心に積る雪
391 :心に積る雪 :04/12/28 01:26
「うわぁ…」

どうした?

「…雪降ってきた…キレイ…」


夜空からゆっくりと粉雪が舞い降りてくる。
ここ札幌では当たり前の風景だが、九州生まれのれいなには新鮮な光景に見えるようだ。

「イルミネーションもすごかねぇ!○兄ぃんトコ遊びに来てよかったばい!」
ほら、キョロキョロしてると転ぶぞ…って危ねっ!

ズデン!

「痛ったーい…」
あははは!ほら言ってるだろ?立てるか?
「もぉ!○兄ぃのせいったい!」
何だそれ!?逆ギレじゃねえか…
「しっかりつかまえててくれんと、れいはこんな凍ったトコ初めて歩いてるとよ!」

392 :心に積る雪 :04/12/28 01:26
ぎゅ。

…え?

「ほら、こうしていれば転ばんと!行くよ○兄ぃ!あ、あのセーターかわいい〜!!」


あの小さくてやかましいだけだった隣のガキンチョがいつのまにかかわいくなったもんだな…
寒さで真っ赤になったれいなのほっぺたを見ながらそんなことをぼんやり考える。

「…○兄ぃ?何ぼんやりしとると?」
…え?あ、ごめん。なんでもないよ。
「もぉ!こんなにかわいいれいと一緒にいるのに何ぼーっとしてるったい!」
ごめんごめんw じゃあお詫びにゴハンおごるよ。何がいい?
「ホント!?うーん…暖かくなるのが食べたいなぁ…」
よし、おいしいスープカレー屋さんがあるからつれてってあげよう!

393 :心に積る雪 :04/12/28 01:27
れいなと腕を組んで真っ白な町を歩く。

…これからもずっとこうして歩いていこうな。

「ん?何?」

あ、な、なんでもねぇよ。あ、カレー屋さんすぐそこだからな。
「…ふーん。」


「…よかよ。ずーっと一緒ばいw」

…え!?オマエ聞いてたな!?
「なんでもなかよ〜♪ほら、れいおなかすいた!早く早く!」
っておい!引っ張るなって!あ、危な…

394 :心に積る雪 :04/12/28 01:28

ズデン!!

痛…ってぇ
あ、大丈夫か?
「う…うん。大丈夫。」

雪の中でれいなの下敷きになって抱きしめるような形で転んだおれ。
夜空から真っ白な雪が二人に舞い降りてくる。


ちゅ。

「ありがと。○兄ぃが守ってくれたから痛くなかったばい。お・れ・い♥」



二人の足跡が真っ白な道に続いていく。

「…これからもずっと、ね?」



从*´ ヮ`)<モドル