SOMEDAY
1 :1日目 :04/07/14 12:40
「あちぃ・・・」
8畳のワンルーム・・・いや、ボロアパートの一室
脳みそまで溶けそうな真夏の暑さだ

クーラーなんて素晴らしいものはここには無い
窓全開と壊れかけの扇風機
俺は今日も特に予定なんか無い たぶん明日も明後日も・・・

2 :1日目 :04/07/14 12:46
大学も夏期休暇の時期だ
バイトを探すつもりだったが、先延ばしにしてたらおいしいバイトは無くなった
「あ〜あ、それにしてもあっちいな、おい」

万年床に横になりながら、なんとなくテレビを眺める
何か忘れてる気がするが、まあどうせたいした事じゃないはずだ
「ふぁ〜あ・・・」欠伸がでる
寝ちまうか・・・起きててもすることないし・・行くとこもないし
挙句に金もピンチだし・・・

3 :1日目 :04/07/14 12:49
眼をつぶった時、玄関のチャイムが鳴った
「ん?」 何人かの暇でしかたない友人の顔が浮かんだ
再びチャイムが鳴る 今度は連続で

「ったく、うるせーなー・・・」起き上がって玄関にむかう
扉を開けると、女・・女の子が立っていた

「・・・」

なんだこいつ?しかしえらい荷物だな、おい

「久しぶり!」

だから誰だよ?お前・・・・・
女の子は、俺にでかいバックを渡すと、さっさと部屋にあがりこんだ


何か忘れてる気がする・・・・・あっ!!!俺はようやく思い出した

4 :1日目 :04/07/14 12:54
田舎の母親から電話があったのは先月だったか
親戚の娘・・・そう、さっき玄関前にいた女の子
1週間ほど泊めてやって欲しい そんな話だった

そういえば俺が中学の頃に会ったくらいが最後だったか
負けん気が強すぎなくせに、何かあるとすぐに泣くガキだったな
からかって泣かしてたら、何度か噛み付かれた憶えもある

5 :1日目 :04/07/14 12:56
「ちょっと!早く荷物持ってきて!!」
家の奥から声が聞こえる
まぎれもない・・・俺に噛み付いたれいなの声だ・・・・・

れいなは狭い室内をキョロキョロ見回していた
「うっわ〜・・・汚か部屋ね〜・・・しかも臭かぁ・・・」
黙れよこのガキ!
勿論声には出さない

6 :1日目 :04/07/14 12:59
「今日からしばらく世話になるけん、よろしく!」
「あ、は、はぁ・・・」
「何?もしかして忘れてた?」
「いや・・・全然・・・あはは・・・」

れいなは俺からバックをひったくると、さっさと荷物の整理を始めた
部屋にあるれいなにとって邪魔な物は勝手にどけている

7 :1日目 :04/07/14 13:02
すっかり忘れていた
しかも相手はれいなだ ますます勝気さには磨きがかかってるようだ
いっちょまえに鼻歌混じりに片づけをしてるが、俺は頭が痛い
どんだけこき使われることか・・・ずっしり憂鬱な気分になった
こうして溶けそうに暑い夏の1週間がはじまった

8 :1日目 :04/07/14 13:06
近所の弁当屋の帰り道
いつもは一つだが、今日は二つだ 正確には今日から1週間は二つだ

なんで弁当なん?あ〜レストランとか行きたか〜
れいなの声が今でも聞こえてくる
生意気にも、行きたいレストランを下調べしてきていた
どこも軽く〜万円するような所ばかりだ
絶対どこか一軒は連れてってほしか!!
うろたえる俺を知ったこっちゃなしに、そう言いやがった

9 :1日目 :04/07/14 13:06
何故か謝りながら、家をダッシュで飛び出し、弁当を買いに行った
はぁぁ・・・
何度目のため息なんだ?
しかしまあ我が侭なガキだな、それにしても
あれしろこれしろ、喉が渇いた、お腹が空いた・・・
よくもまあ次々と

れいなの両親は溺愛して育ててるからしかたないが、でも、ここは俺の家だ
俺がルール!!よっしゃ、ガツンとかましてやるか
そう思いつつ、ドアを開けた

10 :1日目 :04/07/14 13:06
「うわ、なんねこの弁当!?」
「え?や、スタミナ弁当だけど・・・」
「か〜っ・・・れいなは焼肉弁当がよか!そっちは?」
「・・・コロッケ・・・」
何も言わずに弁当を取り替えられた・・・ガツンと言え!心はそう言うが・・
「お・・おい・・」
「なんね!?」不満そうな表情全開だ しかも昔より迫力あるしな・・・
「・・・食べますか・・・」頭だけじゃなく、なんか胃も痛くなってきた・・・

11 :1日目 :04/07/14 13:08
窓の外を眺めながら今日一日を振り返る
なんだか、たった一日なのに一年分疲れた気がする・・・
「なんだよ、まだ6日もあるのかぁ」
中学生のれいな相手に情けないが、れいなを怒らすとロクな事がない

何人の親戚の子供達が、忘れられない仕打ちを受けたことか
れいなには逆らわない・・・我々親戚中の暗黙の了解だ
それにしても、風呂の長いガキだ
しかも、入浴剤までさっき買いに行かされた パシリだ、まさに

小さい風呂だ、兄ちゃんの普段入ってる風呂だから汚い・・などなど
散々文句たれたくせに、かれこれ40分は経過しただろうか

12 :1日目 :04/07/14 13:14
ふと、れいなのバックが目に付いた
ん?なんだありゃ・・・そっと近寄って覗くと・・・
「ブ・・・ブラかいっ!」ピンクの可愛らしいやつだ
なんだれいな、あいつにこんなもん必要なのか?ペッタぺタだった気が・・・

ま、滅多に無い機会だし、触っときますか・・・
そう思った瞬間、後頭部に激痛が走った
「何しよーと!!!???兄ちゃん変態!!!アホ!しね!クズ!エロ!」
頭に飛んでくるパンチはなかなかいいパンチだ
いや、関心してる場合じゃなくて・・・
「ち、違うって!バックをよけて布団をきちんとしようかって・・・」

13 :1日目 :04/07/14 13:15
ふと見ると、れいなはバスタオルを巻いただけのようだ
「ほんと?嘘だったらこんなもんじゃすまんたい。はい、さっさと布団敷いて!」
こいつの感覚はやっぱどこかおかしい
あ、思ったより胸あるかも・・・ふとそんなことを思った さ、布団直そ

14 :2日目 :04/07/14 15:06
「あぁ・・・体いてぇ」
背中をさすりながら、朝食の買出しだ
れいなはリビング 俺は玄関前 当たり前かのようにそうなった
この部屋の境目から一歩でも入ってきたら・・・分かるよね?
れいなの眼は確かに笑っていなかった 気にしすぎか?

何度、れいなの布団に入ってやろうかと思ったことか
別にあんな生意気なガキどうでもいい
玄関前の床の固さに泣けてきただけだ
それにしても、濡れたままの髪・パジャマ姿・・・そんな女の子の姿はいいな
まあ、れいな、しかも親戚ってのが悲しいとこだが

15 :2日目 :04/07/14 15:18
「でも、なかなか色っぽかったかも」
いかん、最近欲求不満がたまってるせいかもしれない
ちょっぴり前かがみのまま、さっさとコンビニに向かった

朝食をとりながら、今日の予定を聞いた
「そんなもん決まっとるたい 渋谷たい!し・ぶ・や!!」
「渋谷くらい分かるっての 行き方メモしてやるよ」
「はぁ?兄ちゃんアホと?か弱い女の子一人で街に放り出すと?
れいなが飢えた狼にさらわれてもよかと?」

16 :2日目 :04/07/14 15:31
このガキ・・・
「わーったよ、お供します」
「嬉しい?こんな可愛い娘と街を歩けて?兄ちゃん彼女とかいないでしょ?
わ〜さびしそ〜ぎゃはははは!!!」
できるなら誰かこいつを引き取って欲しい・・・
さてさて、今日も長い一日になりそうだ けど、笑ったれいなを見て、少し
ドキッとしたのは・・・気のせいだって思いたい、うん・・・

17 :2日目 :04/07/14 15:35
夏休み中というのもあり、異常なほどの人の多さだ
しかも今日も倒れそうなくらいに暑い
れいなは見るもの全て珍しいかのように、キョロキョロしている

「おい、あんまり見回すなよ・・・どこの田舎者かって思われるぞ」
「ふん・・・うるさい!黙って案内して!」
そうは言いつつも楽しそうな顔だ
まあ、ここで変に機嫌損ねてもなぁ・・・

18 :2日目 :04/07/14 16:11
れいなが俺に腕を組んできた
「・・お、おい・・・」
「なんね?こーんな人多い中ではぐれたらどうすると?しかたなしに
腕組んだげてるんたい」
「仕方なくって・・・」
「どうせ腕組んでくれる女の子もいないに決まってるんだから。嬉しいでしょ?
こんな可愛い子と街中歩けて」

19 :2日目 :04/07/14 16:22
こいつの自信とかそういうのはどっからくるんだ?
うむ、まあ彼女がいないのは正解だが・・・
最近はもっぱらふーぞ・・・やめとこ
しかし、こうして腕を組んで歩いてるのはいいが、
なんかこういう感触って久々だなぁ
しかも時々れいなの胸があたったりもして・・・・
や、意外とあるのね・・・ええ、失礼しました昨夜は・・・

れいなの香水の香・体に触れてる感触・・・そしてこの暑さのせいか・・・
やばい・・・のぼせてきたかもしれない・・・

20 :2日目 :04/07/14 16:32
しかしまぁ露出の多い女の多いこと多いこと
眼のやり場に困るね・・・嬉しい意味でね
あそこ歩いてる女なんてほとんど着てないようなもんじゃないんか?
あー・・・なんとも真っ直ぐに歩きにくくなりそうですな、ええ

21 :2日目 :04/07/14 16:34
いきなり鳩尾に衝撃
「ぐえっ・・・」
抱えていた買い物袋を落としそうになる
「な、何しやがんだ・・・するんだよ・・・」あぶね・・・
「あ〜やらしかね〜。信じられんばい。あの女の人見てやらしいこと
考えとったでしょ?さっいて〜」
「人の思考回路を覗くんじゃないっての。はいはい、見てた見てた」
ああ、鳩尾痛い・・・まだ背中も痛いのに・・・

22 :2日目 :04/07/14 16:34
「・・・・・ああいう人がタイプなん?」
お、なんだその真面目くさった顔は
「べーつにー」
「誰?芸能人なら誰?性格とかは?ね!?ね!?」
「なんだいきなり・・・誰だっていいだろ?そんなことよりさっさと
すませよーぜ、買い物」

23 :2日目 :04/07/14 16:35
れいなは急に不機嫌な顔になり、腕を組みなおすこともなく、
さっさと次の店へと向かっていった
なんだこいつの機嫌の変化の激しさは・・・俺何言ったかなぁ・・・
慌てて追っかけるが、それにしてもまだ買うんだね・・・
あ、あの娘かわいいなー・・・あんな娘とひと夏のロマンスってやつを・・・
無理だわな・・・

24 :2日目 :04/07/14 16:35
買った服をそのまま着て出てきたれいなを見て、
思わず軽くジュースを噴出した
あ、ジーパンにかかっちまったがな・・・

「な、なんつー服を・・・」

胸元ザックリ、両袖ザックリ、胸下ザックリ・・・
それは服か?服なのか?燃えた残りとかじゃないのか?
「どう?似合う?」
誇らしげな顔をしてるけど、あんたさ・・・・・
「いや、まあその、あはははは」
「なんね!もうちょっと感想はなかね?そんなことだから彼女とかできんたい」

25 :2日目 :04/07/14 16:36
しかしじっくり見てみると、れいなって小柄だけどスタイルは整ってるのな
これであと3年くらいしたら・・・うん、いいんじゃないのー・・・
いや、でも親戚って目で見なければ、実はむちゃくちゃ可愛いんじゃないか?
そこいら歩いてる女見ても、なかなかいないよなぁ
なんで俺は普通にこんな事考えてんだ?親戚だよ、し・ん・せ・き!!!

