ロボットステーション2002

 

 2002年の夏休みイベントの一つとして、全国4都市で開催されたロボットステーション2002は、ロボットおもちゃの博物館の様相を呈していた。

 ロボットステーションの主旨は、一言で言えばロボットの歴史の紹介である。ここで言うロボットとは、人間の命令にしたがってのみ動く産業用ロボットではなく、「単体で意志を持って自ら動き、人が親しみやすい形状をしている機械」という意味でのロボット、ととらえるべきであると思われる。もちろん、SFではあるまい、既に意志を持って自ら動くロボットが存在していたわけではなく、そのおもちゃのコンセプトであるとか、デザインから判断して、ここで言うロボットと認められたモノから紹介されていた。その為、ここで紹介されたロボットおもちゃは、一部に展示はされていたが、変形合体系のロボットおもちゃよりも、単体のロボットおもちゃが大部分であった。

 その中で、ゾイドは、動くおもちゃであり、単に歩くだけではなく、更なる動きが加わっていたことから、ロボットステーションでも紹介されるに価するロボットとして、加わっていた。

 

 入口すぐにあったのは、「学天則」。ここにあったのは、実物ではなく、1/2のレプリカモデルであり駆動機構は内蔵されていない。

 知る限りの「学天則」の話をすると、「学天則」は、西村真琴によって作られた、日本初のロボットである。学天則は、天則に学ぶとして、自然の法則を出来る限り再現し、人間らしいスムーズな動きを表現することを目的としていた。このため、これまで作られてきた多くのロボットが、ギアやクランクなどの機構を利用して、動きを再現していたのに対して、学天則は、空気の圧力でピストンを動かすことで、人間の筋肉の伸び縮みを再現し、それを腕の動きとして再現させていたのである。学天則の顔は、ある特定の人種の顔ではなく、欧米人、アジア人、アフリカ人など、あらゆる人種から、それぞれのパーツ(目鼻口耳を別々に)を組み合わせてデザインされている。

 学天則が、それまでのロボットと異なっていたのは、当時の多くのロボット(主に欧米のロボット)が、何かの役に立つとか何かの仕事をこなすことを目的に作られていたわけではないことである。学天則は、左手に持った明かりがともると、右手が動いて字を書くようなしぐさをし、最後ににっこり笑う、と言う動きをしていたそうである。

 

 紹介されていたロボットの中から、旧シリーズと同時期、つまり1980年代のロボットのコーナーをピックアップしてみることにする。

 上段左から、トミー製アームトロン。産業用ロボットの動きを、ギアの連結を組み換えることで表現したおもちゃ。タイムトライアル機能があり、時間内に何らかの作業を行う、というゲームが出来るようになっている。

 バンダイ製ロボテック。ゴルフやテニスなど、スポーツの動きを再現する事を目指した、組立式のリモコンロボットのシリーズ。

 トミー製オムニボット2000。オムニボットシリーズの最高峰。腕を操作してモノをつかんだりすることが出来る。

 トミー製YU-ZO。声を記憶して、伝言を人に伝える事が可能なラジコンロボット。ただし伝言は10数秒しか記憶できず、再生も1回しかできない。

 トミー製オム。オムニボットシリーズの一つ。通常のオムニボットと機能は大きく変わらない。

 下段左から、バンダイ製RKのロボット型と恐竜型。内部のジャイロを回転させ、2足歩行を再現させていた。ロボット型に2つの周波数。恐竜型に2つの周波数。合計4台を同時に動かしてサッカーをすることも可能であった。

 バンダイ製マイルドロボ。おそらくセンサーロボ。センサーロボは、大きい方のロボットの裏側の左右にライントレーサーを内蔵している。なお、丸い方のロボットは単なる小物入れである。

 トミー製ソル。SF世紀レンズマンのキャラクターおもちゃでありラジコンおもちゃ。スイッチを入れると、モーターが後方に動くように逆回転する。すると、ステアリングが反応して、その場でグルグル後ろまわりをする。途中で送信機のボタンを押すとモーターが正回転をすることでステアリングが反応して直進すると言う動きをするロボット。ほぼ同時期バンダイからも同様の機能を持つラジコンロボットが発売されていた。

 ここで紹介されているいくつかのロボットについては、相互リンク先であるcyber omnibot cafeで詳しく解説されています。

 

 ゾイドは、現行おもちゃとしての扱いであったらしく、年代別のロボットの展示の中には加えられていなかった。そうした年代別に展示されていたロボットを、一通り見終えたあとに紹介されていたのが、ゾイドのパネル展示であった。

 紹介されていたのは、ゾイドのパッケージの画像とCAD画像であった。

 

 CAD画像は、どうしても線が幾重にもなってしまったために、見づらくなってしまっていた部分もあったが、ゾイドの開発手順の一部を垣間みることが出来るような、とても興味深い展示であった。

 

 ゾイド本体は、新旧シリーズから数体が展示されていた。

 CAD画像のパネルの前におかれたライガーゼロ。最も見やすい形で展示してあったゾイドは、この1対しかなかったのは残念である。

 他のゾイドは、他のロボットおもちゃ、主にバンダイとタカラのキャラクターおもちゃ賭してのロボットが集められていたスペースの中に、新旧入り交じって展示されていた。

 キャノン砲のない旧シリーズ・ゴジュラスMk-2量産型を筆頭に、残りは新シリーズのガンブラスター、レイノス、バリゲーター、ゴドス、コマンドウルフ、ハンマーヘッド、シールドライガーDCSJ、ブレードライガー。

 旧シリーズ・デスザウラーを筆頭に、新シリーズから、セイバータイガー、クリア・レッドホーン、レドラーである。

 さて、右のモザイク画像は、本イベントでは、全くの予想外の展示物であったが、考えてみれば納得の展示であった。この配色だけで、これが何かわかるでしょうか?  

 

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