事務局
〒710-1301 岡山県吉備郡真備町箭田2387
相談室 藤井
   第88号  2001年1月発行
《12月定例会報告》
 12月は研修報告と自由討議でした。
 全家連中国ブロック大会、全家連大会に参加された山下さんより報告がありました。
☆中国ブロック大会(山口)
 地元の精神病院院長の講演は閉鎖病棟や精神分裂病の話が中心、他の一般科と比べて精神科は職員が少なくてもいいという精神科特例というシステムがあること、半分回復したら家で過ごすほうが良いということ、本人の回復しようとする気が大切であること、家族の対応は本人を誉めることが基本であることなどが述べられました。
 また、精神科のホームヘルプサービスの分科会では宇部市の試行事業の報告があり、外来通院費公費負担制度の利用が千人で精神障害者保健福祉手帳の所持者は300人、うち半数は1級該当である、自傷他害の恐れがある人には保健婦と男性の2人で訪問している例などが挙げられました。
☆全家連大会(静岡)
 精神保健福祉の課題と題するシンポジウムでは病気の陽性症状・陰性症状、抗精神薬の説明、年単位で根気強く治療する。病院へ行くために非指示的に相性が良い人が説得するのが良い。励ましは禁忌、その人の能力の60%を基準に考える。注意の仕方も考えて、再発に気をつける。服薬継続の必要性。不眠は要注意。
 精神科看護の課題−家族との接触度は高いはずだが看護は十分ニーズを把握し切れていなかった。これまでの看護のあり方に反省すべき点は多い。地域医療への転換が看護のあり方の問い直しをしている。家族への対応に苦悩している看護は多いと思う。
 □記念講演
 21世紀の精神保健福祉
 2001年より新薬が登場する。副作用が少ない、非定型精神病に効く。欧米ではすでに用いられているが日本では製薬会社の利害関係がらみで認可が遅れた。5人に一人は薬が効かない。家族の感情コントロール(E・E)が再発を防ぐ効果をあげている。脳の画像撮影やDNA(遺伝子)の研究開発も進められている。医師に病気や薬の説明を求めるのは当たり前の時代になってきている。これからはケアマネジメント(患者さんが使える資源や人材を駆使しながらその人に適した計画を立てて実行していく方法)によるチーム医療が中心になってくる。
 □10月26日の朝日新聞の社説から
 日本の精神医療の立ち後れは医療体制の構造によるところが大きい。精神科特例では一般科と比べて医師の数が1/3でよいとされている。看護や薬剤師の数も少ない。こういった基準にも満たない病院が29もあり、そういう病院ほど院長が高額所得者になっている。病室などの居住環境も改善されていかねばならない。

報告の後は自由討論となりました。

お知らせ
 1月定例会は新年会を真備町の韓国料理店「さらんばん」で行ないます。27日(土)11時30分までに病院駐車場へ起こしください。参加費は3000円+飲物代です。参加希望の方は20日頃までに事務局へご連絡ください。
 2月定例会は倉敷市社会福祉協議会の方をお招きして「地域福祉権利擁護事業」について講演していただきます。この事業は親なき後の身近な財産管理を福祉サービスとして委託するものです。日程は10日(土)13時30分よりマインドホールにて行ないます。
 3月定例会は11日(日)13時30分よりマインドホールにて1年の反省会を行ないます。なお、10時からあおたけの間にて役員会を開催いたしますので役員の方はご出席いただけますようお願いいたします。

☆吉備路マインドのご案内
 吉備路マインド(誰でも安心して利用できる精神保健・福祉・医療をつくる市民の会)は昨年より、総社、清音、山手、真備に居住する家族を中心に発足した市民団体です。
 これまでの主な活動として、来年度の総社地域保健福祉センターの廃止にともない、廃止後の建物を在宅生活支援センターに転用できるよう市町村担当部や議会議員、県庁や副知事に働きかけてきました。現在、市町村単位で障害者の基本計画がすすめられていますが、この広域にまたがる在宅支援センターができると在宅で暮らす人にとって更に十分なサービスを受けることが可能になります。
 このほかにも世話人会を設置し、さまざまな研修や陳情活動を行なっていく予定で、会の趣旨に県の精神保健福祉センター所長をはじめ、弁護士や大学教授などの学識経験者も賛同してくださっているところです。「これからの精神保健福祉活動は自分たちでつくる」、そんな思いが活動を支えています。
 1月27日には総社市内でビデオ学習会を行なう予定となっています。正会員、賛助会員ともに募集しておりますので、活動に興味や関心のある方は事務局までお問い合わせください。