Text - Diary - Past - January,2001


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01.01.01 未来へ
 SFの世界というイメージしかなかった21世紀も、実際迎えてみれば別段、だからどうしたという感じではありますね。ただ年を重ねた結果としての、節目の一つであるに過ぎません。車も飛んでないし、核融合エンジン積んだ人型ロボットも歩いてない。おそらくは21世紀中かかっても、それらが実現されることはなさそうです。
 でもこうして新しい年を、新しい世紀を迎えられたというそのことだけで、十分感謝に足ることなのかも知れませんね。とりあえずはありがとうと言いたいです。誰に言えばいいのか分からないけど、神様以外であることは間違いないです。


 さて、昨年という年を振り返って評価してみると……それは、私の生涯のうちでも最低最悪の年の一つだったと言えるでしょう。

 とにかくも、悪いニュースが多すぎました。もとより落ち込んでいるのが若干浮かびかけたかなと思った瞬間、実に絶妙のタイミングで舞い込んできたさらなる凶事によって突き落とされる、ということの連続。神様というものがもしいるなら、その見事な演出と配剤に、敬意を表したいところです。

 それに並行して、かつての友人たちとのつながりが、次々と途切れてゆきました。それは引っ越しなどによる物理的なものや、あるいは(主に私の一方的な思い込みによる)精神的なものなど、理由は様々でしたが。
 そうして自分の世界がどんどん狭まってゆくその孤独感、閉塞感。それらを歯を食いしばって堪え続けた、そんな日々の繰り返しだったように思います。

 そして昨年極めつけの打撃はなんといっても、SSG氏の引き起こした『事件』に尽きます。
 彼の選択したあの行為には、いろんな意味で、私がそれまで漠然と抱いていた世界観というものを大きく変えられました。――いや、変えられたというより、破壊されたと言ってもいいくらいですね。決して大袈裟ではありません。私にとって(もちろん周囲の人たちにとっても)、そのくらい途方もなく衝撃的な事件だったのです。
 彼ほどしっかりした人物でも、そんな道を選んでしまうことがあるんだ。そういう道も取り得るんだ。……だとしたら、今ここにこうしている俺は一体? 苦しみと絶望を耐え忍んでいる意味は、一体?
 自分の立っている基盤となっていたはずのものが一瞬にしてかき消され、それと同時に、今まで考えもしなかった問いかけの答えを強要されることになったわけです。裏返せばそれは、自分がいかに人生というものを甘く見ていたかと言うことの逆証明でもあるのですが。でもその教訓を学ぶための素材として、あの事件はあまりにも酷すぎました。
 自分の取った行為がどんな波紋を周囲にもたらすか、そのことに思いが及ばないSSG氏ではなかったでしょう。でももしそれが可能ならば見せてあげたい、その影響は間違いなく、君の思っていた以上のものであるということを。


 ともあれ、新世紀です。
 周囲の状況がどうであるにせよ、今こうしてここにいる自分がどうあるべきなのか、やはり考え続けなければならない、そのことに変わりはありません。後ろ向きに考え始めたらキリがないということは去年、イヤと言うほど思い知らされたので、今年はもうとにかく精神のベクトルを前方に向け、今の自分、これからの自分を信じて頑張っていきたいと思ってます。

 とはいえ、自分の力だけでは限界があります。いろいろ悲惨なことばかりだった去年でしたが、何とかやってこられたのは、周囲の人たちの暖かい励ましや支えがあったおかげです。
 めっきり数は少なくなってしまいましたが、かけがえのない友人たち、そして何より家族のみんなに、ありきたりですが――
 
 『今年もどうぞ、よろしくお願いします』


01.01.02 ごろドラ
 実家でまったりしていたら、妹二号機がビデオ観ようと言い出しました。
 録画しておいたという『世にも奇妙な物語』のスペシャル版です。なんでも、スマップのメンバーがそれぞれ出演しているとか。スマップにも『奇妙』自体にもまったく興味のない私でしたが、とりあえずヒマなのでいいかと思い、一緒に観始めることにしました。
 まあ、全体の出来としてはそれなりに面白かったです。話やキャストによってだいぶバラつきはありましたけど。ヒドいのもあったぞ、誰の話とは言わんが。
 そんな中、際だって良かったのが、木村拓哉主演の『Black Room』というお話です。これはまず映像がシャープで良かったし、何より、シュールでドライなギャグの連発に、始終笑わせられっぱなしでした。テレビのコント(と、あえて言わせてもらいます)に、あれだけ大笑いできたのは久しぶりですよ。キムタクの、“素”だか演技だか分からないような役者ぶりも、すっかり堂に入ったもんです。ああいう役やらせると本当に巧いな。
 で、あとでスタッフロールなど見つつ調べてみたら、その話の演出と脚本は、石井克人という人が担当していたようです。この方は有名なCMディレクターで、最近では映画監督として『鮫尻男と桃尻女』なども撮って話題をさらっていた、「時の人」だったのですね。どおりであの作品だけ気合いとクオリティが全然違うと思いました。
 あの『奇妙』スペシャル、各話ごとにバラ売りしてくれないかな。そしたらキムタクのやつだけ買っちゃうんだけど。

