1999年春のゲームショーの視察報告

 

 1997年の秋から、ゲームショーは、ゾイドファンがゾイドがまだ生き続けていることを感じ直す唯一のイベントになっている。なぜ、ホビーのはずのゾイドがゲームというメディアの中のイベントに参加しているかは現在も疑問の残るままである。現在、トミーの開いているオフィシャルホームページを運営しているのが、TD2というトミーのCG開発部署であり、そこで行われているゾイドCG化計画の一環としての一般公開であるため、部署の出展しやすいゲームショーが発表の場となっているととらえなければならない。

 

 今回のゲームショーでは、ゾイドの最新CGが発表されることになっていた。前回98秋のゲームショー同様、25面マルチスクリーンにおいて発表された新作CGは、前回98秋のゲームショーで発表された「ZOIDS WARS」の各シーンをコラージュし、そこにわざと画像を荒くしたり文字を重ねたり、プロモーションムービーの要素の強いモノに仕上がっていた。そして、その前置きにおいて、ガイナックスと手を組んだプロジェクトが進んでいると説明されているのである。ほんの一瞬、バトルローバー戦士の格好をしていると思われる人物のアップが登場する。キャラクターを設定した上での、何らかのプロジェクトの進行であることが予想される、期待させるムービーであった反面、より大きく一歩を進めたというほど、新しいムービーではなかったのは、意図を読みかねる展開でもある。

 メインブースの一角には、恒例の半地下式の基地のディオラマベースが展開していた。今回ここに並んだのは、キングライガー、バトルグーガー、デスキャット、ゴッドカイザーなど、新世紀以降のゾイドがメインとなっていた。ZOIDS2番のIronKong、ツインホーン、シュトルヒ、スネークスが並んでいたが、ゲームショーにおいてはもっとも地味なディオラマ展開であったのは、否定できないかも知れない。

 物販ブースでは、CGからのサラマンダーとサーベルタイガーのテレホンカード、アイアンコング、マッドサンダーのピンズが売られていた。過去2回連続してゾイド本体の販売があった事を考えるとパワーダウンなのは否めないが、新しいグッズを展開していることを足がかりに、本体の発売にまでこぎつけて欲しいモノである。

 

 今回のゲームショーの出展は、オフィシャルで前持った準備の上での告知が無く、ファンは、トイキングダムで発表されるトミーとしての出展の仕方、またCESA他、ゲームショーの開催内容と出展企業の出展内容の紹介を行っているところなど、オフィシャル以外のところでしか、その内容を知ることができなかった。それを反映してか、過去3回と比較してかなり地味な展開であった事は否定できない。トミー内部において、準備は着々と進んでいるのかも知れないが、その進展は我々ファンが目に見える形ではない。今回も、「詳しいことはオフィシャルで・・・・」とあったが、そのオフィシャルが更新されないのでは、つかみどころがなさすぎるとしかいいようがない。各種誌上において、展開されはじめようとしている中、逆に沈黙しているのがオフィシャル、というのではファンとしては心細い限りである。

 

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