「Agape Store Big Biz宮原木材店危機一髪」観劇レポート
2001.5.20 近鉄小劇場にて
作・演出 後藤ひろひと大王 出演:松尾貴史(健三)、粟根まこと(結城)、八十田勇一(木太郎)、松永玲子(皿袋)、後藤ひろひと(神崎)
まず一言でこの芝居の感想を述べるとすると、もう大満足。4000円で芸達者5人のお芝居に堪能し、うまく練られた台詞に笑い、あっという間の2時間。本当に楽しかったです。
芝居が始まる前の場内アナウンスを松尾貴史ことキッチュが担当。それも色々と物まねをしながらするというサービス満点な場内アナウンス。土井たかこ、橋本龍一という政治家路線やら伊武雅刀やら芸達者やのう。そして「Big Biz」=「Big Business」がスタート。いきなり窓辺にたたずむしがない中年男の木太郎(八十田)。どうやら今日が宮原木材店最後の日で後片付けに来て感傷に浸っているらしい。そこに登場したのはうーーん年齢不詳ちょいと見た目掃除のおばさんサラこと皿袋(松永)。残ったテーブルにシーツをかけるためにやってきたのであった。あまりに感傷に浸る男をからかってやろうと、あっUFO!?と叫ぶと案の定ひっかかる中年男。(笑)男を残して掃除のおばさんは部屋を出て行くのであった。
場面転換
椅子に座って暇そうに雑誌を読んでいる結城(粟根)。そこにやってきたのは調子の良さそうなセールスマン健三(松尾)。どうやら2人は高校の時の同級生だが、にかかわるとろくな事はなかったらしい。本当は東大にいけるはずの実力を持っていたはずなのに、勝手に長崎のシーボルト大(笑)に願書を送られて結局はそこに行ってしまうわ、同窓会の幹事をがすると、2次会は葬儀会場などという大変ふざけた野郎なのであった。だから、こんなところにやってこられては迷惑と友人に偽の脅迫電話をかけてもらって追い出そうと画策するなのであった。そしてわざとらしくがコーヒーを買いに行くと席を外した時にグッドタイミングで電話が...何のためらいもなく電話を取ったは調子よく電話の相手と喋っているのであった。うん、脅迫電話ではないのか?そして戻ってきたに仕事があるからと言って宮原木材店を出て行く。そして机の上に残されたどうも仕事関係のメモを発見して慌てて追いかけて出ていくのであった。
そして奥の部屋から登場したのは宮原木材店に居候している画家の神崎(後藤)。一応勉強のためにヨーロッパを放浪していたので、各国語を操れるらしい。そしてどうやらフランク・シナトラがお気に入りでフランク・シナトラの歌を聞くとどうも気が大きくなるらしい。そしてなぜかしら社長ごっこを一人でするのであった。そんなところに通りかかったのはリストラにあって無職のさえない木太郎。やっと宮原木材店が入っているビルの中にある文房具卸関係の会社の面接にこぎつけたものの散々笑いものにされて傷心の男であったら、懐かしいフランク・シナトラの歌に誘われるように宮原木材店に入ってきてしまったのであった。そしてフランク・シナトラに話を咲かす画家のと中年男。そして画家を社長と思い込んでしまったは意を決して雇って欲しいと頼み込むのであった。そして最初は断る神崎だが、フランク・シナトラの曲の歌詞を引き合いに出され、あげくは社長とおだてられてついに「うん」と言ってしまうのであった。もちろん大喜びの木太郎。社長のために何か飲むものをと外に出ていくのであった。