 この日、12チャンでやってた時代劇『宮本武蔵』も、少ししか観られなかったけど良い雰囲気でした。西田敏行が沢庵和尚を演じていて、これがものすごく渋くてカッコ良かったのが印象的ですね。
 ただ、12時間連続はさすがに見ていられなかったなあ……。普通に1時間ずつ12回に分けて週イチでやってくれたなら、欠かさず見たのに。残念なり。


 私がそうしてゴロゴロしつつテレビ漬けだったその頃、妹一号機のほうはといえば、正月早々、彼氏と二人でディズニーランドだとさ。ええのう、素直に羨ましがってやるぜ。幸せになれよ〜。


01.01.06 おいしいなかま
 友人のF氏宅にて鍋パーティーが開かれました。具材のメインはなんと、どこから入手したんだか、クマ&イノシシ肉。実は私、食べるのはどちらも初めてだったんですが、どちらもほとんどクセがなくて食べやすかったですね。どちらかといえばイノシシの方がおいしかったかな。脂っ気が少なくて、鶏肉に近い感じでした。

 実はこの日は男ばっかし7人という、すこぶるむさ苦しい集まりだったのです。しかもみんな小学校の同期だから、全員が30を目の前にした年齢ということになります。そんな連中が、汗を拭き拭き、酔っぱらいながら鍋をつつきあってる光景は、客観的に考えると自分でもちょっとヤです。皆さん、想像しちゃダメですよ。って、もう遅いか。

 しばらく皆の近況聞いてなかったし、結婚してないのがもし私だけだったりしたらどうしようとか思ってたけど、実は主宰者のF氏以外はみんな独身でした。誰かが言ってたな、「だからこのメンバーが集まったんだ」って。妙に納得。知らないうちに離婚してたやつもいたし(そいつは今回は来れなかったけど)。
 でもよくよく話を聞いてみたら、やれ結納済ませただの、やれ式場探してるとこだのと、結婚にリーチかかってるのがやっぱり何人かいてやんの。そもそも考えてみれば、ストイックで硬派なイメージで鳴らしていたF氏が結婚した、ということ自体、未だにピンと来ない話だし。この日初めて奥さんを紹介されて、ようやく納得できた感じです。
 普通に話してる間は中学生ぐらいの時と同じように思えても、やるべき事はみんなしっかりやってて、どんどん変化してるんだね。なに当たり前の話ししてるんだって言われそうだけど。

 次集まるときは――それがいつになるか分からないけど――またいろいろと状況変わってるんだろうなあ。その『変化』が、皆にとって幸福なものであることを祈りつつ、ゴチソウサマを言いました。


01.01.07 何が悪い?
 じーぷら氏と共に、『バトル・ロワイヤル』を渋谷にて鑑賞。
 日本映画にしては、かなり頑張っている内容だったんじゃないでしょうか。あちこちに穴は見受けられるけど、少なくとも見ている間は楽しめましたから。
 ……でも、これがどうしてR15指定にならなきゃならんのか、その辺はよく分からなかったですけど。どう観たって、これに扇動されて人殺ししようなんて思うコドモがいるわけないよ。むしろ暴力反対、的な映画だったと思うがなぁ。
 
 そんな鑑賞後、劇場の外の行列を見たら、一体どこまで並んでるんだってくらいの長蛇の列が出来てました。私たちは早めに来ていたおかげでそこそこいい席で観ることができましたが、あと10分遅れていたらどうなっていたことか。僥倖だったのかも知れません。


 ところで、じーぷら氏と別れた帰り道、駅から家へと帰る途上のこと。なんと突然の大雪が、私に襲いかかってきやがりました。
 実は私、こういうほんのちょっとした通り雨とかに、「なぜかたまたま」ぶつかってしまうことが多いのです。家を出た途端に降り出すとか、小雨だったはずなのに急に雨量が増すとか。
 今回も、自転車でたった10分程度の距離だっていうのに、その間だけすごい勢いで雪は降り続き、家に辿り着いた時にはすっかり雪ダルマになってました。こういうのも一種の雨男、ってやつなんでしょうか。単に運が悪いだけという説もあるが。


01.01.08 猛キャスト
 体調崩して、寝込んじゃってました……。おかげで、せっかく誘ってもらってたカラオケ大会に行けず。カラオケ自体しばらく行ってないし、久しぶりの人たちにも会えるチャンスだったから、すげー行きたかったんだけどなー。残念。


