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連載第3回:「各セクションのカードをつくろう 種付け」 【はじめに】 今回から4回に分けて、「各セクションのカード作り」について説明していきます。そのはじめとして、今回は交配カードと雄豚カード、交配台帳です。先月にも記しましたがカードは主に豚舎で記録し、豚舎で利用します。台帳は、主に豚舎で記録し、事務所に持ち帰って集計や保存用に用います。
母豚カードは母豚導入時、あるいは初交配時に作成し、その母豚が淘汰されるまでずっと母豚の移動と一緒に移動していきます。交配カードは1産に付き1枚使用します。離乳時に交配カードと分娩カードの内容を母豚カードに転記してから、交配カードは廃棄又は事務所で保管します。 【交配カードの目的】 繁殖成績を左右する要がなんと言っても交配ステージにあります。分娩担当がいくら頑張っても、種が付いていなければ何も始まりません。まずは日数管理から始まります。候補豚なら導入日、経産豚なら離乳日を基準にして雄に豚に当てる等の発情誘発時期を判断します。次に種付けが済んだら、再発情のチェックや妊娠鑑定をしますが、毎日全頭数を見るのでは効率が悪いですから、交配カードの種付け日や再発予定日欄を見て、重点的にチェックします。ですから前にも書きましたように大きな太い字で書いてある方が目的の母豚を見つけやすいのです。また、未交配豚も一目瞭然ですから遊び豚の低減にも役に立ちます。繁殖成績の善し悪しは担当者の意識にもよりますが、視覚に訴えることが重要です。場長やコンサルタントの先生にとっても、通路を歩きながら立ち止まらなくとも状態が把握できます。 【項目について】
項目は至ってシンプルで、必用最小限に抑えてあります。交配カード単体の様式では処置履歴やコメントを記入するスペースが十分にあります。気が付いたことを出来るだけ多く書き込んでおくと、例外的な現象が起きてもうまく対応して繁殖成績を落とさずに済むことが結構ありました。 【使い方の工夫】 交配舎にいる母豚をフェーズ分けすると、@未交配、A交配中(発情期間中)、B交配済み(妊娠未確定)、C妊娠確定になります。これらを視覚的に分かり易くする方法として色分けした洗濯バサミをカードに付けておく方法があります。また、私は洗濯バサミを持ち歩くのは面倒なので、カードの下げ方を変えていました。@は縦長に下げる。Aは斜めにさげる。Bは横長で交配カードが尻側通路から見えるように下げる。CはBを裏返して頭側通路から交配カードが見えるように下げる。という具合です。 【交配台帳】
この台帳は交配した順に記入していきます。基本は1週間分を1頁にします。週が変わったら余白があっても次の頁に書きます。こうすることによって週ごとの交配頭数が一目瞭然になります。自農場の交配目標頭数のところに太線を引くなど、目標に達したかどうかを分かり易い工夫を施し、それに応じて次週の交配頭数を増減させるよう調整すると良いでしょう。 また、パソコンで養豚ソフトに入力しているところでは、ソフトの入力項目と順序に合わせて交配台帳の項目名や順序を変えた様式にすると、入力の効率もアップし入力ミスも減ります。また、1頁中の行数は農場の規模に応じて増減すると良いでしょう 種付け雄豚No.の「状態」欄は交配中の状態を記入します。例えば雌が最初から最後までじっとしており、注入状態が良かったら「A」、雌が途中で逃げ出したりして満足に終了しなかったり、AIであれば、1本全部注入できなかったり逆流して出てきた時は「C」。その中間は「B」などと書きます。このような記録が積み重なると、交配技術のレベルアップの材料となります。 【雄豚カードについて】 これは、自然交配を行っている農場で利用します。雄豚房に下げておき、その雄を交配に使ったら、該当する日付の欄に丸印を付けます。雄は使いすぎると精子数が減少して種が付かなかったり、産子数の減少につながります。方や交配の間隔が空きすぎると、乗駕意慾が低下することがあります。2日連続して使ったら1日休ませる。1週間の最大使用日数は4日とする。1週間に最低1回以上使う。を心がけると良いでしょう。 【カードの制作】 今回ご紹介しました帳票をpdfファイルにしたものを私のホームページからダウンロード出来ますのでご利用下さい。また、エクセルファイルご希望の方は筆者まで御連絡下さい。メール添付であれば無償で差し上げます。 |
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