大江戸ロケット観劇ネタバレレポート
松竹座 2001.8.17
脚本:中島かずき、演出:いのうえひでのり、花火師清吉:いしだ壱成、ソラ:奥菜恵、錠前屋:古田新太、おぬい:森奈みはる、清吉の弟:石垣佑麿、鳥居:峰岸徹、ご隠居:藤村俊二
まず、私が見てから数日後にいしだ壱成がああいうことになろうとは思いませんでした。
いきなりここはどこ?本当に松竹座なのか?デパートの屋上のウルトラマンショー?と思わせるようなオープニング。だって、私の席の隣を着ぐるみの宇宙人が通り、その後を追いかけてくるお侍さん、そして舞台で始まるチャンバラショー。どんな芝居なんだって目を疑いましたがな。どうやら宇宙人同士が闘っていて、そして侍達は宇宙人を捕まえようとしているというわけですか...しかし宇宙人強い!危なくなるとはっとどろんの術を使っていなくなるんだな。そして舞台の上には可愛い女の子ソラが打ち上げられた花火を見ているのであった。
時は水野忠邦が行っている天保の改革のまっただ中。そして贅沢禁止令が出され、花火などは御法度の住みにくい世の中。長屋の住人達は石屋、大工、手品師、花火師、錠前屋などの職業を持つ人々が集まっており、みんな今の政治に不平たらたら状態。しかし江戸っ子らしく気っ風だけはみんないい。そしてこの長屋の影の番人が車椅子に乗った隅のご隠居様。そしてこの長屋やお奉行様からも目をつけられている存在なのであった。
そんな長屋に訪れたのはソラ。彼女は空まで届くような花火を作って欲しいと清吉に頼みにくるのであった。そんなのができるはずがないと断る清吉だがソラにうまくおだてられ、大型ロケット花火を作る羽目に...そんなさなか江戸の町には血を吸われ殺される死体が発見され、その犯人探し(宇宙人)が行われていた。ひょんなことから長屋の火事を消すために空に浮き上がり水を降らしたソラ。そしてなぜ彼女が大型ロケット花火を作って欲しいと言ったかが長屋のメンバーに明らかにされるのであった。彼女はなんと悪い宇宙人を護送中に逃げられたために地球にやってきた宇宙人なのであった。その時に乗ってきた乗り物が壊れてしまったために大型ロケット花火が必要だったんだな。そして清吉の一番の良き理解者であり相棒でもある遊び人の錠前屋が昔は大泥棒だったことをお奉行に知られ、しかもその昔先祖が忍目付の頭だったことからお奉行側につくことに...はたして月まで届く打ち上げロケット花火を作ることができるのであろうか...
うーーん、いなせで気っ風のいい江戸っ子花火職人という感じが出てないんだな。一生懸命軽い感じでやろうとしているのはわかるけど、はっきり言って見ていて痛いんだな。弟役は声がつぶれていて何を言ってるか聞き取りにくいし...奥菜は頑張って動いてるけど、キャラ的に「キレイ」の方があっていたと思う。客演で美味しいところを全部持っていったのはおひょいさん。ずっと車椅子に乗っていたかと思うと軽やかにステップ分で踊り出すし、あのいつもの独特のおひょいさん喋りがまったりしていて軽妙だったもの。あと、橋本じゅんさんの捨て身の演技も好きだわ。はぁと。(笑)ヴァンプの時もそうだったけど体張ってるものね。古田さんに関してはうーーん、ちょっと大人しめのキャラでいつものかっこよさが見られなくって残念。去年の松竹座でやった「阿修羅城の瞳」が良かっただけにちょっと肩すかし状態かな。パンフ高すぎでお芝居見て良かったら買おうかなと思ってたけど、結局買わずじまいだったもの。
東京バージョンの清吉君はどうなんだろうか...
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