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「10/2日〜10/11日分」

フランス、ル・マン。1933年。事件は起こりました。
ダンザール家で。どんな事件が起こったのか、それは劇場へいらしていただきたいところですが、
事件の前の事件を、ダンザール家に仕える女中姉妹、妹レア役の山谷典子が、お届けする
「女中は見た!」稽古場日記です。

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10/11日号

今日の登場は、舞台監督をしてくださっている
神田真
さんです。
お仕事中にパチリ。

神田さんには、研究生の頃から
お世話になっています。
アトリエ50周年記念公演。
神田さんはとても多くのアトリエ作品に
関わっていらっしゃいます。




今日は、稽古前に文学座支持会の(詳しくは文学座公式ページをごらんください)会議があったらしく、
吉野佳子さんが稽古場にいらっしゃいました。

今、50周年記念のアトリエ公演の3本。
20日からの「缶詰」。自主企画公演、と
稽古場を全て使って稽古が行われているので、
いろんな方とバッタリお会いします。
思わず、今日もお喋りに花の咲く稽古場。

明日からは立ち稽古に入ります。ドキドキ。
稽古後、みんなでご飯を食べに。
普通、「飲みに行こうかあ。」なんですが、
出演者で4人中3人がお酒が飲めない、っていう
めずらしい稽古場です。
「じゃあ、お茶しに行こうかあ」って、結構、健康的?

10/10日号

今日は、衣裳を担当してくださる、
出川さん
がいらしての寸法あわせ。

1930年代のフランスが舞台なので、
新たに作ってくださるのです!
7年間にわたって場面が移り変わるので、
衣裳も何着も登場します。

初日にいらして、読みあわせの最中、
出演者の顔をずーっと見ていた出川さん。
何枚ものデザイン画を、新たにイメージにあわせて
書き換えてくださっていました。


女性4人の出演者、
イメージ画を見ては、
「嬉しいー!」とにまにま。
やっぱ女性ですもん、
着るものがステキって、
気分が華やぎます。

これは、1930年代当時の、
本物の雑誌を読む高瀬さん。
出川さんが私物で持っていらしたのを
資料として持ってきてくださったんです。

髪型、髪飾り、バック。時代は繰り返す?
もう、まさに今年、流行しているデザインが
この時代のものだったりして。

洋服大好きの山谷は幸せいっぱいです。
うふふふ。

10/9日号
今日の登場は、声の出演をしてくださる坂部文昭さんです。
坂部さんは、写真屋さんの役。
なぜか、この芝居、登場人物は全て女性。
声だけは、全て男性なんです。

稽古中に使うように、稽古用テープを録音しました。
初めて、坂部さんの声とあわせての稽古だったので、すごく新鮮。
4人の出演者の芝居なので、一人稽古場に訪れると、
なんだかとっても大人数になったような気がしたりして。

先日、坂部さんに、稽古の終わっての帰り道、駅のホームでばったり。
目黒さん「あら、どなたと飲んでらしたんですか?」
坂部さん「うふふふ、秘密だよ。」(とってもごきげん)
えー!誰となんだあ!?と、疑う目黒さん、容子ちゃん、山谷。
後日、真相は高瀬さんと飲んでたんですって。
なーんだあ。と、ちょっとがっかり?する3人でした。


今日は、音楽の車川さんが、いらして歌の稽古もしました。
最初から、作家のケッセルマンさんが作ってある曲があるんですが、歌詞は英語。
日本語になると、どうもそのままの曲では違和感がでてきてしまうので、
車川さんが編曲をしてくださっています。
すごーい、キレイな曲!
うっとり、聞いてしまい次のせりふが遅れてしまったりなんかして。あちゃー。
10/7日号 お休み

10/8日号

今日の登場は、演出助手をしてくれている加瀬幸恵ちゃんです。

加瀬ちゃんは、しっかりした頼れる人です。
そしたら、文学座に入る前は、
看護婦さんをしていたんですって。
なんだかとっても納得。

きっととっても患者さんの信頼が寄せられている
看護婦さんだったんだろうなあ。

ちなみに、加瀬ちゃんの勤めていた病院は、
容子ちゃんが、以前かかっていた病院と同じだったらしく、
「町田さんは元気?」と、
ローカル話題に花が咲いていました。

この写真は、休憩時間、お菓子とかを探る3人。
お茶場と呼ばれる場所に、飲み物やらお菓子やらが置いてあります。
女の子が多いせいか、お菓子が絶えたことがない。あはは。
今日は、音楽の車川さんからのおいしい紀州梅に感動。
おおげさでなく「一番おいしい!梅干の王様?」

今日は、細かく本読み。
「立ち稽古になったら変わるだろうけど、
削っていくことはそこでできるから、
まず、おおげさになっても、提示してみて。」
と、進んでいきました。
表現としてなくしていっても、根底を持ってないとなんにもなくなってしまう。
そうなんです!根っこがないと。
ちゃんと、そこに、いることができないと。
一番難しいことなのかもしれないけど。