26 :2日目 :04/07/14 16:49
「さ、しばらくプラプラするったい!!」
再び腕を組んできた・・・あ、おもいっきし胸元覗いちゃった・・・
今日は水色ですか、そうですか・・・
俺を見上げるれいなと視線が合った やべぇ、すんげー可愛い
この時から、俺はれいなを意識し始めてしまったのかもしれない
夏の暑さのせいだって思い込もうとしていた

27 :2日目 :04/07/14 16:51
帰りの電車は帰宅ラッシュとぶつかって最悪だった
山ほどの買い物袋 お勤め帰りの方々の視線が痛い・・・
しかも横にいるれいなの格好ときたら・・・
いわゆるバカップルというのに見えるんだろうなぁ

扉の所で踏ん張っているものの、さらに混んでくる車内
両手は塞がってるし、最低だ
れいなはもろに嫌そうな顔してるし こんな満員電車楽しくはないわなぁ
さらにおされ、とうとう恐れていた事態になった
おもいっきりれいなと密着してます、ええ もうぴったりとね

28 :2日目 :04/07/14 16:52
当人は顔を横に向けてるけど、怒ってんだろうなー
しかし胸の感触が気持ちいいわけで・・・
なんかこう柔らかくて、あったかいような
やっぱ意外と普通に胸あるのな さすが今日は水色なだけあるな
しかしれいな相手にこんなにドキドキするとわな・・・夏は怖いよ
普段ブサイクに見える女も、薄着のせいとか暑さで、なんか可愛く見えたり

29 :2日目 :04/07/14 16:53
れいなが俺を向いた ここでパンチはやめてな
そりゃーおもいっきし胸の感触楽しんでるけどさ・・・
れいなは俺の肩のあたりに顔をうずめてきた・・・何?なんなの?怖い・・・
もう一度俺を見上げて微笑むと、再び顔をうずめた
あ・・・みよーにドキドキしてきた・・・息子、落ち着け!今はまずい
人としてまずい この夜、なんとも寝苦しかったのは、
れいなの事が猛烈に気になったからだろう・・・

30 :3日目 :04/07/14 17:09
味噌汁のいい匂い・・・起きて、ね〜え、起きてよっ♪
ん?・・・あぁぁっっっ!!!目の前には俺の憧れの人、美貴先輩が!!!
「や、あの先輩どうして?」
「ん?だって〜、せっかくの夏休みなんだし、たまにはこういうのもいいかなって」
やべ、鼻血出そうだ・・・
美貴先輩は大学の2コ上で、人目見たときからの憧れの人だ
何度美貴先輩を思い浮かべていけないことをしたことか・・・・・

31 :3日目 :04/07/14 17:11
「ね、ご飯にする?・・・それとも〜・・・」
「は・・・・はいっ!?」
美貴先輩の手が、ゆっくりと俺のスウェットの下をおろしていく
「や、あの先輩!?」
美貴先輩は優しく微笑むと、そっと俺の唇を、その柔らかい唇で塞いだ
何打これは?なんなんだーーーーーー!!!!!
美貴先輩の舌が、俺の口の中をゆっくりと、優しく動き回る
そして、手は俺のパンツを少しずつ脱がしていく
「あの小娘、追い出しといたから・・・いっぱい楽しもうよ、ね?」

32 :3日目 :04/07/14 17:11
先輩にパンツを脱がされると、こんなに機嫌のいい姿は
自分でも見たことがないくらいに、息子がご機嫌さんになっていた・・・もう出そう・・・
「じゃあ、美貴が気持ちよくしてあげるから。いいよ、声出しても」
先輩はいたずらに微笑むと、俺の息子をそっと口に含んだ
あぁ・・・・もうどーなってもいい・・・美貴先輩!
美貴せんぱーーーーーーーーーいいいいいいいい!!!!!

33 :3日目 :04/07/14 17:12
頬に強い痛みを感じた・・・・えっ?何?なんなのさ?
「な〜にあえいどると?気持ち悪かー」
「れ、れいな!?なんだお前は!?」
「兄ちゃんこそなんね!!誰?みきせんぱーいって?どうせいやらしい夢でも
みとったと?とことん変態ね!!れいな身の危険を感じるったい!」
夢・・・かよ・・・なんだこのガキャ!最高の夢を邪魔しやがって・・・
あ〜あ・・・ま〜たこいつのお守りの一日が始まるんか・・・がっくりだ

34 :3日目 :04/07/14 17:22
しかしなんて素晴らしい夢だったんだ・・・・・
この夏こそ、先輩に告白して・・・そして俺と先輩は・・・
そんな妄想を抱いていても、どうしても行動できないのが辛いとこだ
先輩のあのクールな目に見つめられると、言葉が出ないんだよなぁ
今頃美貴先輩、何してんのかなぁ・・・

35 :3日目 :04/07/14 17:23
頭に激痛が!
「ちょっと!聞いてる?はーやーく朝ごはん作って!!れいなお腹空いた!」
「え?ああ、そこのパンでも食えば?」
「もう一発いかんと分からんと?」
れいながファイティングポーズを作る
「え!?いや・・・何食べたい?」だーめだ俺・・・・・

36 :3日目 :04/07/14 17:23
でもまあいいさ もうちょっとの我慢だ
こいつがいなくなったら、今度こそ先輩に告白しよう!
こんな夢を見たのも、何かのサインかもしれない、うん ポジティブに!!
こうして三日目が始まった

37 :3日目 :04/07/14 17:23
朝飯を食ってても、頭の中はさっき見た夢でいっぱいだ
美貴先輩があんな大胆な人だったなんて・・・あぁ、自然とにやけてくる
「おかわり!」
目の前に突き出される茶碗 え?ごはん?
美貴先輩なら、きっと優しくご飯よそってくれるんだろうなー・・・
それにひきかえ、なんだれいな!色気より食い気か?へっ・・・

38 :3日目 :04/07/14 17:24
「兄ちゃん!に・い・ちゃん!!聞いてる?」
「へっ?あ、はぁ・・・」聞いちゃいねー 今そんなどこじゃないんだぞ!
「予定変更たい。プール行きたい!こう暑くちゃやってれんたい。流れる
プールとか、ビューン!て滑るやつとかしたい。プール行こ!!」
ほんとはそんなとこいくより、もう一度眠りについて夢の続きを見たい

39 :3日目 :04/07/14 17:25
「よかね?決まりったい!れいなねー、ちゃんと水着も持ってきとるけん
見たい?ね、見たい?」
お前のおこちゃま水着なんざどーでもいい!美貴先輩の水着ならなぁ・・・
なんだったら金払ってでも見たいもんだ
れいながバックをごそごそあさり、そして
「じゃーん!!!うちの水着!どう?セクシー?」
だから言ったろ?お前のおこちゃま水着なんざ・・・ってそれ?
そのピンクのナイスなビキニですか?・・・お前が着るの?
「どう?れいなセクシー?でも言っとくよ!
スケベな事ちょっとでも考えたらパンチたい。よかね?」

40 :3日目 :04/07/14 17:25
ふむ・・・最近のガキってバカにしたもんじゃないのかもね・・・
美貴先輩ごめんなさい・・・ちょっとプール行きたくなりました
今日も暑い一日になるなぁ

41 :3日目 :04/07/14 17:30
夏休み中、しかも連日の猛暑
予想以上にプールは混んでいた
ここは、色んな設備があり、人気のプールだ さすが、考えることは皆同じね

「じゃあ、着替えたらここで待ち合わせな。迷子とかなるなよ」
「そんな子供じゃなか!」
れいなは舌を出して更衣室に消えた

42 :3日目 :04/07/14 17:30
俺はさっさと着替えを済ませ、れいなを待った
いやー、カップルの多いこと なんなんだ?お前らは・・・
どいつもこいつもいちゃいちゃしやがってから
羨ましいじゃねーか、このヤロー・・・俺だって・・・俺だって・・・うぅぅ
「お待たせー兄ちゃん」
れいなの声に振り向くと、
「おぉっ」思わず声が出た

43 :3日目 :04/07/14 17:33
ピンクのビキニの似合うこと!兄ちゃんびっくりよ、ほんとに
そのちょんまげみたいな髪の縛り方も、なんかセクシーな水着と
アンバランスでいいかもしれない・・・しかしけっこうハイレグな水着ね?れいなさん
「どう?似合う?東京来る前に買ったの。可愛いでしょー」
その場でくるくると回ってみせ、ピョコピョコ飛び跳ねている
行動は単なるガキだな

44 :3日目 :04/07/14 17:34
「ね、最初あれ乗りたい!」
浮き輪に乗って、プールを流れるやつだ
「早く!」れいなが俺の腕をとり小走りする
あ・・・いい感じで胸が揺れてますね、れいなさん・・・
もうちょっと揺らせてくれます?・・・・・なーんか楽しくなってきたかも

45 :3日目 :04/07/14 18:05
大きな浮き輪は二人乗りもできる
どれどれ?前のカップルの姿を見てみると・・・
女が前、男が後ろ・・・
で、はいはい、後ろから女の腰やら胸周りを
抱きしめるわけですか、そうですか

46 :3日目 :04/07/14 18:08
「兄ちゃん、兄ちゃん。うちらの番が来たたい。うち前ね」
れいなはさっさと浮き輪に乗り込んでいる
俺も慌てて乗り込む。が、紐に引っかかりれいなの上にこけた
「痛い!なにすると!?まったく兄ちゃんはマヌケったい。れいな恥ずかしか」
係りのお兄さんも笑ってる
「いいですかー?後ろの男性の方は、しっかり前の女性の方の腰を掴んで下さい」
「え?そーなの?」
「じゃあ、いってらっしゃいませ〜」
おい、質問に答えろよ!なんだその爽やかな笑顔は!

47 :3日目 :04/07/14 18:17
そこそこスピード感もあり、なかなか面白いな、これ

「にーちゃん、しっかりれいなを抑えててよ!怪我したらどう責任とるつもり!?」
はいはい・・・一生何言われるかわかったもんじゃないしな
れいなの腰を両手で掴んだ

「もっとしっかり掴んでよ!もうやっぱしマヌケね」
れいなはそう言うと、俺の手を掴み、自分の腹の前で俺の手を組ませた

「これで安全たい」
一瞬振り返ったれいなの笑顔が、なんか生き生きしてた
かなりの密着なんだな、これ・・・れいなの肌の感触が少しひんやり、
少し温かくて、なんか気持ちがいい・・・ますます楽しくなってきたのは気のせいか?
れいなは声をあげてはしゃいでいる
このアンバランスさに、神経が麻痺し始めたのかもしれないな

48 :3日目 :04/07/14 18:28
「おもしろかったー。また後で乗ろうよ。次はあっち!」
うん、楽しかったし、なんかみょーな気分にさせる乗り物だな
美貴先輩をこの夏の間に誘ってみなくては

「どうしたと?兄ちゃん」
いやね、尻がはまっちゃってね・・・
「はーやーくー」
れいなはそう言って俺の手を引っ張り上げた
前かがみになったれいなの谷間が、相当いい感じだ
なあ、それって寄せ上げ水着か?まあいいけどさ

49 :3日目 :04/07/14 18:43
引っ張り上げられたはずみで、れいなに抱きつく形となった
「きゃっ・・・」
れいなが後ろにこけそうになるのを慌てて抱き寄せた
思いっきり抱きしめた格好だな、今
「はーいお客様、お気をつけてこちらからあがってくださーい」
係のお姉さんもニヤニヤしている
狙ったわけじゃないぞ!ニヤニヤするな!

50 :3日目 :04/07/14 18:44
「は、早く行こ・・・」
れいなは慌てて俺から離れ、歩いていく
なんだ、照れてるのか?まさかねぇ・・・
係りのお姉さんはまだこちらを見ている わざとじゃないっつーの
お返しに、お姉さんのいけない姿を想像してやった ふん、ハレンチな女め

51 :3日目 :04/07/14 18:51
「れいな、次はあれでいいのか?」
「うん・・・」
なんだその小さな返事は?怒った?

「や、別にわざとじゃないからな。怒るなよ」
「怒ってないよ、別に」
年頃の女の気持ちは分からないねー

52 :3日目 :04/07/14 18:51
俺達は次の乗り物の列に並んだ
今度は滑り台かぁ ほー・・・男の上に女が寝そべって一緒に滑るのね
て・・・これやるの?
れいなは滑り台の方を向いている
俺のほうが物凄くドキドキしてきた とりあえず息子はまだ落ち着いてる
おい、前のカップル!ここでキスするのはやめとけ
れいなが凝視してるからな しかも女の方、けっこう可愛いし
れいなが俺の方を向き、そっと手をつないできた
れいなはすぐに、滑り台の頂上に目を向けた
俺は、れいなの横顔を眺めつつ、そのまま手をつないでいた

53 :3日目 :04/07/14 19:18
ガキかと思えば、時々こっちが驚くようなマセタ行動をしてみたり
最近の中学生ってこんなもんなのかいな?
あぁ、そういやれいなって彼氏とかいるのかなぁ
聞いたことないな まあ、別に俺には関係のないことだしな
残り数日が終われば、また東京と九州だし

そうこう考えてるうちに、俺達の順番が近づいてきていた
さてさて、どうしたもんかな 一人でも滑ってる奴はいるようだが

「兄ちゃん、一緒に滑ろうね」
マジで?あんなピッタンコくっつくのに?
「ね?一緒に滑るって係の人にちゃんと言ってよね!」
俺の手を握るれいなの手に、ほんの少し力が加わった感じがした

54 :3日目 :04/07/14 19:21
「お客様お二人ですか?」
このお兄さんも爽やかねー
「あ、はい、二人で」
「それでは、男性のお客様が下になって頂いて、女性のお客様をしっかり
抱いた状態で滑って頂くのが一番安全です」
何をそんな事を爽やかにさらっと言ってのけてるんだ、君は・・・

「では、まずこちらにお客様寝ていただきます」
あ、俺ですか
俺は滑り台の手すりにつかまりつつ、寝転がった
「女性のお客様、こちらの方の足の間に寝て頂きます。男性のお客様、しっ
かり捕まえてて下さいねー。女性の方だけ先に流れちゃいますから」
れいなが、さっさと俺の上にもたれてきた
「ちょっと、はよぉ」

55 :3日目 :04/07/14 19:22
れいなに言われ、俺はれいなの事を下からしっかり抱きしめた
「大丈夫ですか〜?」
なあ、お兄さん・・・物凄い恥ずかしいんだが、早くしてもらえないだろか?
「それでは、いってらっしゃ〜い!」
お兄さんに押され、俺達はゆっくりと滑り始めた
あ・・・思ったより加速しやがるのな・・・ってこわっ!!

