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「豚舎・設備のお悩み解決!」(19) 小水力発電
今月も読者様からの質問について私の知見をご紹介します。 今月は小水力発電についてです。 先月私が主催のセミナー『年間利益300万円の差が出る電気のプロ知識』の中でも小水力発電について紹介しましたところ、もっと詳しく知りたいというご要望を頂きました。
小水力発電とは出力1,000kw以下の水力発電設備のことを指します。
世界的には統一基準がありませんが、日本では2008年4月に施行された「新エネルギー法」で規定されています。 【小水力発電の特徴】 電力会社の水力発電所はダムの水を利用していますが、小水力発電では専用のダムを造らず、河川や農業用水、砂防ダム、上下水道などを利用し、水車や小型のタービンで発電するものです。 今まで無駄に捨てられていたエネルギーを利用して発電することで火力発電による地球温暖化を少しでも減らそうという狙いもあって、国では補助金を出して推進しているところです。 再生可能エネルギーの中でも太陽光発電や、風力発電に比較して次の様な長短所があります。 ◆長所 ・水量の変化が小さいところでは、昼夜、季節を問わず年間を通して安定した発電が可能 ・光や風の影響が無いので施設利用率が50〜90%と高い(太陽光発電は約10%)。 ・太陽光発電よりも設置面積が少なくて済む ・発電量1kw当りの建設コストが安い
・発電した電力の固定価格買取単価が高いので経済性が高い 2014年の買取単価(消費税抜き):ソーラー32円/kwh、小水力34円/kwh 再生可能エネルギー固定価格買取制度により設置後20年間同一価格で売電できる。
◆短所 ・設置出来る場所は流量が豊富な場所または落差のある場所に限られる ・水利権が絡むので利害関係の調整が必要。山間部に立地する農場の場内を流れる澤水ならば自由に使える ・太陽光や風力に比べ、法的な規制や多くの申請が必要なケースがある。(河川法など) ・まだ設備が一般化していないので、メンテナンスや修理の時に時間と費用が多くかかる 【実際の養豚場で設置可能な場所は?】 @ 常に水が流れている堀や水路や沢には水車型発電機(写真1)が最適 A 回分式浄化槽の排水口 放流口が低い位置にあるならば。写真2のような小型発電機を設置可能 【補助金】 小水力発電設備を設置するに当たっては、国や都道府県の補助金を活用することが出来ます。 年度や都道府県によって制度は異なりますが、通常は申請時期が4月から8月ぐらいまでです。平成26年度はこのような補助制度がありました。 事業名:小水力発電導入促進モデル事業 申請窓口:(社)新エネルギー導入促進協議会 補助率:工事費の2/3以内
募集期間:H26年5月28日〜H26年8月29日
事業名:地域新エネルギー等導入促進事業 申請窓口:(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 補助率:工事費の1/2以内
事業名:独立型再生可能エネルギー発電システム等対策費補助金 申請窓口:一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(NEPC)
【発電機メーカーまたは施工業者】 導入してみたいと思われた方は、いちど水力発電機メーカーに相談してみると良いでしょう。 主な業者と連絡先をあげておきます。
・日本小水力発電株式会社 TEL 0551-38-4040 ・東京発電株式会社 03-6371-5173
・株式会社かんでんエンジニアリング ・東北小水力発電株式会社 018-883-0733
・荏原商事株式会社 TEL 03-5645-0151 ・全国小水力利用推進協議会ホームページ http://j-water.org/
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