アフタヌーンチーズの会

-October 17, 1999-

今回はイタリアチーズPart2です。前回はSMAPのコンサートと重なったためにPart1の南イタリアのチーズには参加できませんでした。Part2では北イタリアのチーズということで日本でも有名なパルミジャーノ・レッジャーノ、ゴルゴンゾーラなどがあります。さてイタリアチーズの種類はフランスとはちょっと違ってかなりアバウトらしいです。これは国民性によるものなんでしょうか?だって、同じチーズが熟成の年数によって違う分類になったりするんですもの。

まずはフレッシュタイプにはマスカルポーネ、モッツアレーラ。ソフトタイプにはゴルゴンゾーラ、タレッシオ、パスタフェラータにはモッツアレーラ、カチョカヴァロ、牛乳のハードタイプにはパルミジャーノ、グラナ・パダーノ。そして羊乳(ハード)にはペコリーノ・ロマーノなどがあります。そして表現方法が花の咲いた表皮が白カビタイプ、洗った表皮がウォッシュタイプ、自然な表皮はサンマルセランでフレッシュタイプ、パセリ状のある表皮は青カビ、プレスがハード・セミハード、シェーブルが山羊の乳となります。

チーズはそのまま食べたり、料理に使ったり、詰め物の具にして使ったりします。チーズを使った料理の例としてパスタがあります。ここで簡単なチーズを使ったパスタの紹介をば。

クアトロ・フォルマジョノ(4種類のチーズを使ったパスタ)
材料はゴルゴンゾーラ、パルミジャーノ、モッツアレーラ、タレッジオを使いますがこれは代用がききます。つまり、アオカビ、ハード、クリームチーズ、白カビ(中身だけを使用)を使っても美味しいパスタが。そして生クリーム(牛乳でも可)にチーズを溶かして、キノコ類を合わせてパスタと絡めて出来あがり!別にチーズは4種類でなくってもきっと美味しいと思います。是非、チーズがちょびちょびっと残った場合はお試しあれ!

本日のワインは
1998 ロエロ・アルネイズ(マッテオ・コレジア)は白ワイン。ロエリ丘陵で取れたアルネイズ種(白)のワインということになります。マッテオ・コレジアがワインを造っているメーカーの名前ですが、こちらのメーカーのワインは見つけたら買いと言うほど質の高いワインを作っているそうです。で、飲んだ感想はフルーティーで香りがよくって女性好みのお味でイタリアワインとは思えないほど美味しかったです。ということで、思わず1本お買い上げ。また、ラベルが可愛いんだぁ。お山に月が出ておりますの。
1997 ドルチェット・ディ・ドリアーノ ヴィーニャ・ソリ・サン・マルティノ(フランチェスコ・ボスキス)は赤ワイン。えっとはっきり言って、ドルチェットとつくワインは飲まないほうがいいと講師の細谷さんはおっしゃいますが、持ってきているやんと突っ込んでしまいました。(笑)で、その後フォローが...マルティノの畑でとれたのだけが例外だそうです。お味はまあボジョレーヌーボー系でまだ若くってそれ程深みの無い普通の赤ワインだったと思う。

本日のチーズ
グラナ・パダーノ(DOP)
イタリアポー川流域で取れた牛乳製。ハードタイプ。M.G.(脂肪分)32%。牛乳を絞って作っているためにフランス産(45%)と比べてかなり脂肪分は低め。1つの大きさが30kg以上もある大型チーズで、主に粉におろして料理用に使います。お味はパルミジャーノ・レジャーノよりも少し淡白目ながらも塩分は程よくきいていて美味しいです。お酒無しで食べる場合だとこちらの方が食べやすいかも。

パルミジャーノ・レジャーノ(DOP)エミリア・ロマーナ州
こちらはグラナ・パダーノの種類に入るチーズですが、エミリア・ロマーナ州の特定の地域で作られるものだけをこう呼んでいます。最低でも2年間の熟成をさせないと市場に出せないそうです。ということで、チーズの中には下で感じるくらいにざらっとした固まりなどがありますが、コクは数段上でワイン片手に楽しむにはぴったりのチーズだと思います。色もグラナ・パダーノよりももっと黄色っぽい色をしております。

モンタージオ(DOP)フリウリ・ヴェネーツィア・ジューリア州
牛乳製。ハードタイプ。M.G.44%。13世紀に修道士達によって作られ始めた山のチーズ。えっとかなりハードで石鹸ぽいような感じ。塩分は適度。でも余り得意では無いタイプのチーズ。

トゥーマ・デル・トリフラウ ピエモンテ州
牛乳(70%)、羊乳(30%)フレッシュタイプ。M.G.45〜55%
ピエモンテ産の黒トリュフを細かく刻んでチーズに混ぜている贅沢チーズ。羊乳が混合されているので多少またりとして、甘味が感じられる。味はまろやかでそれ程羊臭くは無い。トリュフとチーズがうまく混ざり合って高級感溢れる料理です。トリュフの所を噛むとはっきり香りが感じられます。

