田辺マモルのソングス
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いつまでも若いって言われるのも悪くないが 年相応が一番 年相応 年相応 僕はかつて大人びた子どもだった それが今は子どもじみた大人だ 15、6歳の頃から今まで 変わらない時間の中で 変われない自分の檻に 自ら閉じこもっている男だ 生まれて 遊んで 恋をして 働いて 子を産んで 落ち着いて 年相応 年相応 遊ぶべきときに遊ばないと子供は 遊ぶべきじゃないときに遊んじゃうらしい 大学出のミュージシャンが多いのは そういうことなのかもな 昔つるんでた仲間は ちゃんと人生の午後を過ごしてるのに 僕はいつまでも真昼のままで 終わらない昼休みをもてあましてる いつまでもチャイムが鳴らないもんだから 不安になって見まわすと 遊んでるのは僕だけで みんなはもうちゃんと席に座ってる あわてて帰っても僕の席はない またグラウンドに戻って遊んでる ライフサイクル ライフサイクル 生まれて 遊んで 学んで 恋をして 働いて 子を産んで 落ち着いて 人類は くり返す くり返しにこそ意味がある 愛をくり返し 恋をくり返し 失敗をくり返し 成功をくり返し 愛の性交をくり返し 身ごもって オーベイビー 生まれて 親になって 子は育って さかって 逆らって 悩んで 病んで 引きこもって 弾き語って 曲作って 歌って ライフサイクル ライフサイクル
裏山で遊ぶ僕たち 冬の枯れ葉を踏みしめて 白い息を吐きながら シーソーにまたがって 長いすべり台をすべって 子どもたちもいない公園 見捨てられた見張り塔 荒縄のはしごを伝い 僕らは天辺まで登ったんだ 息きらしながら登ったんだ けがれのない夕焼けが 山の片側を強く照らしていたんだ 見張り台に腰をおろし 戦場の兵士たちみたいに 身をひそめ 息をつめ そのときけがれなき光が 君の顔半分にあたったんだ 君のまつげは光ってたんだ 瞳はすき通って 美しいというのはきっとこれを言うんだ 今僕らがここにいること 誰からも知られていない 今ここで息絶えても そのときけがれなき光が 君の顔半分にあたったんだ 君のまつげは光ってたんだ 瞳はすき通って 美しいというのはきっとこれを言うんだ 光の中の君を見たんだ 白く輝く君を見たんだ 天に昇るネロとパトラッシュを 包んだ光を僕は見たんだ これは永遠の光なんだ 今このときが永遠なんだ なんだかよくわからないけれど 僕はそのとき胸に刻んだんだ 恋する人だけが幸せだ そんなゲーテの言葉もあった 自惚れだってことはわかっていたけど 君を目に焼きつけたまま 光にとけてしまいたかった 影とともに消え去りたかった 今が僕の青春のクライマックスだと 気づいてしまったから 光はサーチライトのように 僕らを逃亡者にしたんだ 手をとって世界の果てまで逃げても 僕らの居場所などないんだ まるでスポットライトのように 僕らを主人公にしたんだ 今この光に出会えたことで 僕の生は肯定されたんだ 光の中の君を見たんだ 白く輝く君を見たんだ 今ようやくわかった 美しいというのはきっとこれを言うんだ これは永遠の光なんだ 今このときが永遠なんだ なんだかよくわからないけれど 僕はそのとき胸に刻んだんだ ーアルバム『ライフサイクル』(2007年)より
台所の床を拭いた 生活のあとがこびりついてた ひざまずいて僕は 二人のこぼしたかすや しみを濡れたきれでぬぐった しみを濡れたきれでぬぐった この狭い部屋は 使われない物たちであふれている 僕らの愛情もからだもまた 使われないまま捨てられもせずに 置き去りにされたまま ふけばきれいになるほど 新しい汚れでもないし けずり取るほど痛みを 覚悟できていないから しみは消えない 広がるばかり しみは消えない 広がるばかり 僕らは歳を取りつづける 残るのは愛か それとも情か いやいやどっちも同じものと 開き直るけど淋しさはつのり この狭い部屋は 使われない物たちであふれている 僕らの愛情もからだもまた 使われないまま捨てられもせずに 使われないまま捨てられもせずに ーアルバム『ライフサイクル』(2007年)より
僕よりもずっと若いのに ひとりでさっさと結婚して いつのまにか子どもまでいて その子どもももう三歳 久しぶりに町田の駅前で 昔のように待ち合わせて ちっとも変わらない君があらわれたと思ったら足もとには男の子がいた “クレイマー、クレイマー”っていう映画があったよね ダスティン・ホフマンの作るフレンチトーストがおいしそうでまねして自分で作ってみたけど んー クレイマー んー クレイマー、クレイマー むかしふたりで ベッドにもぐって そのくせなんにも しなかったことは いつまでも僕の青春の後悔だけど それでよかったのかもしれないね “クレイマー、クレイマー”っていう映画があったよね 子供をはさんで向かいあうふたり いつのまにか 僕らも そんな年になったんだね んー クレイマー んー クレイマー、クレイマー ーアルバム『ハロー!フォークス』(2004年)より