思わず、れいなの体をおもいっきり抱きしめていた
やばいよ、こわいもん、これ! 右手に感じるこの感触は何?
うわー!!!と叫びつつ、意識はそっちに集中だ
この柔らかさ、そして手のひらサイズのこれって・・・
「に、にいちゃん・・・ちょっ・・・きゃああああああ!!!!!」
れいな、やっぱ寄せ上げだったか が、なんて心地良い感触
兄ちゃん、相当幸せ感じてしまってるよ、今

56 :3日目 :04/07/14 19:23
物凄い加速と共に、俺達は長い長い滑り台を滑り続けてる
右手は相変わらずだ もういいや どうせ殴られるなら、
一秒でも長く触ったもん勝ちだしな 親戚相手に俺は駄目男だ・・・・・
れいなが身をよじる度に、れいなのお尻が俺の息子に擦れるわけですよ
ついでにゴールデンボール君にもね

57 :3日目 :04/07/14 19:23
張りがあって弾力的なお尻だな ガキのくせに、なんかやらしい体してる
んだな、れいな
「やぁぁぁぁぁっっっ!!!」
れいな、こういうの怖いんだ れいなは左右に体をよじり続けてる
グイグイと俺の息子にれいなのプリッとしたお尻が当たり続ける
まずい・・・・・ご機嫌麗しくなりそうだ・・・最近たまってるし・・・・・

58 :3日目 :04/07/14 19:24
急な大カーブで横Gが一気にかかり、俺の左手までがれいなの胸を掴んでいた
れいなは何やら喚き続けている
息子はさらにれいなの尻に食い込んでいる
もうやばい・・・・・完璧に立ちそうだ・・・・・
そう思った瞬間、俺達は終着点に飛び込んでいた 
助かったような、惜しいことしたような

59 :3日目 :04/07/14 19:24
れいなは俺を一瞬ジッと見つめていたが、すぐに視線をそらした
「ちょ、ちょっと休憩ったい。喉渇いた。ジュース買ってきてほしか」
そう言うと、さっさとベンチに行ってしまった
まずったかな?冷静に考えれば、親戚なんだもんなぁ・・・・・
調子のりすぎたかな
俺はれいなの感触の余韻に浸りながら、売店に向かった
ドキドキした気分は、おさまりそうにない

60 :3日目 :04/07/14 19:25
ジュースを買っている間、なんとなく周囲を見回していた
やっぱカップル多いわ なんかえらいこと腹たってくるな、おい
どいつもこいつもベタベタしやがってからに
俺は自分の両手を眺めた
あぁ・・・柔らかかったなー・・えへへ・・・アホだ、俺
でも、れいなも女なんだなぁ
当たり前の事なんだが、女の体なんだよな
あのピンクビキニの下には・・・・・

61 :3日目 :04/07/14 19:25
「お待たせしました〜」
え?あ、ジュースね、はいはい お金これね
駄目だ、どんどんれいなが俺の頭の中を埋め尽くしていく気がするぞ
よく冷えたジュースをおでこに当てる
ちっとはこののぼせ具合を冷まさないとな

62 :3日目 :04/07/14 19:26
れいなは休憩用のベンチに座っていた
離れた所から改めて見たが、ガキっぽさはあるものの、色気もあるのな
こうして客観的に見ると、やっぱ可愛いわ
あ、何緊張してんだ?俺 
「あ・・・あの・・・じゅ・・・じゅーす?」
何故疑問系だ?俺
「・・・ありがと・・・」
れいなは受け取って、プールの方を眺めている
俺はその横に座った

63 :3日目 :04/07/14 19:38
足も細い、無駄な肉は無い、そこそこに出るとこは出てる、全体的には小柄
だが、スタイルはしっかりと保っている
ふむ、ふむふむ・・・・・猛烈に兄ちゃん緊張してますよ、はい
親戚のガキ、しかもよりによってれいなにこんな気持ちになるとは・・・

64 :3日目 :04/07/14 19:38
「れ、れいな・・・これ飲んだらどうしたい?」
「兄ちゃん、どうしたい?」
「え?いやー俺はほら、れいなのお守りみたいなもんだしさ。れいなの好きに
してくれれば・・・あっはははは・・・・」
れいなが俺との距離を詰めて座ってきた
「流れるプール入りたい」
「そ、そう?じゃー、入るか・・・・・あ、溺れるなよな!」
れいなは俺をジッと見つめてる

65 :3日目 :04/07/14 19:39
なんすか?このみよーな空気は?
落ち着けよー、とにかく落ち着け
さっきのことは気にすんな
と思いつつ、れいなの胸元を覗いてみたりしてるのだが
胸元の水滴がいい感じに輝いてますな グラビアアイドルの写真みたいだな

「さ、飲んだし行こうよ」
れいなが立ち上がって俺に手を差し出してきた
何故か、俺は自然にその手を握り返していた
そして、れいなが凄くあどけない笑顔を浮かべたのを俺は見た

66 :3日目 :04/07/14 19:41
しかしまあ、でっかいなー、この流れるプール
施設内をグルッと一周か 向こうの方なんて見えないもんな
「はいろ」れいなに引っ張られ、俺達も流れに入った
あ、温水じゃん、温水 いいねー、ちょうどよい気持ち良さ

プール内はなかなかの混み具合だ
しかも、けっこう流れが強いでやんのな だってさ、あそこのおねーちゃん
さっきから何度も浮いたり沈んだり、えらいことになってるぞ
リアルに困ってんじゃないんか?あれ・・・・・
それを指差して笑ってるそこの少年達!
「うっわーブサイクー!!」
年頃のおねーさんに対してそれはやめとけ

67 :3日目 :04/07/14 19:42
「ねえ、なんで向こうばっかし向いとると?」
れいなが俺の前に回りこんできた

「や、少年達のその後が大丈夫かなって・・・」
「わけわからんたい!楽しくなかね?」
「えっ?や、いいよー。凄くいい。なんともねぇ」

68 :3日目 :04/07/14 19:44
だってさ、流れに逆らえなくなった可愛い高校生くらいの女が、
俺の背中に 胸おしつけてるからな いいに決まってんじゃーん

「こっち来て!」
れいなが強引に俺の手を引き、端の方へと進んだ

「これで邪魔は少ないけん」
そう言うと、俺の方を向いたまま、俺の首に両手を絡めた

おいおい・・・・・なんの体勢だ?これは・・・・・
「こうしてたら、流れで離れることもないけん」
れいなはそう言うと、俺の胸に顔をつけた

69 :3日目 :04/07/14 19:45
体と体がぴったりと密着している
なんかもうどうしてやったらいいか分かんないな・・・・・
俺は両手でれいなの腰をしっかりと抱き締めた
しばらく、流れに身を任せるかぁ・・・・・

しばらく進むと、トンネルが見えてきた
なんだこれは 怖いじゃんかよ
俺達もトンネル内に入った うわー・・・かすかにしか見えないな
しかもそこそこ距離あるみたいだし

と思ってたら、俺は見ちゃいけないものを見ちまった
カップル連中がチュッチュチュッチュしてますよー 大変だよー
そういう為のトンネルなの?ねえ、そうなの!?
れいなもこれに気がついてるんだろうなぁ・・・・・気まずいわ

70 :3日目 :04/07/14 19:49
そうこうしてるうちにトンネルを出て、再び明るくなった
お、さっきの少年達!どうやらあのおねーさんに食われたりしなかったようだな

「ねえ兄ちゃん」
「ん?」
「もう一周したい。いいでしょ?」
「あ、あぁ・・・べつに」

れいなは、今度は前を向き、俺の手を自ら腰に廻させた
流れの心地良さと、れいなのナイスヒップの感触と、トンネル内の事と・・・
あぁ・・・すっげームラムラしてきちゃった・・・やばいわぁ・・・

71 :3日目 :04/07/14 20:26
俺達は無言のまま、そしてしっかりと密着したまま、
ただ流れに身を任せていた
れいなの表情は分からない それに、何を考えてるのかも分からない
一体俺にどうしてほしいんだ?
ちょっとさぐってみるか?

72 :3日目 :04/07/15 02:04
俺はれいなの肩に顔を乗せて、その横顔を覗き込んだ
「なあ、こうやってて楽しいか?」
いきなりのことで一瞬驚いたようだった。けれど
「兄ちゃん!こういうの時は黙って楽しむもんたい。
べちゃくちゃうるさいのは、子供がすることやけん」

73 :3日目 :04/07/15 02:05
な、何をー!?お前がガキだっての!!
れいなはそのまま前を見ている 別に普通の表情だ
俺は、なんだか恥ずかしくなり顔をあげようかと思った
けれどその時、れいなが俺の頭に自分の頭をもたれさせてきた
どーする?どーなの?
雑誌のひと夏の体験テクニック特集とかだと、これはどう解説されてるの!?

74 :3日目 :04/07/15 02:05
俺は年下の小娘に翻弄され続けだ しかもれいなに
だが、エッチな意味じゃなく、心地良い感覚を味わっていた
なんか、こういうのって久々だな・・・・・
やっぱこういうのって心が休まるな・・・・・

そうこうしてるうちに、いよいよあのトンネルが近づいてきた
さてさて・・・・・別にどってことないよね?
普通にしてりゃーいいよね?
意識しすぎだっての・・・俺のアホ!!!

75 :3日目 :04/07/15 02:05
周囲のカップル達が、トンネルが近づくにつれ、どこか雰囲気が変わりだした
家族連れや、友人同士は、そんなこと知ったことじゃないんだろうなぁ
だってさ、例の少年達なんか海パン脱がし合いしてるもん
おい少年、フリチンを女子高生に誇らしげに見せるのはよしなさい
こら!近寄るなっての・・・ったく

76 :3日目 :04/07/15 02:06
そんな光景を見ていると、れいなが俺の手の上に自分の手を重ねてきた
「ねえ兄ちゃん・・・今、好きな人おる?」
な!何を突然に・・・しかもこんな状態で 言っとくけどさ、れいな
兄ちゃん、既に7割方ご機嫌麗しくなっちゃってるんだよ?
一生懸命に腰を後ろに引いてるんだよ?わかるかなぁ?

77 :3日目 :04/07/15 02:07
「ねえ、答えて。おる?おらん?」
「べ、べつにぃ・・・ほら、俺ってもてないしさぁ、ははは」
「それは知っとるけん」
おい!!!
「ほんまにおらんと?」
美貴先輩・・・・・ごめんなさい!
「ああ、いないよ。ま、彼女もいないしさ、寂しい独り身ってやつだわな」
「・・・そう・・・」
れいなが、俺の手をさらに強く握ってきた
そして、指を俺の指の間に入れてきた
絡まりあう指・・・なんか気持ちいいな、これ

そして、いよいよ俺達はトンネルの中に突入した

78 :3日目 :04/07/15 02:07
いかん、心臓の動きが速くなりすぎ
こんな緊張したのは、生まれて初めてふーぞく行った時以来か?
や、それ以上な気がしてきた
れいなが動く気配を感じた まずい・・・・・なんでこんなに緊張しなきゃならないんだ?

