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日蓮宗 法住山 要傳寺

仏事のはてな?faq

仏事の基本用語を「よくある質問・回答集」形式で紹介するQ&A集。
日蓮宗における仏事のしきたりと心構え、日蓮宗で授ける法号(戒名)の意義、日蓮宗における先祖供養の在り方や塔婆(卒塔婆)の由来などなど素朴な疑問にお答えします。
詳細は下記のタブからアコーディオンを展開してください。

「末期の水」とは?

「まつごのみず」と読みます。
いわゆる死水(しにみず)のことです。これは、死者に対する最後のはなむけとして、故人の口に水を含ませる行為であるといわれております。

「死化粧」とは?

「しにげしょう」と読みます。
ぬるま湯で湯灌(ゆかん)をして遺体を清めたあと、男性は髭を剃り、女性には薄化粧を施します。
この行為は、死出(しで)の旅支度として身だしなみを整える意味があるといわれております。

「死装束」とは

「しにしょうぞく」と読みます。
頭に三角の白頭巾を被せ、経文を書き入れた経帷子(きょうかたびら)を着させる所謂「死装束」は、地獄に堕ちる者であっても浄土に往けると信じられたものです。ほかにも、宗派によって異なりますが、六銭文(三途の川の渡し賃といわれる銭で、今日では印刷されたものがある)や米、血脈(けちみゃく)などを入れた頭陀袋(ずだぶくろ)を首にかけ、手っ甲・脚絆をつけ、白足袋・草履をはかせ、杖を傍らに置いて、旅支度を整えます。また両手は胸の上で合掌させ、数珠をもたせます。

「北枕」とは?

「きたまくら」と読みます。
故人の枕の向きを北側(あるいは北に近い方角)に向けて寝かせることです。北枕に向きを直すことを「枕直し」とも言います。
釈迦の入滅(にゅうめつ)の相(そう)が「頭面北(ずめんほく)西右脇臥(さいうきょうが)」すなわち、頭を北にして右脇を下にし、顔を西に向けていたことに由来します。
日本では、北枕を忌み嫌う風習がありますが、風水学でも言われるように、人間の体内に流れる磁場が地球の南北に流れる磁場と一致する北枕こそが、人間に頭寒足熱の安眠と快眠を約束する最良の睡眠方法とされます。つまり、釈迦はこの上なく最適な寝相で涅槃に入ったことになります。

「枕飾」とは?

「まくらかざり」と読みます。
故人の枕辺に飾る荘厳のことで、小机に白布をかけて、香炉(線香立て)、燭台(蝋燭立て)、花瓶(花立て)、浄水、一膳飯、枕団子(六道団子)などを供える行為をさします。
これは、仏教でいう「六種供養(ろくしゅくよう)」にもとづいているといわれ、六種供養は、布施(ふせ)・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)の六度(六波羅蜜)をそれぞれ表しているといいます。

「枕経」とは?

「まくらぎょう」と読みます。
故人の枕辺で読む読経です。
死装束が整ったら、病院などから自宅に遺体を搬送し(自宅で息を引き取った場合は自宅にて)、菩提寺(ぼだいじ)の僧侶に枕経(まくらぎょう)を読んでもらい、その後、棺に納めます(納棺)。

「通夜」とは?

「つや」と読みます。
夜を徹して故人を偲び、霊を慰める法要のことで、悪霊や魔物から死者を守るために、一晩中、火を灯して過ごしたのが通夜の起こりといわれます。
最近では、通夜の時間も「半通夜」といって夜の六・七時に始まり、数時間で終わることが一般的となっております。
なお、通夜に参列することを弔問(ちょうもん)といいます。

「葬儀」とは

「そうぎ」と読みます。
故人の精霊(しょうりょう)を仏の住む浄土へ送る儀式をさします。葬儀式から告別式・荼毘式までの一連の流れを言うこともあります。
葬儀とは、二度とこの世に帰ってくることのない死者との永遠の別れをつかさどる最後の儀式であると同時に、死者に対する尊敬と畏敬の念を調和させて死者の霊をすみやかに安らかなる浄土へと送る儀式でもあります。
なお、葬儀に参列することを会葬(かいそう)といいます。

「告別」とは?

「こくべつ」と読みます。
葬儀が終わると棺が祭壇からおろされ、火葬場へ向かう出棺までの間に、故人との最後の別れが行われ、これを告別といいますます。
身内の者から祭壇に供えられた花を棺へ納め(別れ花)、最後の対面が終わったら、棺のふたを閉めて、喪主を筆頭に血縁の濃い者から順に、専用の石で釘打ち(別れ釘)をします。
釘打ちに石を使うのは、古来より石には死者の霊を守る力があると信じられてきたことに由来します。

「荼毘」とは?

「だび」と読みます。
葬送の一種で、火葬のことです。
釈迦は死後、荼毘にふされましたが、即身仏(そくしんぶつ)を除いて、古来より、僧侶(出家)は多く荼毘にふされてきました。
在家(ざいけ)の場合、日本では古くは土葬が一般的で、近代になって衛生上の問題から火葬が普及しました。

「骨上げ」とは?

