「豚舎・設備のお悩み解決!」(37)非常用発電機・・・備えあれば憂い無し

先月の熊本地方を中心とした地震で被害に遭われた方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
思い起こせば5年前、東日本大震災で被災県の養豚場が最初に直面したのが電気の確保でした。
揺れによるピットや建物への被害が出た農場もありましたが、それ以上に大切なのが豚の生命に係わる餌と水。
ほとんどが電気で動く設備で給餌給水されているわけですから、停電は致命的でした。しかも回復に数日かかるという報道が出され、みんなが発電機を求めてリース会社に走ったのです。
しかし、数が足りなくて十分に行き渡りませんでした。
さらに追い打ちを掛けたのが、ガソリンスタンドの営業停止。
停電や道路の寸断でタンクローリーが来ないためでした。

 あの震災の後、私は農場へ非常用発電機と燃料を備えておくことの大切さを記事投稿やメルマガで情報発信させていただきました。
今回の熊本での大地震は多くの方が『想定外』と語っておられます。
東日本大震災の大津波もみんなが想定外だった出来事です。
ですから、想定外の自然災害は全国どこでも起こりえる時代なんだと考えるのが自然ではないでしょうか。
いざ停電が数日間続いた時の損害に比べたら、非常用発電機を準備する費用ははるかに小さいものです。
では、具体的にどれくらいの発電機を用意すれば良いのか。
また、どのように設置(電気接続)すれば良いのかを具体的に説明させて頂きます。

 まず、発電機の必要な容量(最大出力)は、農場にある停電させたくない電気設備の消費電力を求めることから始めます。
優先順位は、
@ ウインドレス豚舎の換気扇合計消費電力の約半分(100%あればベスト)
A 給水ポンプの消費電力
B 給餌ラインの合計消費電力
以上3つの合計消費電力の約2倍の出力を持つ発電機を準備して下さい。
何故2倍かと言いますと、モーターの特性上、回り始めには瞬間的に定格電流の2倍から3倍の電流が流れるのです。
ですから発電機の出力に余裕が無いと発電機がエンストしてしまいます。
発電機は1台ではなく数台でカバーすることでも大丈夫です。
農場建設時からウインドレス豚舎がある農場では、非常用発電機が最初から設置されているところが多いのですが、安心は禁物です。
その非常用発電機で給餌ラインや給水ポンプまで給電できるのかどうかを確認して下さい。
ちなみに私が以前勤務していた農場では、非常用発電機で動くのは換気扇の半分(インバーター制御部分)のみでした。

まず、目安として農場規模に応じた発電機の大きさをざっとご紹介します。
母豚規模100〜200頭の個人経営農場で全て開放豚舎の場合は、給水1.5kw、給餌0.4kw×5台の合計3.5kwくらいですから、最大出力7〜8KVAぐらいのもので間に合います。
先月の熊本地方を中心とした地震で被害に遭われた方々へ、心よりお見舞い申し上げます。思い起こせば5年前、東日本大震災で被災県の養豚場が最初に直面したのが電気の確保でした。揺れによるピットや建物への被害が出た農場もありましたが、それ以上に大切なのが豚の生命に係わる餌と水。ほとんどが電気で動く設備で給餌給水されているわけですから、停電は致命的でした。しかも回復に数日かかるという報道が出され、みんなが発電機を求めてリース会社に走ったのです。しかし、数が足りなくて十分に行き渡りませんでした。さらに追い打ちを掛けたのが、ガソリンスタンドの営業停止。停電や道路の寸断でタンクローリーが来ないためでした。
 あの震災の後、私は農場へ非常用発電機と燃料を備えておくことの大切さを記事投稿やメルマガで情報発信させていただきました。今回の熊本での大地震は多くの方が『想定外』と語っておられます。東日本大震災の大津波もみんなが想定外だった出来事です。ですから、想定外の自然災害は全国どこでも起こりえる時代なんだと考えるのが自然ではないでしょうか。いざ停電が数日間続いた時の損害に比べたら、非常用発電機を準備する費用ははるかに小さいものです。では、具体的にどれくらいの発電機を用意すれば良いのか。また、どのように設置(電気接続)すれば良いのかを具体的に説明させて頂きます。

 まず、発電機の必要な容量(最大出力)は、農場にある停電させたくない電気設備の消費電力を求めることから始めます。優先順位は、
@ ウインドレス豚舎の換気扇合計消費電力の約半分(100%あればベスト)
A 給水ポンプの消費電力
B 給餌ラインの合計消費電力
以上3つの合計消費電力の約2倍の出力を持つ発電機を準備して下さい。何故2倍かと言いますと、モーターの特性上、回り始めには瞬間的に定格電流の2倍から3倍の電流が流れるのです。ですから発電機の出力に余裕が無いと発電機がエンストしてしまいます。
発電機は1台ではなく数台でカバーすることでも大丈夫です。農場建設時からウインドレス豚舎がある農場では、非常用発電機が最初から設置されているところが多いのですが、安心は禁物です。その非常用発電機で給餌ラインや給水ポンプまで給電できるのかどうかを確認して下さい。ちなみに私が以前勤務していた農場では、非常用発電機で動くのは換気扇の半分(インバーター制御部分)のみでした。