79 :3日目 :04/07/15 02:09
あ、あそこのカップルおっ始めやがった
おい、そんなに激しく胸まさぐったら水着取れんじゃないの?
余計なお世話ですか?そーですか お前らなんか別れちゃえばいい!!
れいなの両腕が俺の首に絡まった
そして、れいなが流れに逆らい、どうにか立ち止まったようだ
俺も踏ん張る ちなみに、踏ん張って止まってるカップルがあそことそこにも

80 :3日目 :04/07/15 02:09
「兄ちゃん・・・」なーに?その艶っぽい囁きは・・・・・
「はい?」そんなに裏返らなくても・・・
「・・・」
れいなは何も言わなかった
その代わり、俺の唇に、柔らかい何かがゆっくりと、そして静かに合わさってきた

81 :3日目 :04/07/15 02:10
あ・・・・・今キスしてる?・・・してるね・・・・・しちゃった・・・・・
一度唇は離れたものの、

「しっかり捕まえてくれてないと、これ以上踏ん張れんけん・・・」

そう呟く声が聞こえた後、再び俺の上に重ねあわされた
ぎこちないし、かすかに体全体が震えてるのが分かる
どうして?いいのか?すげー幸せ!・・・様々な感情が一気に頭を駆け回った
けど、俺の手はれいなの背中と、尻を目いっぱい引き寄せた

82 :3日目 :04/07/15 10:31
体が勝手に動いた感じだ 理由とか理屈なんか、後のこっちゃ
そのまま右手をれいなの胸元にもっていった
舌もゆっくりれいなの口に入れた
れいなは黙って受け入れている
右手は優しく、そしてしっかりと例なの小さなものを包み込んでいる

83 :3日目 :04/07/15 10:31
一度唇を離したれいなが呟いた
「・・・兄ちゃん・・・」
すぐに唇を合わせてくる さっきよりも強く、そして激しく
舌と舌が絡まりあう 唾液と唾液が絡まりあい、小さな音をたてている
右手の親指が、れいなの小さな膨らみの、さらに小さな突起を見つけた
そっと親指をあてて、動かす れいなの体が瞬間ビクッとよじれた気がした

84 :3日目 :04/07/15 10:32
いっそ水着の中に手入れちゃうか
そう思った時だった 後ろから強い衝撃があり、思わず前のめりにこけた
頭から水の中にこけ、顔をあげた時は既にトンネルの外だった
れいなの姿を慌てて探した 少し離れた所で、れいなも立ち上がっていた
「ご、ごめんよぉ・・・ごめんなさい」
振り返ると、海パンを頭に被ったガキ・・・あ、例の少年の一人か、お前!?
「ごめんね・・・お兄さん・・・こけちった。えへへへぇ」
監視員がこっちを見てなきゃ、確実に顔の形変わるまでしばき倒してたかも・・・
「や、いいよ。怪我ないか?」
人の質問は無視か!少年はさっさと流れに身を任せ、
下は見せ放題のまま流れていった

85 :3日目 :04/07/15 10:33
いいとこだったのに!!!!!!れいなの方に歩いていく
が、なんと言葉をかけようかと戸惑ってしまった 照れるね、なんか
「お腹・・・空いた。兄ちゃんは?」
上目遣いで俺を見てくる もう駄目。れいなが可愛くてしかたない
今すぐここで押し倒したいもん
「そ、そうね、そうだな。そろそろ昼飯にしようか」
 あ、まずい・・・・・
「れいな、そこの売店の前で待ってて。すぐに行くから。な?待ってて!」

86 :3日目 :04/07/15 10:33
不思議そうな顔をするれいなを残し、俺は急いで流れにのった
今は外に上がれないよ!ええ、無理ですとも
世間様には、今の俺の息子の状態を見せるわけにはいきませんもの・・・・・
外に上がれるようになるまで、結局俺はもう1周した・・・・・

87 :3日目 :04/07/15 10:35
余計に1周もしたから、なんか疲れた・・・
さてさて、昼飯でも買いますか
れいなの希望を聞こうとしたが、売店前のベンチにいなかった
しゃあねーなー カレーにでもしとくかな

88 :3日目 :04/07/15 10:35
順番待ちの列に並んだ
なんとなく周囲を見渡していると・・・・・あれ?・・・あぁぁぁっっっ!!!
向こうで座って昼飯を食べている人物 な、なんと・・・・・
美貴先輩じゃーないですか!!
白のビキニがお美しい・・・あぁ・・・美しい・・・
待てよ 手前にいるあの男は誰だ?・・・・・あ!シ・・シラなんとかか?

89 :3日目 :04/07/15 10:36
大学で演劇サークルの部長をやってる、なんともさえないインチキ臭い奴だ
噂はちらほらあったが・・・そーなの?マジなの?
けっこうショックだわ や、相当ショックだわ
よりによって、あんな訳わからない野郎と・・・ なんだ、その仲むつまじい様子は
あの野郎・・・芝居も下手、顔も別にだし、美貴先輩、何でよ?悲しいわー

90 :3日目 :04/07/15 10:36
俺の親友であり、同じく美貴先輩を憧れの人とする通称マメオトコ
奴に報告しないと あいつなら、あのインチキ野郎の公演チラシを丁寧にはがす
すれ違い様に心の中で罵る 駅のトイレにあのボケの携帯番号を落書きする
それくらいの復讐はかましてくれるだろう・・・
大したことない気がするのはこの際気にしない気にしない

91 :3日目 :04/07/15 10:37
二人の仲の良い雰囲気 そして、普段見たこともないような美貴先輩の笑顔
なんだか・・・すごく寂しいような悲しいような そんな気分になった

「お客さま〜後ろの方がつかえてますので、ご注文を〜」
え?ああ・・・食欲一気に失せたわ・・・・・
さっきまでの高揚した気分が、急激に冷めていくのを感じていた

92 :3日目 :04/07/15 10:37
あーあ・・・・・一気にテンション下がったなぁ
「兄ちゃん・・・どうしたと?」
れいなが向かいの席から俺の顔を覗き込んでくる
「ん?・・・あぁ・・・・・」
「熱でも出てきた?冷えたと?」れいなが手を伸ばし、俺の額に手で触れた
「や、大丈夫・・・気にすんな」
「ならいいけど・・・」

93 :3日目 :04/07/15 10:45
美貴先輩はこっちには気づいていないようだ
あ・・・立ち上がったぞ 白のビキニにパレオ装着ですか
しっかしいいな〜・・・胸は小さいんだな でもいいな〜
どこ行くんだ?・・・あのボケ、先輩の腰に手廻してやがるしっ!!!
なんだあの野郎 ますますマメオトコに頑張ってもらわなくては

94 :3日目 :04/07/15 10:45
そう思っていると、美貴先輩のパレオがひらりと落ちた
いいもん見ちゃったー!!!・・・美貴先輩!大変です!!
先輩は気づいてませんが、下の水着が!
下の水着の右側が、お尻にくいこんでらっしゃいます!!
いわゆる半ケツです、美貴先輩!!!
すっかり意気消沈してた俺の息子も、瞬間、一気にボルテージが上がった

95 :3日目 :04/07/15 10:46
二人は俺に気づくこともなく歩いて行った
その方向は・・・・・流れるプール?もしかしてトンネル?
あの野郎、とんでもねえスケベ男だな 許せねーわ
「ねえ!ねえってば!!」
「えっ?な、なに?」れいなの表情が曇っている
「なん見とーと?さっきから。れいなの言った事きいとった?」
・・・・・何か言ったの?てか、ごめんな、今はトンネルが・・・・・
「もう一回浮き輪のやつ乗りたい!ね、はよー食べてよ」
あぁ・・・カレーなぁ そんなどこじゃないんだけどなぁ
しかしなんだか疲れる日だ もうどーすりゃいいのやら・・・・・

96 :3日目 :04/07/15 10:46
「な、れいな」
「なに?」
「あのさー、もう1回流れるプールいってからにしない?」
れいなが首をかしげる
「いや、なんか楽しかったなーって・・・ははは・・・はぁ・・・」
「ふーん べつによかよ 後で浮き輪も乗ってくれる?」
「おお!乗る乗る!れいなの気の済むまで乗るよー」
「ならよかよ カレーは?」
「あ、もういいわ よし、そうと決まれば話は早い 行こう!」
俺はさっさと立ち上がり、れいなの手を引っ張って流れるプールに向かう

97 :3日目 :04/07/15 10:49
午後になり、さらに施設内は混んできたようだ
流れるプール内も、かなりぎゅうぎゅうの様子だ
俺達も中に入ったが、前後左右に人人人で窮屈だ
俺はれいなと手をつないだまま流れにのっていた
・・・・・あ、いた!前方に美貴先輩発見!

98 :3日目 :04/07/15 10:50
「ねえ兄ちゃん、窮屈で楽しくなかよ、こんなん」
「え?ああ・・・そうだね・・・」正直、上の空な返事だっただろう
俺は一体何をやってんだか・・・・・虚しさと情けなさがこみ上げてくる
でも、そんな気持ちとは別に、俺は人を掻き分け、どんどん前進していた
れいなも俺に手を引かれついてくる
「ちょ、ちょっとー どうしたと?兄ちゃん変!」
「ちょっとだけ時間くれよ、な?頼むから」

99 :3日目 :04/07/15 10:53
考えてみりゃ、すっかり行動だけが先走ってた
れいなは何か気づいてたのかもしれないな
だから、あんな行動に出たんだろうな・・・・・
俺はまだ、そんなれいなの気持ちにさえ気がついてなかった

100 :3日目 :04/07/15 10:53
トンネルが近づいてくる
その時、あの野郎がスッと美貴先輩の腰に手を廻したのが見えた
あ、やる気だな、おい!
さて、こういう時どうするもんか・・・・・
自然な感じで声をかけても 一番それが不自然か・・・

101 :3日目 :04/07/15 10:54
そう思ってた時、一瞬、先輩が振り返った 目が合った
美貴先輩が、あらっ、と呟いたのが分かる
ついでにあいつも振り返る お前、今確実に舌打ちしたろ?え?
「誰?あの人たち」
「え、あぁ、大学の先輩な。やー偶然だね、びっくりしちゃうよなー」
こんだけ声が裏返ったら、おかしいわな・・・

102 :3日目 :04/07/15 10:56
「どーしたのー?こんなとこで会うなんてびっくりだね」
お、美貴先輩がこんな近くに・・・・・うむ、やはり胸は無いっすね
「え?いや、なんか暑いですし、他に行くとこも・・・それにトンネルの中がもう、はい」
・・・何を言いたいんだ・・・
「暑いからねー。私もね、暇してたら誘われてさ」
「あ、はぁ」
「この娘は?」そう言ってれいなに視線をうつす
「あ、はい、こいつは俺の」
「付き合ってるんです、うちら」えぇっ!?なんで?
「あらー、彼女いたんだー。ふーん、随分羨ましいわね。私なんか、この夏も相変わらず独り者よぉ」

103 :3日目 :04/07/15 10:56
今の言葉はホント?マジで?信じていいの?
俺は、こっちにガンとばしてるインチキ君を見た。キレてるキレてる
「先輩って彼氏って・・・」口から出ちゃった
「いないよー!だーれもくどいてくれないし、私、怖がられてるみたいでさ
だからー、いっつも独りなのよねぇ。だから羨ましいわ、あなた達が」
「美貴先輩あのですね、実は・・・」

104 :3日目 :04/07/15 10:57
そう言った時、俺の目の前に顔が現れ、俺の唇が塞がれた な、なーに?
「あらっ!」美貴先輩の声・・・・・れいな、お前なんつーことを
唇を離して、れいなが言った
「すみませんけど、二人にしてもらえませんか?」
美貴先輩の眼の奥に、猛烈に鋭い何かが見えた気がした
「あ、そ、そうね。ごめんなさいねー。気がきかなくて。
それじゃ、また大学で。楽しい夏を過ごしてねー」
そう言って、さっさと美貴先輩はプールから上がっていった。
あ、一人で帰っちゃった。こんな小娘になめられたら、そりゃ怒るわな
しかし鋭い視線も素敵です、先輩!!

105 :3日目 :04/07/15 10:58
でも、冷静に考えたら、これってさ、もう美貴先輩への可能性が無くなったんじゃねーの・・・?
・・・おい、れいななんてことしやがった!!
「あれが言ってた先輩ね。ふーん、たいした事なか、あんなん」
・・・・・プライド高すぎな先輩のことだ・・・完璧嫌われたな
夏の恋が実る可能性・・・砕け散ったなぁ

106 :3日目 :04/07/15 10:58
その後、なんとなく盛り上がらないまま、俺達は帰宅した
「ねえ、晩御飯まだ?」あぁ・・・そーだね
「ちょっとー、なにそんなにふくれとると?」
「ん?べーつにー」
電話でもして謝っとくかなぁ・・・

107 :3日目 :04/07/15 10:59
俺は夕飯買ってくると言い残し、外で携帯をかけてみた
・・・つながらん・・・つながらん・・・つながんねー・・・
なあ、これってさ、着信拒否ってやつじゃない?だよね、そうだと思うよ
念のため、もう10回ほどかけてみたけどさ、あはははは!着信拒否だよ!完璧そうーだよ!!!
・・・・・さて、大学辞める準備でもするかな・・・・・そんな事を考えながら、しばらく歩き続けた
マメオトコに電話してみたが、留守のようだ
今頃は、日課の美貴先輩の自宅付近のパトロールの最中かもな
ただのストーキングに近いんだけどね・・・・・あーあ・・・・・

108 :3日目 :04/07/15 11:00
家に帰ると、れいなの苛々した声が飛んできた
「いつまで買いにいってるんよ!飢えさせる気?はよー食べさせてよね!!」
あ・・・何も買って来なかったわ すっかり忘れてた
「ちょ、アホじゃなかね!?ダッシュで行って来てよ。
それとも、豪華な夕食にでも連れてってくれる気?」
だからさ、お前があんな訳分かんない事さえしなきゃこんなことには・・・

109 :3日目 :04/07/15 11:00
れいなが読んでいた雑誌を投げてきた 膝にあたり、床に落ちた
「なんなん?兄ちゃん。男らしく、しゃきっとせんね!?」

やっぱこいつ、単なる生意気で我が侭なガキだ そう思った
と、同時に、猛烈に苛々してきた
そして、どこか心の奥の部分に、残酷な感情が芽生えてきた
れいなは相変わらず俺に文句を言っている
俺は、もうそんな言葉が耳に入らなくなっていた
ゆっくりと、れいなに近づいていった
近づけば近づくほどに暗く、重い気分は膨れ上がっていった

110 :3日目 :04/07/15 11:01
「なあ、お前なにをどうしたいんだ?」
俺は立ったまま座ってるれいなを見下ろして言った
「なにが?あ、兄ちゃんおこっとると?バッカみたい」
そう言ってれいなはそっぽ向いた
「お前の言うことは聞いてやってるよな?だったら、俺の生活は邪魔すんな!
俺にだってな、お前には関係ない生活があるんだよ!!」

111 :3日目 :04/07/15 11:01
れいながゆっくり立ち上がり、俺に向かい合ってきた
「じゃ、携帯かして。あれでしょ?あの女に、つきあってませ〜ん、
嘘なんで〜すって泣きまねでもして謝ればいいんでしょ?
かけといてあげるから、さっさとご飯買ってきてよ」
れいなの俺をあざ笑うかのような口調と仕草
堪えきれないかもしれない

「お前、本気でいってんのか?それ」
「うるさいな〜、かけてやるって言ってるでしょ?くどいのよ。だっさ・・・」
こいつ、なんなんだ?ほんとになんなんだろう?