健三を連れて戻ってきた結城。そして実はこの宮原木材店は税金対策のためのダミーのお店。だから会社とはいえ、なんの仕事もしないのが仕事。仕事を取ってお金が入ってきたらまずいのであった。(笑)そして自分がやらかしたことがばれないように出て行く神崎。そしてまたもや相手から電話が...直接仕事に関して説明をしたいので、宮原木材店までやってくると言う。ここは健三が会社のほかの人間になりすまして、わざとわからないような道案内をするのであった。通常、道に迷えばわざわざ宮原木材店に頼まず他の会社に行くであろうという読みだったのだが...そんなわさわさとしているところに木太郎が戻ってくる。新入社員です、社長に採用されました。取り柄も何もありませんが一生懸命頑張りますと挨拶。社長という言葉が出てきたら、ちょっと?とは思いながらも新入社員と思い込んだ結城なのであった。ただ買って来たコーヒーの数が足りないので、またもや買いに出かける木太郎なのであった。
フランク・シナトラのテープを忘れたために、舞い戻ってきた神崎。そんなところにまたもや電話。今度は直接イタリアの本社のお偉いさんが話したいということで、また調子よく「シーシー、イタリア語できます。」と答える健三。できるわけないやん!そしてここで神崎が活躍!?するのであった。そしてえらく激しい調子でイタリア語を喋り出す神崎。なんと商談を断るはずなのについイタリアにいた時のことを思い出して、商談をして値段を吊り上げたのであった。あちゃーー、これは仕事引きうけざるを得ない状況じゃん。もうクビをくくろうとする結城なのであった。もう、完全に切れております。そして逃げるように出て行く神崎。
そして缶コーヒーを買って戻ってきた木太郎。そして何故かしら登場する謎の浮浪者風おばばこと皿袋。どうやら盗聴機やらのハイテクマシーンを操る謎の女なのであった。そしてこのBig Businessを聞き込んで登場したわけなのであった。そして電話がなりそうになると、どうやら手持ちの機械でぷちっと言った、国際電話がかかってくるぞと教えるのであった。そしてなぜこの商談に乗らない?と他のメンバーをたきつける皿袋。いったい何者なんだ?乗り気になってくる健三と神埼。でも、材木はインターネットで仕入れるからいいとして、どれがいい木材かを見分ける眼力がない。これでビジネスも終りか?と思った時に、木太郎の名前はオヤジが大工だったからつけられた名前。刑務所の看守をしていた時は木工作業の監督官だったというなんとも好都合な話。(笑)あとは結城がGOサインを出すか否かの状態に...やっと、金額の大きさとどんどんと進んで行く商談に腹をくくった結城は別会社を作ってこの商談に乗ってみることに...そしてそうなると戦闘態勢ということでいきなり服も髪型も一瞬にしてチェンジするサラこと皿袋。きゃーー、セクシーダイナマイトじゃん♪そしてお得意のパソを操ってファックスないのに相手からファックス送らせるしの大活躍。あげくには上の文房具問屋の隠し資金をパソを通じていただいてしまうし...本当にお前はいったい何者じゃ!?(笑)そうして、ビジネスは順調に進み、他の仕事までも以来されてしまう結城カンパニー。(笑)そしてなんとUFOみたいな大きな自社ビルを持つまでになったのであった。つまりオープニングはビジネスが成功してのお引越しだったのね。あと、戦闘モードに入らない時はサラは小汚い浮浪者風のカッコなのね。(笑)
感想
5人だけの芝居だけど、それぞれのいい所が本当によく出ていてテンポのいいお芝居で本当によく笑いました。しかし、皆様芸達者ですわ。それに粟根さんはあんなに体を使って最後まで持つの?って心配しましたが、さすがは新感線で鍛えられているだけあってさすがでしたわ。それに松尾さんの声演技も凄い。はは、本当にいい加減な健三にぴったりでした。あと、朴訥鷹揚とした八十田さんも山椒のようにいい味だしていたし、大王って声がいいのね♪そして紅一点の松永さん、はぁよくぞあれだけキャラを立てられたと思います。うーーん、HEROで見たセクハラされておどおどしていたOLとは全然違うし、本当の地っていうのは今回のキャラの方が近いような気もします。とにかく面白い。是非次回も大王の脚本で芝居をやって欲しいです。
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