supergirl
- 567 :supergirl :04/08/07 03:10
- 「おーい○○!ゴハン食べに行こう!」
うわっびっくりしたぁ!れいなか。…ってお前なに窓から入ってきてんだよ!
「まぁよかよかw行くったい!」
こいつは田中れいな。幼なじみだ。
おれが東京に出てきたのをいいことに
「れいなは絶対にアイドルになると!」
そんな頭の悪い理由で上京。
れいなのおばさんたちも「○○くん家の近くなら安心よねぇ〜」って俺の部屋の横を借りたせいで…
「早くするったい!いつまで待たせると!?」
…いっつもこんな感じ。
なれるんだったら早いことアイドルにでもなってくれないかなぁ…。
- 568 :supergirl :04/08/07 03:11
-
「イラッシャイマセーオ好キナ席ニドウゾー」
「よいしょっと…今日はれいなが決めるとよ。あ、すいませぇん!」
「はい!ご注文お決まりですか?」
「サラダ2つ。以上で。」
は?
「何?」
何…ってそれだけ?
「当たり前たい!れいなは明日オーディションとよ?」
…巻き添え、だな?
「なに?」
イエイエナンデモアリマセン…あ、せめてドレッシング多めで…。
- 569 :supergirl :04/08/07 03:12
-
パリパリ…モシャモシャ…
「あ、明日11:00に恵比寿だって。」
あ、そう。
「『あ、そう。』じゃなかとよ、10:00には家を出ないと間に合わんばい。」
ふぅん。
パリパリ…モシャモシャ…
「聞いてる!?」
聞いてるよ。がんばってな。
「『がんばって』じゃなかと!8:30には起こしてよ!寝坊したらぼてくりこかすばい!」
またおれが起こすの?いい加減一人で起きろよ…。
「うるさいなぁ。どうせ明日もヒマやろ?」
パリパリ…モシャモシャ…
「ね!?」
わかりました…。
- 570 :supergirl :04/08/07 03:12
-
はぁぁお腹いっぱい…には程遠い。
「文句あると?」
…ありませんよ。じゃあ明日8:30な。おやすみ。
「おやすみ!よろしくねぇ〜」
バタン!
えーっと…確か部屋にカップめんあったよな…
- 571 :supergirl :04/08/07 03:14
-
pipipipipi…
ふぁあああああ〜…朝…かぁ。あ、れいな起こさなきゃ…。
「zzz…」
あ、ここにいたのか…ほら、朝だぞ…起きろ…
…!?
えええええ!!
れれれれれれいな!!な、なんでお前人のベッドで寝てんだよ!?
「…ふぁああ〜…あ、オハヨ…」
オハヨじゃねえって!おいっ!何勝手に入ってきてんだよ!?
「朝からやかましいっちゃねぇ…ここなら絶対寝坊せんとやろ?今日は絶対合格しなきゃいけないんだから…zzz」
寝るなぁ!!さっさと部屋かえって準備してこぉい!!
「…はぁい。」
はぁあびっくりしたぁ…
…でも…寝顔…カワイカッタナ…チキショウ…。
- 600 :supergirl :04/08/07 23:17
-
…ブゥン…プップー…
「じゃあ終わったら電話するから。帰りも頼むばい!」
何時くらい?
「わかんない!まぁ適当に待っててw じゃあね!」
適当にってそれでこの前半日以上車で待ってたんだ…っておい!!
バタン!
あ〜ぁ…ヒラヒラ手振っていっちゃった。しょうがねえなぁ…
- 601 :supergirl :04/08/07 23:18
-
…もう4時間経過してますな。
一回家帰ってもいいけどすぐ迎えに行かないとあいつまたすねるしなぁ…
ふぁああああ…路駐して寝てよ。
zzz…
TELLLLLLL〜♪
ふあぁい…もしも…
「○…○○!?どこ!?た、大変ばい!!」
…し? 何?どうした?
「ねねねね寝ぼけてる場合じゃなななかななかと!!うかかううかうか」
えー…まず落ち着け。ゆっくり喋ってみろ、な?どうした?
「受かった!!れいな歌手になれるったい!!」
…?
「とにかく迎えに来て!恵比寿の駅前のケンタッキーにおるけん!すぐね!!」
ブツっ!ツーっツーっツーっ・・・
…何?