 仕方ないので、布団にもぐり込みつつ、じーぷら氏に頂いた『連合艦隊』という映画のビデオを観てました。
 20年ほど前の作品ですが、それにしては戦闘シーンの特撮がかなり見事。今でこそ私たちの目はすっかりCGに慣れてしまいましたけど、当時は特撮といえば当然模型とワイヤー吊り。そんな手法による戦闘機の編隊飛行は壮観でしたよ。
 俳優陣も豪華な上に激シブです。いきなり丹波哲郎から始まって、財津一郎、長門裕之、藤岡琢也、橋本功、さらには小林圭樹に鶴田浩二に、果ては森繁久弥までと来たもんだ。他にもほんのチョイ役に至るまで、日本を代表する脂ぎった濃ゆいメンバーが勢揃い。自他共に認めるオヤジ好きのワタシとしては、たまらないものがありましたよ。若き日の中井貴一なども一応重要な役どころで出てるんですが、そんなガキンチョには興味なし。あくまでオヤジを観る映画です、これは。
 でも、物語そのものは……ドキュメンタリータッチにした反動か、ドラマ性が薄いのが難でしたね。2時間半と長尺のわりに、個々のエピソードがバラバラで未消化な印象です。スターを使いすぎたのがかえって裏目に出ちゃったのかな。そういうバランスって現場でも悩みのタネなんだろうね。“我”の強そうな俳優さんばっかしだし。


01.01.09 おとしもの
 この日だけ日本の人口が倍に増えたんじゃないかと思うくらい、朝の電車が激烈な混みようでした。そのせいで電車を2本も乗り損ねてしまい、あやうく遅刻になってしまうところでしたよ。
 実を言うと、入社からまだ1ヶ月足らずにもかかわらず、すでに遅刻を2回もしてしまっている私には、もう言い訳は利かないのです。人混みをかき分け死ぬほどダッシュして、ぜーはー言いつつ、何とか始業3分前に滑り込むことが出来ましたとさ。


 さて今度は帰り道の電車。さすがに帰りは車内も空いています。やっぱり朝の人口増加は一時的な現象か、気の迷いか何かだったのでしょう。
 そこへ、何となく年齢不詳な感じの女性4人が乗り込んできました。何となく不詳というのは、彼女らの服装や喋り方自体はいかにも女子大生的な明るいノリなのにもかかわらず、そのわりに『本体』の姿カタチが何とも不相応というか――要は、失礼だけどやけにフケて見えてしまったからです。一体どういう年齢層の人たちだったのだろう、あれは……。
 まあ、それはとりあえず関係ないので置いておいて。彼女らが、車内で輪を描くようにして始めた会話の内容というのが、こんな感じだったのです。

「電車の中ってさ、ときどき何コレって思うようなものが落ちてるときがあるよね」
「あるある〜」
「でね私、こないだ、床にグレープフルーツの果肉みたいなのが落ちてるのを見付けちゃったの」
「え〜、なんでえ〜」
「で、なんかヤだな〜とか思ってムシしたまま、電車を降りたんだ。で、その瞬間、あっ! と気付いたんだけど……」
「うんうん」
「落ちてたのはグレープフルーツなんかじゃなくて、わたしのピアスだったの〜」
「あらー」
「よく似た形だったんですよ〜。……でも、残りのもう片方も、そのうち無くなっちゃったんですけどね……」
 落胆した口調で肩を落とす彼女に、仲間たちは
「ああ、両方無くなったんなら良かったじゃない」
「きっと縁がなかったのよ」
 などと、わけのよくわからない励ましをしています。終いには、
「ピアスならまだいいわよ、あたしなんて――結婚指輪、落っことして失くしちゃったんだから〜」
「ええ〜っ!」

 聞き耳立てるつもりはなかったんですが、つい聞き入っちゃってた私は、笑いをこらえるのに必死でした。ほんとはその後ももうちょっと聞いてたかったけど、ちょうどそのあたりで駅に到着、後ろ髪引かれる思いで降りることになりました。むー、残念。結婚指輪をめぐってその後どんなドラマが生まれたのか、興味深いとこではあったのだがな〜。ふふ。


 そんな帰り道、ちょっとスーパーに寄ってからさあ帰ろうというところで、またもにわか雨に降られてずぶ濡れになった私。どうなってんだ一体。


01.01.10 ねむりのじかん
 なんだか猛烈に眠くて、仕事から帰って来るなり、8時半くらいには布団に潜り込んだ私。
 9時半ごろにK氏からの電話で起こされたものの、30分ぐらい話した後、やはりまたすぐ寝てしまいました。

 しかし、変なタイミングで寝たせいか、妙な時間に何度も目が覚めてしまうのです。深夜2時半ごろに一度目を覚まし、そのあとは眠り直すたび1時間後にはまた目を覚ます……この繰り返しは結局、明け方まで続きました。

 就寝時間自体は早かったものの、実際に睡眠できていた時間はほとんどなかったような感じでしたよ。……なんなんだ、くそ。


01.01.11 さすがにそれを食べるのは
 このところしばらく、食欲がない日が続いています。
 食事どきには一応それなりの空腹感は生じるのですが、かといって積極的に「何か食べよう」という意志がわき上がって来ないのです。

