BLACK&WHITE Vol.1
- 442 :BLACK&WHITE :04/08/21 13:45
- 部活帰りの昼下がり。小銭を片手にコンビニ直行。
アイス買って、麦茶買って、忘れちゃいけない猫缶×2。
男のくせに、とは自分でもたまに思ったりするけど僕は猫好きだ。
世間的には「ねこバカ」と言うらしいけど馬鹿上等。
携帯の画像フォルダにはうちの飼い猫や通り道で見つけた猫ショット満載だし、
ステーショナリーも猫グッズそろえてるし。
「キターク!と言っても誰もいませんねー。さてマナはどこかな〜?」
マナというのはうちの飼い猫だ。白い毛にブルーとゴールドのフェアリーアイズの持ち主。
まだ生まれて1年も経ってないのでそんなに大きくなくてかわいいのだ。
- 443 :BLACK&WHITE :04/08/21 13:45
- 家にいないということはおそらく隣の公園にでもいるんだろう。
どうせヒマだし行ってみんべ。
ウチのねこ様どこですか〜と。いないなー。いつも大概この公園にいるのに。
ん?
ベンチに女の子が座っている。マナは彼女の腕に抱かれていた。
よく見るとあれは同級生の田中れいなだ。
いつもツンとしてるけど友達と一緒にいるときに見せる笑顔がネコっぽいなぁと思ってる。
「お前かわいいね〜。毛もふわふわで、お手々も柔らかくて、どこから来たんでちゅかー?」
- 444 :BLACK&WHITE :04/08/21 13:45
- 思わず立ち尽くして彼女がマナをかわいがる様子を見ていた。
と、向こうがこちらに気付いた。
「あっ!○○くん…ど、どうしたの?こんなところで」
「ウチのマナ…今抱いてるその猫、マナっていうんだけど、ご飯買ってきたから食わせようと思って」
「へ〜このコ、マナっていうんだ〜。かわいいなぁ〜」
「もしかして」
とろけるような笑顔でマナを見つめる彼女を見ながら口を開いた。
「れいなちゃんも猫好き?」
「うん&heart;」
思わずこちらも目がキラキラ輝いていたのは悟られなかっただろうか?
- 445 :BLACK&WHITE :04/08/21 13:46
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「珍しい猫だよね」
公園じゃちょっと暑いし、立ち話もナンだから彼女を家に招くことにした。
「確かに右と左で瞳の色違うからね」
「それもあるけど、なんか人なつっこくて。公園たまたま通りかかったらこのコから私に近づいてきたの」
「あー確かにそりゃ珍しいかも」
「やっぱり猫好きがわかるのかなー?」
「もしかして猫飼ってる?」
「当たり。うちにもいるんだ。黒くて小さいのが」
「メス猫?」
「ううん、オスだよ。マナと一緒だね」
「なんだちゃんと見たんだ(w」
「ゐやん♥」
- 446 :BLACK&WHITE :04/08/21 13:46
- それからいろいろ猫トークしてるうちにいつの間にか太陽もだいぶ西に傾いてきていた。
「あーすっかり長居しちゃったね。そろそろおいとまします」
「こっちこそ引き止めちゃって悪かったな」
「そんなことないよ。ねぇ、今度はうちにおいでよ。マナくん連れてさ」
「お、それはありがたいね。いつがいいかな?と言っても部活もあるからなぁ」
「いつでもいいよ。前の日にメールくれればその日は家にいるから」
「うんわかった。じゃアドレスおせーて」
- 447 :BLACK&WHITE :04/08/21 13:46
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そんなこんなで彼女のメルアドGETSしちゃった。正直自分でも驚きだよ。
じゃあね、と言って彼女の後ろ姿を見送ると、マナが名残惜しそうにニャーンと鳴いた。
「それにしても猫みたいでかわいい子だったな。マナ、ありがとうな」
まだこのときの僕は心の底に灯った明かりに気付かなかったらしい。
この気持ちがより明るく輝くにはまだいろいろあるんだけど、それはまた別のお話。
その晩はれいなちゃんと、ネコメールで盛り上がったことだけ報告しておきます。
从*´ ヮ`)<モドル