合戦(かっせん)のあとの まだくすぶっている炎のように 僕の心に消えない火がある 燃えかすにも見える その火は 新たな火種をさがして だいだい色の光をともしている 風さえ吹けば ひと筋の風さえ吹けばまた 燃え上がれるだけのしたたかさでもって 僕の火は胸に あかりをともし続けている くすぶり続けている 今にも消えそうで なかなか消えない線香の 燃え先のような火 思えば僕は 花火をあげようとばかりしていた パーッと咲かせようとしていた けれど花火じゃなくなく 小さな種火から 街をも燃やし尽くしてしまうような 火事を起こさなけりゃ 結局は何も 変わらないのだと いうことに気づく 小さな火の粉が 枯葉に落ちて 冬の山を 燃やし尽くすこともある 花火は 若さの 特権だ 僕はしぶとく消えずにいるしかない まわりくどい言い方に なってしまった 要するに僕はまだ燃えている まだ燃えているんだ 人からは消えかけているように見えていたとしても 合戦(かっせん)のあとの まだくすぶっている炎のように 僕の心に消えない火がある ーアルバム『ハロー!フォークス』(2004年)より
となりで君が眠りについた 僕はもったいなくて眠れずにいる 30云年生きてきて 何にも達成できていないけど ひとつほこりにしたいことは 君を手に入れられたこと 僕は狂っている? ああ狂っている 人生が君のとき 背中に手のひらをそっとあてて 君の感触を確かめている 君の存在をかみしめている 寝顔を写真に収めたいけれど まぶしい光で君を夢から覚ましてはいけないから 僕はためらっている? ああためらっている 人生が君のとき 明日のことを考えると 明日が早くやって来そうで 僕は今日にしがみつく 眠いけど目を閉じない 君の寝顔を みつめてる 肩を上下させて君は息をしている なんて美しい横顔だろう 死んだ智恵子を再現させようとした 光太郎の気持ちがわかる気がした 女の精神はしたたかで たくましいけれど 女の肉体はもろくてはかないもの 今の君を ああ たいせつにしたい 人生が君のとき 僕は狂っている? ああ狂っている 人生が君のとき ーアルバム『ハロー!フォークス』(2004年)より
いきなり雨が降って ぼくと君の会話に 水をさした ひとりでいた頃は 気づかなかったけれど 雨はとても あたたかくて ああ ずっとふたりは雨に濡れていた あそこにある自転車を 盗んで海へ行こう 荒々しい波へと からだを投げ出そう ぼくの腕と 君の腕を ひもで結んで 突然の出来事 君の涙のわけ 聞かなかった 国道沿いのモーテルは 人の気配もなくて 死んだように 時を止めた ああ ずっとこのまま朝が来なくてもいい あたりまえに思ってた 人のぬくもりを これほど確かに 今は感じている ぼくってなんだろう 君ってなんだろう これはなんだろう あそこにある自転車を 盗んで海へ行こう 荒々しい波へと からだを投げ出そう ぼくの腕と 君の腕を ひもで結んで かたく結んで 泳いでいこう 泳いでいこう ーアルバム『ハロー!フォークス』(2004年)より
真っ暗な道を 川沿いの道を 君の手をとって 歩き続けた 草の湿った風 遠い山の影 野球場を越えて 市民プールを越えて 街灯と電話ボックスの灯りだけをたよりに 遠い駅までの道を歩き続けた 家は並んでいるのに 人の気配はなく せみがけたたましく 生きようとしていて 舗道に落ちた 死にぞこないを 踏まないように 気をつけて歩いた 君の手をとって この道を通り抜けたら どこか違う世界に入りこめるかな 僕らは新しい名前をみつけて 愛という祈りを 毎日捧げ 愛し合うんだ 誰の目も気にせずに いっしょに生きられる どこか違う世界に 入りこめたならば 誰の目も気にせずに いっしょに生きられる この世界の人たちの 記憶の片隅で 僕らは新しい名前をみつけて 愛という祈りを 毎日 捧げあう 愛という祈りを 毎日 捧げあう ーアルバム『ハロー!フォークス』(2004年)より
暑い一日だったね 遠くで雷が響いた 屋根のあるベンチで 君と並んで座って 近づいてる夕立を待ったね 風がひんやりと抜けて行く 風がひんやりと抜けて行く 君の膝枕は ちょうどいいやわらかさで 指でやさしく僕の 髪の毛を撫でてくれたから 気持ちよくて眠っていたら 雨がポツリと落ちてきた 雨がポツリと落ちてきた 見上げた君の胸 その向こうにある君の顔 コンクリートの屋根 その向こうの灰色の空 都会にすむ樹々が にぎやかに喝采をおくり 空から降る雨を迎えている 息を吹き返したよ 君が空から降りてきて 乾いて固くなってた 心を湿らせてくれたから 通り雨が雲をとかして 空に虹をかけたのさ 空に虹をかけたのさ 空に虹をかけたのさ 空に虹をかけたのさ ーアルバム『愛と知』(2003年)より
