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2021年12月 

 

 

 

 

 

 

「豚舎・設備のお悩み解決!」(101)「車両消毒ゲート」

 
 家畜衛生管理基準が改正されてから、農場の入り口での車両消毒を改善したいと考えている方が多いことと思います。
少しでも効果が上がる消毒を、少しでも手間をかけずに。さらにコストも抑えてと考えるのが一般的ですね。
これから設置を考えている方にも既存の施設を改良したいと思っている方にも役立つアイデアをご紹介します。
 一般に車両消毒ゲートと呼ばれる施設は上下左右から消毒液が噴霧され、そこを車両が通過することで車両を消毒する施設です(図1)。
複数のメーカーから製品が発売されています。
導入する上で気を付けたい点をいくつか挙げておきます。



まず、噴霧方向ですが、左右だけのものもあれば、左右と下からのタイプ、上下左右の全方向から噴霧されるものとがあります。
農場の防疫レベルを考慮しながらどのタイプにするかを検討してください。

単純に考えると上からの噴霧は不要にも思えますが、私は上下にも噴霧ノズルが付いているタイプが一番おすすめです。
餌のバルク車は上部に人が乗りますから上からも消毒をかけたほうが安心です。

また、車両の下側やタイヤの内側は下側から噴霧しないと消毒が行き届きません。
また、実際に使ってみるとわかりますが、車両の進行方向に噴霧するノズルも付いているかどうかも重要なポイントです。
トラックは後ろ側もしっかりと消毒をかけることが重要なので、
トラックが消毒ゲートを通過した後に後方から消毒をかけられるかどうかがカギとなります(図2)。


次に、ON-OFFスイッチを自動にするか手動にするかの選択です。


図3は手動のスイッチを設置する位置を示したものです。
消毒ゲートの手前にONスイッチを設置。ゲートを通過後、大型車も完全に通過した運転台の位置にOFFスイッチを設置します。
手動スイッチは設置費用が安いですが、天気が悪い日はドライバーにとって窓を開けるのが嫌なものです。

また、スイッチに気付かなかったり、面倒がって消毒をせずに通過する車両がないとも限りません。
できればセンサーでONOFF出来るシステムにすることをお薦めします。
センサーを取り付ける位置は、ONセンサーは手動の場合と同じです。
OFFセンサーはゲートから出て2mぐらいの位置が良いです(図3)。


次にポンプと薬液タンクの位置です。
薬液タンクとポンプを設置する位置は消毒ゲートの下部ノズル配管よりも低い位置にします。



地下または段差を利用するなど、設置場所に応じて工夫して下さい。地下設置するメリットは、凍結防止とドレンのし易さです。
水中ポンプが停止すると配管内の薬液は自然に薬液タンクへ戻ります。ですから配管の凍結防止になります。

また、薬液タンク室も地下であれば凍結防止になります。
これにより、冬でも凍結せずに噴霧できます。

しかし、真冬日(1日中氷点下)が続くような地域では、温水にするなど、別途凍結防止対策が必要かもしれません。

次に、忘れがちな重要事項が、看板の設置です。
消毒ゲートは従業員以外も通ります。餌のバルク車や、肉豚出荷車のドライバーの中には初めて来る人や、
久々に来る人などもいます。

ですから、使い方(通過の仕方)を書いた看板は必ず設置して下さい。

看板の書き方の例
@.ゲート手前、センサー(スイッチ)の所で一旦停止して下さい。
A.(スイッチを押し)全てのノズルから消毒液が出たら、
時速5kmで前進して下さい。
B.停止スイッチの所で一旦停止し、停止ボタンを押して下さい。
 (Bは手動スイッチの場合のみ)
C.消毒液が白い泡にならない場合は、消毒液が薄い、又は無くなっている可能性がありますので、
農場責任者まで連絡下さい。連絡先○○○-×××
 
今回紹介したような消毒ゲートは、設置費用が200万円〜300万円かかります。
しかし、伝染病が入ってしまっては、その何倍何十倍の損害を被ることになります。
ここはケチらずに設置する事をお薦めします。

 

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最終更新日 : 2022/01/23