ピッグフロー改善例

 母豚400頭一貫経営農場でのピッグフロー改善例を紹介します。

この農場は以前、分娩舎で初産のトラブルが多かったことから、分娩舎3棟のうち1棟を初産豚専用にしていました。そして初産豚では離乳後1ヶ月、経産豚では2週間離乳子豚を分娩舎に置いていました。その時のフローは以下の通りでした。

離乳舎 → 子豚舎 → 前期肥育舎 → 後期肥育舎

3週間   2週間     7週間     9週間

移動回数が多い上に、入れる豚房がばらばらで、順序よい並びになっていなかったのです。それ故に離乳舎での事故が多く、餌に何種類かの薬品を常時添加して事故率を抑えていた状況でした。当然のごとく薬剤費が収益を圧迫していました。

そこで私が取った改善策は以下の通りです。

@     妊娠豚への馴致(分娩舎の糞を投入)と分割授乳の実施

A     分娩舎は2棟だけにして、初産豚も一緒に分娩させる。

B     離乳時は子豚も即時離乳舎へ移動する。

C     初産用分娩舎と子豚舎を2室ずつに仕切って離乳舎とし、既存離乳舎は3室に仕切る。そして週単位のオールインオールアウトで回す。

新旧のレイアウトとピッグフローは図1、図2の通りです。

その効果は、

@     初産豚も分娩舎でトラブル無く管理できている

A     豚の移動が1回減ったことにより、離乳舎の洗浄消毒が確実にできるようになった。(以前は時間が無いと子豚舎は洗浄せずに入れていた)

B     飼料に添加する抗生物質を1種類減らしても問題なく経過しており、薬剤品が低減できた。

C     離乳舎での人工乳給餌ペンの分散が解消できたので、餌の切り替えが、より正確にできるようになった。その結果、人工乳を長く引っ張りすぎることがなくなり、飼料費の節減ができた。

課題としては、離乳舎3棟のうち子豚舎から変更した棟の床が、古いコンクリートスノコのため他の離乳舎よりも下痢の発生が多く、また発育が遅い。今後の改善策としてこの離乳舎の床を全面プラスチックスノコに改造する予定です。

 

この Web サイトに関するご質問やご感想などについては、お問い合わせフォームからお送りください。
Copyright (C) 2016 (株)「マックプラニング
最終更新日 : 2022/01/23