事務局
〒710-1301 岡山県吉備郡真備町箭田2387
相談室 藤井
   第94号  2002年1月発行
《10月定例会の報告》
 13日に20名の参加を得て社会福祉法人尾道のぞみ会を施設見学しました。
 同法人は昭和52年の地域家族会発足を皮切りに作業所、グループホーム(患者さんが少人数で下宿のように共同生活を営む)、通所授産施設(機材などがあり、作業所より規模は大きい)、生活訓練施設(=援護寮、指導員が常駐し生活の訓練を受ける)、地域生活支援センター(在宅の患者さんが交流・相談などを目的に集える場所)を持ち、様々な地域生活を支える事業に取り組まれています。
 高垣理事長から同法人ができた経緯や苦労話、今後の目標や希望などをうかがいました。先に述べた施設設立時は今より規制が多く資金集めも県内2千以上の団体に寄付を要請したり、遠く出雲や仙台の既存モデルの申請書を借りてきたり、身銭を切って労を惜しまれない姿にこの事業をやり切るんだという気迫を感じました。
 現在、スタッフも6名となり、人手としては十分な手応えを得たので今後は福祉工場やグループホームの増設などハード面の充実を目指しておられるそうです。
 援護寮は県外からの入居者もおられ、門戸も広いようです。また、入居を決定する前に施設体験利用期間を設けるなど工夫されています。退居後に自宅に戻られる人は少ないらしく、施設を利用したからといってすぐに在宅生活ができるというものでもなく、例えばゴミだし、近所付き合いの仕方を一から学んでもらわなければならないと言われていました。
 グループホームを運営していて地域住民とのトラブルも発生しますが、常に譲歩しているばかりでもなく時には開き直ることもあるそうです。
 生活支援センターでは相談事業についでホームヘルプ事業(ホームヘルパーを派遣し家事援助を行なう)も開始しており、施設長自ら近隣の市町村へ出向いて講演や町内の関連行事に参加したり、関係者を集めて協議会を設け啓発本を刊行したり、民生委員・医師・弁護士などにも協力してもらって財産や人権問題などにも取り組み、地域にとけ込む試みも怠らないとのことでした。
 福祉工場のほうでは労働時間4時間/日をめどに最低賃金を上回り、社会保険が適用できるよう目指しているそうです。
 最後に同理事長から10歳の時、自分の家族が分裂病で亡くなり、公務員の仕事に就いた後、市議会議員を経てこれらの活動に取り組んでこられた経緯を話され、「世間には一生懸命動けば共感してくれる人は必ずいるからやってみましょう」と励ましのエールをいただきました。
 施設内の見学では援護寮のほかに1日300円で利用できるショートステイ(利用期限は2週間まで)があったり、地域住民と一緒に陶芸教室を開いたり、椎茸栽培の時につかまえた昆虫を夏の夜店で売ったり、手作りのパンも同情で買ってほしくないとあえて名前を大きく表示しなかったりと地域で溶け込むこだわりも教えていただくことができ、大変有意義な見学となりました。

《12月定例会の報告》
 9日に「研修報告と自由討議」を行ない、13名の参加がありました。中国地区大会に参加された山下さんより資料に基づいて説明をしていただきました。
 来春から精神保健福祉の窓口が市町村となることをうけて様々なサービスに取り組んでほしいという期待と利用者にとってより身近になるだけに秘密を守ってほしいこと、在宅の障害者のためにホームヘルパーなどの人材確保に努力してほしいことなどが出されたそうです。
 また、SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)といって特に家族が本人に働きかけるさいに気をつけねばならないことなど、実演を交えて説明していただきました。
※中国大会の資料が多少残部がありますので希望の方は事務局までお申し出ください。

◆お詫び
前回の「あおたけ」で12月定例会の案内が掲載されていませんでしたので紙上を借りてお詫び申し上げます。

◆お知らせ
 1月定例会は新年会です。26日(土)11時より都窪郡山手村片山「ままかり家」(魚料理) (0866)92−
5478です。会費は4000円で参加希望の方は事務局までお申し出ください。送迎も行ないます。
 2月定例会は18日(月)13時30分より病院マインドホールにて「看護を囲んで」自由討議となります。