平成十二年七月十日

初夏の風物詩、浅草寺のほおづき市。これが終わるといよいよ夏本番!
七月九日、十日と開催されるほおづき市、今年は行けないかなぁ?と思っていたのですが、天気も良かったのもあって、やっぱり見過ごせませんでした。(笑)急に行くことに決めた割には”同行”してくれる人が現れ、寂しくなかったのでした。。。今年買ったほおづきは普段目にする赤いほおづきがつく種類の物ではなく、「千成りほおづき」という種類の物でした。(下写真参照)お店の女将さんが選んでくれて、『ほおづき市って言ったらこっちを買うのが本当なんだよっ』って。へぇ〜と関心しながら買って帰ってきました。観光センターで栞を貰ってきていたのでそれを家で読んでいたら・・・女将さんの言うとおりみたいでした。

ちょいとばかり「ほおづき市」の言われなんぞ記してみましょう。
(浅草観光連盟・浅草の栞より)

◇功徳日

仏様には色々のご縁日があり、観音様のご縁日は十八日、地蔵様のご縁日は二十四日とか、古くから伝えられておりますが、室町末期以降この他に功徳日が設けられ、この功徳日にお詣りすると百日に向かうとか、千日に向かうとか、同じ功徳にあずかると云われ、いわば特別デーとして広められてきました。観音様の功徳日の中で日数の一番多いのが七月十日で、この日にお詣りすると四万六千日分に相当すると云うことで江戸時代から特にこの日のお詣りが盛んになってきました。四万六千日という数については、八万四千の法門とか白髪三千丈類で、単に多い事と解釈して差し支えありません。いわば仏縁を結ばせるために考え出された一つの方便と言えます。この他、白米一升分は四万六千粒にあたり、この日観音にお詣りすると、一生を通じて無事息災に過ごすことができるとか、四六時(一日)の千日分が四万六千で、これが根拠になったとか、色々云われております。
私が買ったほおづきです
女将さんが風鈴は赤い方がいいねと・・・ ◇ほおづき市

浅草寺境内にほおずき屋が並ぶ。この市の人気者、「千成りほおずき」は、たった二日間の浅草の四万六千日を目指して、春先から江戸川の鹿骨町で栽培されます。
このほおずき市も二百年近く昔の明和年中に起こったと云われ、山東京伝の「蜘蛛の糸巻」によると、芝青松寺の門、前の武家屋敷に奉公していた仲間(ちゅうげん)が、六月二十三日の朝、庭を掃除中に一株の千成りほおずきを発見し、前夜愛宕権現の霊夢にあづかった事を思い出し、「六月廿四日の功徳日に青ほおずきの実を、愛宕の神前で水で鵜呑みにすれば、大人は癪(しゃく)の種を切り、子供は虫の気を封ずる。」と云うお告げがあったと吹聴したところ、これを早速翌廿四日に試みる人があり、不思議とと効能があった為、いつしか境内に御夢想の虫薬と称して、青ほおずきの市が立つようになったと云われます。この六月廿四日は愛宕権現の本地仏「地蔵様」のご縁日で、四万六千日に当たるとされておりました。元来、四万六千日は観音様の功徳日であったところから、いつしか浅草にもほおずき市が立つようになり、かえって愛宕をしのぎ盛大になった訳であります。ちなみに青ほおずきは漢方では解毒剤や婦人の胎熱に特効があるとして、江戸時代に薬用として用いられて来ましたので、満更いわれのないことではないようであります。
枝振りもなかなか これが「千成りほおずき!!」

※参考にした栞、浅草寺境内のほおずき市ののぼり、ポスター、それぞれで表記の仕方が異なっていました。本来植物の名前で検索するときは「ほおづき」となっていました。ただ一般的に<ほおずき>と表記する方が多いように思います。栞の中も表記は混在していました。ちょっと謎です。