タレッジオ(DOP) ロンバルディア地方
牛乳製。ウォッシュタイプ。M.G.48%
ウォッシュタイプですがフランス産のそれと比べるとそれ程匂いは強くなく、チーズ自体もミルクの甘みが十分に楽しめる優しい味。まろやかでいながらこくがあって美味。

ゴルゴンゾーラ(DOP) ロンバルディア地方
牛乳製。アオカビタイプ。M.G.48%
世界3大ブルーチーズのひとつ。ドルチェ(甘口)とピカンテ(辛口)の2種類。ドルチェは脂肪分が高くカビの量は少なくて食べやすい。色も辛口と比べて白っぽいです。ピカンテはアオカビの量が多いので口に入れた瞬間にぴりぴりと舌を差すような刺激があります。でも濃厚な赤ワインと合わせるとグッド。後は、残ったゴルゴンゾーラをパスタと絡めるのも美味だけどちょっと勿体ないかも。

本日の感想はやはり今まで食べた事の無いトリュフ入りのフレッシュクリームタイプのチーズがやはり珍しかったです。小さいトリュフの1粒1粒をよーーく噛みしめてトリュフの香りとチーズのまろやかさを楽しみました。でもお腹一杯です。


アフタヌーンチーズの会

-January 17, 1999-

今回は7種類のチーズ食べ比べ上級編です。アフタヌーンチーズの会に参加し始めて早いもので6回を数えるようになり、少しはチーズの種類にも詳しくなり、益々チーズが好きになりました。それに1番大きいのはアルコール類が本当に弱い私が赤ワインの魅力に目覚めたことですよね。それまでは甘めでフルーティーな白ワインしか飲めなくって、赤ワインなんか渋くて美味しくないって思っていたんですが、チーズと一緒に味わうと全く味が変わり新しい世界が開けました。是非、赤ワインが余り美味しくないと思われる方はチーズと合わせてみて下さい。それに少し時間がたつと本当にフレーバーや香りがかわるんで、ワインって生きているんだなって思います。

チーズの種類は、フレッシュタイプ・白カビ・青カビ・ハードタイプ・シェーブル・セミハードタイプ・ウォッシュタイプがあって、私のお気に入りは少しくせがあるウォッシュタイプです。

フレッシュタイプは熟成させないチーズで、モツァレラ、マスカルポーネやカッテージなどが代表的なものです。賢い買い方及び保存の仕方は出来立てが1番美味しいので日付をチェックすることで、万が一製造日より一週間以上経っているものは調理用に。冷蔵庫から出したらすぐ食べるのがポイント。

白カビタイプはチーズの表面に白カビを植え付けて熟成させるチーズで表面から内部に向かって熟成するもので、代表的なものはカマンベール、ブリー、ヌーシャテルなど。買い方の目安は白カビの色をチェック。白いカビが熟成と共に黄色からオレンジ色に変わり、ふちが茶色のものはかなり熟成が強くなっているもの。保存方法は切り口はチーズが流れないようにアルミホイルでカバーし、チーズを包んでいた紙でくるむ。

青カビタイプは青カビをチーズのカードに混ぜ込んで熟成させるチーズで内部から表面に向かって熟成するもので、代表的なものはロックフォール、フルムダンベール、ゴロゴンゾーラ、スティルトンなど。買い方の目安はチーズの中にカビが入っているのでカット面でカビが青々しているものを選ぶ。劣化が早いので切りたてを選び、真空パックのものも余りよくない。光に弱い、水分が出てくるので2週間に1度は余分な水分をキッチンペーパー等でとってあげると良い。

シェーブルは山羊の乳が原料。代表的なものはヴァランセ、ピラミッド、クロタン・ド・シャヴィニョルなど。熟成させるのが難しいのが特徴で、保管の際には通気性に注意するのがポイント。ラップよりキッチンペーパーに包んで野菜くずなどと一緒にタッパウェアに入れて冷蔵庫で保管。

ウォッシュタイプは製造の過程で外皮を塩水やお酒で洗いながら熟成させるチーズで、表面から内部に向かって熟成する。代表的なものはエポワッス、ラングル、リヴァロなど。表面から熟成するのが特徴なので表面の色がポイント。熟成と共に色が濃くなる。表面がしっとりと濡れているものが良い。買ったらなるべく1週間内に食べきる。

セミハードタイプは製造過程でチーズを加熱せずプレスし、水分を少なくしたチーズ(水分含有38〜48%)。代表的なものはルブロッション、ゴーダチーズなど。食べる度に切り、表面にカビがつきやすいがその部分だけ削れば大丈夫。日保ちもしやすく、乾燥しても料理に使えるので便利。ラップして保存。

