方の劣勢を確認して、「今行くから、あと少し持ちこたえろ!」とか思いながら戦場を駆け巡る快感。しばらくゲームをしていると自分も護衛兵もかなり強くなるので、ほとんど一人で敵将を倒しまくれたりします。 というか……このゲームって、自分ひとりで敵将を倒しまくらないとどうしようもないんだよね、結局。何人かでクリアしてみた結論ですが。何しろ味方武将が弱すぎるんだもの。かなり実力のあるはずの武将でも、まったく頼りにならず、勝手にどんどん死んでいってしまう。だから、その武将がやられる前にその戦地に駆けつけて、先にその相手を倒すしかない。 ボス以外の武将を一人で全部倒して放っておいたら、味方武将はボスに総攻撃をかけてくれるんだけど、何10分待っても、ほとんどダメージすら与えてくれない。で結局はボスも自分で倒さなきゃならない。これじゃ戦略も何もない。それがゲームとして残念です。 選ぶキャラクターによって、無双モードが辛すぎるのも気になりました。最初の面がすごく簡単なキャラクターと、いきなり虎牢関とか長坂とかいうハードなキャラクターとがいる。後者の場合、そのままではクリアは無理なので、フリーモードで鍛えてからってことになるんですが、しかし鍛えるためにちょうどいい面が、選択の余地がほとんどない。勢い、黄巾の乱ばっかりやることになる。もっと簡単な面もフリーで選ばせて欲しかったとこです。すごく簡単な面はなぜか無双モード専用なんだよね……。 |
| 02.10.25 | ・ | アポーでフェイク |
| りんごのむき方を覚え、その味をしめた私は、その後も3日に1度くらいのペースで買っている。 ちょうど今がシーズンだということもあってか、スーパーの売り場にはいろいろな種類のりんごが並んでいる。ちょっと調べて、そして実際食べ比べてみたところでは、「つがる」という品種が一番おいしかった。「ジョナゴールド」も安いわりにおいしい。「紅玉」は、その名の通り見た目はきれいだが、ちょっと酸っぱい。本来は料理用だとのこと。 この3種以外にも、「むつ」だとか「スターキング」だとか、いろいろ品種があるわけである。それによって、味も値段もちょっとずつ違ったりする。 でも正直、パッと見だけじゃまず区別は付かない。いくつかの品種は、やたら大きかったり、やたら赤かったりと特徴的なものもあるが、ほとんどのものははっきり言って全部『りんご』である。 で、私が疑問に思ったのは、スーパーのレジのおばちゃんは、果たしてこのりんごを見分けられるのか? ということだ。青果売り場のプロの人ならともかく、パートでレジを担当しているだけの普通の人に、りんごの見分けまでができているものなのだろうか。 底意地の悪い悪戯心を起こした私は、「ジョナゴールド」と「紅玉」をそれぞれ1個ずつカゴに入れ、そのまま何も言わずレジを打ってもらった。そして受け取ったレシートを、そしらぬ顔でチェックしてみると、 『ジョナゴールド……2個』 ああ、やっぱり無理なんだなあ。 ここで心清き善人であれば「もしもし打ち間違えてますよ」と訂正を申し出るところなのだろうが、実際には私は2、30円の儲けを大いに喜ぶ小市民であるため、そのまま持って帰って、むいて食いました。ゆえに先述のような食べ比べリポートが書けるわけである。……すいませんもうしません許して下さい。 |