「こつあげ」と読みます。
収骨(しゅうこつ)とも言います。
火葬(荼毘)のあと故人の遺骨を拾い上げることです。
骨上げでは、二人一組となって遺骨を二膳の橋で挟んで骨壺に納めますが、この理由ははっきりしていません。一説にはこの箸わたしが、三途の川の橋渡しに通ずると言われており、故人が三途の川を無事に渡れるようにとの祈りがこめられた所作であると考えられております。
なお、仏が合掌している姿に似ているといわれる喉仏(のどぼとけ)の骨は、故人に最も血縁の近い人(たいていは喪主)が拾い上げることになっております。

「初七日」とは?

「しょなのか」と読みます。
人が亡くなって四十九日間(七七日)を中陰(ちゅういん)と呼びます。これは、六道(ろくどう)の衆生(しゅじょう)が、受胎した瞬間の「生有(しょうう)」、生きている間の「本有(ほんぬ)」、死の瞬間の「死有(しう)」、転生するまでの間の「中有(ちゅうう)・中陰(ちゅういん)」という四段階を経ると考えられたもののひとつです。
死後四十九日の間、自宅では、中陰壇を準備し、三宝(または本尊)・位牌・遺骨・遺影・香華灯燭(こうけとうしょく)の三具足(みつぐそく)・仏飯(ぶっぱん)を供えて供養します。
中陰の供養は、七日ごとに四十九日まで続けられ、その最初の七日目が初七日です。

「四十九日」とは?

「しじゅうくにち」と読みます。また「七七日(しちしちにち)」「尽七日(じんしちにち)」ともいいます。
中陰(ちゅういん)期間中で最も重視されます。それは、故人の転生(てんしょう)する先が決定するといわれる日だからです。
四十九日までの間に充分な供養を行えば、生前に成仏できなかった故人でさえも必ず成仏すると信じられてきたところから、ひとつの締めくくりとして営まれてきました。
尽七日(満中陰、忌明け、精進明け)にあたる四十九日忌には、親族や近親者を呼んで法要を営み(たいていは埋葬(埋骨・納骨)を併せて行うのが一般的です)、白木の位牌は菩提寺に納め、戒名を刻んだ塗りの本位牌は開眼供養を行った上で、自宅の仏壇に安置します。

「百箇日忌」とは?

「ひゃっかにちき」と読みます。
故人が他界して百日目の供養で、故人を失った悲しみを卒業する日という意味で、卒哭忌(そっこくき)とも呼びます。
四十九日目の転生で仮に故人が三悪道(地獄道・餓鬼道・畜生道)に堕ちたとしても、百日目に再び審判があると信じられてきたところから、更なる追善供養によってこれが実現することを祈念する仏事です。

「祥月命日」とは?

「しょうつきめいにち」と読みます。
故人が亡くなったのと同じ月日にあたる正当日(しょうとうび)のことで、年に一回訪れます。
この日は、家族そろって墓参をしたり、親族を集めて法要を営んだりします。
なお、毎月おとずれる命日と同じ日を、月命日(つきめいにち)・月忌(がっき)といいます。

「年回法要」とは?

「ねんかいほうよう」と読みます。祥月命日の度に行う法要で、年忌(ねんき)法要とも呼びます。
死後の翌年に営む「一周忌」から始まり、死後から数えて三回目の忌日(二周年目)に営む「三回忌」、以後、七、十三、十七、二十三、二十七、三十三、三十七、四十三、四十七、五十回忌と続きます。
地方によっては二十一、二十五、三十回忌を営む場合もあります。三十三回忌を「弔い上げ」などといって、より盛大に行う地方もあります。
また、五十回忌以降は遠忌(おんき)となります。

「香典」とは?

「こうでん」と読みます。
香典は、通夜式・葬儀式・告別式のいずれに持参してもよいといわれます。
不祝儀(ぶしゅうぎ)の熨斗袋(のしぶくろ)の水引(みずひき)の上に「御霊前」と書けば、仏式・神式・キリスト教式のいずれでも通用します。
仏式の場合は、「御霊前」のほかに「御仏前」「御香典」「御香資」等と書くこともあります。また、通夜・葬儀には「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」と使い分ける場合もあります。
水引の下には施主の名を書き添えます。連名の場合は、原則として中央の施主名より左側に連ねます。

「焼香」とは?

「しょうこう」と読みます。
香を焚(た)くことです。
仏教では、五種供養・六種供養のひとつで、法要等で修した功徳を法界(ほうかい)の一切処(いっさいしょ)に周遍(しゅうへん)させるために行います。
僧侶、喪主、遺族、親族の順で行います。通夜の場合は、葬儀委員長が喪主より先に焼香に立つ場合もあります。
焼香は三■(さんちゅう)といって、仏・法・僧の三宝に対して一回ずつ合計三回焚くのが普通ですが、焼香者が多い場合は、一■で済ませる場合もあります。
*■は、「火」扁に主」

「死亡届」とは?

