レ・ミゼラブル観劇レポート


2001.1.20 
マチネ
配役 ジャン・バルジャン:山口祐一郎 ジャベール:村井国夫 ファンテーヌ:岩崎宏美 エポニーヌ:島田歌穂 テナルディエ:斎藤晴彦 アンジョルラス:岡幸二郎 コゼット:安達祐実 マリウス:戸井勝海 テナルディエの妻:森公美子

ソワレ
配役 ジャン・バルジャン:滝田栄 ジャベール:川崎麻世 ファンテーヌ:鈴木ほのか テナルディエ:徳井優 アンジョルラス:今拓哉 コゼット:堀内敬子 マリウス:津田英祐 テナルディエの妻:大浦みずき


チケットを抑えてからこの日が来るのが長かった。そしていよいよこの日がやってきた。そして大忙しの20日なのであった。通常、宿泊しなければならない場合、お得なビジネスパックを利用しているんですが、こちらは航空会社が指定なのと便を変更できないところがちょっと辛い。でも朝食付きで30000円ちょっとなのでかなりお得感が強いので、こちらを利用しております。そして20日に利用する飛行機を7時45分にするか9時45分にするかでかなり悩んだ私。9時45分だと間に合うのは間に合うけど、開演20〜30分前に到着でちょっと余裕がないということで、仕方なく早朝便を選択。でも、これが良かったんだな。

会社に行くのと同じ時間に家を出て、7時20分過ぎに空港に到着してチェックイン。こんな時間で30列目ということはかなり空いてるつうこと?そして、定刻の時間になっても出る気配は無し。そして機長からエンジン部分の整備に時間がかかっております。あと10分ほどで終了するかと思います。そして10分後、もうしばらくかかります。お急ぎのところ〜。おーーーい!大丈夫なのか!?エンジン部分の点検にそんなに時間がかかるって言われると不安になってくるんですけど...それに夜の点検で終了できないって、どういうこと?そして同じくらいの時間に羽田に到着する早騎様と空港で待ち合わせをしていた私はかなり焦るのであった。だって、この非常事態を知らせたくっても、携帯で連絡つかないじゃん。とにかく、前回の香港でも痛い目にあった某航空会社(亡き父の勤務先)は当分使わないことに決めた!

そして羽田に到着してとりあえず早騎様の携帯に遅れた旨と帝国劇場で会いましょうと連絡を入れたのであった。そしてめでたく帝国劇場で会うことができて良かったです。そして出演者の方が楽屋に入っていかれるのをちらちらっと見学したのでありました。そしてお席はマチネが2列目の33番、ソワレが3列目の30番とほとんでセンター。ああ、観劇ではいいお席があたるんだけどな。

感想


「レ・ミゼラブル」はお話としては余りにも有名。でも詳細はかなり忘れている部分が多いのと、初見なのでとりあえず主役をメインに話の流れを追うことにしました。そしてストーリーを追いながら、そうだそうだと思い出しながら楽しんで見ているとあっという間に1幕が終了。そう言いながらも、リトルコゼットを引き取ることになったジャン・バルジャンが喜びのあまり、リトルコゼットを胸に抱きながらぐるぐると5,6回転してから、リトル・コゼットを降ろす時には目がまわらんのかい?などと突っ込んでいたりもしたのであります。(笑)そして2幕目が始ってエポニーヌが死に、そして娘のコゼットと愛し合うマリウスを心配?して革命軍に加わったジャン・バルジャンと革命を起そうとする学生に身分がばれて捕まったジャベールとの殺せ!の掛け合いのシーンでもう涙が出始めた。やばい!そして革命軍にいる子供のガブの死でもうどうすればいいの?って感じで、もう涙腺こわれっぱなしで、涙はノンストップ状態。でもそんな中でごうつくなワルのテナルディエ夫妻が登場すると笑えて、ちょっとだけ場が和むのでありました。くす、テナルディエ夫人のはじけっぷりがもう素敵♪そしてマリウスとコゼットはめでたく結婚することになり、自分の過去をコゼットに知らせたくないために旅行に出かけたとコゼットに嘘をついて一人で暮らすジャン・バルジャン。でも、結婚式にまたもや悪企みをした男爵夫妻にばけた(あんなけばい安っぽい衣装を着た男爵夫人はおらんだろう。笑)テナルディエ夫妻が脅迫の種にばらした内容がジャン・バルジャンが実は瀕死の重傷を負ったマリウスを病院にかつぎこんでいたことを知らせることになったのであった。そしてここのぱちった銀の食器やナイフ・フォークなどを落とすシーンは笑えます。くす、下僕が杖でぽんとついた瞬間に落として、天井を見上げる夫妻。そんなの降ってくるはずがないのに...(笑)そしてもう1度下僕に杖をつかせるテナルディエ。もちろん、銀製品が降ってくるはずがないわな。そして2人で一人で暮らすジャン・バルジャンを一緒に暮らそうと迎えに行くのだが、その頃にはジャン・バルジャンは召されるところ。そのそばにはコゼットの母親であるファンテーヌが迎えに来、そして最後にはエポニーヌも一緒に旅立っていくという筋なんですが、ここのコゼットがジャン・バルジャンにいかないでぇとすがるシーンがもう涙なくしては語れません。「パパ、」と呼びかけるだけで、私の目からは涙がどぼーーー。うーー、コンタクトなのに泣いてはだめだと思っても泣けるもんは仕方がありませんわ。やっぱりハンカチは2枚用意しなくてはダメですわ。

