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「豚舎・設備のお悩み解決!」(100)「堆肥の減量化と販売工夫」 ここ数年、養豚の景気が良かったこともあり、規模拡大する農場が多くなりました。
それに伴い堆肥の処分(販売)に苦慮する農場も多くなりました。
そこで今回は堆肥販売の工夫と堆肥の減量化についてアイディアをご紹介します。 私自身、農家であり、かつて米作りも自分で行っていました。
養豚の堆肥を使うとお米が美味しくなり、収量も上がります。
農家の人たちはそのことは十分承知しています。
しかし散布のし易さの観点から化成肥料しか使わない農家が多いのです。
これは野菜などの畑作でも同じです。
耕種農家に堆肥を使ってもらうには、養豚場側では使いやすい堆肥を製造することが重要です。
では、どんな堆肥が耕種農家にとって使いやすいのかというと、ブロードキャスターで散布できることです。
次に使いやすい堆肥を製造するための設備についてご紹介します。 写真1 最近では臭気対策がしやすくて設置面積が小さい、
縦型コンポを導入する農場が多くなりましたので、注意しなければならない点があります。
縦型コンポでは1次発酵が終了しません。
言わば乾燥豚糞に近い状態の製品であることです。
冒頭でも書きましたように、縦型コンポから取り出した物を堆肥盤で切り返しして、
発酵を進ませれば良い堆肥になりますが、なかなかそこまでやっている農場は少ないと思います。
未熟堆肥は、水田や水はけの悪い畑に施肥すると、嫌気性発酵するので、根腐れを起こす危険性があります。
ですから多量施肥は出来ません。
つまり養豚場側からすれば、堆肥のはける量が少ないということです。
堆肥は完熟させることにより、有機物の分解が進みます。
二酸化炭素と水蒸気となって発散しますので、堆肥の量が減ります。
ですから堆肥盤で寝かせて完熟させた方が、量は減るし使う農家からも喜ばれます。
但し、縦型コンポでカラカラに乾燥させて取り出したものは、そのまま堆肥盤に堆積しても発酵が進みません。
水分が足りないからです。
堆積して発酵が継続するぐらいの状態で取り出す必要があります。
次にどうしても堆肥の引取先が足りない場合の堆肥減量方法です。
方法としては大きく分けて3種類です。
@焼却する。
A熱分解装置を使って灰にする。
B特殊な酵素や発酵菌を混ぜて減量発酵させる。
@の堆肥や豚糞の焼却炉は昔からありますが、ランニングコストが大きいので普及していません。 Aの熱分解装置とは、『パグマU』という商品名で販売されている機械です(写真3) Bの発酵菌や酵素は昔からいろんな業者が開発しては消えて、を繰り返してきましたので、 眉唾(まゆつば)物と思われがちです。 私も養豚場勤務20年とコンサルになって15年間いろんな菌を試してみましたが、これと言った決め手はありませんでした。 しかし、最近ホンモノかなと思える業者さんが見つかりました。 写真1の農場は今年1月から使用開始して、9ヶ月間堆肥の取出しをしていないそうです。 生糞の投入は毎日5〜6トンだそうです。 私も農場勤務時代に同じ型式で同じ規模のコンポを使っていましたので、取出しは月に2回ぐらい必要でした。 加えて臭いが少ないことが驚きでした。 これなら悪臭公害も無くなると思いました。 |
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