事務局
〒710-1301 岡山県吉備郡真備町箭田2387
相談室 藤井
   第89号  2001年3月発行
《2月定例会の報告》
2月は「地域福祉権利擁護事業の紹介」と題して倉敷振興局市町村社協・日常経済生活サポートセンター専門員の佐賀算に話を伺いました。社会福祉協議会とは地域のさまざまな福祉活動(例えばボランティアの育成、介護用品の貸し出し、高齢者や障害者の利用できるサービスの提供、低所得者への貸し付けなど)を行なっている公的な中枢機関であり、今回の事業も在宅生活の経済的な支援をするために始められたものです。
 今まで一人暮しの高齢者などの財産管理はヘルパーや民生委員との信頼関係によって成り立っており、公共料金の支払いや生活費の受け渡しなど不便なことを代行してきましたが、不正があったり、悪質な訪問販売で被害にあったとき十分な対応ができないでいました。
 また、これからの福祉のあり方が、行政による「措置」制度に変わって利用者自らがサービスを選択できる時代となってきたため、成年後見制度とともに利用者の財産を保護し、本人の希望をうまく福祉サービスに結びつけ、事故を未然に防ぐ必要が生じてきました。そのためこの事業にはチェック機構も備わっています。
 利用できる方は、・一人暮しなどの高齢者世帯、精神障害、知的障害を持ち在宅生活を営んでいる方、・自分でサービスを選択する能力がある人(痴呆であっても最低限の理解があれば可、嫌なことは嫌と言えて自分の住所、氏名、年齢が伝えれば良い)で、サービス内容は・さまざまな福祉サービスを利用するための援助、・年金などの受領や医療費の支払い、税金や公共料金などの支払い、預貯金の出し入れなどに関する手続きの代行、・通帳や証書類、印鑑の保管を行なっています。
 金銭管理にかかる費用は職員が手続きをする時間1時間ごとに1100円、書類の預かりは年間5000円で生活保護の方は無料です。契約を締結するまでの相談には費用がかかりません。また一時的な利用や解約もできます。
 関わる職員は、相談を受けた後契約を締結、定期訪問をする「専門員」と実際に金銭を手渡しする「支援員」がいます。専門員は岡山県の場合、県下9つのブロックに別れた社会福祉協議会に属し、支援員は福祉や教育に携わってきた方が非常勤で受けています。相談窓口は各市町村社協でも扱っています。
 また相談者がこの事業を受けるのに条件がかなっているか、生活費の受け渡しが適正に行なわれているかなど判断するために法律家や医師、学者などで構成する審査会と運営を見守る委員会があり、必要に応じてチェックしています。
 事業の説明のあと、実際に関わったケースをあげ、まず十分納得して利用していただくために何度も訪問して顔を覚えてもらい信頼関係を築いていったこと、確実性をきすために専門員と支援員が同時に訪問し目の前でお金を渡すなどの工夫や留意をしている、また訪問がなれるにつれて信用してもらえるようになったことに喜びややりがいを感じるとのことでした。また事業が始まったばかりなので利用件数も少なく特に精神疾患では事業そのものがほとんど現場で知られていないので今後もPRしていきたいと言っておられました。
 質疑応答では下記のようなものが寄せられました。
Q:入院となったり、契約者本人の判断能力がなくなったら解約しかないのか
A:精神疾患で一時的な悪化の場合は医師の意見などを参考にその状況に応じて判断する
Q:利用は一人暮しでないとダメ?
A:世帯員数は問わないが高齢者2人世帯の場合、1人が痴呆となればその人の分は預かれない
Q:生前に親が契約することができるのか
A:できない。本人の判断能力の有無が判定の基本。
Q:本人が自立を望んだ場合は?
A:親がいて本人がグループホームに入所していたケースで契約を結んだことがあるのでいろいろなパターンがあり、その都度相談に乗りますのでまずは窓口へお越しください。
 この事業に関する詳しいパンフレットの残部がありますのでご希望の方は事務局までお申し出ください。

◎1月定例会は町内で新年会を開きました。

お知らせ
 3月定例会は1年の反省会で、11日(日)13時30分よりマインドホールにて行ないます。10時からあおたけのまきび病院にて役員会を開きますので役員の方は万障お繰り合わせの上ご出席くださいますようお願いいたします。
 4月定例会は例年に準じ、病院の花見に参加していただく予定です。詳しい要項は後日院内に公示予定です。
 本会員の方で会費未納の方は案内を同封させていただいております。ご納付よろしくお願いいたします。

■まきび病院家族会あおたけの会のご案内
当家族会は現在会員数は約70名で入院・外来を問わず、患者さんを抱えるご家族や会の活動に賛同される方はどなたでも参加できる会として毎月定例会を開いております。病気や薬について、また社会資源についての学習、家族同士の交流などさまざまな取り組みをしており、会員以外の方にも当機関紙を送らせていただいております。一人の力ではどうにもならないことでも大勢集まれば道は開けてくる、そんな元気と勇気が湧いてくる活気ある会です。まずは見学だけでも大歓迎です。どうぞお気軽にのぞいてみてください。