「豚舎・設備のお悩み解決!」(17)照明設備の工夫

今月は、「種付ストールと分娩舎の照明を明るくしたいのだが、

具体的にどのようなことをすればいいか?

また照明を取り付ける箇所が足りない。

後付で照明を取り付けるか、少ない照明でも明るくするにはどうしたらいいか?」
という読者様からの質問にお答えして、照明設備の工夫をお届けします。
 
 種付ストール舎と分娩舎の明るさは発情再起と産子数に影響しますから

十分な明るさを確保しなければなりません。

また、1日の中での点灯時間も大切です。
 
 
具体的には
分娩舎では300350ルクスで16時間。
種付ストール(離乳〜交配後30日)は250ルクスで16時間、
妊娠ストール(交配後30日以降)が220ルクスで14時間必要です。
 
 
 
ルクスは明るさの単位ですが、直感的にはわからないですから、

デジタル照度計を買って測りましょう。
 
今はネットの通販で3,000円くらいから販売されています。
 
グーグルで「照度計」で検索するとたくさんヒットしてきます。
 
 
もし、どうしても直感的に判断したいのでしたら、
 
豚舎の暗い部分にしゃがんでみて、
 
そこでも新聞の文字が楽に読める明るさがあれば大丈夫です。
 
 
 
では次に、暗い豚舎を明るくする方法をいくつかご紹介します。
 
図1が豚舎の平面図と蛍光灯の配置を示した例です。部屋全体を明るくするには、
 
図2のように既存の蛍光灯の間にLED照明を追加する方法です。
 
ただ単に追加すれば消費電力が多くなります。
 
 
広い妊娠ストール舎などでは場合によってはブレーカーの容量が足りなくなることもあります。
 
そういう場合は、図2のようにLEDランプを追加するのと合せて、
 
既存蛍光灯をランプだけ直管型LEDランプに取り替えることです。
 
 
 
図3が交換用の直管型LEDランプです。
 
一般にLEDランプは、同じ明るさの蛍光ランプよりも消費電力が半分です。
 
 
 
例えば、40ワット蛍光灯が20カ所付いている豚舎の場合ですと、
 
合計の消費電力は800ワット、です。
 
同じ明るさで消費電力が20ワットのLEDランプを20カ所追加すると、
 
合計の消費電力は1,200ワットになります。
 
 
 
しかし、既存の蛍光灯のランプを全てLEDランプに交換すれば、
 
20ワットが40本になりますので、
 
改造後の全体でも800ワットで、改造前と消費電力が変わりません。
 
 
 
図4は天井や梁に取り付けるタイプの防水型LEDランプです。
 
この商品は「エコトレーディング」というネットショップで見つけました。
 
20W型(12WLEDランプ付き)が8,980円、
 
40W型(21WLEDランプ付き)が11,900円で買う事が出来ます。
 
 
 
図5は分娩舎の天井にLEDランプを追加設置した例です。
 
この例では電源は既存の蛍光灯器具から分岐させて配線しました。
 
 
 
次に交配ストールを部分的に明るくしたいのであれば、
 
 
図6の商品が適しています。
 
こちらは、ソケットを繋いで連結できるタイプです。
 
太和通商株式会社のホームページで通販も受け付けています。
 
20W型(15WLEDランプ付き)が9,300円、38W型(25WLEDランプ付き)が12,900円で買う事が出来ます。
 
これを交配ストールの上に吊せば良いのです(図7)。
 
このときに注意点が一つあります。直管型LEDランプは図8のような構造をしているので、
照射面は明るいのですが基板側は暗いのです。
 
ストールの上に吊す場合は、照射面を下に向けて、ランプが回転しないように固定して下さい。
 
 
 次に116時間きちんと点灯させるには24時間タイマーでON-OFFさせるのがベストです。
 
タイマー設置工事は基本的に電気工事店へ依頼しますが、
 
自前で設置する場合は図9のような結線にして下さい。
これは、手動ON-OFFスイッチをONのままにし忘れて、夜中も点灯している無駄を省くためです。
 
また、夜中に見回りする時は24時間タイマーのON-OFF切替えつまみを回して点灯、消灯して下さい。
 
 以上、簡単ではありますが、皆様の農場での繁殖成績向上と、節電のお役に立てれば幸いです。
 

 

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最終更新日 : 2022/01/23