 例えば今日など、朝はアンパン一個。昼は喫茶店で日替わりランチを頼んだけど、さして量が多いわけでもないのに食べきれず、結局半分くらい残してしまいましたし、その日の夕食に至っては、クッキー数枚と牛乳で終わり。

 仕事帰りに一応、最低限の食料を仕入れるためにスーパーに寄ったりもしたんです。でも、何を見てもまったく食う気が起こりません。唯一そそられたのが、『ビーフの角切り煮込み』と書かれた缶詰だったんですが、よく見たらそれ、ドッグフードでやんの……。おいおい、俺、胃腸以外の所もちょっとおかしくなっちゃってるんじゃないのか? さすがに自分が心配になりました。まあ、いいダイエットにはなるとでも思っておきます……。


01.01.12 何よりのごちそう
 昼休み直前のデスクで、携帯が鳴りました。誰かと思えば、おお、じーぷら氏ではありませんか。
 彼のキャンパスとうちの会社が、実は非常に近いということがつい先日判明し、せっかくだから今度お昼ゴハンでもどうか、と言っていた矢先のそのお誘いだったのでした。
 まだ社内にあまり友だちのいない私は、もう大喜びでご一緒させていただきましたよ。いや、会社の人たちはみんないい人ばかりなのですが、なにぶん私一人だけ後輩ということでいろいろ気を使うはめになり、休み時間なのにかえって疲れちゃったりするんですよね……。
 その点、じーぷら氏との昼食はラクで良かったなー。すごくリラックスできました。またぜひよろしくね。秋葉原まで歩いて行けちゃう場所ってとこもポイント高いかも。


 その夜、ししょう氏とK氏が泊まり込みで遊びに来てくれました。
 以前から欲しかった土鍋とカセットコンロを買ったので、さっそくそれを使ってカキ鍋作りです。下ごしらえは全部ししょう氏にオマカセでした。台所が狭いので、下手に手伝おうとしてもかえって邪魔になり、あっち行ってろとか言われてしまうのです。私は言われるがまま大人しく、テーブル拭いたり皿並べたりしておりました。
 実際、彼に任せておけば何一つ問題ありません。たいてい男の鍋なんて、材料テキトウにぶち込んで煮ればいいや、腹に入れば一緒、ってノリになっちゃうものじゃないですか。でも彼は、鍋のレイアウトも、男が作ったとは思えないほど美しく仕上げてくれるんですよ。いやほんと、結婚しちまったのが惜しまれます。ちっ。

 気の合う同士で酒を飲み交わしつつ、止めどもなくいろんな話をしながら、暖かい鍋を囲む。これ以上の愉楽があろうか。いやあ、たいそうおいしゅうございました。
 ししょう氏はいつものように1時には寝てしまいましたが、私とK氏は結局、空白む朝の7時くらいまで語り明かしてました。我ながらよく飲んだもんです。次の日はさすがに頭痛くて参りましたが。

 そういえばこの時、ちょっとした気まぐれと勢いで、大学の同級生であるT氏に電話してみたのです。当時からその貧乏っぷりで有名だった彼、久しく連絡も取れぬままにいたんですよ。何しろ、料金未払いらしく、電話しても『お客さまの都合により――』というメッセージが流れてくるばかりでしたから。
 ところがこの日はたまたま電話が繋がり、おそらくは卒業以来、本当に久しぶりにその声を聞くことが出来たのでした。こちらはもちろんのこと、彼の方も大喜びでした。
 いろいろ聞いてみると、なんと大学以来同じアパートに住みっぱなしだとのこと。何が『なんと』なのかというと、言っちゃ悪いですがそこがまたヒドいアパートで……。とりあえず一部屋・風呂なし・トイレ共同(ちなみに汲み取り式)の木造アパートなのですが、その老朽ぶりの甚だしいこと。あちこちに蜘蛛の巣が張り、床も壁もボロボロ。おそらく築40年は経っていると思われます。それでも月にたったの2万という家賃が彼にとっては魅力らしく、引っ越す気はないそうな。
「いやあ、もう床の上とか、モノだらけで凄いことになってるよ。まさに足の踏み場ナシ状態。ベッドだけ高さが違うって感じで」
「そこだけがなんとか他より高いのか……」
「違うよ、逆。ベッドだけ、他の場所より低いの」
 これを聞いただけでも、その惨状がじゅうぶん想像できるかと思います。――てゆうか、変わってねえ〜。
 でも、つい最近部屋に連れ込んだ彼女は、それを見ても大して驚かなかったとか。たくましい彼女だなあ……と思っていたら、いま付き合ってるその彼女、実は10歳も年下なんだと。なんかさんざんノロケやがってましたが、アンタそれ、犯罪やろ〜。