まず、目安として農場規模に応じた発電機の大きさをざっとご紹介します。
母豚規模100〜200頭の個人経営農場で全て開放豚舎の場合は、給水1.5kw、給餌0.4kw×5台の合計3.5kwくらいですから、最大出力7〜8KVAぐらいのもので間に合います。写真1はデンヨーの8.7KVAタイプですが、ヤフオクに新品124万円で出品されていました。
 次に母豚300〜500頭クラスで分娩舎と離乳舎がウインドレスの場合ですが、豚舎の換気専用に約12kw、給水ポンプ3.7kw、給餌ライン0.4kw×5+0.75kw×4で合計17kwですから35〜50KAVの発電機で間に合います。デンヨー社のものではDCA-45(定価355万円)やDCA-60(定価462万円)という機種が適合します。これらは可搬式発電機なので、設置には後述するような注意が必要です。また、停電時に自動で起動して商用電源との自動切替え機能持ついている固定型は、写真2のようなタイプです。こちらは受注生産ですので、価格は設置工事込みで見積をして頂くことになります。
 
次に設置・接続方法を具体的に説明します。可搬式発電機を非常用に使う場合は、配電盤に直接繋いではいけません。商用電源が復帰した時に電源周波数のタイミングが合わなくて波及事故(電力会社のブレーカーが落ちる)に発展してしまいます。写真3のような切換え器を、図1のように接続して下さい。
停電時の使い方は
@ 配電盤内のブレーカーを全て下げる
A 電源切替え器を発電機側にする
B 発電機を始動する
C 配電盤内のブレーカーの内、必要な機器のものを一つずつ上げていく

豚舎が複数棟あり給水ポンプも離れた場所にある場合は、発電機も複数台数用意して、その現場ごとに発電機と商用電源の切換え器を設置して下さい。
発電機と商用電源の切換を自動で行う方法もあります。図2のような切換え器を製作すれば、発電機を始動すると自動的に発電機に切り替わり、発電機を停止すると自動的に商用電源に切り替わります。そして図3のようにメインブレーカーの配線を換えればOKです。

それではみなさん、次の災害の時に泣きを見ないように、発電機とその接続方法をしっかりと見直しされることをお勧め致します。
写真18.7KVA発電機

写真1はデンヨーの8.7KVAタイプですが、ヤフオクに新品124万円で出品されていました。

 次に母豚300〜500頭クラスで分娩舎と離乳舎がウインドレスの場合ですが、豚舎の換気専用に約12kw、給水ポンプ3.7kw、給餌ライン0.4kw×5+0.75kw×4で合計17kwですから35〜50KAVの発電機で間に合います。
デンヨー社のものではDCA-45(定価355万円)やDCA-60(定価462万円)という機種が適合します。
これらは可搬式発電機なので、設置には後述するような注意が必要です。
また、停電時に自動で起動して商用電源との自動切替え機能持ついている固定型は、写真2のようなタイプです。
写真2:自動切替え型固定式非常用発電機

こちらは受注生産ですので、価格は設置工事込みで見積をして頂くことになります。
 
次に設置・接続方法を具体的に説明します。
可搬式発電機を非常用に使う場合は、配電盤に直接繋いではいけません。
商用電源が復帰した時に電源周波数のタイミングが合わなくて波及事故(電力会社のブレーカーが落ちる)に発展してしまいます。

写真3日東工業のDCS切換カバースイッチ

図1:

写真3のような切換え器を、図1のように接続して下さい。
停電時の使い方は
@ 配電盤内のブレーカーを全て下げる
A 電源切替え器を発電機側にする
B 発電機を始動する
C 配電盤内のブレーカーの内、必要な機器のものを一つずつ上げていく

豚舎が複数棟あり給水ポンプも離れた場所にある場合は、発電機も複数台数用意して、その現場ごとに発電機と商用電源の切換え器を設置して下さい。
発電機と商用電源の切換を自動で行う方法もあります。


図2のような切換え器を製作すれば、発電機を始動すると自動的に発電機に切り替わり、発電機を停止すると自動的に商用電源に切り替わります。


そして図3のようにメインブレーカーの配線を換えればOKです。

それではみなさん、次の災害の時に泣きを見ないように、発電機とその接続方法をしっかりと見直しされることをお勧め致します。

 

 

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最終更新日 : 2022/01/23