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畜産物の盗難事件から学ぶ防犯対策とは 今年は畜舎から牛や豚が盗まれるといった前代未聞の事件が発生しました。10月下旬になって犯人像や目的などがだいぶ明らかになってきましたが、ほとぼりが冷めてからまた同じような盗難が発生するとも限りません。群馬や埼玉のみならず、全国で起こる可能性がありますから,皆さんの農場でも防犯対策を強化しましょう。部外者が無断侵入すると病気を持ち込む可能性も秘めていますから、防疫の観点からも不法侵入をさせない対策が必要です。 【侵入させない】
対策の第1歩は不法侵入をさせないことです。養豚場では防護柵(フェンス)の設置が義務化されましたので、設置済みの農場は多い事と思います。しかし、高さ1mそこそこの簡易柵だけでは簡単に壊して侵入されます。これから設置する農場では高さ1.5m以上にする事が望ましいでしょう。また、簡易柵のみ設置した農場では、その外側に電気柵を設置する事をお薦めします。 農場の出入口にはフェンスの扉を設置しますが、日中でも常に閉めておくことをお薦めします。車両が出入りする際、そのたびに門扉を開け閉めするのは面倒なことです。しかし、門扉が閉まっており、「無断侵入禁止」の看板も設置しておけば、不法侵入のリスクは確実に低くなります。 それでも、常に見張っていることは不可能なので、次の対策として防犯カメラの設置をしましょう。最近は小型でも高性能な防犯カメラが安価に手に入ります。中でもネットワークカメラとは映像をリアルタイムでインターネットを介して送ることが出来るものがお薦めです。自宅や事務所のパソコンでモニターしたり、録画したり出来るものです。最近の売れ筋はスマホからの操作で向きを変えたりズームをしたりできるものもあります。農場入口や道路に面した場所に設置するネットワークカメラは800万画素(4K)がお薦めです。このくらいの解像度があれば、不審車両のナンバーまで識別できるでしょう。ネットワークカメラには映像信号をLANケーブルで送るタイプとWi-Fiで送るタイプがあります。どちらにしても電源の供給とインターネットに接続するルーターや光回線が必要です。インターネット回線を引いていない農場ではネット回線の新規契約も必要です。Wi-Fi設備のある農場ならソーラーネットワークカメラを使えば電源の無い農場入口にも設置可能です。ソーラーネットワークカメラの中にはセンサーライトとサイレンまで付属しているものがあります。これなら防犯効果も一段とアップします。紙面では特定の商品を紹介することは出来ませんが、ネットの検索ページで「ネットワークカメラ」や「ソーラーネットワークカメラ」で検索すると見つかります。農場のフェンスの何カ所かへ「ネットワークカメラで監視録画中」と書いた看板を設置しておくことも忘れないで下さい。犯罪者にとって監視カメラで録画していることを知らしめることで犯罪行動を躊躇させる効果があります。外国人も想定して監視カメラの絵柄や英語の表記も付け加えておくことがより効果的です。 さて、防犯カメラ(ネットワークカメラ)単体では録画は出来ません。録画をするにはHDDレコーダーとカメラがセットのなったモデルを購入するか、パソコンに常時録画ソフトをインストールして録画するかのどちらかになります。農場の畜舎配置やネットワーク環境により、どちらのタイプにするかを判断して下さい。レコーダーとのセットモデルの場合カメラがPoE給電タイプのものを選んだ方が良いです。PoEとはLANケーブルで電源も供給できる方式ですから、カメラへの接続線がLANケーブル1本だけで済みます。ちなみに、カメラ4台とレコーダーのセットモデルがWebショップで3万円ちょっとで販売されています。 次にパソコンでネットワークカメラの映像を録画する方法をご紹介します。お薦めはLiveCapture3というフリーソフトですです。無料でありながら動体検知機能付きですので、ネットワーク経由で接続した複数のカメラ映像を監視し、動きを検知したときだけ、静止画像やWMV形式の動画で録画できます。また、一定間隔で録画する定点撮影もおこなえます。動体検知機能を用いた録画をする場合は、動きを検知する、指定した秒数前の映像も含めて保存できます。このような機能を使うと、録画するHDDの容量も少なくて済みますし、後で画像を確認する場合も問題のシーンを短時間で探し出せます。 次にお薦めなのが「Wondershare DemoCreator」です。無料版と有料版が有りますので、まずは無料版で使ってみて、気に入ったら年間ライセンス(税込み2,380円)または永久ライセンス(税込み4,780円)を購入すれば良いでしょう。どちらのソフトもネットで検索すれば見つかります。 【侵入されたら】 畜舎のすぐ前まで侵入されてしまったときは、まず威嚇して追い払うことです。よるに不法侵入されることが多いですので、センサーライトとサイレンまたは非常ベルを鳴らすシステムを設置しましょう。センサーライトには点滅して威嚇するモードを備えたものがお薦めです。これはネット検索でなかなか見つけにくいのでお薦めの機種名をお知らせしておきます。アイリスオーヤマの「AC式LED防犯センサーライト LSL-ACTN-2400」です。このモデルには明るさの違う3タイプがありますがその中で最も明るいタイプです。これが間近で点滅されるとホントにビックリします。(筆者も使っています)これにも動じない侵入者もいるでしょうから、人感センサーで動作する非常ベルも設置しましょう。著作権の関係で写真は掲載できませんが、いくつかの機種をご紹介します。まず「リーベックス(Revex) LED ライト 人感 センサー 防犯 スーパーパトロング SLB300」これはパトカーの屋根に乗っているパトライトの様な形状のもので、人が近づくと大音量と赤色LEDの点滅で威嚇します。乾電池式なので設置場所を選びません。 次は「Iamagie太陽警告灯」です。こちらはソーラーパネルと充電電池付属で、日中に充電して夜間に動作するモデルです。こちらも人が近づくと大音量と赤色LEDの点滅で威嚇します。 もう一つは「Secrui 人感センサー防犯アラーム」こちらは乾電池動作ですがオプションのACアダプターも購入すれば電池切れの心配がありません。また、リモコンも付属していて、警報のONO-FF操作ができます。例えば農場スタッフが夜間に見回るときなどは、センサーが感知する前にリモコンで警報OFFにしてから向かえば、無駄な騒音を出さずに済みます。
これでもまだ生やさしいと思う向きには、DIYで大音量ベルを鳴らす方法をお知らせします。使う部品は「人感センサースイッチユニット」 【通報】
最後は侵入者があったこと時に電話回線を使って事務所や自宅、携帯電話などに通報するシステムです。 ここまでご紹介した装備をしておけば、不法侵入や盗難はほぼほぼ未然に防げるでしょう。たとえ侵入されても、素早く対応できますし、録画データを警察に提供することにより犯人逮捕の役に立つことは確実です。皆さんも是非、装備を進めて防犯対策を強化して下さい。 なお、この記事で紹介した製品をネットで検索する場合は「 」でくくった文字を検索ウインドーに入力してください。そうすれば検索結果の1ページ目に目的の品が表示されるはずです。販売店は複数ありますから、その中から使いやすいショップを選んで発注して下さい。
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