112 :3日目 :04/07/15 11:02
思わず、れいなの肩を掴んでいた 無意識に手が出てた
「ちょ、なにするん!?男のくせに最低!」
れいなが俺の頬に平手打ちをした
「ばっかみたい・・・何一人でキレちゃってんの?」れいなが視線をはずした
俺は、自分の中でこらえていたものが崩れ、
そして、スイッチが入ったのをまるで他人事のように感じた

113 :3日目 :04/07/15 11:03
「そんな力で肩掴まんといてくれる?いたかー・・・ほんとバッカみたい」
俺は叩かれた頬をおさえることもなく、れいなを見ていた
「なに?なんなわけ?言いたいことあるならはっきり言えばよか。
そうやってうじうじしてるけん、あんな大した事なか女にひっかかるんやけん」
れいなが吐き捨てるように言った
「感謝してほしかね。兄ちゃんが悪い女に騙されん様救ったったたい」
れいなが小ばかにしたように笑った

114 :3日目 :04/07/15 11:03
俺は、れいなの両腕を掴んで、そのまま一気に床に押し倒した
「きゃっ!!!」
れいなが思わず声を上げた
俺はれいなの上にそのまま乗り、両腕を片手で掴んだまま、
しばらくれいなを眺めていた
「離さんね!何しよると!?変態!バカ!アホ!さいってーたい!!」

115 :3日目 :04/07/15 11:04
れいなは足をバタバタさせたまま、声の限り、そう俺を罵り続けた
どうでもいい そう思った
「れいな、お前なんなんだよ?いい加減、人をバカにすんのも
たいがいにしとけよな。何様なんだ?」
「離してよ!そっちこそなんなんよ!」
「お前さ、俺のこと誘ってたろ?こうされたかったんだろ?」

116 :3日目 :04/07/15 11:04
俺は空いている右手で、れいなの着ているタンクトップをめくり上げた
下からは、ブルーの下着があらわれた
「や、やめてよ!!なんなのよ!?」
「お前、少し黙ってろ」
俺はれいなの唇を自分の唇でふさいだ
なおもれいなは何か言っている 体全体で抵抗している
けど、所詮小さな体だ 男が本気でおさえつけようとすればかなうはずがない

117 :3日目 :04/07/15 11:05
唇をふさいだまま、俺は右手でれいなの胸を下着越しに触り始めた
普通なら、優しく触るものかもしれない
けど、今の俺にはそんな余裕はないし、そんな気持ちも無い
ただ、この苛々を晴らしたかった それだけだ
しばらく、そうして右手で弄んでいた

118 :3日目 :04/07/15 11:05
俺は唇を離した
「いい加減にしてよ!」
そう言ったれいなの表情に怯えを見た気がした
「望みどおりにしてやるよ。どうせ初めてじゃないんだろ?減るわけじゃないんだしさ」
そう言って俺はれいなのブラジャーを右手で引き剥がしにかかった
れいなの表情が大きく歪んだ 俺の心の中も、大きく歪んでいた

119 :3日目 :04/07/15 11:06
意外と下着って破りにくいもんなんだな なんとなくそんなことを思った
れいなは必死に体を動かしている
「おとなしくしてろよ!」
自分でも驚くような大声で怒鳴っていた
れいなは驚いたように俺を呆然と見つめていた

120 :3日目 :04/07/15 11:06
俺は両手で下着をはずしにかかった
「うつぶせになってろ」
れいなを無理やりひっくり返して、ブラのホックをはずしにかかる
「やめてよ!やめて!」
れいなは、なんとか這ったまま逃げようと、体を少しでも前に動かそうとしている

121 :3日目 :04/07/15 11:07
俺はそんなことかまいもなしに、ホックをはずした
「やだ!!」
「ほら、今度はこっち向けよ。いい加減、おとなしくしろよ?
お前だって今夜やりたくて昼間あんな風にしてたんだろ?」
俺は強引にれいなを仰向けにさせようとした

122 :3日目 :04/07/15 11:07
頑なに踏ん張るれいなと、仰向けにさせようとする俺
俺はいつのまにか体中に汗を噴き出していた
呼吸も荒い 自分が何をやらかしてるのか、
自分でも分かってるのかどうかさえ分からない 現実感が感じられない
「おらっ!!」
俺は力いっぱいれいなをひっくり返した

123 :3日目 :04/07/15 11:07
仰向けになったれいなは、すぐに両腕で胸を隠した
俺はその手をどけようと、れいなの手首を掴んだ
意外と力あるな、れいなって
そして、れいなは俺の顔を睨み続けていた
ただ、その目の奥には、なんとも表現しにくい感情がある気がした

124 :3日目 :04/07/15 11:08
両手首を強引に引き上げた
れいなの何も纏わない胸があらわになった
小さいし、わずかな膨らみしかないものの、まぎれもない女の体だった
よりドス黒い感情に拍車がかかった気がした
俺は両手を片手で掴もうと、れいなの体の上に再び座りなおした

れいなは唇を噛み締めたまま、視線だけは俺から離さないでいる
ゆっくりと、れいなの手を自分の左手だけにまとめようとした
額から、汗がしたたりおちていた

125 :3日目 :04/07/15 11:08
俺はれいなの視線に耐えられず、顔を一度そむけた
本当にこんな形でいいんだろうか?一瞬、そんな迷いが頭をよぎった
横目に、れいなの小さな胸が見えた
呼吸が荒いせいか、大きく波打っている
小さな胸にある小さな突起

126 :3日目 :04/07/15 11:09
顔をそむけたまま、そこを右手で触った
れいなの体が大きく動いた
まだ迷いが頭の中にある それと同時に、欲望の塊みたいなのが、
俺の心と体を動かしている
親指と人差し指で、その突起をつまんでみる
「ん・・・」
れいなの堅く閉ざされた口から、そんな声が漏れた
さらにそのままそこをいじってみる
「・・・んっ・・・」
れいなが顔を横にそむけた

127 :3日目 :04/07/15 11:10
残酷な気分が俺の中で迷いに打ち勝った気がした
「れいな?お前感じてるのか?ほら・・・ほら・・・気持ちいいのかよ?
言えよ。言ってみろよ!」
指をせわしなく動かし続けながら、俺はそんな言葉を浴びせ続けた
「・・・や・・やめて・・・・もう・・・・やめてよ・・・・・」

128 :3日目 :04/07/15 11:10
聞いたこっちがドキッとするような、初めて聞くれいなの弱々しい声だった
「お、お前が悪いんじゃねーか。そうだろ?いまさら謝まられたって、どうしようもねーんだよ」
俺は、左手も使ってれいなの左胸を鷲掴みにした
「に・・い・・・ちゃん・・・」
俺はそんな言葉には耳を傾けず、ひたすら手を動かすのに夢中になった

129 :3日目 :04/07/15 11:11
そろそろ口と舌も使うか そう思ったときだった
額に強い衝撃を感じ、思わずひっくりかえった
「いってー!!!」額をおさえながら見ると、れいなが俺にパンチをしたようだった
「いい加減にしてよ!!いやだよ、こんな形じゃ!
なんで・・・なんで こんなことするん?こんなんして楽しい?」
れいな・・・・・お前・・・泣いてるのか?
急速に、気持ちが沈んでいくのを感じた
同時に、猛烈な自己嫌悪の気持ちが 膨れ上がってきた
・・・・・最低だ・・・俺・・・・・

130 :3日目 :04/07/15 11:12
「こんなん・・・いやだよ・・・・・普通に・・・兄ちゃん・・・」
れいなは言葉か続かないようだった
お互い、無言のまま俯いていた 時の流れが、とても遅く、重たく感じた
俺はたまらなくなり、立ち上がって玄関に向かった
立ち上がった時、れいなの呟く声が聞こえた気がする
「れいな・・・・・したことないよ・・・兄ちゃんの思ってるような子じゃないよ・・・・・」

131 :3日目 :04/07/15 11:12
俺はそのまま家を飛び出した
情けなさや、自分への腹立たしさや、れいなへの申し訳なさや・・・・・
とにかく色んな感情が襲い掛かってきた
「ちきしょう!・・・くそっ!くそっ!!!」
そう叫びながら、夜の道を意味もなく、あてもなく走った

132 :3日目 :04/07/15 13:13
「コーヒーでもいいかな?」
「ああ・・・悪かったな、いきなりおしかけて」
俺は、座布団の上に座り、部屋の中を眺めた
壁一面に貼られた様々なアイドルのポスター そして・・・・・
きちんと額に入れられ、一際丁寧に飾られた美貴先輩の写真

133 :3日目 :04/07/15 13:15
マメオトコがコーヒーを二つ持ち、こっちにやって来た
「はい、どうぞ。インスタントだけど」
「ごめんな、ほんとに」
「いやいや。どうせ夜中はインターネットしてるし。気にしないでよ」
俺は、やみくもに街をさまよい続け、そしてマメオトコの家に足が向いていた
150ちょっとの小さな体、肩まで伸ばした長髪、そして度の強すぎな眼鏡
他にも特徴はきりがないが、こいつはほんとにいい奴だ

134 :3日目 :04/07/15 13:16
「で、何かあったのかい?あぁ、勿論無理には聞かないから」
癖である首を掻き毟りながらマメオトコが言った
「あぁ・・・・・実はさ・・・・・」

俺は、今日、いや、正確にはもう昨日のことだったな 昨日の出来事を正直に話した
マメ君は、何も口を挟まず、ただ黙って聞いてくれた
ふっふふー・・・マメ君はこれまた癖の一つ、そう呟きながら煙草の煙を吐いた
「そうかー・・・・・」そう言って美貴先輩の額を見つめている
「分かったよ・・・美貴様は僕がお守りするから」
おい、そこじゃねーだろ!
「や、あのな・・・」
「分かってるよ、大丈夫。その親戚の子、お前のこと好きなんだろうね。
ただ、素直な表現ができないんじゃないかな?うん、うんうん・・・うん」
あ、このうんの連発も癖の一つね

まさかそんな筈ないじゃん、そう思った
けど、そう言われた事を、実は喜んでいる自分にも気づいた
でも、俺はとんでもないことをやってしまった・・・

135 :3日目 :04/07/15 13:17
「ねえ、素直に謝りなよ。それで許してもらえなくても、やはり謝るべきだよ
僕はそう思う。・・・でもさ、羨ましいなー」
「えっ?なにが?」
「ははは・・・だってさ、僕みたいな男を好きになってくれる女の人なんかいないからさぁ。
羨ましいよ。まあ、僕は美貴様をお守りしなくちゃならないから
そんな他の女にかまってる暇はないけどね」

マメ君が声をあげて笑った 何故か分からないが涙が出そうになった
見てはいけない俺の大切な友人の孤独を垣間見た気がしたから・・・・・

136 :3日目 :04/07/15 13:18
「とにかくさ、今夜はゆっくり眠りなよ。で、ちゃんと謝って。話はそれからじゃない!」
「・・・あぁ・・・ありがとな・・・マメ君に話せて・・よかった」
「気にしない気にしない。そうそう、元気が出るように、いいもの見せてあげる」
そう言ってマメ君が取り出したのは一冊のアルバムだった
普通のマンションが写っている なんだこれ?

