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「豚舎・設備のお悩み解決!」(9)密飼い対策
近年はトピッグスやダンブレッドなど、繁殖成績の高い種豚がユーザーの関心を集めていますね。
繁殖成績アップに伴って経営者の頭を悩ますのは、肥育スペースの不足ではないでしょうか。
一般的に繁殖成績がアップした時に取る方策としては、
Aの豚舎増設は、長い目で見れば最も利益を増やせる方法だと思います。
Bの子豚出荷は、安定した出荷先が見つかれば即効性のある対策になります。
では、2〜3割の密飼いでも発育成績を落とさずに管理する工夫を紹介します。まずはご自身の農場の離乳舎や肥育舎の豚房面積を収容頭数で割算してみてください。一般的に言われている1頭当り最低必要な面積を表1に示しますので、ご自身の農場と比較してみてください。例えば1ペン6uの離乳舎に20頭ずつ入れている場合はちょうど0.3u/頭ですね。また、1ペン18uの肥育舎に20頭ずつ入れている場合は0.9u/頭ですね。ここに1ペン25頭ずつ入れるにはどうすれば良いかと言うことです。
それには、餌箱と給水器を増やすことです。ドライタイプの餌箱ならば収容頭数の半分の食い口が必要です。25頭収容ならば12口。つまり6頭口餌箱が2台必要です。ウェットフィーダーならば収容頭数の10分の1の食い口が必要です。25頭収容ならば3頭口必要です。写真1は12収容時に1頭口ウェットフィーダー1台だったペンに、ドライの餌箱1台追加して15頭収容にした例です。写真2は12収容時に1頭口ウェットフィーダー1台だったペンに、ウェットの餌箱1台追加して15頭収容にした例です。
また、給水器は豚10頭に対して1個以上必要です。ウェットフィーダーを追加した場合は給水器も追加になりますから良いですが、ドライフィーダーを追加した場合には写真3のように給水器を追加設置してください。 給餌ラインからのドロップパイプは、高さに余裕があるならば写真1・写真2のようにト型分岐を付けて追加したフィーダーに分けます。こうすればシャッター部分の追加をせずに済むので、経費節約になります。 それからもう1点注意が必要なのは換気です。収容頭数が増えますので必然的に換気量を増やさないと具合が悪くなります。ウインドレス豚舎の場合は最低換気量の設定を増やします。ウインドレス豚舎以外では、順送ファンを回して下さい。環境コントロールには今まで以上に気を使って下さい。換気不足や急な温度変化に対してはストレス反応が出やすくなりますので。 実際に私のクライアント様農場での実施成績では、事故率、DG、FCとも落ち込みはなく、出荷頭数アップする事が出来ました。
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