改造セットNo.1

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Remodel set No.1

共和国

型式番号

RCZ-01

シリーズ

580・780

タイプ

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発売

1984年3月〜1987年9月

全長

-

定価

280円

全高

-

オペレーション

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全幅

-

ライト点灯

-

重量

-

使用電池

-

最大速度

-

部品点数

15(ビークル含む)

乗員

1名(フィギュアは同梱されていません)

ゴムキャップ

-

搭載ビークル

主成形色

ダークグレー

主要目的

重装化

キャッチフレーズ

ゼンマイシリーズに共有するオプションパーツ。あなたのゾイドをさらに重装甲に改造できます。(1984年2月現在のカタログのみ掲載)

ギミック

改造パーツは、マイクロゼンマイ仕様のすべてのゾイドに取り付けることができます。

その他

スカイバギーが含まれているので、ビークル有りとしました。

装備

装備名

搭載数

特徴

装甲板

1

レーダー

1

単魚雷

2

タンク

1

球状タンク4個一組のモノが1セット

機銃架

1

アタッチメント

1

火炎砲

1

40mm砲

1

20mm砲

1

20mm対空砲

1

2連装砲

過給器

1

重機関銃

1

銃座

1

スカイバギー

1

特徴

-

掲載バトルストーリー

「ゾイドストーリー」

時代は地球人類が太陽系進出を果たして、恒星間飛行を目指す大航海時代に入った頃・・・・・太陽系の全く正反対の位置に、太陽系とそっくりなゾイドゾーンが発見された。惑星ゾイドは地球によく似た大気を持ち、金属鉱脈の露出が多い星だ。そのため、金属イオン濃度の高い海に誕生した生命は、色々な進化を経て、爬虫類型、昆虫型の金属細胞を持つ生物となった。金属生命体「ゾイド」の出現である。また一方では、進化の途中で枝分かれし、独自の発展の末、知的生命体である「ゾイド星人」も誕生した。

後にゾイド星人は、共和国側、帝国側に二分され勢力争いが始まった。そして両陣営は、ゾイドを主要武器である戦闘獣へと改造していった。そして今、飛来した地球人の手により、ゾイドは更に改良され戦闘能力も強化されて、注目の「メカ生体・ゾイド」となっていったのである。


 重装甲スペシャルゾイド登場とほぼ同時期に発売されはじめた改造セット。重装甲スペシャルとは、専用の改造パーツを含んで発売されていたためにつけられるようになったシリーズの呼称である。その意味では、共和国軍580ゾイドシリーズに、改造セットNo.1を装備すれば、理論的には重装甲スペシャルになることになる。実際、キャッチフレーズにも、「重装甲に改造できます」とあるので、あながち間違いではないであろう。しかし、装甲とは、いわゆる防弾、耐弾など防御側のことばであるが、装備ばかりのセットなので、本来は「重装備に改造できます」が正解ではないだろうか?

 

 パッケージ表面の、ハイドッカーとグランチュラの改造例は、ハイドッカー、グランチュラ本体のパッケージ裏面に掲載されている改造のように、他のプラモデル部品を用いた大幅改造よりもシンプルなものとなっている。改造セットNo.1を装備した上で、色を塗り替えただけの誰もができそうな範囲内に押さえられた改造となっている。

 よくよく考えると、初期のゾイドの改造例には、シルバー系を含んだ色使いのモノが多い。発売された84年といえば、まだまだ最初のガンプラブームの余韻もさめやらぬころである。当時、ガンプラをやる上ですすめられていた塗装方法が、金属の質感を演出するためにペンキが剥げたように見せかけるメタリックカラーのドライブラシである。もちろん、ガンプラ以前のミリタリー模型では多用されていた方法であろうが、ミリタリー模型をやらない人間にとっては、とても新鮮な方法に感じたという話を耳にする。ゾイドも金属細胞を持つ生物、と定義されているので、それを演出するには、もってこいの方法であったと思われる。

 

 15点の部品は、ランナー2枚で納められている、大きさからしてもゼンマイゾイドにしか用いることはできない、というよりも、大型ゾイドではあまりに小さすぎて目立たないという言い方が良いと思われる。

 フィギュアセットにもビークルがセットされているが、この改造セットNo.1にもスカイバギーがセットされている。これは、後に発売されるディオラマベースも含め、1/72という大きさの中にも、プレイセット的な要素を目指したモノと思われる。しかし、スカイバギーと銃座という、フィギュアを使う部分が2つもあるにもかかわらず、残念なのはフィギュアが付かなかったことである。これでは、銃座とスカイバギーを取り付けたゾイドに、パイロット(正確にはコパイとガナーかもしれない)が不足して、目指したプレイセット的要素が楽しめそうにないのは配慮不足と思われる。

 さて、この改造セットNo.1、なぜか後に発売される、共和国軍改造セット、帝国軍改造セット(Newを含む)の様に、CustomizeSetとは訳されていない。RemodelSetと訳されているのである。

 カスタマイズとは、モノの使い勝手をよくするとか、注文に応じて一つのモノを作るとか、改造なりをしてできあがった後がどうなっているかという事が大事なのである。しかし、リモデルとなると、作りなおし、という意味になり、改造は改造でも改造しているという行為自体が大事になっていると思えるのである。つまり、この改造セットNo.1は、改造セットNo.1を使って改造してできあがったゾイドを楽しむのではなく、ゾイドを改造するという行為そのものを楽しむために発売されたセットである、と定義付けられている事が考えられるのである。

 1984年に入ると、ゾイドにはゾイドストーリーが設定され、帝国軍という概念が加わり、当初のゾイド単体で遊ぶという意味から、設定の中で夢をふくらませていくモノに変わり始めている。ある程度設定を与えられると、夢をふくらませる最初のきっかけは得やすいのは事実であるが・・・・・。ゾイドは、ブロックのように創造性を全面に押し出した作りにはなっていない。しかし、オフィシャルによれば、当初のゾイドは夏休みの工作セットの様なモノを目指していた、と述べられている。これらも含めると、このRemodel Setという言葉の中には、ゾイドは作って動かして改造して遊ぶモノであるという、当初のコンセプトを忘れないための、ゾイド製作者からのメッセージが込められていると見るべきかもしれない。

 

改造セットNo.1パッケージより転載