10/6日号

今日の登場は、私、
女中姉妹の妹レア役の山谷典子です。

「永遠の子」を、今日読み終えた!
苦しい、重たい本だった、、、。

どこか、この本の登場人物たちの思いみたいなものが、
レアと共通した部分があるかも。

アトリエは、今年50周年記念です。
50年。すごい年月。

いろんなステキな先輩達が戦ったんであろうアトリエ。
その記念の公演に参加できるのは、とっても嬉しいです。

今日は、昨日の考えていた「レユシテ」の謎を解明するため、
海外生活に詳しい「ザ ウィアー」の翻訳家、鴇澤さんがいらしてくださいました。
なるほどー、っと皆すっきり。
「ONE HAND」と、元の英文の台本にあったのですが、
それは、「1回」カードをさわる、ってことではなく、「片手で」ってことだった、とか。
密室劇に近いものがあるので、今、どこを見てるのかな。
とか、一番近くには誰がいるのか、とかがすごく気になる芝居です。
早く立って見たいような、ドキドキしちゃうような、。

10/5日号

今日の登場は、ダンザール家の奥様、
ダンザール夫人役の赤司まり子さんです。

15日まで、TPTのほうの本番と重なっていらして、今日は、早退。
そして、稽古後、目黒さんと私は、
赤司さんをベニサンピットに見に行くっていう、
「お疲れ様です。」を言った後に
違う芝居に出てらっしゃる所に会いに行くという、
ちょっとなんだか不思議な一日でした。

赤司さんも、最近パソコンデビューなさっているそうです。
ますます増えるパソコン人口。

赤司さん、容子ちゃん親子が、
「レユシテ」というカードゲームをしながら、
会話をする場面があるんです。
それが、資料がなーい!
なので、演出助手の加瀬ちゃんが
インターネットで資料を取り寄せたり、
セリフから必死でこうかなああかな、
と考えているところです。

やっぱりなんのことだかわからないままだと、
読んでいても気持ちが悪い!
「ダブルソリティア」に似ている、とかかれてあり、
考えているうちにいつしか「ソリティア」のゲームに、
単純にはまっていっている「マイシス」メンバー。
あちゃあ。

でも、ゲームに少し納得がいってからの改めての本読み。
「こういうゲームについての、周りからの言葉って、別に相手を非難してる訳じゃなく、
ただ単純に事実だけを言ってたよね。」と、高瀬さん。
「あ、そうだった、そうだった。」実際やってみたからではの、めちゃめちゃ肌身での実感。

下の階での稽古場では、今日から「エレファントマン」の稽古も始まりました。

若手の4人組みです。お互い頑張ろう!と、エール交換。


10/4日号

今日の登場は、
ダンザール家のお嬢様、イザベル役の大野容子ちゃんです。
容子ちゃんは、稽古初日、
初めてお会いしたはずの翻訳家の芦沢さんを、
稽古場にいらしたとたん、ジーっと見ていました。
「?」と、芦沢さん。
すると容子ちゃん「以前、私人間違えをして、
芦沢さんに話し掛けたことありますよね?」
すごい偶然!
ほんとに、
この芝居に関わってくださっているなんてことを全く知らない時に、
どうしたわけか話し掛けていた訳です。
「運命かも−」と、びっくりする容子ちゃんでした。

赤司さんが、TPTの本番と重なってお休みだったので、
全員そろわないで、詰めていってしまうのも、、。っていうこともあったんですが。

同じ劇団とはいっても、大人数の劇団なので、はじめまして。だったり、
緊張しがちな空気が、初日からしばらくはあったりします。
そこを察してでしょうか、高瀬さん、
「今日の稽古はのんびりしよう」と、おしゃべり大会な、今日のお稽古場。

女性ばかりの空間で、くりひろげられる芝居なので、「女だけの場合」の話に。
目黒さんは、高校が女子校。容子ちゃんは専門学校が女子だけ。山谷は中高一貫の女子校。
どの時期に、そういう一種特殊な環境にいたかで結構感覚が違ったりするものですね。

また、「とらうま」が、関わりまくってきたりする芝居でもあって、
「永遠の子ってちょっと通じるものがあるよね。」という話になり、早速読んでいたりする私でした。

10/3日号
本読み二日目。

今日の登場は、私のお姉さん、
クリスティーヌ役の目黒未奈さんです。
目黒さんと私は、
二人でダンザール家の女中としてつとめる姉妹の役です。

この戯曲はすごいト書きが多いんです。
そのト書きで、イヤーぴったり!って言うト書きもあったりして。
お姉さんは、洋裁がすごい上手。
目黒さんもそのまま、本当に手先が器用です。
今日も手作りの指輪をしてました。
一方、妹レアは不器用さんです。
洋服、キレイなものは大好きだけど、着る、見る、喜ぶ、専門。
山谷自身も、、そのとおり。あちゃー。

フランスが舞台なんですが、フランスといえば!のシャンソンもでてきます。
歌あり踊りあり、
「なんだあ。暗い芝居かと思ったら、華やかなんじゃないかあ!」
なんて話していたりして。

10/2日号
稽古初日!!
やってきた初日です。

今日は、「マイシスターインディスハウス」は、
題名のとおり翻訳物なので、
翻訳家の芦沢さんもいらっしゃっての本読みでした。

今日の登場は、演出家の高瀬久男さん。
「女性ばっかりだなあ。」とちょっとにこにこ?
この芝居、出演者4人とも女性です。

高瀬さんは、ご自分でも書かれるからか、
丁寧なテキストレジをしながらの
本読みになっていきました。
「ここは、その言葉だと、強くあたりすぎるよね。」など、
すごく丁寧。
「欲望のはけ口のない女性達が、内的になって」「現象がおこっていく」ふむふむ。
とても孤独な女性達が、張り詰めた空気を発する芝居なので、
きっとはりつめた絹糸のような空間になっていくんだろうなあ。