ハードタイプは水分含有38%もので、代表的なものはパルミジャーノ・レジャーノ、エメンタール、チェダー、エダムなど。保存方法等はセミハードタイプと同じ。


本日のメニュー

白ワイン:’97 Les Chemins Bassac Blanc domaine Ducellier (レ・シマン・ド・バサック・ブラン) 作り手-デュセリエ ボルドーのはずれのコート・ド・タン地方のワインで、ソービニヨン・ド・ブラン種。

赤ワイン:’95 Bourgogne Passetoutgrain domaine Robert Arnoux (ブルゴーニュ・パストゥグラン) 作り手-ロベール・アルヌー 1/3ピノ・ノワールと2/3ガメイとのブレンド。作り手のロベール・アルヌーはインパクトのあるワインを作っており、ヴォーヌ・ロマネの作り手として有名。
’95 Chianti Colli Senesi Geminiano tenuta le Calcinaie (キャンティ・コリ・セネージ・ジャミニャーノ) 作り手-カルチナイエ このキャンティの特徴は畑指定及びバレルセレクションのような作り方をしているので、フルボディでありながら優しいニュアンスが味わえる。おりが出るので、1cmほど残したほうが良い。tenutaはドメーヌと同じ意味。

パンの種類:バゲット(マスカルポーネ、セミハード、ブリードモーと合わせる)、カンパーニュ(エポワスと抜群の相性)、くるみとレーズン入り(ブルーチーズと抜群の相性)、プンパニッケル(マスカルポーネなど)

チーズの種類
フレッシュタイプ:マスカルポーネ(伊) ロンバルディア地方で生まれたチーズで、牛乳+クリームを添加して作られているので脂肪分80%で少しひつこめの味。語源はスペイン総督が「マス・ケ・ブェ!絶品じゃから。パンに塗ってブルーベリージャムと一緒に食べるとGood!白ワインと一緒に。

白かぴタイプ:ブリー・ド・モー(仏) イル・ド・フランス地方で作られたチーズ。牛乳から作られており、1815年後ナポレオン戦争後のウィーン会議で余興に行われたチーズ品評会で「チーズの王様」に選ばれた。外見、味、においと全てがエレガントなチーズ。こくがあり、リッチな味わい。

シェーブルタイプ:ヴァランセ(仏) ロワール川流域で作られたチーズ。山羊乳から作られており、もとはピラミッド形であったが、エジプト遠征に失敗したナポレオンがその帰途ヴァランセ城に立ち寄り、このチーズを見て怒りの余りその頂を切ったと言われている。表面の黒は木炭のすすであるが、食べられる。酸味があるが、まったりとした味わいでそれ程くせがなく食べやすい。白ワインと一緒に。

セミハードタイプ:フォンティーナ(伊) ヴァッレ・ダオスタ地方のチーズ。牛乳から作られており、イタリアのフォンデュ用に使われたりする。キャンティと一緒に。溶かして食べると美味しいと思う。

ハードタイプ:パルミジャーノ・レッジャーノ(伊) エミリア・ロマーニャ州のチーズ。牛乳から作られており、イタリア産「チーズの王様」と呼ばれる。最低2年間の熟成が必要。パルマハムとの相性が抜群。このチーズのホエ(乳清)をパルマの豚の餌にしているため、美味しい生ハムができる。甘味がじわっと広がる感じ。キャンティと一緒に。

ウォッシュタイプ:エポワッス(仏) ブルゴーニュ地方のチーズ。牛乳から作られており、ブルゴーニュのマール(酒)を水や塩水に混ぜたもので洗いながら熟成させる。美食家サヴァランが「チーズの王様」と賞賛。今回のは完熟タイプで独特の強い香りと味が楽しめた。ブルゴーニュワインと合わせると、ワインの味がフルーティで口の中で香りが広がる感じが味わえた。

青カビタイプ:ロックフォール(仏) 生産は南仏広域で熟成はミディ・ピレネー圏ロックフォール・シュル・スールゾン村)。羊乳製で、このロックフォール村の洞窟で最低3ヶ月間熟成させたものだけがロックフォールと呼ばれる。独特の風味が味わえる。今回のは青カビの入り具合が良く、しっかりした感じでうまく塩味がきいている。シャンベルタンやソーテルヌやボルドーの貴腐ワインとの相性が良い。

今回のチーズはミルクの甘味、香り、コクがトータルにバランス良く整っており、完成度が高いので「チーズの王様」・「チーズの女王様」と称されており、どれもクォリティが高く、コクがあり美味でした。また、チーズとジャムの相性がいいので、合わせて食べるとまた違った食べ方を楽しめることを発見しました。特にフレッシュタイプや白かびタイプとの相性が抜群です。