2 病態
病態はワンマン経営者およびその従業員および組織に見られる特徴で、以下のようなものが観察されます。
A)ワンマン経営者に見られる特徴
・根拠の無い自信に満ちている。
・社員にルールを守らせるが自分は守らない。
・社員の過失は責めるが自分の過ちは認めない。
・会議や待ち合わせにわざと遅れてくる。
・すべてにおいて自分が一番でないと気が済まない。
・勝手に決め付けて、思い込んだら考えが変わらない。
・うまく行かないと社員を恫喝・罵倒する。
・イエスマンを好んで重用する。
・耳の痛い忠告には激怒するが、おだてると喜ぶ。
・機嫌の悪い時は何を話しても否定する。
・常に自分が従業員より優れていなければ気が済まない。
・業務指示はすべて口頭ですませる(証拠となる文書は残さない)。
・言っていることがしょっちゅう変わる。
・会議の基本は吊るし上げである。
B)社員に見られる特徴
以下の特徴がすべての社員に同時に現れるわけではないが、その社員の置かれている状況により一つないしは複数の特徴が様々な程度で組み合わさって現れる。
・表情は暗く神経質、または逆に諦観した脱力感が漂う。
・常に命令されているので、指示待ち人間になり、自発性が低下する。
・仕入先や業者などに必要以上に厳しく接したり、責めたり、威張る。
・顧客の価値観ではなく、社長の価値感が判断基準となる。
・失敗のリスクを恐れ、提案やチャレンジをしなくなる。
・問題を隠したがる。隠蔽体質となる。
・モチベーションが低下し、社員の定着率は極めて悪くなる。
・モラルが低下し、会社の金品を平気で横領するようになる。
・責任感が欠落し、他の社員に業務や責任を押し付けるようになる。
・社長を避けるようになる。
・また逆にこれ幸いと社長に擦り寄る者もあらわれる。
・影で会社を批判する社員が増える。
C)組織に見られる特徴
・風通しが悪く、情報や意見交換のない組織になる。
・ストレスの矛先を仲間内に求め、部門間でのいがみ合いが発生する。
・有能な社員ほど早期に退職し、しがみつき社員だけの組織となる。
・社員が次々に辞めるため組織にノウハウが蓄積されない。
・同じ過ちを繰り返す。
・システムではなく属人的なその場の判断で業務が遂行される。
・人事や処遇が社長個人の好き嫌いで行なわれる。
・イエスマン社員が管理職として跋扈する。
・総じて組織力が低いまま成長できない。
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