|
| 「豚舎・設備のお悩み解決!」(41)電気系統のトラブル原因の突き止め方 どこの農場でも小さな電気トラブルは時々起こるものですから、最低限抑えておきたい事柄をまとめてみました。 まずトラブル対応をする上で、備えておきたい計器が写真1の電気テスターと写真2のクランプメーターです。
次に漏電ブレーカーが下がった時の原因箇所の突き止め方です。 その後図2のように該当する豚舎の分電盤に行き、同じように子ブレーカーを全て下げてから漏電ブレーカーを上げて、 子ブレーカーを1個ずつ上げていきます。 漏電が発生した直後ならこの方法で発見できます。 しかし、時間が経ってからですと、漏電が無くなってしまい発見できなくなります。 ですから、たとえ忙しくても漏電が発生したら直ちに漏電箇所探しを行って下さい。 漏電しているブレーカー系列がわかったら、 次はそのブレーカーに繋がっている機器や配線のどこで漏電が起こったかの特定に移ります。 ここで漏電の特徴を知っているとある程度予測が付くので早く発見できます。 漏電の原因は大きく分けると次の3つのケースです。 @ 電気機器の水濡れ。雨が降っている時に漏電が起こるなら屋外にある機器又は雨漏りによる水濡れを疑います。
コルツヒーターを分娩時に母豚の尻側に下げておいて、母豚の尿がかかるケースもあります。 A ネズミにかじられて裸になった電線が豚舎の金属部分に接触して起こる漏電。
これは強烈なスパークが起こるので火事になる危険性が最も高いケースです。 B 作業者または豚の感電。感電も電気的に見ると漏電と同じ現象です。
豚が垂れ下がった電線をかじって感電した際も漏電ブレーカーが下がりますが、
かじるのを止めると漏電も止まるので、なかなか発見できない場合があります。
餌ラインのリミットスイッチや保温ランプ、豚舎の中を引き回している延長コードなどを良く見渡して発見することが肝腎です。 次にインバーター制御している換気扇系統で、インバーターがエラー表示して止まるケース。 多くの場合は、換気扇のモーターの劣化かインバーターの故障が主な原因です。 エラー表示の内容が『過電流』(富士インバーターでは“OC”と表示)ならば 換気扇モーターの劣化又は途中の配線がネズミにかじられて1本が断線している場合です。 三相交流モーターでは、3本のうち1本が断線すると回転力が弱まると同時に、 残り2本の線に規定以上の電流が流れるのでインバーターは異常停止します。 インバーターがない系統ではこの状態が続くと、モーターが焼けて動かなくなり、やがてブレーカーが落ちます。 悪い換気扇を特定するには、換気扇1個ずつにモーターブレーカーが付いているケースでは、 全部のモーターブレーカーを下げたあとで配電盤のブレーカーを上げ、 換気扇のモーターブレーカーを1個ずつ上げていけば、悪い箇所を上げた瞬間に配電盤のブレーカーが下がるか インバーターが停止します。換気扇個々にモーターブレーカーが付いていない場合は、 換気扇のモーターを1個ずつ触って過熱していないか、異常な音がしていないかを調べて判断します。 また、クランプメーターを使って換気扇1台ずつ何アンペアの電流が流れているかをチェックします。 換気扇の定格電流以上に電気が流れているものが怪しいです。 次にスイッチを入れても電気器具機械が動かないケース。 最初にチェックするのは電気が来ているかどうかです。 電源コードをコンセントから抜いて、コンセントに電気が来ているかどうかをテスターでチェックします。 テスターのレンジをACV(交流電圧)にします。 100V電源ならば、95〜105Vあれば正常です。 動力なら三相の2つずつを測定します。
もっと詳しく書きたいところですが、紙面の都合で今回はこれまでとさせて頂きます。 。 |
この Web サイトに関するご質問やご感想などについては、お問い合わせフォームからお送りください。
|