137 :3日目 :04/07/15 13:22
「これはねー、一週間前の美貴様のご自宅の風景。
で、こっちが5日前。んで、ここからの写真が3日前。んふー・・・こっちのアルバムはね・・・」

マメ君は次々とアルバムを出してきた 全て美貴先輩の関連写真だ
なあマメ君・・・・・君の夏休みっていったい・・・・・
スイッチが入ってしまったマメ君の美貴先輩話は、結局朝まで続いた
なあマメ君・・・・・ほんと捕まるからやめとけ・・・な?頼むから
そうして、4日目の朝がきた

138 :4日目 :04/07/15 13:23
一睡もしないまま朝になってしまった
「・・・でね、この時の美貴様がさ・・・・・」
なあマメ君・・・・・とりあえず寝ろ それで、もう一度人生考えなおそ、な?
もっと話したがるマメ君に礼を言い、俺は彼の家をあとにした
「ちゃんと謝って!素直にね」別れ際の言葉が耳に残る

139 :4日目 :04/07/15 13:23
自分の家に帰るのに、こんなに足が重いことはなかった
逃げたくなる感じだ でも、それじゃー何の解決にもならない
そんなことを考えていると、いつのまにか家の前だった
ふうーっ・・・・・何度も深呼吸を繰り返す
やった事実は消せない
許されなくても、男としてきっちり謝らなくては そう覚悟を決めた

140 :4日目 :04/07/15 13:24
玄関には鍵がかかっていなかった れいなの靴はある
そっと足音を消して静かに家に入る
いた! れいなが布団に入って寝ている そっと近寄ってみる
あどけない寝顔だ・・・・・まだ、幼さが残っている
それなのに、こんなれいなに対して俺は・・・・・
れいなの目元に、涙の跡が残っていた その場に座り込んでしまった
後悔だけが湧き上がってくる その時だった

141 :4日目 :04/07/15 13:25
「ん・・・にい・・・ちゃん?」れいなが薄目を開けて俺を見た
「れいな・・・・・」
「・・・近寄らんといて・・・・・朝ごはんもいらんけん・・・あっちいってて」
眠そうな口調だが、はっきりとそう言った
「・・・れいな、俺・・・お前にあやまり・・・」
「うるさい!れいなは眠いったい。何も聞きたくなか」
そう言って頭から布団を被ってしまった それ以上、何も言えなかった
重く、憂鬱な空気のまま、こうして4日目が始まる

142 :4日目 :04/07/15 13:25
布団を被ったままのれいなを横目に、一人朝飯を食う
少し手を伸ばせば届く距離にれいなはいるのに、とてつもない距離を感じる
「なあ・・・れいな・・・・・」
勿論、返事は無い
起きている雰囲気はあるが、布団の中から顔を出さない

143 :4日目 :04/07/15 13:25
箸をとめて、れいな、いや、布団を見る
昨晩の光景が頭に浮かんできた
今、れいなが寝ているあたりで、俺はれいなに圧し掛かり、
ひどい言葉を叩きつけ、そして・・・唇を塞ぎ、下着を剥ぎ取った・・・・・
まだ、たかが小娘と言ってもおかしくない歳の子を相手にだ

144 :4日目 :04/07/15 13:26
食欲は無かったが、無理やり飯をかきこんだ
そして、壁にもたれたまま、ぼんやりと天井を眺めていた
天井に、昨日のれいなの顔が浮かぶ
れいなの涙が浮かぶ れいなの呟いた言葉が浮かぶ・・・・・
そして、次々と現れては、弾けて消えていく・・・・・
そうして、俺の視界もぼやけていった・・・・・

145 :4日目 :04/07/15 13:27
体の揺れで我に返った
時計を見た どうやら、あのまま眠ってしまったようだ
れいな!・・・・・布団がきちんと畳まれてあり、
れいなはそこにはもういなかった
慌ててれいなの荷物を確認した
大きなバッグ、部屋の隅に置いてあった
いつも持ち歩いている小さな肩掛けバッグだけがなかった

146 :4日目 :04/07/15 13:27

「出かけただけか・・・・・」
正直なとこ、ほっとした
このまま別れてしまうのは、あまりにやりきれない
せめて、せめて一度、れいなの目を、顔を真っ直ぐ見て謝ってから・・・・・
勝手な考えなのはよく分かってるが、今は痛切にそう思っている

れいなは今どんな気持ちで、この東京の夏空の下を歩いているのだろうか
どんな景色を見て、何を感じてるのだろうか
俺は、壁にもたれて膝を抱えたまま、そんなことを思い続けていた

147 :4日目 :04/07/15 13:28
そして、いつのまにか部屋に夕日が差し込んできた
俺は、ただじっとそこに座っていた
夕日がかげり、夜の暗さが部屋を包んでいった
れいなはまだ帰らない 連絡も無い そうだな、あるはずないわな
俺に何を話すっていうんだ・・・・・
壁に頭をより押し付けたまま、それまで以上に膝を小さく抱えた
夜の気配が、すっかりこの部屋を、そして俺自身を包み込んでいった

148 :4日目 :04/07/15 13:28
何も考えず、ただひたすら時が過ぎるのを待った
それは、れいなの戻るのを待つということだ
部屋に、時計の針が進む音が響く そして、自分自身の息遣い
闇が、いっそう濃くなっていく・・・・・

結局、れいなはその日、帰ってこなかった・・・・・
こうして、4日目はすれ違ったまま終わってしまった
俺は、動くことも忘れて、そのまま膝を抱えていた

149 :5日目 :04/07/15 13:30
5日目の朝、れいなは戻ってきた
俺の顔を一瞥(いちべつ)したものの、何も言わなかった
自分で布団を敷くと、そのまま潜り込んでしまった
「あ、あのさ・・・れいな」
「ねむか!後にして」そっけなく言い放たれた
「そうか・・・悪かった・・・・・」

150 :5日目 :04/07/15 13:31
俺は、なんともいたたまれない気持ちになり、そのままそっと家を出た
今日も夏空が青々と輝いている
けど、俺とれいなの気持ちはドス黒くなってしまった
全ては俺が撒いた種だ
行き場所も無いなぁ・・・・・このままどうやって夜まで時間を潰そうか

151 :5日目 :04/07/15 13:31
マメオトコに電話したが、留守だった 相変わらずの日課なんだろうな
れいなは、できるだけ俺に顔を合わせたくないだろう
なんとなく電車に乗り、なんとなく大学のキャンパスにやって来ていた
図書室で夕方まで寝るか そう思い、図書室に向かった

152 :5日目 :04/07/15 13:32
端の席で、手に顔を乗せて窓の外を眺めていた
「こんなとこでど〜したの?」・・・えっ?

顔を上げると、そこに美貴先輩が立っていた
「あ・・・・・あの・・・・すみませんでした。俺、なんてお詫びしたらいいか」
「いいよべつに。私こそ、大人気なかったね。ごめん」
「いえ、そんな・・・・・」
「隣いい?」そう言って俺の隣に座った

何を喋ればいいのやら・・・・・俺はただうつむいたままだった
「あのね・・・昨日の夜、れいなちゃんが家に来たんだ」
俺は、鈍器で殴られたかのような驚きの衝撃を感じた
美貴先輩は、俺に一度頷くと、そのまま話を続けた

153 :5日目 :04/07/15 13:32
美貴は、夕飯の買い物をすませ、家路を急いでいた
マンションの近くまで来ると、ロビーの手前に、誰かが座り込んでいるのが見えた
なんだろ?最近は変な事件も多いからなぁ・・・美貴は右の手を強く握った
ゆっくりと近寄っていくと、女の子ということが分かった
「あ・・・あの子・・・」
思わず立ち止まってそう呟くと、ちょうどその女の子が顔をあげた
プールで出会った子だった
「あなた・・・・・」

154 :5日目 :04/07/15 13:33
女の子は立ち上がり、美貴の側に走ってきた
「あの・・・プールでは・・・・その・・・生意気言ってごめんなさい!
わたし・・・・すごく反省しとって・・・それで、それで・・・・・」
女の子は、一生懸命言葉を続けようとしているものの、
うまくそれを表現できなくて焦っている様子だった
「いいのよ。ほら、落ち着いて。大丈夫?」
美貴の表情に笑顔が浮かんだ
それを見て、少女は安心した様子だった

155 :5日目 :04/07/15 13:34
「わたし・・・れいなっていいます。彼女なんかじゃ、ほんとはなかです。
ただの親戚なんです。でも、わたし・・・・・」
「れいなちゃんて言うんだ。わたしは・・・」
「美貴・・・先輩・・・・・」
「あら!?」
「兄ちゃんのアドレス帳、こっそり覗いて、それで勝手にここに来たけん。
でも、ほんとに謝りたくて、悪いって思ったんやけど・・・でも・・・」
「うん、大丈夫だよ。ね、うちにあがらない?こんなとこで立ち話もなんだし」
美貴はそう言って、れいなを自分の部屋に連れていった

156 :5日目 :04/07/15 13:34
美貴は冷たいジュースをれいなに出した
れいなは緊張しているのか、部屋の中を落ち着き泣く見回している
「殺風景な部屋でしょー。女なのに、ちっとも女らしくない部屋よねー。
これだから、いつまでたっても色気が無いって言われるのかなぁ」
れいなは、首を横に振った
「ん?」
「美貴さん・・・凄い綺麗やけん・・・兄ちゃんが憧れるのも分かる。
わたし、なんかそう思ったら体が勝手にあんなことしちゃって・・・・・」
れいなは俯き加減にそう言った
美貴は、そんなれいなという子の純真な思いが微笑ましく思えた

157 :5日目 :04/07/15 13:35
「好きなんだ、彼のこと」
「そ、そんなんじゃなか!!・・・あ、ごめんなさい」
美貴は微笑んだ
「同じ女だから分かるよ。あの時、わたしも一瞬あんな態度しちゃったけど、
れいなちゃんの気持ち、あの時すぐに分かった」
れいなは黙って美貴の顔を見つめている

「わたしなんかが言ったとこで説得力ないけどさ、素直になってみたら?
ここに来たくらいだから、たぶん何か彼との間にあったんでしょ?
あ、言わなくていいから。でもさ、素直にならなきゃ何も始まらないでしょ?」

158 :5日目 :04/07/15 13:36
れいなはじっと美貴の言葉に耳を傾けている
「彼もさ、れいなちゃんの気持ち、分からないと思うよ。
ましてや親戚だったらなお更。それに・・・男って鈍いじゃない?そういうの」
美貴が笑うと、れいなも笑った
「兄ちゃんは・・・どうしようもない鈍感男やけん・・・」
「うまく言えないけどさ、いつか素直に言わないと伝わらないよ?」

159 :5日目 :04/07/15 13:37
れいなは、少しの間黙っていたが、
「美貴さん・・・・れいなね・・・・そんなに時間が無い・・・もう時間がないんよ・・・・・」
美貴は、この時のれいなの表情が気になったが、真意は掴めなかった

「じゃあ、なお更早く素直になってごらんよ!ね!応援してあげるから。
そうだ、お腹空かない?わたしもうお腹なっちゃってさー。一緒に食べよ!
それから、鈍感な男について、女同士、本音トークといかない?どう?」
美貴は、れいなの笑顔を見た。さっきの一瞬見せた表情は、そこには無かった

160 :5日目 :04/07/15 13:37
美貴先輩の話を聞き終えて、しばらく何も言うことができなかった
なんだか、体全体が小刻みに震えているのを感じた
「いい子だよ、れいなちゃん。一緒にお風呂も入ったし、
同じベッドで昨日は寝たんだ」
「ご迷惑おかけしました・・・・・」
そう言うのが精一杯だった
「ねえ、私なんかが余計な事を言うのも悪いんだけど、
一度、ちゃんとれいなちゃんと話してみたらいいんじゃないかな?」
美貴先輩が優しく語り掛けてくれた
俺は、頷くしかできなかった

161 :5日目 :04/07/15 13:42
美貴先輩に、軽く背中を叩かれ、俺はゆっくりと立ち上がり、
一度、深くお辞儀してからその場を去った
図書室を出ると、ようやく日が落ち始めていた
美貴先輩の話が、ぐるぐると目の前を回っているような感覚だった

162 :5日目 :04/07/15 13:42
何故だかは分からないが、目から涙が一滴流れたことに気づいた
歩いている人はあまりいないものの、俺は下を向きながら足早に駅へと向かった
れいなと話がしたい れいなに謝りたい れいなに・・・・・
色々なれいなの表情、そして、まだたかだか数日なのに、
色々あった出来事が車窓の向こうに、まるで映画のスクリーンを見ているかのように流れていた

163 :5日目 :04/07/15 13:43
家に帰る頃には、すっかり日も落ちていた
れいなはまたいなかった
俺は、近所を何周もしたけど、れいなには会えなかった
帰ってくるまで、ただただ待とう 今夜こそ、ちゃんと話をしよう
窓から通りを眺めながら、俺はそう思った
そして、自分の中にようやく芽生えた気持ちに、うっすらと気づき始めていた

