【男女共同参画基本計画に関する各政党の要望書;社会民主党】

 社会民主党は、12月22日、要望書を手渡しました。


2005年12月22日

男女共同参画基本計画の改定に関する要望書

社会民主党党首 福島みずほ



 女性と男性が互いに人権を尊重し、喜びも責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現が21世紀の我が国の最重要課題と位置付けられる男女共同参画社会基本法が1999年に制定された。これに基づき男女共同参画基本計画(以下「基本計画」という)が策定され、総合的かつ計画的に取り組みが進められてきた。
 ところが、残念ながら基本法の理念は十分に浸透しておらず、我が国の男女共同参画の現状は先進諸国においても著しく遅れており、その推進にはなお一層の努力が求められている。男女共同参画社会の実現にはジェンダーに敏感な視点に立つことが不可欠である。
 現在、政府により基本計画の改訂作業が行われているが、改定にあたっては、下記内容が反映されるよう要望する。



1.基本計画の改定は男女共同参画社会基本法の理念に則り行うこと

2.男女共同参画社会実現に不可欠なのは固定的な性別役割分担の解消である。そのためには、社会的・文化的に形成された性別である「ジェンダー」の視点が不可欠であり、「ジェンダー」に基づく差別をなくす施策を推進することが最も重要である。国連を始め国際用語として広く定着している「ジェンダー」を基本計画においても引き続き使用すること

3.男女共同参画社会の理念や「ジェンダー」概念が正しく理解されるためには教育の充実が重要である。「ジェンダー」への無理解から、学校現場でのジェンダーフリー教育、性教育への誤解や攻撃が生じることのないよう、「ジェンダー」概念の周知徹底を行うこと

4.女性学・ジェンダー学は男女共同参画の正確な理解と推進を図る上できわめて重要であることから、基本計画においても大学等における女性学・ジェンダー学の充実を図ること

5.職場における「ジェンダー」に基づく差別解消の施策を推進すること。非正規労働者の均等待遇の実現、父親の育児休業取得の推進をはじめとした仕事と家庭の両立支援施策を充実させること

6.「ジェンダー」の視点に立って社会制度や慣行の見直しを行うこと。とりわけ、選択的夫婦別姓制度導入や女性のみにある再婚禁止期間の見直し、男女の婚姻年齢差別解消などの早期実現を図ること

7.女性に対する暴力の根絶は喫緊の課題である。子どもや女性の性被害に対する対策の強化を図ること。配偶者暴力防止法の見直しを行うこと

8.家族経営協定の締結など、農村漁村における女性の地位を確立するための施策を推進し、男女共同参画の視点に立った活力ある農村漁村を実現すること

9.防災・災害復興対策については男女共同参画の視点を取り入れること

10.被害者が個人の資格で女子差別撤廃委員会へ通報できる制度を定める女子差別撤廃条約選択議定書の批准に向けて積極的な対応を図ること