 ただ、辛かったのは、彼にSSG氏のことを伝えなければならなかったことですね……。その同じアパートに住んでた大の仲良しだったんですよ、二人。ニュースを聞いたT氏、当然ながら、相当ショックだったようでした。
「今はまだピンと来ないけど……たぶん、明日あたりになったらじわじわ来るんだろうな……」
 きっとそうなるよ。私たちも、そうだったのだから……。


01.01.14 イメチェン費
 髪を切ったついでに、ちょっと染めてみました。
 髪を染めるのは初めてのことだったので、勝手が分からず、とりあえず地味めの色を選んでやってもらうことにしたのです。そしたら地味すぎて逆に、言われなければ分からないくらいの仕上がりになってしまいました。うーむ、意味なし……。あ、いや、いちおう白髪染めにはなったので、意味がないこともないかな。とか無理やり救いを求めてみたり。

 ついでに新しい眼鏡も買いました。いままでとはだいぶ雰囲気違うタイプのものです。ちょっとは頭良さそうに見えるだろうか。

 そんな感じにいろいろやったおかげで、すっかりお財布は軽くなりました。お金かかるもんなんですね、イメチェンって……。


01.01.15 寒いってば
 この日はもう、泣けるほど寒かったです。たぶん、この冬一番の寒さだったんじゃないかな。
 そんな中、朝の一番寒い時間帯に、比喩じゃなく実際に涙流しながら自転車を走らせてる自分が、何だかみじめに思えてなりませんでした。これだから冬はイヤです。早く暖かくなってくれ、頼む。


01.01.20 もんでもんで
 三日ほど前から連日、ハリによるツボ治療に通ってます。肩こりがひどくなりすぎて、腕の方までシビレが来るようになってしまったので。

 いきなりハリ、というのは突飛な感じがするかも知れませんね。実を言うと私、ハリ治療だとは知らずに入っちゃったんですよ、その医院。何しろ、看板には単に『接骨院』としか書かれてなかったんですから、無理もないでしょう。

 でも、結果的には良かったですよ。それまで経験したこともなかったのでちょっと緊張してしまいましたが、全然痛くなかったし、実際に効果も実感としてありましたから。
 ここではハリだけでなく、普通の手によるマッサージや、あと電気マッサージなどもしてくれます。この電気マッサージというのがまた初めてで、楽しい経験となりました。患部周辺に何ヶ所か電極を付けて電流を送る、という仕組みのようなのですが、その電極自体が振動したりしてるわけでもないのに、叩かれたり揉まれたりといった感覚がしっかり伝わって来るんですね。最初のうちはそれがくすぐったくて、ベッドの上で身悶えつつ笑いを噛み殺してたりもしてましたが、慣れるにしたがって、単純に気持ちいいと思えるようになってゆきました。

 でも何より一番良かったのが、治療費です。なんと1回につき300円前後、という破格の安さ。普通、ちょっと風邪を引いて医者に行くのだって、2000円かそこらは軽く取られるものなのに……。ずいぶんトクをした気分です。夜の8時くらいまでやってくれてるおかげで会社帰りにも寄られるし、しばらく病みつきで通っちゃうかも。


01.01.22 こともあろうに
「――フラれちゃったの?」

 そう聞かれたら、うん、と答えるしかない。

 そうとも、僕はまたフラれちゃったんです。しかもそれをキミに言われることになるとは、想像もしてなかったよ。
『縁がなかった』というのは、まさにこういうことを言うんだろうね。

 せっかく上昇気流に乗りかけていたと思っていた新世紀の初頭から、いきなりこれかい。
 永遠に孤独か、俺……。


01.01.23 からだとココロに栄養を
 傷心の私を、K氏がわざわざ慰めに来てくれました。彼もテスト期間中で忙しいとこだというのに、ほんとにイイ奴だ、K氏。この際だから俺と結婚してくれ。

 というわけで、再び鍋です。ししょう氏が作るみたいにうまくはいかなかったけど、でも自作の鍋はやっぱりおいしかったですよ。材料を買いそろえているときは、もしかしたら少ないかなとも思っていたのに、実際作ってみると想像よりずっとボリューム出るものなんですね。おかげで後半は、具を減らすのに苦労するくらいでした。

 もっとも、食べきれなかった分は、次の日以降の私のエサになったんで、まったく問題なかったですけどね。それこそ残り汁に至るまで、徹底利用させてもらいましたとも。一人暮らし、栄養取れるときには貪欲に取っておかねば。


01.01.25 ニフティ映画大賞
 祝・『遠い空の向こうに』最優秀作品賞ゲット、inニフティ映画大賞2000!

