「理不尽なリスク」 Unreasonable Risk

サミエル.s.エプステイン著

◆第5章
殆どの消費者はいまだに主流企業のパーソナルケア製品の安全性を当然の事と思っている。一般に消費者は、有力な国際貿易連合と規制機関に指示されている国際的な巨大産業を疑う理由は全くないと思っている。これは特に癌が音もなく忍び寄ってくる事と、公的機関のせいである。

1995年の安全な買い物の為のバイブル(Safe Shopper's Bible)は、このような誤った安全性の認識に対する初めての大きな挑戦であった。この本には有名企業の良く知られた製品に含まれる、広範囲に及ぶ発ガン性成分が詳細に記述されているが、どの企業もこの暴露に対し、反論あるいは挑戦しようとしなかった。

安全な買い物の為のバイブルには従来の物に変わる安全な非主流製品や、企業についての情報も掲載されている。これらはだいたいにおいて、どこででも入手できる物ではないが、読者は問い合わせる事ができる。しかしながら、安全な買い物の為のバイブルは2社、安全な主要代替企業を認めている。

世界中に小売店を持つAVEDAと、NWであるが、当時著者は、NWの事は全く知らなかったのである。しかしその後1997年に、著者はNWのデストリュビューターと出会う機会を得、それについて会社の経営陣と話し合った結果、NWと癌予防協会は共通の目標を持っている事が明らかになった。

癌予防協会とNWは、発ガンの危険性を示すあらゆる成分を特定する為に、NWの化粧品とパーソナルケア製品の全ての成分を、詳細に、継続的に、協力して分析する事にした。NWは、段階的に安全な代替成分に切り替える数種類を除き、全て、建設的に、直ちに禁止してこれに対応した。


◆背景
NEWAYSは、トム及びデイー.マウアー夫妻によって設立された。トムには床用クリーナーを含む産業化学物質製造に約20年間に渡る経験を持つ化学者としての経歴がある。トムは、スーペリアルテクノロジーの前社長で、確固たる経営経験を持っている。産業化学物質の広い範囲に渡る発ガン性と毒性の危険を認識している彼は、これらの多くが化粧品やパーソナルケア製品に使われている事を知って当惑した。非常に不安に思ったトムは、1987年3月に、ディーと共に、特に髪と顔と肌の為の、安全なパーソナルケア製品を販売する新しい会社を作った。

 

1993年までに、この会社は飛躍的な発展を遂げ約600人の地元の従業員を擁するようになった。トムとデイーは、この会社をNWと改名し、ユタ州で再び会社組織にした。1994年には、NWは化粧品にも事業展開させ、これが進展してデイーは、化粧品全般を専門にする、レスリー.デイー.アン.デイヴィジョンを作った。

NWは今では、栄養補助食品も加え、パーソナルケア製品、化粧品全般を製造する、世界規模の会社である。NWは、マルチレベルの販売デイストリュビューターの国際チェーンを通して製品を販売し、年間何億ドルもの総収益をあげている。これらの国際チェーンは、アメリカ、カナダ、の他、イギリス、オーストラリア、日本、韓国、ニュージーランド、メキシコ、チェコ、香港、マレーシア、ロシア、ウクライナ、に及んでいる。

 

NWの成功と急速な発展の鍵は、科学的な情報と進歩についてのディストリビューターの教育と共に、安全な製品を作る事に、非常に重きを置いている事と、その貢献にある。

NWの成功はイデオロギーと動機の他に、テーマが複雑に絡み合っている事を反映している。健康にこだわる一般消費者が、世界中の健康と安全を守る為の規制機関の失敗に気づいたことが大きな要因である。消費者は又、有力な産業界の圧力に従う規制機関の無関心と愚かさにも、次第に気づいてきている。

この事が市場の圧力の方が、製品と環境の安全性の規制よりも効果的かも知れないと、次第に気づいた事と結びついた。アメリカの有機食品業界が、特に良い実例である。この業界はここ10年間で、年間20%もの成長を遂げている。
これは消費者が発癌性物質と、脳、脊髄などの神経組織に有害な殺虫剤が食品に含まれている事に次第に気づいてきているからである。