- 602 :supergirl :04/08/07 23:19
-
「…でね、『キミには光るものがある!ぜひ一緒にがんばろうやないか!』って!いやぁ見てる人は見てるったい!!」
…うん。それもう5回目ね。
「○○?聞いてると!?」
何度も何度も聞いてるよ…。
「『ルックスもいいし、訛りも味や。大丈夫。売れるでぇ!』だってwにひひ!」
はいはい…。
「…って○○!聞いとらんやろ!」
だから4回目までは聞いてたよ…。で、『明日からレッスンに来てもらうさかいな?』だろ?
「そうそう!w あ、やばい!!」
?
「男の人と一緒に車に乗ってたら写真撮られるばい!れいな後ろの席で上着かぶっとるけん気をつけてよ?」
…はいはい。気をつけまぁす…。
- 658 :supergirl :04/08/09 01:23
-
それから数日はれいなをレッスンに送る日々が続いた。
そんなある日のことだった…。
TELLLLLLL〜♪
お?お迎えかな…と。
Pi もしもし?
「あ、○○さんですか?」
?あ、ハイ…え?ど、どちらさまですか?
「れいなちゃんの事務所の寺田っちゅうもんですが、今、ええかな?」
え?あ、は、ハイ…。
- 659 :supergirl :04/08/09 01:23
-
「…っちゅうことなんや。」
は、はぁ…。
「まぁ最近いろんな雑誌が出てるやろ?ぶっちゃけいらん芽はさっさと摘んだほうがええっちゅうわけや。」
…。
「まぁ単なる幼なじみの兄ちゃんやっちゅうことはわかっとるがな。頼むで、もう近づかんといてな?」
…はい。わかりました。
それが…それがれいなのためになるなら…。
- 660 :supergirl :04/08/09 01:25
-
TELLLLLLL〜♪
…。
Pi
「あ、○○?レッスン終わったばい!今日は疲れたぁ〜早く迎えに来てぇ!」
…もう、行かねぇよ…。
「え?何言うとや?」
おれは…おれはれいなのマネージャーじゃねぇんだ!ガキのお守りはたくさんなんだよ!もう電話すんなよ!
「えぇ!?○…○○!?もしも…」
ブツっ!
チキショウ…
“OFF” Pi----…
- 694 :supergirl :04/08/10 00:23
-
ゴクッゴクッ…ダンッ!
ロック!ダブルで!!
「お客様…だいぶ飲まれてるようですが…」
うるせぇ!さっさと出せ!
ゴクッ…
ばかやろう…何が「歌手になるったい!」だぁ…なれるわけねぇっつーんだ!
あの関西弁も関西弁だぁ!
「いらん芽は早めに摘んだほうが…」だとぉ?
おれは雑草かっつーの!なぁ?あんたもそう思うだろ?
バカにすんなっつーんだ!
- 695 :supergirl :04/08/10 00:23
-
「お客様…周りのお客様の迷惑になりますので…」
あぁ?うるせぇってんだ!客だぞコラ?
「しかたありませんね…おい、たのむ。」
うぉ!?なんだてめーら?引っ張んじゃねぇってんだよ!おい!…
バギィッ! ガシャーン!!
「いい加減にしろよ?あ?調子こいてんじゃねーぞ?二度とくんなボケ!!」
…っ痛ぇ…ちきしょう…なんでおれがこんな目に遭わなきゃなんねーんだ…
れいなのせい…じゃあ…ねぇよな。
…はぁ…酔っ払っちまった…帰ろ…。
- 696 :supergirl :04/08/10 00:24
-
? あれ?携帯?あ、あった…殴られたとき飛んだのか…
“ON” Pi----…
“ルス” お?留守電ですねっと…
『12件ノメッセージヲオアズカリシテオリマス…』
『…1件目ノメッセージデス…』
『あ、○○?どうしたと!?訳わからんばい!!早く迎えにこーい!!れいなでした!』
Pi----…
『…2件目ノメッセージデス…』
『○○?何で出んの?いつもの恵比寿駅前ったい!おーい!!』
Pi----…
- 697 :supergirl :04/08/10 00:25
-
…うるせえよ何回も何回も…電車だってあんだからさっさと帰れってんだ…。
『…6件目ノメッセージデス…』
『…れいなです。…どうしたと?…恵比寿にいます…電話ください…』
Pi----…
『…7件目ノメッセージデス…』
『…れいなでした…。』
Pi----…
…。
- 698 :supergirl :04/08/10 00:25
-
『…11件目ノメッセージデス…』
『…今寺田さんから電話があったとよ。…で…あの…聞きました。 …ゴメン。』
Pi----…
…だ、だからなんだってんだ…謝るようなことじゃねぇだろうが…。
『…12件目ノメッセージデス…』
『 …ゴメン…グシ…れ…れいな…グシ…れいなのせい…せいで…ヒック…ご…ごめんなさ…グシ…
…ヒック…待っ…てます…』
Pi----…
!! まさか…あいつまだ…?