164 :6日目 :04/07/15 13:44
とうとう6日目の朝を迎えてしまった
れいなはまだ戻ってこない 不安と憂鬱のまま、朝を迎えていた
玄関に物音がした 思わず立ち上がり、玄関に向かった
れいなが中に入ってきた

「れいな!」

れいなは無言のまま靴を脱ぎ、部屋に上がった

165 :6日目 :04/07/15 13:44
そして、また昨日と同じように布団を敷き始めた
今日こそ、今こそ話をしないと 強くそう思った
「れいな・・・話を聞いてくれ。5分・・・いや、聞いてくれるなら一言でもいいから!」
れいなが布団を敷く動作を止めた 俺の方に顔を向けた
「・・・・・すまなかった。・・・今更何か言っても遅いのは分かってるけど・・・
ほんとに悪かった。反省してる」
俺は頭を下げた そのままの姿勢でしばらくいた

166 :6日目 :04/07/15 13:45
「もう・・・よかよ、そんなん。気にしてないけん」
俺はゆっくりと頭を上げた れいなが俺に言う
「もう、忘れて。兄ちゃん・・・れいなね・・・明日帰らないといけなくなったけん」
「えっ・・・明後日だろ?」
「ほんとはね。でも・・・家で事情ができたけん、明日戻らなくちゃいかんたい」
俺は、何を言っていいのか迷った
「ねえ兄ちゃん、反省してくれてるなら、今晩、豪華な夕食おごってほしか!
それでチャラにしたげる」
れいなの笑顔を久々に見た気がした
「ああ・・・そんなの・・・どこでもいいぞ!よーし、好きなとこ連れてってやる!!いいぞー!」

167 :6日目 :04/07/15 13:46
れいなの笑顔を見れた、れいなと喋れた、
れいなが俺を再び受け入れてくれた
この時の俺は、どうしようもなく嬉しくてたまらなかった
この時の俺は・・・・・
「れいな!何がいい?好きに決めていいから」
「高いよー多分。兄ちゃん、泣いちゃうかもしれんよー?」
れいなが嬉しそうに笑っている

168 :6日目 :04/07/15 13:46
「いいよいいよ!幾らでも払うっての。でも、ほんとに明日帰るのか?
その・・・あの、れいなが嫌じゃなければ・・・・なんつーか、あの・・・・・」
「ありがと、兄ちゃん。でも、仕方がないんよ、こればっかりは。事情が事情やけん」
「叔父さんと叔母さんに何かあったのか?」

169 :6日目 :04/07/15 13:47
れいなが首を横にふって、少しだけ寂しそうに微笑んだように見えた
どうしてか分からないけど、それ以上は聞いてはいけない気がした
俺は、外食の件で、一人盛り上がり続けた
そうでもしてないと、急に訪れた、
いや、遅かれ早かれ訪れるれいなの帰る日に、
寂しさでたまらなくなりそうだったから・・・・・

170 :6日目 :04/07/15 13:47
俺たちは夕方、二人で外へ出た
れいなは、ちゃっかりと外食用のお洒落な服を持ってきていた
「どう?大人っぽいやろ?惚れそう?」得意そうに言う
上下白のスーツスタイル かなり丈の短いスカート 胸元の大きく開いたインナー
髪もアップにしている すっかりいい女って感じだ
それにひきかえ俺は、一張羅のスーツ・・・・似合わないんだ、これがまた!!
れいなが自然な感じで腕を組んできた そんなことが猛烈に緊張した

171 :6日目 :04/07/15 13:48
今人気の高級イタリアンレストラン それがれいなの希望だった
予約した時に確かめたディナーコース・・・・・叩き斬ってやろうかと思う値段だった
でもまあ・・・・・れいなが喜んでくれるなら、金の問題じゃない
それに、今夜で一緒の夕食も最後なんだし

172 :6日目 :04/07/15 13:49
「どうしたと?兄ちゃん」
「えっ・・・ああ、いや・・・」
今夜が最後・・・そんな事が重くのしかかってくる気がする
「れいなのこと、考えてたんやろ〜」
いたずらにれいなが笑う
「ばーか・・・」れいなが俺の肩に頭をのせてきた
俺は、そんな瞬間を噛み締めながら、夕焼けの街を歩いていた

173 :6日目 :04/07/15 13:49
料理の味なんか、ほとんど気にもならなかった
全体的に暗めの照明の店内 テーブルにある蝋燭の灯
揺らめくその灯に照らされるれいなの表情 ぼんやりと眺めていた
それに終始したと言ってもいい 満足すぎる時間だった
会話は、ありきたりな話だった
でも、れいなの一言一言を聞けるのが楽しかった

174 :6日目 :04/07/15 13:50
夜風に吹かれながら、人の賑わう夜の街を歩いている
「ねえ兄ちゃん」
「ん?」
「ほんとにありがとね。美味しかった。れいな、めっちゃ幸せ者やね〜」
「また、こっち来た時行こうな。今度はもっとうまい店探しとくからな」
「・・・・・うん・・・・・」
「ど、そうした?」
「ううん、なんでもない」
そう言って、れいなはそれまで以上に俺にきつく腕を組んできた
しっかりと、離れないように

175 :6日目 :04/07/15 13:58
「兄ちゃん、憶えとる?・・・・・夕焼け、神社の境内、指きり」
なんのことだ?一瞬、意味が分からなかった・・・・・記憶を必死に手繰り寄せる
夕焼け・・・・・神社の境内・・・・・指きり・・・・・駄目だ、思い出せない
なんとなく、かすかに何かがあるのは感じる
遠い日の思い出・・・・・なんだろう
けど、俺はれいなの今の気持ちを壊したくはなかった
「ああ、勿論。れいなこそ憶えてるのか?」
何かヒントが出れば・・・・・
「勿論!!ずーっとずーっと大切に憶えてるけん。兄ちゃんが憶えてくれててよかったたい」

176 :6日目 :04/07/15 14:06
れいなが満面の笑みを浮かべている
ガキの頃の俺の姿・・・・・そしてガキの頃のれいな・・・・・昔の記憶・・・・・
くそっ・・・・・なんだ?でも、そこまで答えがみえてきた気がする

「兄ちゃん、れいな帰りたくなか、ほんとは」
「俺、叔父さんに電話してやるよ。そうだ!夏休みの間、うちにいればいいじゃんか!
でさ、俺が実家に帰るついでに、れいなも帰ればいいじゃん。な?どうだそれ!?」
「うーん、ほんとはそうしたいけど・・・どうしても無理やけん。ごめん!
れいなが 我が侭言ったけん。もういわんから」
何かを言うかわりに、俺はれいなを強く抱き寄せた
こんなに明日という日がこなければいいと思ったことはない

177 :6日目 :04/07/15 14:08
俺は、れいなに東京の夜景を見せてあげたかった
夏の匂いと共に、俺と一緒に見た東京の夜ってやつを、記憶に残してほしかった
だから、歩いた
べつに、恋人同士が行くような場所だけが全てだなんて思わない
二人でいれば、そこで見たものは美しい思い出になるって思う
来年、れいなと共に見る景色は来年のものだ
今の記憶は今見たものでしか残せない
俺自身も、この夏のことをしっかりと焼き付けたかった
夜風と共に、夏の匂いを・・・そして、れいなの今を、胸いっぱいに吸い込んだ

178 :6日目 :04/07/15 14:10
「兄ちゃん・・・・・ありがとね。・・・ありがとう」
夜の闇と、街の明かりが、れいなを包んでいる
少女から、大人の女へと移り変わる瞬間・・・・・そんな時期のれいなの輝き
そんなものを、俺はそこに見た そう、確かに見た
それはあまりに美しい輝きで、どこか切ない感じもしていて、
でも、「生」の輝きがこれ以上にないくらいに満ちているように思えた
れいな・・・・・ありがとうな・・・・・胸の中で呟いた
何度も、俺はそう呟いた

179 :6日目 :04/07/15 14:21
家に帰る頃には、すっかり夜の濃さも深まり、無数の星が空には見えていた
れいなは、帰り道、無口になっていた
俺は、一人、どうでもいいいようなことを喋り続けていた
時計は見なかった 時間なんか、このまま止まればいいんだ
SOMEDAY・・・・・いつの日か・・・・・そんなものは今はいらない
NOWだよ 今、れいなと共にいるこの時間さえあればそれでいい

180 :6日目 :04/07/15 14:21
「星、東京でも見えるんやね〜」
「れいなは昔から好きだったもんな。小さい頃、あの星を取ってきてくれって言ってさ、
大騒ぎしたんだからな、おまえは」
れいなは笑っている
「まったく、昔っから無茶を平気で言うお子様だったよな。懐かしいな」
「星になりたいって、兄ちゃんに言ったこともあったかもしれん」
「ああ。どうやったらなれるんだって聞いてきてさ。答えられない俺に、おまえは平気で
アホ呼ばわりでな。ああ、3回くらい蹴飛ばされたな」

181 :6日目 :04/07/15 14:22
なんでこんなに昔のことを思い出すんだろうか・・・・・
指きり・・・・まだ見えない
夕焼け・・・・・なんだったっけ
神社の境内・・・・ガキの頃の遊び場だったな
おぼろげなその記憶は、まだ完成しそうにない 大切な記憶の筈なのに・・・・・

182 :6日目 :04/07/15 14:22
玄関を開けて、部屋に入った その瞬間だった
れいなが俺に唇を重ねてきた
ちょっと待て!声にはならなかった れいなが、きつくきつく俺を抱き締めてくる
俺たちは、しばらくそこで抱き合ったままだった ようやく唇が離れた
「・・・兄ちゃん・・・・・わたし・・・・・好きやけん・・・・兄ちゃんのこと、好きやけん・・・・・」
そう言って、再び俺に抱きつき、胸に顔をうずめた

俺は、答えの代わりに、れいなの顔をあげて、今度は俺から唇を合わせた
この時、俺は思った
今から、俺とlれいなの最後の夜が始まるのかもしれないって

183 :6日目 :04/07/15 14:23
れいなと俺の舌が、ゆっくりと、そして優しく絡まる
俺はそのまま、れいなの服を脱がしていった れいなが下着だけの姿になった
「れいなだけじゃ・・・恥ずかしいけん・・・」
そう言って、れいなはぎこちない手つきで俺の服を脱がせてきた
されるがままにしていた れいなの顔を眺めていた
時々、俺を見上げると、照れくさそうな笑みを浮かべていた

184 :6日目 :04/07/15 14:24
再び、俺たちは互いの唇を求め合った 俺の手はれいなの胸元へ
こないだの夜みたいな風にはしない 俺は、れいなの体全てを愛しむように、
手で、舌で、唇で撫でて、舐めて、包み込んでいった
れいなの反応はとても薄いが、時折動かす体と、口から漏れる吐息
少しずつ、れいなが女になろうとしていた

185 :6日目 :04/07/15 14:24
「兄ちゃん・・・・・にい・・・ちゃん・・・・・」
かすれそうな声で俺を呼び続けている
俺は、れいなと一つになりたくてしかたなかった
正直なとこ、これ以上我慢がききそうにない
「れいな・・・・・」
俺と視線が合う 意味が分かったのか、れいなは一度大きく頷き、そして目を閉じた
俺は、使う予定も無かったゴムを出そうと、立ち上がりかけた
れいなの手が、俺のてを掴んだ
「いや」
「大丈夫だよ・・・そこにあるもの取るだけだ」
れいなは首を横に振った
「そんなんいらんたい・・・・・そのままでよか・・・」
「ばっか。何言ってんだよ・・・・・もしも・・・・・」

186 :6日目 :04/07/15 14:25
れいなが俺を押し倒してきた 上に乗り、俺の顔に自分の顔を近づけた
「にいちゃん・・・・お願いやけん・・・一度でいい・・・一度でいいから・・・
そのまま兄ちゃんと一つにさせて・・・・初めての時・・・たった一度でいいけん」

れいなの表情に、何かがあった
それは何なのか分からないけど、俺は断れない
常識とか、モラルとか、そんなの今は違う
れいなの気持ち・・・それが全てだ

187 :6日目 :04/07/15 14:25
「いいか?」
俺自身を、れいな自身に添えた れいながしっかりと俺を見つめてきた
俺の首に両手を絡め、引き寄せる そして、こんなに優しいキスってもんがあったなんて・・・
そう思えるようなキスをしてきた
俺は、ゆっくりとれいなに入っていく れいなの舌が、俺の舌を転がし続けている
ゆっくり・・・ゆっくりと・・・れいなの吐息・・・俺の吐息・・・首に絡まる腕・・・・・れいなの声・・・

188 :6日目 :04/07/15 14:26
俺とれいなが、何も俺たちを遮るものも無く、ようやく一つになった
溶けそうな不思議な感覚が、俺の体と心を包み込んだ
遠い意識の中で、れいなの女として嗚咽、いや、歓喜の吐息だろうか・・・・それを聞いた

