事務局
〒710-1301 岡山県吉備郡真備町箭田2387
相談室 藤井
   第106号  2004年1月発行
≪11月定例会の報告≫
 11月定例会は岡山県精神保健福祉大会、県家連大会参加に振り替えられました。

≪12月定例会の報告≫
 12月は研修報告と自由討議でした。
 会長、副会長より中国ブロックと全国大会の報告がありました。中国ブロックは、市町村が精神保健福祉の実施主体となったことから、それらに関する分科会が多かったようです。全国大会では分科会での体験発表の報告などがありました。

 また、中国ブロックでは大阪府立大学の三野教授による講演「EE(感情表出)と家族の関わり」がありました。講演の内容は以下のようなものでした。

<統合失調症の患者とともに過ごすための秘訣>
@統合失調症や心の病気を十分知ること
A家族が心も体も健康であること
B家族が自分の生き方をすること

<そのメリット>
@家族自身が楽になれる
A統合失調症の患者への対処が上手になる
B患者自身の状態が良くなる

<感情表出>
 家族が患者の悪いところやマイナス面をあげつらうのではなく、むしろいいところを見つけて肯定的に評価する、家族は常に保護的に見守っていることを伝え続ける、といったことが必要

 具体的には
・幻聴を訴えたときは「今は大変だけど問題は解決するよ」と声をかける
・妄想に対しては「何が起ころうと私が守ってあげる」、また「絶対死んではいけない」といった姿勢を見せる
など

※現在、統合失調症は「ストレス脆弱性モデル」の考えが主流を占めています。それによると、もともと持つ人間の弱さに加えて様々な人生の節目に強いプレッシャーがかかるために発病するのではないかと言われています。

 その後、Kさんより「南のべてる」といわれている鹿児島県のこだま病院とその関連施設を見学した報告がありました。彼らは北海道のべてるに連絡を取り、そのノウハウを伝授してもらいながら地域に根付いた実践を積み重ねています。例えば安全で安い様々な商品を通所利用者が生産し、それを施設の店舗に出し、地域一般の住民に提供することで精神障害者への理解を深めてもらい、交流の場にしています。そのほかに自分のペースを守って無理をしない、等をモットーにかかげています。
 それらの取り組みをまとめたビデオを寄贈していただいたので、来年度の定例会で鑑賞することになりました。
 この報告から、病院という場だけでなく、将来にわたり患者や家族が交流・集う拠点づくりを考えていきたいとの問題提起がなされ、いろんな意見が交換されました。意見は一つにまとまらなかったものの重要な課題として引き続き今後の定例会の中で検討していくということになりました。

 引き続きおこなわれた自由討議では、初めて参加された方がおられたので、自己紹介のあと下記のような発言が交わされました。
家族/子どもが発病後15、6年経過している。「お母さん一緒に死のう」と何度も言われ、ずっと長い間トンネルの中から出られずにいた。
家族/病人同士で結婚して7、8年経つ。最初はいつまで続くのかはらはらしていたが、ここまで来れた。
家族/25、6歳までには治ると思っていた。しかし結果的には早く病気を割り切るほうが楽になれたのではと思える。私も死のうかと何度も思ったが、いつしか自分自身が強くなっていった。子どもから「いつ先立たれても僕は大丈夫だよ」と言ってくれて楽になれた。そうするとまたがんばろうと元気が出た。
家族/自分の思うように子どもが元に戻ってくれたら、と自分中心に考えていたが、子どもに教えてもらったことの方が大きいと思ったら溜飲(りゅういん)が下がった。
家族/病気は神様が自分たちに与えた試練だと、いいふうに解釈している。

お知らせ
@1月の定例会は新年会です。1月24日(土)11時病院集合で現地11時30分です。
場所:活魚料理「いわ倉」
   倉敷市中央2-1-18 
   電話(086)427-3100
   >>>地図はこちらへ 
予算:4千円+飲物代
参加希望の方は病院に来られるか、直接現地へ行かれるかを電話で事務局へ20日(火)までにご連絡ください。
A2月定例会は16日(月)13時30分よりマインドホールにて「看護を囲んで」自由討議です。
まきび病院ホームページへのリンク