さようならと言えないから 僕らいつか 来た場所を歩いている 手もつながず 感傷的な言葉ばかりが 空気を伝い 届いてるんだか届いてないんだか よくわからないけど それでも僕は君が大好きだった これほど誰かのこと 好きになれるとは思わなかったから ありがとう 三度目の観覧車は ママがベイビーをあやすように 僕らのこと
やさしく揺する 一番高いところで 止めてくれればよかった 初めてキスをしたのもたしかこの観覧車の中 無邪気なキッスをほっぺたにちゅ それなのに今日のキスは 乾いた音を立てるばかり 運河に映るしけたネオンの光が それでもきれいだから 僕らは石の階段に腰掛けて 夜風に吹かれていたよ 届いてるんだか届いてないんだかよくわからないけど 両手で握りしめた君の手は たしかな厚みがあって 温かくてずっと離せなかったよ ありがとう 出会えてありがとう ーアルバム『愛と知』(2003年)より
かっこうつけて スクーターで渋谷まで 君に会いに行く 君と会うのは 一年半ぶり サヨナラをしたあの日以来だ 本当のことを言えば今でも 僕はまだ 君が好きで もしもできることなら君と やり直したいって思ってる それなのに それなのに 君はいまの彼の のろけ話を さっきからうれしそうにしゃべってる 僕は笑って君のしあわせを 喜ぶふりをして 悲しくなる あの頃は吸わなかったタバコを これみよがしに吸って タバコを吸うと痩せるんだよって言う ちっとも太ってなんかないのに 今の彼は世田谷に住んでいて ちょっと不良で だけどエリートで もしかしたら 遊ばれてんのかなって まんざらでもなさそうに 君は言う 君は言う こんなことになるなら あの日の君のまま 思い出にしてしまえばよかったよ 僕は僕を好きだった君が 好きだっただけなのかもしれない 君はいまの彼の のろけ話を さっきからうれしそうにしゃべってる 僕は笑って君のしあわせを 喜ぶふりをして 悲しくなる うう ーアルバム『愛と知』(2003年)より
おっそろしいほど高く 高く上がっている 僕は今高いところにいる そして飛びたつ フライフライフライ ビルの屋上から 塔の天辺から 雲の切れ間をめざして 僕は飛びこむ ダイブダイブダイブ 僕は今うまく飛んでいるのかな 僕は今うまくはばたいてるのかな みんな見てるかな 笑わないでね 僕は大丈夫 ひとりで行けるさ 空の向こうに何があるか 見てみたいだけ フライフライフライ ひとり飛び立つ フライフライフライ 空の彼方へ フライフライフライ ーアルバム『カセット&ガゼット』(2002年)より
髪の毛は多いほうだと思うんだけど、腕や脚の毛は少なく、別にそれについては特に不便は感じないんだけど、もみあげがないのは、男としてはあまりうれしくない。中学時代、友だちから「テクノカットテクノカット」と言われ、その頃から、ああ僕にはもみあげがないのだ、ということを自覚し始めたのだが、まあ大人になればじょじょに毛も生えてくるんだろう、って思っていたが、いっこうに生えないまま早34 歳。おめでとうメール、どうもありがとうございました。もらったメールに「歳をとるという言葉にはネガティブな印象があるので好きじゃないが、歳を重ねるということはすごくカッコイイ」とあって、なるほどそうだよなあと思ったのだった。もみあげがないと髪が伸びてくるとお椀をかぶったように見えるのだが、そんな、もみあげのなさにも味が出てきたというか、説得力が出てきたようにも思える今日この頃。それが歳を重ねるということなのか。そうはいえ、これから急にもみあげが生えてきてくれてもウエルカムだ。ウエルカムだ。ウエルカムだ。ウエルカムだ。 ーアルバム『カセット&ガゼット』(2002年)より
歌がうまいわけでもない ルックスが良いわけじゃない 楽器だって上手く弾けない 生き様がすげえわけじゃない 人の歌はあんまり聴かない 本だってそんなに読めない おしゃれはとっても苦手で 試着のたびに汗をかいてる 言われる前に言ってやる 「もう若くない」 もっとも 若い頃から若さに欠けていたが 積極的にアクションを起こすより 嫌々することが多い だからうまくいったときも 安堵はしても歓喜はない 情熱的な人をうらやむが そうなりたいってわけじゃない 俺を駆り立てているのは 楽しんで生きたい気持ち そのための苦労ならいとわない やりたくないことしたくない 言われる前に言ってやる 「やめたほうがいい」 うるせえ ようやく楽しくなってきたとこなんだ 人それぞれの顔が違うようにきっと 才能のあり方も違うのさ 俺には俺のやり方があると思うから 明けても暮れてもさがすのさ 負けるもんか やめるもんか 負けるもんか やめるもんか 君のことを信じたい 一番大切な人よ 何年も生きているのに 自分のことがまるでわからない ーアルバム『カセット&ガゼット』(2002年)より