 とにかくもう去年観た映画の中ではダントツに素晴らしく、生涯のベスト5にも入るような思い入れ深い映画だけに、今回の受賞は何より嬉しいです。みんな、ちゃんと観てくれてたんだなあ。
 ちなみに、トップ10は以下の通りでした。

 ・1位 『遠い空の向こうに
 ・ 2位 『シュリ
 ・ 3位 『マグノリア』
 ・ 4位 『サイダーハウス・ルール』 & 『ダンサー・イン・ザ・ダーク
 ・ 6位 『チャーリーズ・エンジェル』 & 『初恋のきた道』
 ・ 8位 『アイアン・ジャイアント
 ・ 9位 『アメリカン・ビューティー
 ・10位 『マルコビッチの穴』

 想像してたより、ずっと「まっとうな」ベストになりましたね。ニフティの映画フォーラムというと、どちらかといえば通好みな――別な言い方をすればマニアックな映画を好む人が多い印象があったので、この結果はなんだかちょっと意外な感じさえします。『チャーリーズ〜』が6位に入ってたりするし。
 このベストに挙げられているものの中にはまだ何本か観てないものもあります。ここには入ってませんが、『ストレイト・ストーリー』や『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』、『スリーピー・ホロウ』といった作品なども、観たい観たいとは思いつつもまだ未見なのです。さぁ、さっそく補完作業に入らねば。


01.01.26 ヒットの要素
 やっぱり、夜9時以降になると料金が約半額になるというのは大きいです、マイカルシネマ。メジャーどころの大抵の映画は公開してくれるし。それが我が町・西葛西のすぐ近く、妙典に出来たというのは、誠に喜ばしい限りであります。

 そこで今日観たのは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。以前からいろんな意味で期待していた映画でした。

 で、感想。
 ……なんでこんなカルトな映画が一般客にヒットしてるんだ?
 じっさい、普遍的な要素なんて、どこにもないと思うのだが。それがもし『親子愛』だなんて言ったら、それこそ噴飯ものでしょう。それとも、ビョークってそんなに人気あるシンガーだったんだろうか。うーむ……わからん。
 事前にちらちら聞いていた評判から、私はたぶんすげーハマるか全然ハマれないかの両極端になるとは想像していたんですけど、残念ながら後者でありました。料金半額だったのがせめてもの救いです……。


01.01.27 よっぱらいホワイトアウト
 窓を開けたら、そこは別世界でした。
 陳腐な言い回しですが、でもそうとしか言いようがありません。まさかこんな大雪が外の世界を覆いつくしているなんて、思ってもいませんでしたから。それも、よりにもよって、こんな日に……。


 そう、この日は以前から心待ちにしていた、特別な日。人間道場というサイトのオフ会に、初めて参加する日だったのです。
 私はもともと、そのサイトの常連というわけでもなんでもない、単なるファンの一人に過ぎませんでした。よって当然ながら、そちらの掲示板などでアクティブな人たちとも全く面識などはなく、それどころか皆さんのハンドルすらろくに知らないというひどい有り様。
 それでもオフ会に参加しようと思い立ったのは、ひとえに、そのサイトの管理人である館長さんという方のキャラクターに惹かれてのことです。あのパワフルかつクールなギャグセンス炸裂の文章でいつも爆笑させてくれる館長さん、そのご本人は一体、どんな人なんだろう。一度はお会いしたいものだと、つねづね思っていたわけです。
 単に頭が悪い、ということと、狙って「おバカ」を演じられる、ということは全く違います。後者に関してはむしろ高度な知性が必要だと私は認識しているので、館長さんが次々に繰り出してくるギャグの連発には、なんて頭の回転が速い人なんだろうと感服さえしているほどです。
 そんな憧憬の的である館長さんにお会いできる機会がやっと到来したのですから、これを逃す手はないでしょう。およそ20人ほども集まるというオフ会に、たった一人新参者として乗り込むのは少しばかり勇気のいることでしたが、それはまあなんとかなるだろうと、相変わらず行き当たりばったりの覚悟で腹をくくりました。
 というわけで、吹雪の中をなんとか突破して辿り着いた、人間道場オフ。その襲撃の結果ですが――

 もう、めっちゃくちゃ楽しかったです。その一言に尽きますね。
 始めのうちこそお互いに気を使いあう様子も見られましたが、それもたちどころに打ち解けて、一線を突破したあとはとにかく大変な騒ぎとなりました。考えてみれば、館長さんのセンスに共鳴できる同好の士ばかりが集まっていたわけですから、波長が通じ合いやすいのも当然の話。いろいろ胸に抱いていた心配事などは、全て杞憂に終わったわけです。
 誰と話しても何を喋っても、全てが笑いと驚きと発見の連続で、退屈するということがありませんでした。中には、会話だけでなく、カッコでウケを取りに来た人もいました。いきなり香港マフィア式のサングラス・黒服姿で現れ、葉巻まで吸い出す人があれば、私服を脱ぎ去ったその下に青いパジャマを着込んでいる人あり、といった具合です。

 参加者の約三分の一ほどが女の子だった、というのもちょっと予想外でした。ハンドルだけでは判断付かないものですね。同時に、彼女らの容姿とその発言の過激さとのギャップにも、かなり楽しませてもらっちゃいました。見た目だけでも判断付かないものですね、やっぱり。

