新製品

 

 ホビーフェアで一番の話題となる新背品をあげるとなると、やはり、新たに始まったアニメの主役機も兼ねるライガーゼロであろう。2000年10月の「大ゾイド展」で発売が計画されていることが一部紹介され、開発者トークショーの中で、ドクターTからも本ホビーフェアで先行販売したいと計画が紹介された機体である。

 ドクターTいわく、ライガーゼロの名前の由来は、「ゾイドの原点に帰る」から来ているとのこと。ライガーゼロは、素体とアーマーパーツという構造になっており、確かに、旧シリーズ初期のゼンマイゾイドのように、歩くための素体と装飾パーツ、という組み合わせで、パーツを組み替えれば自分の好きな機体に出来るという、より改造遊びを誘発することを目指したモノであることがうかがえる。

 こうした、改造を念頭においた設計になっていることを考えると、ゾイド復活から1年を経た「大ゾイド展」出始めて紹介されたこともあり、ゾイドファンの動向を見た上で設計された機体にのように思えるが、実はライガーゼロは、かなり古いデザインだそうである。もともとは、1999年8月のゾイド復活に向けて、ゾイド復活第一弾のラインナップに載せる機体として設計開発がされてきたモノだそうで、その意味では、ジェノザウラーよりも以前にデザインがまとまっていた機体だそうである。デザインがまとまっていたと言っても、当初から素体とアーマーパーツという構造まで決まっていたかは定かではない。尚ライガーゼロには、専用カスタマイズパーツとして、正確には専用アーマーパーツ、として、シュナイダーユニット、イエーガーユニットの発売も既に決定している。

 ライガーゼロは2001年2月24日発売となる。

 復活組は、この月末に発売となる、レイノスとウオディック。ホビーフェアの会場では、ライガーゼロとともに先行販売されていた機体である。いずれも成形色は変更され、ウオディックは現行新シリーズの流れをくんだものとなり、レイノスは新たな試みを行っていると思われる。ライガーゼロと同日発売となるのが、コマンドウルフAC。新たなコマンドウルフのバリエーション。新たなアニメではレギュラーキャラクターの愛機として登場し、公式設定では、共和国軍のとある部隊の機体という、かなりミリタリー模型を意識した設定となっている。おもちゃ的には、従来のコマンドウルフに、新シリーズになってからのカスタマイズパーツ、アタックブースターユニットを同梱したモノである。従来、これらを別に買うと、800円+300円の合計1100円だったものが、1000円で手に入るのは、リーズナブルな選択である。それにしても、新シリーズは、限定販売やゲームとの同梱も含め、コマンドウルフのバリエーションはいくつめであろうか。

 2001年3月下旬発売の機体は、スピノサパーとザバット。いずれも新シリーズ新製品であり、同時にそれぞれの期待の専用カスタマイズパーツも発売となる。

 そして旧シリーズファンが待ち望んでいるのが、サラマンダーの再販である。今回の再販は、完全復刻を目指してのモノだそうで、これまでの再販組みとは、趣を事にする機体となる。小学館のコミックGOTTAのゾイド復活マラソンの堂々1位に輝いた機体であることから、記念の意味も含めてのファンサービスの一環であると思われる。せっかく完全復刻を目指すのだから、成形色、パッケージ、デカール、パイロット、いずれも旧シリーズをそのまま焼いたモノにすることで、トミーの意気込みを感じたいところである。

 

 この春の新製品として、少し注目をしておかなければならないのが、1/72以外の商品群である。ゾイドは、1/72スケールの動くおもちゃ、というのが当たり前だったが、ゾイド復活以降、より多角的なファン層の取り込みを目指してだろう、ソフビ、ミニコレクション、カードゲームなど、旧シリーズにはない商品構成を見せている。

 そして、その表れの一つなのか、ゾイドの弱点を取り除こうと企画されたであろう商品が発売される。それが、原点に帰るゾイドとして発売されるライガーゼロのスケールダウン版として、パワーユニットは持たないながらも躍動感あるポージングを可能にする、「可動王・ライガーゼロ」である。本体のライガーゼロ同様、アーマーパーツの取り外しは可能となっており、デザイン上は大きな違いを意識することはないであろう。型式番号として、「KZ-01」が与えられるなど、コレクション性もかなり意識されているのではないかと思われる。唯一気になるのが、価格である。旧シリーズにおいても、同様のコンセプトを持ってであろうか、ジュニアゾイドが発売されていた。これは本体よりもかなりの低価格で提供され、本体を入手できない場合の妥協案になり得た。しかし、「可動王」では、本体よりも高い価格に設定されており、本体の妥協案ではなく、それを買うという意識で買わざるを得ない設定であると見るべきであろう。これにより、ゾイドとは、ゼンマイやモーターを使ってリアルに動く動物型ロボットのおもちゃ、という定義から、機械生物と設定された動物型戦闘ロボットのおもちゃ、という風に定義が変わっていくのであろうか、考えさせられる展開である。また、同時に、トミー本体がフル可動ゾイドを出すことで、改造コンテストへの出展にポージング優先機が増えるのか減るのか、また、その評価がどうなるか、気になるところである。結果的に、連動ギミック改造に光りが当てられるようになれば良いのであるが・・・・・

 もう一つ注目しておくべきは、ゾイドコレクションDXと銘打って発売される、ホエールキングとホバーカーゴの二つのゾイドキャリアーである。ホエールキングは、アニメに何度となく登場している帝国軍のクジラ型ゾイド母艦である。コロコロコミック誌上には、ゾイドコレクションに合わせたスケールで発売されると事前に紹介されていたが、実物を見て、その大きさだけでも魅せられる機体であった。ホバーカーゴは、2001年からのアニメ「ゾイド/0」では既に登場済、コロコロコミック誌上のバトルストーリーでは、おそらく共和国軍の次期戦略輸送機(?)と期待されている大型ゾイドである。いずれも1/72スケールでは出来ない、プレイセット的要素を織り込もうとした意欲作である。

 こうした1/72スケールでは出来ない事を可能にする商品展開がされるの事に対して、その試みは評価したいとは思うが、やはり本体あってのゾイド、1/72スケールの本流をしっかりさたうえでの展開であることを期待したい。

 

 

戻るback