フィギュアデラックスセット No.3

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Figure DX set

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型式番号

FZ-03

シリーズ

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タイプ

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発売

1985年7月〜1987年9月

全長

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定価

580円

全高

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オペレーション

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全幅

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ライト点灯

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重量

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使用電池

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最大速度

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部品点数

46

フィギュア数

16名(アーマードスーツ含む)

ゴムキャップ

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搭載ビークル

主成形色

ウォーターブルー・ライトグリーン・ライトブルー

主要目的

白兵戦

キャッチフレーズ

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ギミック

No.1(地球人共和国軍)+No.2(帝国側ゾイド星人)+No.3(地球人帝国側)、No.3には、モデルスーツやカイト、そしてホバービークルが付いています。

その他

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装備

装備名

搭載数

特徴

特徴

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掲載バトルストーリー

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 ゾイドの世界を演出するサポーティングツールの一つ。

 

 既に発売済みの、フィギュアセットNo.1とNo.2に新たなランナーパーツを加えることで構成されたセットである。No.1、No.2がそれぞれ200円であったことからすると、580円に設定された価格で全てが手にはいるのは納得のいくお手軽なセットと言える。まじめになってディオラマを作ろうとすると、部品の種類的にとりあえず全部手に入ればいいのかというとそうでもなく、場合によっては、このランナーパーツだけは複数欲しい、という欲求も出で来ることと考えあわせると、ある意味選択の余地の広がりが残された展開がされていたと見ることができるであろう。

 パッケージの表面には、ディオラマベースに塗装済みのフィギュアや武器がディオラマ展開され並べられている。この展開では、一つの基地を、セットに入っている全てのフィギュアが防衛しているという演出になっている。パッケージである以上、内包されている商品を全て紹介しなければいけないのであるから、必ずしも設定通りの対立のまま演出することは難しかったであろうことは、ユーザーとして目をつぶらざるを得ないことである。ただし、後に発売された、ディオラマベーススーパーデラックスセットでは、フィギュアデラックスセットと同じフィギュアが同梱されたため、パッケージにおいて、より設定に近くなった演出の上でのディオラマが展開されることになる。しかし、残念なのは、こちらのディオラマは未塗装であった。

 

 パッケージの裏面のセット内容を見てみることにする。前述の通り、No.1、No.2で区切られている部分は、既に発売済みのフィギュアである。そして、新たに加わったのが、No.3の部分である。

 注目しなければならないのは、このNo.3の位置づけである。

 設定上No.3は、「地球人帝国側」と定義づけられている。しかし、裏面のセット内容では、「地球人一般兵士」としてくくられて、そこに帝国共和国の違いは述べられていないのである。結果、服装の違いから、地球人とゾイド星人を分けるためのセット内容の紹介となっている。地球から持ち込まれた物資であれば、地球人である以上、共和国にも帝国にも同じ装備があってもおかしくないといえる。では、No.4としての共和国側ゾイド星人は????

 

 さて、ここであえて設定を深読みしてみることにする。「ゾイドストーリー」の設定とこのフィギュアセットの構成を見る限り、地球人はゾイド星に移住することで新しい技術を持ち込んでいる。当時の地球人の技術は、十分にゾイド星の文明よりも優れていたために、ゾイドの改造方法に新しいやり方を加えることができたのである。技術流入は、通常高い技術を持った側に有利に働くことになる。そして、ゾイド星の政府の体質によっては、地球人は侵略者にしか見えず、結果反旗をひるがえし戦闘となっても不思議ではない。なおかつ、政治のやり方まで地球人が持ち込んだとすると、「共和国」と銘打っても侵略ととられるのである。ゾイド星人は、「帝国」と銘打った、正義のレジスタンスかも知れないのである。

 子供達にとって、自分たち地球人は悪者にはならない。つまり、地球人は常に正義に味方でなければならないのである。当初の設定では、ゾイドは、ゾイドゾーンに生息していた機械生物をたまたまたどり着いた地球人が自分たちが使いやすいように改造してできあがったモノであった。この、既存の設定と、新たなストーリー設定を、子供達のわかりやすさの範囲内に押し込もうとしたために起こってしまったねじれ現象であることを、理解しなければならない。もし、このねじれ現象を、表面上ねじれているが理路整然と説明できる設定の元にストーリーを組み立てられた場合、その物語は壮大なモノになるであろう。

 ゾイドバトルストーリーは、このねじれ現象を解消しているのであろうか? 確実に言えることは、ゾイドの世界観の設定は、ゾイドで遊ぶためのサポート役であり、ストーリーを作って遊ぶという、ゾイドの遊び方の一つにすぎないということである。

 

 ゾイドではフィギュアセットに限らず、ディオラマセットでも同じように、既に発売済みのシリーズを組み合わせ、そこに何かをプラスαすることで、デラックスセットを構成させている。プラレールのセットが組み合わせを変える事によって発売されていることからの発想であろうか。今となっては、シリーズのつなぎの役割を果たした、評価すべき展開方法であったと思われる。

 

フィギュアセットデラックスNo.3パッケージより転載