 そして念願の、館長さんとの対話が叶ったことにも満足満足です。初対面での印象は――意外、と言ってはなんなんですが――普通の「イイ人」、といった感じのものだったのでした。すごく物腰が柔らかく丁寧で、相手を安心させる包容力を感じさせる人物だったのです。あんなブッ飛んだ文章を書く人と同一人物だとは、にわかには信じられなかったくらいに。
 でもそんな館長さんも、酒が回ってしまえば、紛れもなく『館長さん』そのものであると確信させてくれたのでした。文章そのまんまの勢いでしゃべりまくって、場を大いに盛り上げてましたから。さすがです、うんうん。×××とか○○○とか連発してくれないと館長じゃないっすよ、やっぱり。

 1次・2次会あわせて5時間ほどもあった集まりでしたが、楽しい時ほど過ぎゆくのは速いもの。あっという間に帰り支度をしなければならない時間となってしまい、私は後ろ髪引かれる思いで、皆さんに別れを告げました。
 なんの分け隔てもなく会話をし、笑いあってくれた皆さん、ほんとにありがとう。おかげで友だちがいっぱい出来ました。これからも仲良く付き合い続けてゆきましょうね。
 そして何より、体調が万全でないのにもかかわらず、オフ会を企画し取りまとめて下さった館長さんには、心からの感謝の気持ちを贈りたいです。すごくすごく楽しい会でしたよ。また近いうちにやりましょうね、ぜひ。


 さて。
 私の、いかにも私らしい「本番」は、実はここからがスタートだったのでした。

 そこからの私の帰り道は本来、いたってシンプルなものです。飲みの場だった新大久保からJRで高田馬場まで出てしまえば、あとは東西線で西葛西まで一直線。ラクラクですな。実際、高田馬場に着いたとき、ちょうど西葛西方面行きの最終電車の時刻で、ぴったりセーフでしたから。
 東西線の座席に座り、実りの多かった今日のオフを何度も頭の中で反芻しては、その幸福感に酔っていました。あとはこのままて座っていれば、黙っていても西葛西に着き、アパートに帰って暖かい布団でふくよかに眠るだけ。

 ……の、はずでした。

「――さん、お客さん、終点ですよ」
 揺り動かされ、はっと我に返った私。どうやらいつの間にか眠ってしまっていたようです。寝ぼけ眼を擦りながらホームに降りると、目の前に駅名が書いてあります。

『勝田台』

 ……はぁ? どこだぁ、ここ。
 本来ならこの時点でもっと仰天するべきだったのでしょうが、なにぶん脳ミソの半分は酔っぱらい、残りの半分は寝ぼけてるという状態でしたから、状況がよく把握できていなかったのです。何より、今まで来たこともない『勝田台』という場所が一体どこら辺にあるのか、我が町・西葛西からどれくらい離れているのか、そういった地理感覚自体も欠落していました。

 乗っていたのが終電ですから、当然引き返す電車などはありません。何にせよ、ここで降りるより他に道はないのです。
「早く出て下さいね、出口のシャッター閉めちゃいますから」
 駅員さんに追い立てられるように、ややフラつく足で階段を上り詰めると……地上には、一面真っ白な世界が待っていました。あとでニュースを聞いたところによると、東京近辺では6〜7センチほどの積雪が観測されたとのことでしたが、実感としては10センチ以上積もってるような感じでしたね。
 あたりを見るとそこはロータリーになっていて、タクシー乗り場に何人かの人が行列を作っています。一人でタクシーに乗るほどばかばかしい出費は他にないと思っている私ですが、こうなってしまった以上、文句も何も言ってられません。
(くそ〜、一人タクシーか、痛ぇな〜。西葛西までどれくらいだろ……6千円かそこらは軽くかかるんじゃないかな。あーあ……)
 3次会まで行ってもお釣りが来るような金が、ただ家に帰るだけで吹き飛んでしまうのです。そりゃガッカリだよ……。とか考えつつ、冷たい夜風の吹き付ける寒空の下、15分ほども順番待ちをしているうちに、酔いなどはとうに覚めてしまいました。
 やがて私の番になり、とにかくも車内に乗り込みます。で、念のため事前に訊いてみました。
「すみません、ここから西葛西までお願いしたいんですが……いくらくらいかかります?」
「西葛西、ですか? そうですねえ、だいたい……」
 そのとき心なしか運転手さんが苦笑したように見えたのは、気のせいだけではなかったのでしょう。おもむろに運転手さんは、こう答えてくれました。

