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「豚舎・設備のお悩み解決!」(15)蜘蛛の巣の掃除と屋根の補強 今月は読者様からの「蜘蛛の巣の掃除の仕方を教えてほしい」というもの 「強風対策として後付で屋根を補強するなどできないか」「普段雪の降らない地域でできる雪対策として何かないか」という要望にお答えします。 【蜘蛛の巣の掃除の仕方】 豚舎の中と外では少し違います。まず豚舎の中ですが、普通の箒にトイレットぺーパーを巻いて、それで絡め取ります。天井など、高いところ用には柄の長い箒を、通路の壁用には柄の短い箒を使いましょう。
絡め取った蜘蛛の巣は、ゴム手袋をはめて箒からトイレットペーパーごと引きちぎれば、簡単に取れます。 次は豚舎の外の広い範囲に密集したような蜘蛛の巣を退治する方法です。 黒と黄色の縞模様の大きな蜘蛛が大量に発生している農場が良くあります。 この場合は、巣だけを取り去っても蜘蛛が生き残っていれば、またすぐに巣を作ってしまいます。ですから、巣を取り去る前に蜘蛛退治です。 それにはスプレーガン式のクモ退治スプレーで処理します。そのあとで残った蜘蛛の巣を前記した箒や竹などで絡め取ります。竹で絡め取った場合は燃やしてしまうのが簡単です。 クモ退治スプレーには忌避効果も有り、1ヶ月くらい蜘蛛の巣を張らせない効果が期待できます。クモ退治スプレーはホームセンターでも売っていますが、広範囲に散布する場合は、業務用のカメムシ・クモスプレー(18L)がお得です。これは原液を薄めずに噴霧器などで散布するものです。販売先は、グーグルで「虫退治」と入力して検索すると『虫退治.COM』というホームページが見つかります。その中の『クモ対策』をクリックすると見つかります。 ただ、日本に生息する蜘蛛には毒蜘蛛はほとんどいません。全部撃退してしまわずに有効活用する手もあります。例えば天井から垂れた1本の蜘蛛の糸、少しホコリを被って太く見えます。冬は、これが順送ファンの速度調整の目安となります。人肌では風を感じないが蜘蛛の巣がゆっくりなびいている程度に空気を動かす。これが順送ファンで豚舎内の空気をミキシングする時のベストな風速です。 また、クモは昆虫を餌にしています。つまり、ハエやゴキブリを食べてくれるのです。ハエやゴキブリ退治もやっかいなので、邪魔にならない場所の蜘蛛の巣は、そっとして残しておくのも賢い選択ではないでしょうか。 【強風対策として後付で屋根を補強する】
私が以前勤務していた農場で、豚舎の屋根が春先の強風で垂木ごと剥がされたことがありました。この時は建築時に垂木を軒桁に釘で打ち付けただけであったため、風で屋根が持ち上げられて、釘が抜けてタルキごと持ち上がったのでした。この場合の対策は垂木と軒桁をひねりかすがい(鎹)で止めることで補強できます。図3
また、物置や古い豚舎など屋根板が波板の場合は、屋根板を垂木に止めている傘釘を波板取付ビス(図4) 【雪対策】 今年は大雪で潰された建物被害が各地でありました。私の地元宮城県の平野部でも、通常は20cm以上雪が積もることはないのですが、今年の2月は40cmと30cmの2回も大雪がありました。それで、ビニールハウスの倒壊が最も多く発生しました。普段大雪がない地方では建物自体が大雪に耐えられる構造になっていませんので、特に難しい問題です。 ですから可能な対策は限られてきます。大雪注意報が出た時は、ビニールハウスでは暖房を焚いて雪を少しでも溶かす。堆肥発酵施設では脇のカーテンを閉め切って、コンポストを動かし、発酵熱で少しでも雪を溶かす位しか出来ないでしょう。豚舎の場合は災害保険を掛けて置くしか方策はないでしょう。建物自体を補強工事することは技術的には可能でも、コストを鑑みると保険を掛けた方が得だと思います。 最近は毎年のように異常気象で災害が発生しています。これも地球温暖化の影響なのかもしれません。みなさんも豚舎に掛けている保険を見直して見て下さい。どんな災害でいくらおりるのかを知っておくことが重要です。 |
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