 

しかし乍ら、この認識は化粧品や、パーソナルケア製品に関しては、まだ遅れている。Newaysは主流企業とは大きく異なり、自社の製品の安全性について消費者に知らせるよう、ディストリビューターを教育する事によって、この遅れを是正することに挑戦している。

◆安全に対する指導的役割
NWインターナショナルの設立以来マウアー一家は何の疑いも持っていない消費者を癌などの危険に曝す事のない安全な化粧品とパーソナルケア?製品の開発を最優先にしてきました。この目標を持って例外なく明白なあるいは隠れた発癌性の成分を全く含まないよう製品を改良し続けている。

 

これらの発癌性の成分は、主流企業の製品にはごく普通に見られる物である。隠れた発癌物質は大ききわけて3つに分類できる。非発癌性の成分の中の発癌性物質分解して発癌物質を形成したり発生させる非発癌性成分そして、相互に作用して発癌物質を作り出す非発癌生成分。あるいは、汚染物質である。もう1つの重要な指導的役割は安全な香料の開発である。


◆発癌生成分の禁止と段階的廃止
会社が法人化した直後の1987年6月独立化粧品製造卸売り株式会社はカリフォルニアの1985年の規定(定義65)に掲げられている発癌生有毒性分を、NWの製品は全く含んでいない事を発表した。この保証は、その後導入され販売された広範囲に渡る新製品にも反映され、次に掲げる発癌生成分は、全く含まれていない。

エチルアルコール(マウスッウオッシュ)
フッ化物(歯磨き、化粧品)
ホルムアルデヒド(全製品)
タルクムパウダー(全製品)
メチルメタクリ酸塩(ネイル製品)

これに加え、newaysは全製品にラウリル硫酸ナトリウムとし刺激の強い陽イオン活性洗剤を禁止した。これらの成分自体は非発癌生だが、事実上他のあらゆる発癌性成分の吸収を増進する事によって肌にダメージを与える(代2章)

1998年3月には、newaysは全ての製品からDEA、TEA、刺激の弱い非イオン界面活性剤、つまり潤滑剤を除去した。これはマウスの皮膚にくり返し塗った結果、ウラルアミドようなDEAとその脂肪酸凝縮物が、脳とその他の器官に蓄積され濃縮されるばかりでなく、肝臓と腎臓の癌を誘発すると言う1997年11月の国立毒学プログラムによる予備報告に、素早く対応した物である。

此の対用はDEAとTEAが、製品に含まれる亜硝塩や皮膚の汚れと相互作用して発癌性のニトロソアミンの前駆(予備)物質になると言う事がそれ以前に証明されている点から見ても重要である。2001年1月現在newaysは化粧品から数種類の合成着色料を、段階的に廃止する事を決定した。
 
◆隠れた発癌性物質の除去あるいは段階的排除の為の製品の改良
隠れた発癌予備物質であるDEA,TEAを除去し、さらにNWは他の隠れた発癌性物質も除去してきた。これらの中でも注目すべき物は、有害な強い発癌性物質の1.4-ジオキサンD4H8O2と酸化エチレン、そして広く使われ比較的穏やかな非イオンイソキシレイテイッド界面活性剤である。PEG、ポリソリベーツ、ラウレツ、セテアレツは全て、現在ダイオキシンが含まれていない事が証明されているのでNEWAYSの製品に含まれている。2001年1月現在NWは、ジアゾリデイニル尿素を段階的に排除することにした。これ自体は非発癌性物質であるが製品内あるいは肌の上でホルムアルデヒドを発生させる。
 
◆その他の開拓指導的役割
香料は、化粧品には広く使われておりパーソナルケア?やハウスホールド製品には比較的狭い範囲で使われている。しばしば100以上にもなる数多くの香料成分は企業秘密として製品のラベルには表示されていない。もしこれらの成分が安全であれば、表示しないのは理不尽ではないでしょうか。しかし、香料のデータの入手が制限されているのは、これらの製品は実質上魔女が成分を調合したような物だからである。