そして1日に2回という強行スケジュールですが、やはり観て良かったです。全く同じ役でも解釈の仕方や歌い方とかで全然印象が変るということがわかって面白かったです。ということで、トリプルキャストのジャン・バルジャン、ジャベール、マリウス、コゼットを別の役者さんで俄然と観たくなったのであります。

そして個人的な好みではジャン・バルジャンは滝田栄、ジャベールは村井国夫、ファンテーヌは鈴木ほのか、エポニーヌは島田歌穂、アンジョルラスは今拓哉、コゼットが安達祐実、マリウスが戸井勝海、テナルディエが斎藤晴彦、テナルディエ夫人が森公美子がいいな。このキャストでも見てみたいなぁ。

山口さんのジャン・バルジャンは本当にお歌だけでもう魅せられるという感じ。でも父親としての愛情に溢れているのはもう滝田栄版。セリフも朗々と歌い上げるばかりでなく、より普通のお芝居に近いセリフにメロディを乗せたりとメリハリがついているんです。山口さんだとなぜ革命軍の中に身を投じたのかわかりずらいのですが、滝田版になると細かい演技でマリウスをそれとなく見守っているのがよくわかるんです。そしてジャベールはもう堂々とした貫禄のバルジャンを負うしつこい刑事には村井さんしかあるまいて。本当にくそ憎らしいくらいにしつこいんですもの。で、歌もそりゃ貫禄ものだし、自殺の場面での苦悩のシーンも迫力だし。ファンテーヌは甲乙つけがたいんですが、ただ単に声質が鈴木ほのかさんの方が柔らかくて好きなんですの。エポニーヌは本田美奈子さんはちょいと線および声が細い感じなんですが、島田歌穂さんはそりゃもうエポニーヌを確立している感じなんです。マリウスを慕いながらもマリウスの為にコゼットとの仲を取り持ち、その帰りに流れ弾に当たって死んでいくシーンには叙情感が漂っていて、涙なくしては語れません。そしてマリウスはその声に惚れましたぁ。(笑)私好みの声と歌い方なんですもの。そしてアンジョルラスもどちらも素敵なんですが、声が今さんの方が好きというだけで...テナルディエはうーーん、歌は徳井さんの方がはっきりと聞き取れるのと声質が好きなんですが、お芝居としては悪っぽさを余すなくところ出している斎藤晴彦さんに軍配があがったというところでしょうか。そしてテナルディエ夫人は思いきり弾けて、ごうつくババアを愛らしく演じきった森クミさんがラブリー♪あの愛らしさがあるから救われるっつうもんですわ。そして主要キャストではないんですが、革命軍の中の子供ガブ役の子がうまいのなんの!本当にガブそのものって感じで歌も演技も凄いです。そして最後がきっと賛否両論だろうな。私は安達祐実ちゃんのコゼットの方が好き。もちろん歌は堀内さんの方がうまいし、演技も安定しているんだけど高値安定で私にはあんまり響いてこなかったのよねぇ。パッションが感じられなくって。それに「オズの魔法使い」でのゲネプロで歌っている祐実ちゃんを見ていたから、歌に関しては全然期待していなかったので、歌に関しては私にはまあ何とかOK。そして演技がもうコゼットの愛らしさとかいじらしさとか、父親を思う気持ちとかがもうよく表されていて好き。特に最後のジャン・バルジャンのもとで「パパ」と言うシーンではもうそれだけで泣けてくるんです。ずんずんその気持ちが伝わってくるんです。ということで、なんとか歌えてるから後は思いっきりお腹に力を入れて口を大きく開けて歌えば、細かく震えるビブラートは取れるような気がするんですが...でも可愛いからいいや。(笑)

でもパンを1つ盗んだだけで懲役19年!昔といえど、あんましよな。そして細かいところがやっぱり繋がりにくいので、もう1回「ああ無情」を読んでみようっと。

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