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飼料用米の利用を考える ここ2年で飼料用米の作付けが急増しました。これは、稲作農家への国の補助金制度によるところが大です。実は私自身も農家であり、飼料米を生産しております。水田転作として、麦や大豆を生産するよりも作物の販売代金は少ないですが、食用米を作った場合と手取り収入が同じになる額の補助が出るため、取り組みやすいのです。 最近の研究データでは、肥育豚用飼料へ飼料米を20%〜30%混ぜても問題が無いことが実証されています。飼料価格が高騰している時節柄、なんとかこの飼料米を安く使う方法は無いものかと考えてみました。養豚家と稲作農家の両方のメリットを考えながらいくつかのシミュレーションをしてみましたので、興味のある方は取り組んでみて下さい。 このシミュレーションでは、養豚家が稲作農家と直接契約して売買することを前提にしています。JAによる飼料米の買い受け単価は、トウモロコシの岸着渡し価格を基準にしています。実際の平成23年産飼料米は17円/kgでしたので、20円ぐらいだろうと予想していた渡しはガッカリしました。ですから、JA単価よりも高い金額で養豚家が直接買い入れすれば、双方にメリットが出るはずです。
しかし、クリヤーしなければならない問題がいくつかあります。 表1は、母豚200頭一貫家家の場合の試算です。この規模以下の農場が購入飼料価格の交渉では苦戦しているところが多いと思います。飼料米の加工費の中に保管や輸送経費も織り込んでいます。粉砕器はデリカのDHC-4000Mの価格を用いました。付帯設備は粉砕器への投入と粉砕後の米粉を飼料タンクへ入れるコンベアーなどのおおよそ価格です。加工にかかる人件費は見ていません。 20%の配合率で年間約160万円、30%の配合率で約270万円のコストメリットが出ますので、トライする価値はあると思います。表1の「契約面積」とは、飼料米の年間使用量を生産するために必要な水田面積です。大農家や生産集団なら、2〜3経営体と契約すれば確保できる数量だと思います。
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