 

なにしろ全く、あるいは最小限の毒学や発癌物質のデータしかえられないのである。そのうえ入手できるデータは不十分で安全を確認する事はできない。そのうえ広い範囲に渡る、発癌性やその他の慢性中毒作用が、明確に証明されている。そしてまた香料はアレルギーや過敏症の最も一般的な原因の1つでありそのうえ揮発性が高いので、屋内空気汚染の一因にもなる。化粧品の香料の中毒作用に感心が集まり、2001年5月には香料に対する警告の表示をつける事を義務づける法律がアメリカ議会に導入された。

Newaysはほとんど香料を使っておらず、5種類のパーソナリケア製品に含まれているだけで、化粧品には全く使用されていない。そのうえこれらの香料は10種類にも満たずその殆どは数種の無害な合成成分と共に花やハーブが使われている。2001年1月現在newaysは全ての製品からそれらの香料も段階的に廃止する事にした。
さらに最近の重要な開拓は、newaysのマニュキア製品から一般的に使われている工業成分のジプチルスタレイトの使用を段階的に廃止している事である。
これは一般の化粧品に含まれるスタレイトの成分が、成人女性の尿から検出された事と生殖機能に対する毒性がきちんと実証されたことに基づいた物である。
 
◆癌予防協会
協会のNEWAYS製品に対する主たる貢献は、NWの全ての化粧品と、パーソナルケア製品に含まれる(隠れた)物も含め、発癌性の成分の確認を広く薦めてきた事である。そのような成分は全て廃止、あるいは安全な代替成分と交換されている。もう1つ重要な事は、香料の安全性である。又協会は製品の安全性に対する理念と詳細が説明される。NWの国内外のコンベンションへの招待も受け入れている。

NWの製品とは対照的に、主流製品に含まれる表面化しているあるいは隠れた発癌性物質の危険性を調査説明するほかに、癌予防協会は2つのテーマを力説している。まず第一にNWのデイストリビュータ?はさける事ができるのに知らされないまま一般の製品に含まれる発癌物質に曝されるという情報を消費者に提供する事によって癌に対して勝ち目の無さそうな戦争で、歩兵として戦い一般の人々の健康を守るのに重要な役割を果たしている。

2に一般の人々は、情報を知る権利を手に入れられず、政治的に意義を申し立てる事ができない。これらの情報はいまだに政府や業界のファイルの中、そして消費者の健康と命に深刻なリスクをもたらす製品に含まれる発癌性物質とその他の回避する事のできる危険に関する比較的手に入れにくい化学文献の中に多量に埋もれたままである。このような危険的な状況を認識して、NWとその会員達はアメリカ、カナダ、そして国際的に地元や地域の癌予防協会の事務所を設置する為に活動的な役割を果たしそれと共に協会の使命と広い範囲に渡る情報をこれらの事務所に提出している。とのような広い範囲に渡る活動においてNWとその会員そして癌予防協会は回避可能でありながら不本意に消費材に含まれる発癌性物質に曝される事と上昇している癌の発生率を減少させるという共通の目標と目的を遂行する為に密接に協力し会って努力している。


癌予防協会はこの章とその他の章を書くにあたり協力して頂いた次のNWのスタッフの皆様、イアン.キャンベル、ベン.ジョリー、ロット.ハンセン、ケリー.ギャレット、ジョナサン.ボイル、マージー.アリプランデイー、とNWの独立デイストリビューター、そして国内外の癌予防協会の事務所の設置にあたり熱心に手助けして下さった癌予防協会の委員会のメンバーに謝意をあらわしたいと思います。最後に著者はこの論文の為会社の製品の情報集収にご協力くださったNWの経営陣とスタッフの皆様に感謝いたします。著者はマイク.アグレリアス、ケイト.シダーグリーン、ウイル.ホルターマン、ドクターコールテン.ウリー、スーザン.ハミルトンの皆様にさらなる謝意をあらわしたいと思います。

  サミュエル・エプスティン公式サイト

http://www.preventcancer.com/