女の子の部屋って素敵だな いい匂いがするのが素敵だな ごちゃごちゃ散らかってはいても 汚れてないのが不思議だな どうでもいい どうでもいい テレビをつけっぱなしにして どうでもいい どうでもいい 話をしながら いっしょに寝た いっしょに寝た いっしょに寝たけど何もしなかった エバって言うことじゃないけど いっしょに寝たけど何もしなかった 僕と彼女は恋人か それともただの友だちか 負けず嫌いのふたりは 真夜中のオセロに熱中する 君は白 僕は黒 黒はいつでも先行で 白にあとからひっくり返される 今日のところは勝ちを譲ろう まだ真っ白な君でいて欲しいから けれどいつか 大人になったら 君のことをひっくり返すよ いっしょに寝た いっしょに寝た いっしょに寝たけど何もしなかった くり返して言うことでもないけど いっしょに寝たけど何も いっしょに寝たけど何も いっしょに寝たけど何も いっしょに寝たけど何も いっしょに寝たけど何も いっしょに寝たけど何も いっしょに寝たけど何もしなかった ーアルバム『カセット&ガゼット』(2002年)より
あなたの声が好きです 勇気を出して電話をしたあの日 おはようございますって僕が言うと あなたはおはよって言いました すがすがしい朝のあなたの声が好きです あなたの脚が好きです 僕をドライブに誘ってくれた あなたはショートパンツをはいていました 素足にサンダルでアクセルを踏む 不二子ちゃ〜んみたいにかっこいいあなたの脚が好きです あなたのしぐさが好きです はみだしそうなレタスのかたまりを 崩さず食べようとがんばっていました その口元はとってもキュートで ハンバーガーごと食べたいほどあなたのしぐさが好きです あなたのまじめさが好きです 愛してるって言ったとき ありがたみがなくなっちゃうから そんな言葉は一生に一度 言って欲しいって怒った あなたのまじめさが好きです はじめは僕の夢だったあなたが しだいに現実になっていく それが楽しくて仕方がなかった あの日 あの頃は ラブストーリーをあなたはくれた ラブソングをあなたにあげる ラブストーリーをあなたはくれた ラブソングをあなたにあげる あなたの激しさが好きです 他に好きな子ができたって言ったら 気がふれたように取り乱して 泣きじゃくってキレて 僕をののしって 殺してやるって言った あなたの激しさが好きです あなたの空気が好きです 空気のような存在って言葉の 本当の意味を教えてくれました あなたがいないと苦しくて 死んでしまいます 僕にはあなたが必要なんです 女のあなたが好きです 女の子のあなたが好きです これほど強く惹きつけられてしまうのは あなたと歌とチョコだけです いくつになっても女の子のあなたが好きです 生まれて来てよかったって思えた あなたの素肌 あなたのすべてに 僕のすべてが包まれたとき 心 ふるえました ラブストーリーをあなたはくれた ラブソングをあなたにあげる ラブストーリーをあなたはくれた ラブソングをあなたにあげる あなたの顔が好きです こないだ電車で見かけた若い子に ときめいてしまってずっとみつめていたら あなたに似ていることに気づきました 今もう一度出会ってもあなたが好きです ーアルバム『カセット&ガゼット』(2002年)より
宇宙のまんなかで強く願う 抱きたい君 ユー あなた おまえの顔とカラダを思う うー たまんない やめられない がまんできない はじけたい つねりたい なでまわしたい いったことのない絶頂に 君を誘い 出したいんだ 恋 ふられるたびに落ちこんで けど やっぱり楽しくて 恋 どまんなかオレはねらう 押したり引いたりしながら 胸をつかんで何が楽しい? 耳をかじって何がうれしい? 四つんばいになってカラダ中にキッス チュッ 好きだっちゅうねん 好きやけん 好いとうよ 好きばい 好いとるけん 好きっちゃ 好き 大好き 朝 パジャマはヨレヨレで 髪の毛逆立ってるオレ 昼 まだパジャマのままで ギターを弾いて歌ってるオレ 夜 近所のコンビニで 弁当買って牛乳飲んでるオレ オレオレオレ オレを奮い立たせるのは恋 食って食われて死ぬんだい 食って噛みくだいて呑んで吐いて 吐きつづけて 痩せてゲッソリ 好きだっちゅうねん 好きやけん 好いとうよ 好きばい 好いとるけん 好きっちゃ 好き 大好き オレって恋するバカ 失恋なんかへっちゃら こりずにまたさがすさ 日本全国一千万人から たったひとり オレの女の子を 好きだっちゅうねん 好きやけん 好いとうよ 好きばい 好いとるけん 好きっちゃ 好き 好きだっちゅうねん 好きやけん 好いとうよ 好きばい 好いとるけん 好きっちゃ 好き 好き 好き 大好き ーアルバム『ラブコメ』(1999年)より