「1万5,6千円くらいですかね」

 ……。
 絶句している私を尻目に、さらに言葉が続きます。
「それに今日はこの雪だから、スピード出せないでしょ? 1万8千円かそこら、かかっちゃうと思いますけど」
「……そ、それ……」
 無理に決まってます、そんなもん。事実上、「そんなとこまで行けません」と言われたようなもんです。勝田台って、そんなに遠かったのか……。私はいっぺんに認識を改めさせられることになったわけです、それも実体験付きで。
「そ、それじゃ、この辺に、ビジネスホテルか何かありませんかっ?」
 動揺を極力隠しつつ、私はそう尋ねてみました。2万近くの金を失うくらいなら、カプセルでも何でも泊まっちゃった方がよっぽど安くあがるはずです。しかし、それへの返答は非情にも、
「このあたり、そういうの全然ないんですよ。2件ほどあるにはあるけど、週末のこの時間(すでに1時過ぎ)でしょ? どっちも満室だと思うなあ」
「で、でもとりあえず、行くだけ行ってみて下さい……」
 行ってみたはいいものの、やはり案の定どちらも満室状態で、どうにもなりません。
 いよいよ打つ手がなくなり、途方に暮れて言葉を失ってしまいました。さて、どうしよう……。この雪じゃ、野宿すら不可能だし……。
 半分涙目になりかけたところへ、運転手さんがぽつりと、
「デニーズならありますよ。24時間の――」
「そ、そこへお願いしますっ!」
 グッドジョブ、運ちゃん! デニーズはあんまり好みじゃない私でしたが、選り好みしてられるような立場じゃありません、とにかくそれしか方法はないのですから。速攻でタクシーを飛ばしてもらい、いろいろ助言をしてくれた運転手さんに何度も礼を言いつつ、デニーズ前に降りたちました。

 ところでこういう時、マナーとしてはチップの一つも渡すべきだったのでしょうか? でも乗車料は1000円かそこらだったし、それに私のような若僧が「釣りはいらねえぜ」的なことを言うのもなんだか生意気に思われる気がして、結局は正規の料金をそのまま払ったんですけどね。どうするべきだったんでしょうか。

 ともあれ、デニーズへと入り、別に食べたくもないスパゲティなんぞを注文した私。
 ……しかし、これからどうしたものか……。
 いくらここが朝まで営業しているとはいえ、始発が出る5時までにはあと4時間近くもあります。デニーズの中だけでそんなに時間がつぶせるでしょうか? 悩みつつ、相当ゆっくり食べたつもりのスパゲティも、15分と保ちませんでしたし。
 加えて、さっきから凄まじい眠気が襲ってきています。だからといってテーブルでうつ伏せになるわけにもいかないし、椅子に身を投げ出すわけにもいきません。睡魔に関してはとにかくもう、歯を食いしばってガマンするほかありませんでした。
 たまたま文庫の小説を持っていたので、それで多少は時間つなぎになったのですが、それとて2時間ほどで読み終わってしまいました。一人で何もせずに過ごす1時間というものがどれだけ長いか、思い知らされましたね。今度デニーズで徹夜するときは、もっとたくさん本を持って行くことにしましょう。(←なにか根本的に間違っている。)

 アイスティーを微妙に飲み残したりなど工夫しつつ、なんとかだましだまし時間をつぶした末……ようやく始発の時間となりました。あーっ、長かったっ。
 でも、デニーズから駅まで実は2キロ近くもあり、雪を踏みしめつつ歩くのは非常に苦労したことを付け加えておきます……。

 拷問のような一夜が終わり、ようやっと始発電車に乗れて、心底ホッとしました。座席に座り、電車が発車してしまえば、黙っていても西葛西に着く。

 ……はず、でした……。

 はい、大方の予想通り、私はその電車でもまた乗り過ごしてしまったんですね。いつの間にやら西葛西などとっくに通過して、気が付いたのは茅場町にまで着いた頃でした。お、俺のバカ〜〜!

 結局その後も似たようなことを3回ほど繰り返し、やっとの事で家に辿り着いたのはもう8時近くにもなってのことでしたとさ。

 今日の教訓:寝るな。 以上。


01.01.31 お役所仕事。
 ちょっとしたヤボ用のために、区役所まで行ってまいりました。

 いや、なんというか……ひどかったっす、今日は。以前ここの日記で、役所の手際を褒めた事があるんですが、でももう、あれ撤回! ――ってくらい、今回はその対応の悪さに憤慨させられちゃったのでした。

 実に細かいことで、いちいちモメることモメること。たった書類1枚の処理のために、かれこれ20分くらいはやり合ってたでしょうか。「あんた日本語分かってんのか!」って怒鳴りたい気持ちを堪えるのに必死でしたよ。にゃろー、全然人の話聞いてねーし、マニュアル朗読のような受け答えしかしてこねーし……あーもう、思い出しただけでも腹が立つっ。
 そりゃま、こっちに全然非がないとは言わないですけどね。あんなマシーンみたいなのと話してたら、こっちだってカチンと来ちゃうってもんです。もともと機械だけでも出来るような手続きなんだから、それを人がやってる以上、ニンゲンらしい融通を利かせてくれなきゃ意味がないでしょうに。
 
 しかし、今どきあんな、いわゆる“お役所人間”って、ほんとにいるんだなあ……なんて、変に感心させられたりもしちゃいましたね。絵に描いて額に入れてさしあげたい気分ですよ、まったく。



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