「しぼうとどけ」と読みます。
死亡届は、日本国では、死亡した日から数えて七日以内に、死亡した場所、死亡者の本籍地、届出人の現住所いのずれかの市区町村役場に提出します。
七日以内とは言え、これがないと火葬許可証(かそうきょかしょう)が交付されませんので、実際には死亡後すぐに提出しなければなりません。
死亡届に添えて死体火葬許可証交付申請書を提出しておくと、火葬許可証が交付されます。荼毘の際にこれを火葬場に持参すると、火葬日時が記入され、これが埋葬許可証(まいそうきょかしょう)となります。
埋葬許可証は、火葬後、骨壺(こつつぼ)と一緒に手渡されますので、墓地に埋葬する時まで紛失しないよう厳重に保管してください。再発行はされませんので、万一紛失した場合は警察で紛失証明書を発行してもらう必要があります。

「喪主」とは?

「もしゅ」と読みます。
通夜式・葬儀式・告別式・荼毘式の一連の法要の際には、喪主を定めます。埋葬式をする四十九日より後は、喪主が仏事をあずかる施主(せしゅ)になります。
喪主は、夫婦の一方が死亡した場合は残された配偶者が、配偶者がすでに死亡している場合や老齢の場合は子供(長子)が、子供が死亡した場合は親がなります。
幼い子供が喪主になる場合は後見人(こうけんにん)をつけます。

「世話人」とは?

「せわにん」と読みます。
通夜式・葬儀式・告別式・荼毘式の一連の法要の際に、喪主の補佐として葬儀の準備・進行を世話する人物をいいます。
人選は、親戚・友人・知人・職場や町内会の人に依頼します。その中から故人や喪家の事情に詳しい人物(町会長など)に、世話人役代表あるいは葬儀委員長(そうぎいいんちょう)となってもらいます。ほかに、受付係、会計係(可能な限り近親者より選定)、文書係、接待係などを適宜依頼します。

「回向」とは

「えこう」と読み、「廻向」とも書きます。
自分が修した善根功徳(ぜんごんくどく)を巡り転じて、自他(じた)ともに仏の悟りが得られるよう期することを言います。
たとえば祖先や故人の追善供養(ついぜんくよう)を修した場合、その功徳が法界(ほうかい)を周り巡って故人に届くと考えるわけです。そればかりでなく、その功徳は、いずれ必ず自身の身にかえってくるのです。

「追善」とは?

「ついぜん」と読みます。
追福修善(ついふくしゅぜん)・追福作善(ついふくさぜん)の略です。
本来は、死者の冥福を祈る為に善事(ぜんじ)を追修(ついしゅ)する意がありました。すなわち、祖先や故人の菩提(悟り)を増長するために、現世に残された者たちが、故精霊(こしょりょう)に対して、追って善根(ぜんごん)を積むこと、つまり善い行いを修することをいいます。
今日では、死者の冥福を祈って仏事を営み供養することの意で用いられる場合が多いようです。

「引導」とは?

「いんどう」と読みます。
迷える人を導いて仏の教えに入らしめることをいいます。
これが、葬儀にあたって、導師(菩提寺の住職などの僧尼)が死者に対して人生の無常を説き、迷いの世界から悟りの世界に入る心構えを説き聞かせるものという意味に用いられるようになりました。
なお、引導文(いんどうもん)は、在家(檀徒・信徒など)の故人に対して読み聞かせる文をいいます。遷化(せんげ)した出家者(僧尼など)に対しては、歎徳文(たんどくぶん)という文章を読み上げます。

「戒名」とは?

「かいみょう」と読みます。法号((ほうごう)ともいいます。
本来、戒名とは、仏弟子となったことの証の名です。キリスト教徒が洗礼によってクリスチャンネームをもらうのと似ています。仏教では「受戒」といい、このとき授けられるのが仏教徒としての名前である「戒名」です。
鎌倉・室町時代以降、僧侶が葬式を司るようになると、死後に戒名をつける風習(没後作僧)が一般的になりましたが、本来は、仏門に身を投じる際に、つまり生前に授けられるべきものなのです。これを今日では「没後作僧」に対して「生前戒名」とか「逆修」とかいいますが、もともと受戒とは生前戒名のことなのです。
日蓮宗でも生前戒名をおつけしております。生前戒名をお望みであれば、各菩提寺に相談されてみてください。

「塔婆」とは?

「とうば」と読み、卒塔婆(そとうば)とも言います。
起源は、釈迦の舎利や荼毘灰を納めた塔(ストゥーパ)を起てて、釈迦に対して報恩謝徳したことに由来します。
日本では、塔婆は祖霊菩提の報恩または供養のために立て、角塔婆・板塔婆・経木塔婆・生木塔婆等があります。
角塔婆は祖師の遠忌・開堂入仏等の特殊法要に用い、板塔婆は角塔を簡略にしたもので報恩または追善のために用い、経木塔婆(水塔婆)は川施餓鬼に用い、また二十三回忌あるいは五十回忌の時に生木塔婆といって杉など葉のついた生木の塔婆を立てるところもあります。
塔婆が、主に日蓮系教団で用いられるのは、法華経を中心とした教義と深い関わりがあります。

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