た、タクシー!!
- 699 :supergirl :04/08/10 00:26
-
キキーッ!! バタン!!
れいな…どこだ?れいな!?
「○…○○!!」
! おまえ…
「○○…ご、ゴメ…グシ…ふ…ふにゃあぁぁぁぁあ!」
謝るのはこっちだよ…ゴメン。不安にさせちまったな…。
「ううん…れ…ヒック…れいなが悪いったい…グシ…れいなが○○のこと考えないではしゃいだから…」
泣くなって、な?とりあえず帰ろう。…待たせてゴメンな…。
- 750 :supergirl :04/08/11 02:08
-
「…ヒック…グシ…○…○○…ふにゃあぁぁぁ…ご…ごめ…ヒック…」
部屋に戻ってからもれいなはずっと泣き続けていた。
おれはそんなれいなを抱きしめ、頭をやさしく撫でることしかできなかった。
(おれはれいなの夢を応援してやりたい…)
(れいなのためにおれがしてやれること…)
泣き疲れたのか、いつの間にかれいなは眠っていた。
おれは腕の中で小さな寝息を立てるれいなの髪を、いつまでも、撫でることしかできなかった。
- 751 :supergirl :04/08/11 02:09
-
翌朝、目が覚めたれいなが無言で自分の部屋に戻ってから数日、お互いに連絡することはなかった。
おれは一人部屋に篭り、あの時出なかった答えをまだ探していた。
そして…
pi…pi…
トゥルルルル…ガチャ
「もしもし?」
あ、私○○と申しますが…これからお会いできないでしょうか…あ、はい。田中れいなのことで…
- 752 :supergirl :04/08/11 02:10
-
「あ…オハヨウゴザイマス…」
「なんや?1週間もレッスン休んだかと思ったら急に話があるなんて…どないしてん?」
「実は…あの…歌手になるって話…なんですけど…やっぱりやめ…」
「おぉ!そうや!その前に言わなあかん事があんねや!」
「?」
「おーい!入ってええで!」
ガチャ
失礼します!
「!? ○…○○?なんで?」
- 753 :supergirl :04/08/11 02:10
-
新しく寺田さんの事務所でマネージャー見習いとして働くことになりました○○と申します!
よろしくお願いしまっす!!
「えぇ!?な、何?なんで○○が?」
「この前こいつからいきなり
『お、おれ、れいなと離れるなんてできないっス!でもれいなの夢叶えてやりたいんス!!』
って泣きながら電話かかってきてなw」
…そんな言い方はしてないでしょ…泣いたのはホントデスケド…。
「あははw で、じゃあそれやったらオレんとこで働くか?っちゅう話になった訳や。」
「○○…」
- 754 :supergirl :04/08/11 02:11
-
「まぁ前からマネージャーみたいな事はしとったわけやし、ちょうどうちも人が足りひんとこやったしな。」
そういうこと。まぁこれからも…よろしくってことで!
「感謝してもらわんといかんなぁ?天才のオレのアイディアでうまくまとまったんやで?w」
「寺田さん…○○…あ、ありがとう…グシ…ヒック…ふにゃあぁぁぁん!!」
わわわ!な、泣くなよ!これからも一緒だから…な?
「ヒック…う、うん。グシ…が、がんばる!れいな…一生懸命がんばるったい!」
「たのむでぇw
…あ、あかん!ひとつ大事なこと言い忘れとった。」
「「?」」
- 755 :supergirl :04/08/11 02:16
-
「デビュー前やねんから避妊はちゃんとせぇよw」
「「 !! 」」
「あ、は、ハイ…」
れいな!?おまえ何肯定してんだよ!!
「え…あ、あ、あの、でも、だ、大事な事ったい…」
お、おい!!ま、まだ、おれ何にもしてない…って何言わすんだよ!
「え〜?ホンマに何にしてへんのかぁ〜?w」
ど、どうでもいいじゃないっスか!!
ま、まぁ、あのぉ、こ、これからも頑張りますからよろしくお願いしますっ!!な?れいな!
「何を頑張る気ったい?○○のスケベ…」
おまえが言うなぁぁぁ!!
…あぁ…おれ、早まったのかな… さっそく思いやられるよ…
でも、夢を叶えるために… これからもずっと一緒にがんばろう!な?れいな!
- 757 :supergirl :04/08/11 02:17
-
´ ヮ`)ノシ“supergirl” 完
从*´ ヮ`)<モドル