189 :6日目 :04/07/15 14:26
にいちゃん・・・・・ずっと・・・ずっと好きだった・・・・・
れいなの声だけが聞こえる
ありがとう・・・・・ほんとに・・・・ありがとう・・・・・
れいなの心を感じる そして、れいなの女としての息吹を感じる
俺は、こらえられないくらいの愛しさと共に、れいなの中に俺自身をはなった
れいなの体の中にとけこんでいく気がした・・・・・そして溶けていった・・・・・

190 :6日目 :04/07/15 14:28
余韻も消えないまま、俺たちは再び求め合った
何か押してはいけないスイッチでも押してしまったかのようだった
れいなも、そんな感じだ
「やったことないけん・・・・下手やったらごめんね」
俺をおさえつけると、首筋からゆっくりと舌を這わせていった
胸に・・・腹に・・・・そして足に・・・・とうとう俺自身に・・・・・

191 :6日目 :04/07/15 14:28
今までにされたどんな時よりも、幸せだと思ったし、下手なのに心地良かった
れいなの口から卑猥な音がもれている
こっちを見上げて聞いてくる
「平気?どーやろ?」
「・・・もう今日で人生終わってもいい・・・」
俺が笑ったのを見て、れいなも笑った

192 :6日目 :04/07/15 15:22
れいなを見ていて、何故かこの何日間の出来事を一気に思い出した
色々あった・・・ほんとに濃い毎日だった・・・・・
そして俺は、あっという間に、人生の中でこれほど夢中になった人はいただろうか?
そう思える相手を見つけられた はっきり分かった たまらなくれいなが愛しかった

193 :6日目 :04/07/15 15:23
なんでだろうか・・・・・あれ?・・・俺、泣きそうじゃんか・・・・・
愛しくて愛しくてたまらなかった なんだろう、こんな気分て・・・・・
「兄ちゃん・・・どうしたと?」れいなが俺を覗き込んでくる
「いや・・・・俺・・・・・れいなともっと一緒にいたい・・・もっと・・・・あぁ、うまく言えないんだけど
俺は・・・れいなと・・・・・」
優しく抱き締められた とても優しく、そして温かかった
「れいなも、同じ気持ち。にいちゃん?」
「ん?」
「・・・・・ずっとずっと・・・・これからも好きやけん・・・・・」
心が・・・・・体が・・・・・熱くなった・・・・・

194 :6日目 :04/07/15 15:26
俺たちは、カーテンから朝日が差し込むまで、果てることなく互いを求め合い、
そして一つになっていた これほど優しくて激しくて、何故か切ない時間を経験したことは無い
そして、とうとう最後の日が訪れてしまった

195 :6日目 :04/07/15 15:27
束の間眠りに落ち、そして目が覚めた れいなが俺の顔を覗き込んでいる
「にーちゃん、朝ごはん作ったけん食べよ」
眩しい笑顔だった
簡単な料理だったが、嬉しかった
「あ、お前塩と砂糖間違えたろ?これはないぞー」笑った
れいなも笑っていた この時間・・・この空気・・・何故終わらなくてはいけないのか・・・・・
れいなが帰る時間は、止まることなく進んでいく

196 :6日目 :04/07/15 15:28
東京駅ホーム 俺たちは、出発の時間までベンチに座っていた
れいなは口数が少なくなり、俺が今度もまた喋り続けている
そうしてないと、情けないが泣いてしまいそうな気がしたからだ

197 :6日目 :04/07/15 15:28
「また、冬休みに来いよな。まあ、その前に夏祭りの時には俺が帰省するわ。
一緒に祭り行こうぜ。昔はよくいったよなー」
「・・・うん・・・」
「浴衣、見せてくれよな。ああ、花火もしような。沢山遊ぼうぜ、な」
「うん・・・・・」
「どうしたー、れいならしくないぞ」
「にいちゃん・・・・・」
「なに?」
「いっぱい生意気言ってごめんね」
「なーに言ってんだよ、雪でも降るぞ、そんなこと言われたら」
「迷惑いっぱいかけてごめんね・・・・でもね・・・・楽しかった・・・幸せだった・・・・にいちゃん」
れいなが俺を真っ直ぐ見つめてきた
「ありがとう。それと・・・それと・・・愛してる・・・・・」

198 :6日目 :04/07/15 15:29
何かを言おうと思った 言葉が出てこなかった
その時、出発を知らせるベルが鳴り響いた
れいなは荷物を掴み、立ち上がると、そのまま新幹線に飛び乗った
慌てて乗車口の所まで駆け寄った
「れいな!夏祭り!約束だぞ。必ず行くからな。どんな予定もぶっちぎっとけ!それから・・・」
れいなが涙を流したように見えた
「俺・・・れいなのこと好きだ!俺も好きだから・・・・・情けなくて、さえない兄ちゃんだけどさ、
俺もお前のこと好きだから」
その瞬間ドアが閉まった 言葉は届いただろうか・・・・・届いた筈だ・・・・

199 :6日目 :04/07/15 15:30
れいながドアに手をつけて何かを言っている
心に聞こえた気がした 夕焼け、神社の境内、指きり・・・・・・愛してる・・・・・
俺は、ホームにしばらく立ち尽くしていた こうしてれいなとの短い日々が終わった

200 :6日目 :04/07/15 15:30
家に戻り、すっかり気が抜けてボーッとしていた さっきまでここで笑っていたれいなはいない
急に、言いようのない寂しさが襲ってきた 部屋に残ったれいなの香
俺は、寂しさを紛らわす為、実家に電話を入れた 無事帰宅の報告をしなくては
「ああ、母さん、久しぶり。うん・・・悪い悪い、祭りの時は必ず帰るから。それよりさ、れいな、
ちゃんと新幹線乗せたからさ。えっ?だからー、さっき東京駅からさぁ・・・・・」

201 :エピローグ :04/07/15 15:32
車窓からの風景が、約一年振りに見る景色だった
懐かしいような、まだたった一年のような・・・そんな気分だ
ただ、どこか安心する感じはある 一年振りの地元の景色、そして匂い
ホームに降り、俺はそのまま実家に向かった

202 :エピローグ :04/07/15 15:33
母親から詳しい話を聞いた 現実感は全く湧いてこない・・・
そんなもの今の俺に湧いてくるはずが無い 昨日の今日でこっちに来たんだから・・・・・
俺は、母親から話を聞くと、そのまま家を出た
頭の中は、不思議と混乱していない・・・してない筈なんだ・・・・・
でも、通いなれた所に行くだけなのに、3回も道を間違えた
1回、つまずいてこけた こけて道路に座ったまま、空を見上げた 澄んだ青空が美しかった
今もやはり何も現実感が無い そうだ、それでいい だってそんな話、現実なわけないから

203 :エピローグ :04/07/15 15:34
叔父さんと叔母さんに、久しぶりの挨拶をした
二人は、以前と変わらず、俺を優しく出迎えてくれた
叔父さん、なんか小さくなっちまったな・・・・・叔母さん・・・・・白髪が増えたな・・・・・
そんなことをなんとなく考えてた

泊まりに来た時にいつも寝てた和室 そこに通された
そして、俺はそこで一日振りにれいなと会った・・・・・れいなは微笑んでた・・・・・昨日見た顔と同じに微笑んでた・・・・・
でも、れいなは何も言わない なあ、れいな・・・・・なんで何も言わないんだ?
昨日はありがとうとか、俺の擦り剥いた腕を見て、だっさーいとか、どうして何も言ってくれないんだ?

204 :エピローグ :04/07/15 15:35
れいなは・・・・・和室の中央に寝かされていた・・・・・
真っ白な布団の上で・・・・・その表情が微笑んでいた・・・・・
俺は泣くことも忘れ、何かを言うことも忘れて・・・
・・・ただれいなの姿を眺めていた

205 :エピローグ :04/07/15 15:36
神社境内・・・・・ガキの頃の遊び場・・・
・・・れいなの家を出た後、いつのまにかここに来ていた

叔父さんの声が頭に甦る

ちょうど一週間前・・・・・事故にあってね・・・・・ずっと昏睡状態が続いていたんだけど・・・・・
一昨日の夜・・・・・静かに息を引き取ったんだ・・・・・
以前約束させてもらった東京訪問をずっと楽しみにしてたんだけど・・・
・・・苦しむことの無い最期だったよ・・・・・穏やかな笑みを浮かべて、眠るように息を引き取った・・・・・

206 :エピローグ :04/07/15 15:48
まだ現実感がない 嘘だ・・・・・ドラマじゃねーんだぞ?こんな話って・・・・・
急激にやり場の無い苛立ちだけがこみ上げてきた
「あの・・・・・」そう声が聞こえた

顔を上げると、一人の少女が立っていた
「さっきれいなの家に行ったら、ちょうどお話を聞いたもので・・・・・
実家にもいなかったから、もしかしたらここかなって・・・・・」
「君は?」
「私、れいなの友人のさゆみっていいます。お兄さんに・・・・・渡したいモノがあって・・・・・」

さゆみという少女が、俺の横に腰掛けた 
「これを・・・たぶん、れいなもこうしてもらうのを望んでる筈です・・・・・
何も言わないままさよならになっちゃったけど」

207 :エピローグ :04/07/15 15:49
さゆみという少女が俺に出したもの 一冊のノートだった
「これは?」
「わたしとれいなの、うーん、まあ秘密の交換ノートって感じです。
口では言えない事でも、書くときは素直になれるかなって。それで始めてみたんです」
「見て・・・いいかな?」
さゆみは頷いた

208 :エピローグ :04/07/15 15:57
ごく普通の少女の、ありのままの日常での喜び、悲しみ、怒り、そして葛藤が綴られていた
時々、兄ちゃん、という記述がある 胸の鼓動が早くなるのを感じていた
俺は、時間も忘れて読み進めていった
「そこの分で、このノートも終わりなんです・・・・・もう、れいながわたしに書いてくれることもない」
さゆみという少女の目から・・・・・涙がこぼれていた
俺はそこのページを読んだ・・・・・静かに・・・・ゆっくりと涙が溢れてきた・・・・・
さっき見たれいなの姿が、急に現実のものなんだって感じてきた

209 :エピローグ :04/07/15 15:58
さゆへ

もうすぐ東京のにいちゃんのとこへいくんだ すっご〜く楽しみ!!!
れいなね・・・・・おもいきって告白しようっておもってるんだ どうかな?
うまくいったらね・・・・さゆだから正直に書くけど・・・・・
れいなの初めてをにいちゃんにあげたいなって これ内緒だよ!絶対内緒!!
あ〜・・・・・昔の約束・・・にいちゃん憶えてるかなぁ・・・・・
れいなね、その約束、ず−っとずーっと大事に胸にしまってきたんだ
ねえ、さゆ!うまくいくようお祈りしててね!
じゃあ、次は東京から手紙でも書くね
 
                                  れいな

210 :エピローグ :04/07/15 15:58
涙がとまらなかった さゆみの存在も気にせず、声をあげて泣いていた
頭の中でパズルが組み合わさった
れいなの気持ちが痛すぎるくらいに分かった
れいなが俺の所に現れた気持ち・・・・・この先にある筈だった輝いた未来・・・・・
色々なものが切なかった・・・・心に突き刺さるように切なかった
「それ、大事にしてくださいね・・・・・わたし・・・れいなと友達になれてよかった・・・・・れいな・・・・・」
さゆみはそう言うと、走り去っていった
俺は一人、境内に座ったまま、ノートを閉じることもできないまま、泣き続けた
何もかもが悲しかった・・・愛しかった・・・・苦しい・・・切ない・・・・・

211 :エピローグ :04/07/15 16:00
ガキの頃の記憶・・・・・
ねえにいちゃん・・・・・大きくなったらー、れいなのこと奥さんにしてくれると?
れいなねー・・・にいちゃんのこと好きやけん・・えへへ・・・・・
ばーか・・・俺の奥さんはそう簡単になれないんだよ!
な、なんね!じゃあ、れいなのこと嫌いなん?ねえ、嫌いなん?
・・・ううん・・・・俺もれいなを好いとーたい・・・奥さんにー・・なってくれると?・・・
うん!にいちゃんと幸せになりたかよ ねえ、約束!指きりしよ!
ゆ〜びき〜りげ〜んま〜ん・・・・・・・・・

212 :エピローグ :04/07/15 16:01
夕焼けの下、俺はここで指きりしたよな・・・・・れいな・・・・・
ねえ兄ちゃん・・・・・れいなね・・・・にいちゃんのこと愛してる・・・・・
遠くから、れいなの声が聞こえた
にいちゃん・・・・・幸せな思い出をありがとう・・・・・れいなね・・・生まれてきてよかった・・・・・
「れいな!!!」
答えはかえってこない

213 :エピローグ :04/07/15 16:01
れいなの・・・・・たった一度の・・・二度とは無い夏の経験・・・・・
遠い日の・・・・・たった一度の約束・・・・・
いつの日か・・・・いや、もう二度とは無いあの日々・・・・・
俺は、そんなことを思い続けながら、いつまでもそこを動くことができなかった



          
                           〜「SOMEDAY」 完〜


从*´ ヮ`)<モドル