はじめてキスをしたのは 放課後の教室 キスは甘いとか レモンの味だとか 聞いていたから 味がしなかったのはきっと愛がないからだと マジで悩んだ そんなファースト・キスでごめんね ユウコ はじめて抱き合ったのは 公園の木の下 芝生の上で 重なりあってるカップルを見習って 君の胸のふくらみにドキドキしながら その下の お腹のふくらみにも気づいてしまった チエちゃん はじめて夜を明かした 親の車の中 ガレージに忍び込み 毛布にくるまった フロントガラスが真っ白になるほどの吐息の中 クラクションを蹴っ飛ばしちゃってドッキリしてイッた カオリ 僕はプレイボーイになりたいんだ プレイボーイ 男はみんなプレイボーイ 「はじめて」をいっぱい集めて大きくなる プレイボーイ プレイボーイ はじめて人にすがった はじめて泣いてしまった はじめての失恋を何ヶ月も引きずっていた ある日 子供の頃から飼っていた猫が死んだ あまりにもショックで 僕は立ち直った 君のおかげさ ペル はじめてのひとり暮し ファミコンを口実に 部屋に誘って ビールをたくさん飲ませちゃったりして けどたいがい 酔っ払って眠たくなるのは僕 覚えてないエッチほど 損した気になるものはない ミキ トモちゃん ナンシー アサミ はじめて僕の言葉を 聞いてくれるコに出会った 無口と言われていた僕が たくさん喋った やさしいとか マメだからとか そういうことではなく 好きと言われて ようやく僕は 僕になれた気がした アッコ 僕はプレイボーイになりたいんだ プレイボーイ 男はみんなプレイボーイ 「はじめて」をいっぱい集めて大きくなる プレイボーイ プレイボーイ はじめて愛がわかった 彼女と暮らしはじめて 愛は決して消えない ひびが入ることはあっても 洗濯物を干しながら 掃除機をかけながら 生活という 愛の住みかをメンテナンスしながら どうせ生まれてきたからには多くのコの人生の 登場人物になりたい それがプレイボーイの願い ユウコ チエちゃん カオリ ミキ マキ ナッチャン リカちゃん サトミ チサト そしてマリナニ 僕のことを忘れないでね ヘイ!ヘイ!ヘイ! 僕はプレイボーイになりたいんだ プレイボーイ 男はみんなプレイボーイ 「はじめて」をいっぱい集めて大きくなる プレイボーイ 悲しい夜は プレイボーイ 思い出してほしいプレイボーイ かつて君に夢中になった男がいることを プレイボーイ 君は僕の心の永久欠番さ 君は僕の心の殿堂入りさ プレイボール! なんちゃってね 夢のオールスター・ゲームがこれからはじまるよ ーアルバム『ラブコメ』(1999年)より
また聞こえた 父さんの声が アメリカ テネシー フランクリンにまで 窓の外には 枯れた大地が 広がっている まあくん 人生 そんなに甘くはないよ まあくん まあくん まあくん うわ言のように 病室のベッドで もう目も開けられないのに 最後に僕に 残してくれた ひとつの言葉 そうだね 人生 そんなに甘くはないね 父さん 父さん 父さん あなたが死んでから 僕には完璧な 幸せはもう来ないけど あなたの分まで 力のかぎり 生き抜いてやるって 思ってます ひきだしの奥に しまっています 枕元に 落ちてた 父さんの髪の毛 遠い未来に クローン父さんが できる日のために まあくん バカな夢ばかり 見てちゃダメだよ まあくん まあくん まあくん あなたが死んでから 僕には完璧な幸せはもう来ないけど あなたの分まで 力のかぎり 生き抜いてやるって 思ってます あなたのぶんまで 力のかぎり 楽しんでやるって 思ってます また聞こえた 父さんの声が アメリカ テネシー フランクリンにまで 窓の外には 枯れた大地が 広がっている ーアルバム『ラブコメ』(1999年)より
