ソードフィッシュ 



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総合点カメラ 娯楽性 感動度 音 楽 キャスト
★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★★





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最近私の観る映画、の傾向は昔と違ってきている。一言で纏めるなら、そこそこ面白ければそれで良しと成っているようだ。特に社会的な問題作や衒学的な文芸作品は、なるべく御免こうむりたい。 けらけら笑って、痛快、爽快が望ましい。

そんな訳で、今回観たこの映画「ソードフィッシュ」もその範疇にしっかり入っているものです。 物語の展開の中で特に印象に残ったのは冒頭の爆破シーンです。最近、実際に起こったテロを想うと 不謹慎極まりないのですが、これはあくまでフィクション上のこと、面白い等という私をお許し下さい。爆破の凄絶さもさる事ながら、鋼球が目の前に転がってきて、それにヒュー・ジャックマンの顔がアップで映った瞬間、事件の導入部にプレイバックし、然もその後の展開を経て同一場面に戻る手法も結構古い手ですが、今回のこれは気に入りました。
                                            
「ジョン・トラボルタ」も「サタデーナイトフィーバー」の頃の長い顔から比べれば、歳をとった最近はずっと見よくなってきたと想いませんか?24年前のその頃から暫くは彼の作品は観ていませんでしたが、「パルプフィクション」くらいから、再び観るようになりました。直近の作品は多分「フェイス・オフ」だと思います。
今回の作品では?『 Gabriel 』?役を演じていました。あの頃のチャラチャラした軟派青年が重厚さをも感じさせる狡猾な中年に見事に変身して、それなりの役を見事に演じていました。この映画のテーマ(?らしいと想っている)である錯覚(ミスディレクション)も随所に見られて飽きる事はありませんでした。ただ少し上映時間が短かったのが惜しいかなと想う程度です。他に文句はありません。
                                            
コンピュータをモーツアルトのピアノの様に扱うという天才ハッカー スタンリー役の「ヒュー・ジャックマン」です。「Xメン」がデビュー作と聴いていますが、私は見ませんでしたので、今回初めての俳優さんです。甘いマスクとその演技力でこれからが期待出来そうです。過去に罪を犯した彼はそれがもとで離婚し、キャムリン・グライムス演ずる最愛の娘「ホリー」を引き取ろうとしている。そんな彼に多額の報酬で今回の仕事を持ちかけたのが謎の女ジンジャー役の「ハル・ベリー」でした。
ハル・ベリーは『エクゼクティブ・デシジョン』以来ですか。相変わらず綺麗な女優さんです。今回はボディコン(死語?)のにあう謎の女をその美しい魅力とともに十二分に発揮していました。また今回初めてみる娘役の「キャムリン・グライムス」の演技にはびっくりしました。というのも大人の女の演技かと想うくらい表情が豊かであり、こいつ何者?と思うくらい本当に驚きでした。末恐ろしい女優さんです。これからも注目して行きたいと思っています。
                                            
今回の作品の中で見事とうならせた仕事は『マルチカム撮影』でしょうか。それはこの映画の冒頭に描かれた凄絶な爆破シーンです。ひとことで言えば1.5秒の出来事(爆破)を30秒間に引きのばし、しかもカメラが200度の弧を描きながら撮影していくというしろ物です。あのマトリックスの有名になった場面「ブレットタイム」を応用するアイデアだったのです。150台のスチールカメラをわずかにタイミングをずらして押して行き、出来上がったコマをコンピュータを使って自然になるように処理した物らしいのですが、只ただ脱帽あるのみです。このようなVFX(ヴィジュアルエフクト)はコンピューター応用技術の成熟した現代でなければ成し得ないものです。今後どんな風にVFX技術が変遷するのか、映画の別な楽しみでもあります。
                                            
もう一つの驚きはこのヘリコプターです。5トンもある大型バスを空中に持ち上げて移動する(しかも実写で!!)という、今だかって誰もしなかった事を良く考えついたものだと感心しました。 面白いのはバスを高層ビルの屋上に着地させるシーンを撮るときに、あの「はちやめちゃ」なハリウッド映画にしたら珍しく実写は断念して、屋上のオープンセットを山の上に作っての撮影になった事ですか。爆破もなしにただ単純に降ろすだけなのに、そこそこ慎重なのに驚いた次第です。

また写真が無くて申し訳ないがサイバー警察のロバーツ役の「ドン・チードル」も演技巧者ですね。今ステイーブン・ソダーバーグ監督のもとで『新オーシャンと11人の仲間』の撮影に入っているらしく、この映画もリメイクながら楽しみにしたいです。
そしてまた、サム・シェパードのフィクサー役(ライズマン上院議員)も渋くて特筆に価します。