<原子力発電所の廃炉コスト>

以前の資料(報告書)では1基の原子力発電所を廃止するコストは、「200億円程度+α」と読めたのですが、「日本原子力発電東海原子力発電所の廃炉作業約930億円」です。
更に、新型転換炉実証炉「ふげん」(敦賀市・16.5万kW)
の試算

1.

解体費用

約300億円

2.

伴って生じる廃棄物の処分

約400億円

3.

施設撤去までの維持費

約数百億円

4.

運転中に出た低レベル放射性廃棄物の処分

約140億円

費用総額

約千数百億円

実際に、日本中に多くある原発は「軽水炉」と呼ばれるタイプであり、ふげんの炉型とは異なりますが、解体処分費用がそれほど大きく変わるとは思われません。

また、2002.3.31.の朝日新聞の「原発「後処理」費用、30兆円にも 電事連の長期試算で」との報道では、

《電気事業連合会による初の長期試算で、2045年までに全国で約30兆円》

「再処理工場(青森県・稼働期間40年)」
「商業運転原発(52基・稼働期間40年)、一定の増設を見込んだうえの解体・撤去のための積み立て費用や高・低両レベルの放射性廃棄物の貯蔵・処分など一連の費用

約26兆6000億円

但し、これには「再処理中に発生する超ウラン元素(TRU)廃棄物の処分」「再処理工場そのものの解体・処分のための積み立て費用」が含まれていないため、

その概算「TRU処分を3兆円程度」「再処理工場の解体・処分の積み立てを1兆円程度」と見積もった結果、

総額 約30兆円
(再処理関係だけで10兆円程度)。

電事連は期間中の原発の総発電電力量は、稼働率を8割と仮定して約16兆キロワット(kW)時と試算しており、1kW時あたり2円弱の負担。

この記事を元に考えると、約50基の原子力発電所の廃棄物を含めた処分費用が約26兆6000億円ということは、1基当たり「5320億円」。これには運転中に発生する廃棄物処分費用も含まれますが、原子力発電所の廃炉コストは「数百億円」ではすまないのは確実です。

「1kW時あたり2円弱」ということは、必ずしも高額とはいえないのですが、費用がこれまではっきりせず、印象としては「どうもいい加減?」という感じがあります。

原子力を進めるのであれば、この当たりはきちんとして欲しいものです。


処理・検査・輸送・処分費用
BWR
PWR

110万kW級

178億円
192億円

 80万kW級

133億円
152億円

 50万kW級

108億円
106億円

原子力発電所を解体撤去することによって、当然、廃棄物が発生します。その量は110万kW級発電所1基当たり、下記の表になります。(単位:m3

BWR

レベル区分

金属
コンクリート

二次廃棄物

合計

高βγ低レベル放射性廃棄物

90

0

10

100

コンクリートピット埋設対象低レベル放射性廃棄物

440
(800)

370

830
(470)

1,640
(1,650)

極低レベル放射性廃棄物

5,340
(23,240)

1,720

0

7,050
(24,960)

クリアランスレベル以下の廃棄物

(一般の廃棄物と同様に処分、再利用される)

202,000

PWR

レベル区分

金属
コンクリート

二次廃棄物

合計

高βγ低レベル放射性廃棄物

120

80

60

260

コンクリートピット埋設対象低レベル放射性廃棄物

1,420
(2,230)

390

580
(500)

2,390
(3,120)

極低レベル放射性廃棄物

2,160
(2,190)

880

0

3,030
(3,070)

クリアランスレベル以下の廃棄物

(一般の廃棄物と同様に処分、再利用される)

186,000

()内の数値は解体後徐染前の物量を示す。

「高βγ低レベル放射性廃棄物」「コンクリートピット埋設対象低レベル放射性廃棄物」「極低レベル放射性廃棄物」は放射性廃棄物として処分されます。以上のデーターは「総合エネルギー調査会 原子力部会中間報告 -商業用原子力発電所施設解体廃棄物の処理処分に向けて-」(1999年3月23日)より。廃棄物の量については、ちょっと分かりつらい書き方をしているので、ちょっと間違っているかもしれません(^^;;

日本では、実際に原子炉を解体処分したのは、日本原子力研究所の動力試験炉(JPDR)があるだけで、商業原子炉を処分したことはまだありません。

廃炉作業の流れは、下記のようになります。

すべての処置が完了するのには、30年近くかかるようです。(総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会廃止措置安全小委員会の報告書<2001年8月2日>より)
また、跡地利用については、明確には決まっていませんが、新しく原子力発電所を建設することを考えていますが、この点についてもはっきりしていません。

原子力発電所の解体作業を行う上で、技術的な困難はさほどありません。今後は、より効率良く、低コスト、合理的に作業を行える方法をどう考えるのか。また、発生する廃棄物をいかに少なくするかです。

処分について法律面の制度が、まだ未整備な点があり、それらの整備が必要となります。
また廃棄物の処分地は、六ヶ所村の日本原燃(株)の施設で行われます。ただ、地元関係には正式に申し入れ等を行っていないため、具体的な話についてはあまり表に出てきていません。

現在、廃炉が決まっているのは、日本原電(株)の東海1号機(東海村)です。

原子力発電所の寿命は30〜40年と言われていましたが、安全性が確保される大前提で、かつ経済性が見合うのならば、60年程度までは動かせると国・政府は考えています。

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