雨に打たれながらも俺を見守ってくれる人たち 俺のことなんかまったくどうでもいいような人たち そんな ごちゃまぜな人たちの前で 俺はひとり 立ちつくして歌っている ふるえる手で弦をふるわせて喉をふるわせている 一万五千人の人の心をふるわすために それが 今の俺に与えられた使命 俺に使命を与えているのは俺 いつか そこに近づいて 入りこんで 寝ころんで 居すわってやる 俺とシュアーとマーチンと 歌っているオレは泣いている 雨に打たれて泣いている 近づきたいのに 近づけなくて泣いているのか? いやいや 近づけたから泣いている 歌っているときだけ俺はそこに近づける だから泣いている 俺とシュアーとマーチンと それなのに歌ってないときの俺はといえば やっぱりまだまだちっぽけで やっぱりまだまだくよくよで せいぜい強がって笑って世間を渡って行く いつかそこに近づいて 入りこんで 寝ころんで 居すわってやる いつかそこに近づいて 入りこんで 寝ころんで 居すわってやる いつかそこに近づいて 入りこんで 寝ころんで 居すわってやる オレはきっと いつかそこに近づいて 入りこんで 寝ころんで 居すわってやる どうして俺は悔しいんだろう ーアルバム『ラブコメ』(1999年)より
手首の傷を大きな時計でかくして 君は僕の部屋にやって来た 夏だというのに長袖のワンピース着て 静岡から東京へやって来た ラララ〜 ラララ〜 ララ〜 ララ〜 二十歳の頃よりずっと 君は明るくなった 生きててよかった 生きててよかった それから一週間 二人は部屋にこもって ずっとずっと手のひらを重ね合わせていた 大きな声を出してもいいよ ここは東京 誰もとなりの部屋のことなんか気にしないから ラララ〜 ラララ〜 ララ〜 ララ〜 いく度もいく度も僕の 名前を呼ぶ君 生きててよかった 生きててよかった あの日 君をこわした奴らすべてに 復讐してやる わからせてやる やせた胸を恥ずかしそうに隠す君の はだかの写真をポラロイドで撮っては燃やした 撮っては燃やした けどこっそり一枚隠そうとしたのが 君にバレて怒られて 「嘘つき」って言われた もう嘘はつかないから約束しよう 僕とまた会うことを 他愛もない約束で その日まで生きられる スニーカーにパンツ Tシャツ 普段着はすべてここに残して 君はまた帰って行く 静岡へ ーアルバム『ラブコメ』(1999年)より
夜の影うれしいな 駅からの道のりを 君の手をとり歩いた 寝静まる町 僕たちの話し声 それだけが聞こえてる 君を好きと言えたなら どんなにいいだろう スナックのような 軽い恋でも 恋は恋さ さようなら またあした 夏草と髪の毛の香りが 僕をせつなく しあわせにする さようなら またあした さようなら またあした ーアルバム『ラブコメ』(1999年)より
誰もぼくのこと考えてくれないとか 誰もぼくのこと気にしてくれないとか 誰もぼくのこと見ていてくれないとか 誰もぼくのこと覚えてくれないとか ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ もうたくさんだそんなこともうこれ以上考えるのはやめよう ノーマークだっていいじゃない ノーマークだっていいじゃない フランダースのネロだって死ぬまで 誰からも見向きもされなかった フランダースのパトラッシュだって死ぬまで 誰にも気にされなかった かわいそうだと思わないかい? かわいそうだと思わないかい? かわいそうだと思わないかい? 僕よりかわいそうな人はたくさんいる 誰もぼくのこと愛してくれないとか 誰もぼくのこと認めてくれないとか 誰もぼくのこと信じてくれないとか 誰もぼくのこと驚いてくれないとか ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ ネガティヴ もうたくさんだそんなこともうこれ以上考えるのはやめよう ブレイクなんて嫌な言葉 タイアップなんて嫌な言葉 フツーの人が日常会話で使ってるのってなんだか嫌だな 一億総ギョーカイ人化してプレミアム物を集めたりしてる うざったいとは思わないかい? うざったいとは思わないかい? うざったいとは思わないかい? 音楽は音楽 俺は俺 君は君 ーアルバム『田辺マモルのヤング・アメリカン』(1998年)より
思いがけない 君のメールは 長い冬に時たま吹く 南風 いつも凍えて ふるえるだけの 生活にも慣れてきてはいたけれど ときどき笑ってぼくは生きている またすぐ悲しくなっても ときどきうれしい 今がそのときどき 君が僕に運んでくれた ラジオでぼくの歌を聴いたと ヒロ寺平もほめていたよって 書いてあった ときどき笑って ぼくは生きている またすぐ悲しくなっても ときどきうれしい 今がそのときどき 君が僕に運んでくれた 朝の光が頬にあたたかい 目が覚めたら君に電話をしよう おはよう ーアルバム『田辺マモルのヤング・アメリカン』(1998年)より
