北芸州鉄道
− きたげいしゅうてつどう ー
約20年前、私は或る軽便鉄道のオーナーでした。
当時は毎月のように9ミリナローの新製品が出回り、
ナローを知らない人でも鉄道模型雑誌の製品の紹介等で
刺激を受けた人は多かったと思います。
私の場合は身近に「尾小屋鉄道」が走っていたので、
実在する軽便鉄道に触れることもでき、軽便鉄道への想いは加速して
膨れ上がり、いつしか車輌を作るようになりレイアウトへと発展したのです。
車輌が集まり、レイアウトを手がけ、それから鉄道名を決めたように記憶します。
ここでは現存する車輌と写真から当時を語ってみたいと思います。
1.北芸州鉄道の車輌たち
Cタンク(トミーCタンク改造)
トミーのCタンクをベースに、ボールドウィンタイプの煙突と
自作したキャブを取り付けて軽便車輌に変身させました。
なお前面側の連結器が行方不明中になっています。
機関車が乗っている転車台は軽便車輌用のもので、
当時、レイアウトに組み込んでいました。この転車台は手動ハンドルでキコキコと
回転させ、いかにも軽便鉄道っぽいアイテムです。レイアウトを解体した時に
単に値段が高かったからという理由だけで取り外し、現存しています。
Bタイプディーゼルロコ(乗工社)
加藤タイプのディーゼルロコをそのまま組み立てました。
動力部の組立を失敗したためまともにレール上を走ったことのない、
悲運の機関車です。
ガソリンカー ナンバー1(トミーED75ベース)
当時のナロー鉄道のオーナーの多くがトミー製車輌をベースにして
ナロー車輌を生み出したように、当鉄道の主力車輌のほとんどがトミー製の心臓部を
流用しています。この車輌も上回りはケント紙の自作、下回りは香港製ED75を
多少改造して仕上げています。車体の色は尾小屋鉄道の影響を
受けているから赤とクリームにしたのかもしれません。
ガソリンカー ナンバー2(トミー???ベース)
ベースは多分トミー製レールバスでしょう。
ボディは透明プラ板で自作しています。
この車輌は単端式(たんたんしき)のため片側にしか運転席がありません。
軽便鉄道に手を出した理由のひとつに「たんたん」を走らせたかった
ことが頭にありました。しかし「たんたん」は写真でしか見たことがないので
作るにあたってのデザイン決定までには悩んだと思います。
私が最も恋いこがれていたのが「日車型」でしたが、デザインが複雑なため
作りやすいこんな形になったのだと思います。
有蓋車(自作)
Nゲージのボギィ台車にケント紙から自作したボディを被せています。
この車輌で最も費用のかかっているのはロストワックス製の連結器です。
ラッセル車(自作)
この車輌もボディはケント紙からの自作です。
当時の模型誌の写真から寸法を割り出して作りました。
運材台車となべとろ(サンゴ、乗工社)
鉄道が存在する背景と全く関係なく、軽便鉄道の風景に置いておきたい車輌
ということで買いました。運材台車は森林鉄道において何十両となくては
サマにならないものなのですが、当鉄道では12両しか所有していません。
当鉄道の存在理由も定かではないですが・・・
2.北芸州鉄道のレイアウト
森の中の駅、戸河内駅の風景
駅構内に片隅に留置されているラッセル車とCタンク
小さな転車台で向きを変えるCタンク
単端型ガソリンカーの入線
駅構内のレール配置は、尾小屋鉄道尾小屋駅をアレンジしました。
木橋を渡り、丘を下るガソリンカー