着いたとたんに元気が出てきてしまった ムッとした風 熱帯植物園みたいだ 冬から夏へ8時間でワープ ここはホノルル ハワイ ミナサンココニ集マッテネ下サイと言う 渡辺マリナによく似たガイドさん 一生懸命な日本語が けなげでかわいいな ハワイ ロビーに集う新婚さんの集団は みんな真新しいスニーカーを履いていた 暑いのか寒いのか短パンにストッキングで スニーカーを履いていた ハワイ 蟻とキリギリスの教訓は ハワイじゃ通用しない 蟻はここでは一年中休めない 仕事をサボってやって来たぜ ハワイ あたりを見回してみて思ったことは 子どもの頃親に連れられて行った 常磐ハワイアン・センターってこんな感じだったな 結構良くできてたんだな ハワイ 送迎バスは空港からワイキキへ パックツアーはやっぱり楽でいい 新婚さんたちはピカピカしたホテルで みんな降りてしまった ハワイ 最後ニナッテスミマセンネ いえいえどういたしまして そのおかげでマリナ似がチェックインまで 付き添ってくれた ハワイ ホテルの部屋は思っていたよりもずっと広くて ベランダからはビーチも見えた 必要のない二つのベッドが うれしいような淋しいような ハワイ 風はどこから吹いて来るんだろう 暑くもないし寒くもないしとても気持ちいい ハワイ 波乗り達が沖へとくり出す ハワイ ダイヤモンド・ヘッドが雄々しくそびえる 水平線に囲まれた ハワイ 衣食住っていう基本的欲求のすべて 満たしに人はこの島にやってくる ガイドブックには買うか食べるか 泊まるかしか載っていない ハワイ 僕はビーチで鳥にパンをやっている どうしてエサをやるのって楽しいんだろう ハーイって声がして振り向いたらそこに マリナ似が立っていた ハワイ 仕事ガ終ワッテコレカラ帰ルトコロデス 楽シンデマスカ? 淋しく見えたに違いない 仕事の一環としてかもしれないけれど 僕を食事に誘ってくれた マリナニ 包丁をシャンシャン鳴らして 僕らの目の前で料理人は肉を切り刻む 生きたままのエビが殻を剥がされて 鉄板で焼かれる ハワイ マリナニは日本に留学してたことがあって どうやらアニメのファンらしい エヴァンゲリオンの話をしたら 大きな目を輝かせた マリナニ 飲めない酒の力を借りて マリナニの手をそっと握った 二人の体温は同じぐらいだった 肌の色は違っていても ハワイ 火照ったカラダを冷まそうと 夜の砂浜を二人で歩いた ハワイ対日本の鼻歌合戦が 繰り広げられた ハワイ 一緒にいて楽しければ楽しいほど 深まって行く哀しみがあった 砂の砦を作った 潮が満ちれば壊れると知っていても ハワイ 風はどこから吹いてくるんだろう 暑くもないし寒くもないしとても気持ちいい ハワイ ヘールボップ彗星を夜空にさがした ハワイ 星が願いを叶えてくれるなら 時を止めてくれ ハワイ 旅行者には未来はない 過去と一緒に国へ置いてきたから とても永くて短い時間を 竜宮城で過ごしたみたいだ ハワイ 空港に見送りに来たマリナニ 現地のガイドとして 旅ハイカガデシタカ?って 瞳を潤ませた マリナニ 結局ホテルの二つのベッドは 一つ余ったままに終わった またいつか会える日のために その方がいいと思ったから ハワイ 日に焼けた肌がヒリヒリ痛い やがてこの痛みもおさまると ボロボロと剥がれて落ちて行くんだろう それが悲しい ハワイ 風はどこから吹いて来るんだろう 暑くもないし寒くもないしとても気持ちいい ハワイ 搭乗案内がロビーに響きわたる ハワ 日常へと還る旅がはじまる ハワイ うしろで手を振るマリナニが ハワイ マリナニがだんだんだんだんかすんで行く ハワイ…… ーアルバム『田辺マモルのヤング・アメリカン』(1998年)より
退屈と平和
ありふれた午後の 退屈と平和を 持て余してあくびをする 屋上のペットショップ 子供の叫び声 ベンチで待つ老人たち ひとり近所のデパートへ 散歩に出かけた ほかに行き場もなく ひさしぶりに買った ワイシャツ売場の おねえさんがきれいだった そんなささやかな喜び 拾い集めては生きていくしかない それを退屈と言うか 平和と言うかは きっと僕次第だから かごの中動き回る ハムスターのような 僕の平和な日々 そんな小ささに慣れて しまえばここから 二度と出られはしないのに ーアルバム『田辺マモルのヤング・アメリカン』(1998年)より
子供のころ住んでた一軒家のとなりにあった空き地には 背の高い雑草が茂っていた 土砂の山が連なってた 僕らは草を分けて 宝物をさがすように 石ころや鉄のがらくたを集めた 空き地は誰のものでもないと信じていた この国には空き地がない 悲しいぐらいに空き地がない 今の僕らには空き地がない 息がつまるほど空き地がない 少年は荒野の風に吹かれて進む 土管という砦を奪い合い よそ者とけんかもした スコップででっかい穴を掘ってたら 犬の死骸が出てきてびっくり ブルース・リーの真似をして ドラム缶けっ飛ばして アイタタって飛びはねて笑われた 空き地は暴力にあふれ だからこそ夢もあった この国には空き地がない 悲しいぐらいに空き地がない 誰もまだ手をつけていない 荒れた大地など何処にもない 少年は荒野の風に吹かれて進む ーアルバム『田辺マモルのヤング・アメリカン』(1998年)より
あまりに寒くて笑ってしまった 休まずに続くセールス・トークに 懐かしい君から電話が来たから 僕は嬉々として会いに来たんだぜ 君は正しい 僕も正しい 折り合いつかないならさようなら わからない本気なのか マニュアル通りなのか 君は哀しい さらば友よ 確かに僕らは生き甲斐をさがして 生きているけれどみつからなくたっていいじゃないか 目を輝かせて つばを飛ばして 身ぶり手振りで自信満々な君よりも 明日に気をもんで 昨日にため息つく 昔の君の方が人間らしくて好きだぜ 友をなくしてまで 使命を遂行する 君は哀しい さらば友よ 神の名のもとに人を殺しまくり 仕事の名のもとに人は嘘をつきまくる 完璧な洗剤なんて この世にはないと思う 君は哀しい さらば友よ ーアルバム『田辺マモルのヤング・アメリカン』(1998年)より
やあやあこんにちは僕は三十歳になったばっかの売れない歌うたいです 別に好きで売れないまま三十歳になってしまった訳じゃないんです トホホってため息が漏れちゃいます トホホ 歳なんてただの数だとは思っています けれど若いことって素簿らしい 世の中を知らずに自分はただ者じゃないなんて生意気になれるから トホホってため息がこぼれます トホホ この頃はよく寝て起きたときにも背中に疲れがまだ残っています 「スキゾ」と言われた新人類の僕たちも逃げ場はとうになくしています トホホってため息が漏れちゃいます トホホ 風大左エ門になって涙のアメリカン・クラッカーをカチカチならせるほど 大人には大人の哀しみというものが 時たま怒涛のようにやって来ます トホホってため息がこぼれます トホホ トホホ トホホ トホホ トホホのホ ほら ため息が トホホ トホホ トホホ トホホのホ 今日も ため息だ トホホ トホホ トホホ トホホのホ ほら ため息が トホホ・・・ トホホ・・・ 今日も ため息だ ーアルバム『ドボジデ』(1996年)より
退屈なのは する事がないからじゃなく 何をしても先が見えてしまうから かつて見上げた 空の色も忘れた頃 もう若くはないと思い知る 見えない痰が からんで咳が 止まらない 悲しみのように 一人に疲れた人が 二人になって一人の ベイビーを作って夢をベイビーに託す シーズンオフの僕たちに できることは他にない ねえ君 結婚しようか? 快楽(たのしさ)だけを 追いかけていた僕たちが 幸せについて考えはじめる 若さを僕は まだあきらめきれずにいる それでもやがて夏は終わる かつて見てた 夢を叶える 年頃は とうに過ぎてしまった 一人に疲れた人が 二人になって一人の ベイビーを作って夢をベイビーに託す シーズンオフの僕たちに できることは他にない ねえ君 結婚しようか? ねえ君 結婚しようか? ねえ君 結婚しようか? ーアルバム『ドボジデ』(1996年)より
海から遠く離れて生まれ 工業用地の泥で遊んだ 川は静かに流れてたけど いつでも黒く汚れていた グリーンベルトはいつもすすけて 記憶の中の空はいつも しらけていた しらけていた 僕らは雨を待っていたんだ 雨上がりには 海の色をした 青い空が見えたから 夕陽を赤く染めているのは 空気の中の埃だという だから夕焼けだけはきれいで 屋上にのぼり眺めていたもの オートレースが終わればいつも 帰る車や人で道路は ふさがっていた ふさがっていた レースに負けた人の流れは 肩を落として 西へと向かい そして何処に消えるのか 死ねずに生きてるだけだと 言うほどニヒルにもなれないし 生きたくて生きているんだと 言い切るチカラもなく しらけていた しらけていた 僕らは雨を待っていたんだ 雨上がりには 海の色をした 青い空が見えたから 雨上がりには 海の色をした 青い空が見えたから ーアルバム『ドボジデ』(1996年)より
夕暮れの二人は いつもと違って大人に見えた それはまぶたの裏に 焼き付いた青春の幻 大したことのない 反(アンチ)体制のデモ ビルの屋上から 地上に唾を吐いた ペッペッペッ 路上のバカが尾崎を歌う ペッペッペッ 僕らは歌う歌もなかった 自由だとか支配だとか 大げさな言葉じゃ 埋まらない穴に風が吹く ドロップアウトするのは 負けを認めるようでイヤだし かといって勝ち続ける それほど頭も育ちもよくない 戦うにも敵が ちっとも見えてこない こっそり僕の中に 潜んでいるんだろう ペッペッペッ 渋谷のバカがレコードをあさる ペッペッペッ 僕にはあさる夢もなかった エリートにもワイルドにも なりきれない僕の 埋まらない穴に風が吹く 埋まらない穴に風が吹く 人知れず今日も唾を吐く ーアルバム『ドボジデ』(1996年)より