デスピオン

特殊部隊軽戦闘型

Deathpion

帝国軍

型式番号

E24-01

シリーズ

24シリーズ

タイプ

<サソリ型>

発売

1987年6月〜1989年10月(?)

全長

7.4m

定価

3500円

全高

4.9m

オペレーション

バッテリー

全幅

4.4m

ライト点灯

重量

7.2t

使用電池

単3×2

最大速度

120km/h

部品点数

-

乗員

1名

ゴムキャップ

E(青)48個

搭載ビークル

-

主成形色

白・グレー

主要目的

特殊工作・偵察・局地戦

キャッチフレーズ

攻撃力に優れた特殊部隊の大型メカ。(87/9現在カタログより)

全身をよろいのような装甲で包んだユニークなメカ。8本の足を動かしながら前進。偵察、局地戦用メカ。(88/3現在カタログより)

どう猛な特殊部隊の機械獣。(88/6現在カタログより)

ギミック

パワーユニットにより尾を前後に振り、ハサミを動かして8本足で前進します。(パッケージ裏面より)

その他

カタログ上のキャッチフレーズが何度も変わっているのは24シリーズの特徴の一つです。

装備

装備名

搭載数

特徴

パルスビーム砲

1

尾の先端部分のビーム砲

接近戦用機銃

1

モノアイ(?)の下部にある二連機銃

発煙筒発射筒

6

コックピットハッチ両側に三連ずつ装備されている。

電磁波発生アーム

2

言わずと知れたハサミ。

特徴

帝国軍次期主力ゾイドの前進部隊として攻撃、護衛、偵察力にすぐれた軽戦闘機械獣が特殊部隊として編成されていた。森林、砂漠、山岳地帯、どのような不整地においても作戦行動可能なサソリ型重戦メカ。地をはう独特のスタイルは敵に発見されにくく、被弾経始(※1)の点からも好ましい。そして8本の脚はすぐれた高速機動性を生み出す。尾先端部分に装備されたビーム砲は高性能の探知装置と連動し、抜群の命中精度を誇っている。防御面においても最新の複合装甲を使用。戦闘時にはコックピット部が完全に密閉されるシステムになったおり。その独特のスタイルとあいまって徹底した生存性への対策が盛り込まれている。

掲載バトルストーリー

ゾイド大陸に再び激しい戦雲がたなびきはじめた。ゾイド中央大陸の戦いに敗れ、脱出したゼネバス皇帝が驚異的な師団をひきつれて帰ってきたのだ。帝国軍は中央大陸の北部バレンシア湾(※2)へ上陸を敢行、空と海上からの共同作戦は成功を遂げ、北部一帯は再び帝国軍の支配下に落ちた。勢いにのる帝国軍は、国境を突破し戦火は、共和国内森林地帯へと拡大していった。しかし共和国軍の対森林戦用メカ、シールドライガーの投入により、今や森林の戦いは一進一退の膠着状態に陥っていた。ゼネバス皇帝は、密かに開発に着手していた対ウルトラザウルス戦用の大型メカ(開発コードP-1Q)を作戦に参加させることを急ぎ、一気に共和国首都奪還をねらっていた。

※1:「軽被」か?

※2:パッケージに掲載されている通りです。「バレンシア湾」?「バレシア湾」?


 ゾイド初の試みとなる1/24スケールのゾイドである。横山宏氏のデザイン強力を得て、氏の特徴である丸みを帯びたデザインを表現し完成させたゾイドである。

 まず驚かされるのが、その8本の足がそれぞれ動くことである。それぞれ動くと言っても左右で対になっている足は、180度クランクのずれた同一軸につながっている。4つ並んだ回転軸がそれぞれの足の接地タイミングをずらし、結果デスピオンを前進させている。この足を1本取り出して見てみるとかなりリアルで、死んだ虫の足だけが落ちているようで気持ち悪い。要は、それだけリアルに再現していると言える。

 尻尾は節々ごとにゴムキャップが止まっているが、ウルトラザウルスの首のようにそのゴムキャップ部分で稼働するわけではない。ゴムキャップは三日月上の弧を描いた尻尾を左右からとめているだけであり、また、実際にとめているのは片面の3つのゴムキャップだけで、残りの7つは、部品をとめることには何の役目も果たしていない。結局はゴジュラスの尻尾同様、デザイン上のゴムキャップである。

 ゾイドはとにかくこっている。こんな見えなくなるところにまで・・・・、と言いたくなるところにまで、ディティールの配慮がされている。デスピオンでも例外ではなく、電磁波発生アーム、足、ともに装甲パーツを外しても、見劣りしない工夫がされている。同時に、装甲部品をとめる穴も鑑賞に堪えうるような配慮がされている。これに対し、尻尾の装甲を取り外したところには、配慮を感じさせるディティールはなく、もう少し考えて欲しかったところである。

 ゾイドでスイッチが裏がわにあるのはデスピオンだけではないだろうか。それも既存の電子パーツのスイッチそのままである。大部分のゾイドは、腹部分が電池ボックスになっていて、背中の腰骨との付け根あたりにスイッチがある。よって、普通にその場にゾイドをおいたままスイッチを入れて歩かせることができ、そのまま止めることもできる。残念ながら、デスピオンでは、他のゾイドと同じスイッチの位置には、可動尻尾があるため、そんな芸当は出来ない。しかし、ただでさえ動く8本足に側面を占められているので、持ち上げにくいところに持ってきて、スイッチは本体を裏返さないと出てこないと言うのは、ゾイドにしては、もっとも動かして遊ぶと言うことを配慮し切れていないゾイドと思えてくる。もちろん、制作者は最初は配慮をしたのだろうが、いくら検討しても、上面のどこにもスイッチを持ってくることが出来なかったので、やむなく裏側に持ってこざるをえなかったと思いたい。せめて、後部の尻尾の付け根の更に下ぐらいに持ってくることは出来なかったのであろうか?とにかく、デスピオンでもっとも悔やまれる部分である。

 

 サソリ型ゾイドは、ガイサックに次いで2体目である。ガイサックは、88年9月のカタログを最後に姿を消すことになる。結果、デスピオンとガイサックが平行していたのは、約1年ほどとなる。共和国と帝国で対立の図式が組み立てられている中、モチーフの同じゾイドが対立する両国にあることが避けられたのではないかとも思われるが、そこにはもっと大人の論理が働いていたのではないかと考えてしまう。ガイサックが人気なかったという話は聞かれない。しかし、「サソリ型ゾイドが欲しい」と思ったユーザーは、ガイサックのない時代にはデスピオンを選ばざるを得なくなり、結果的にデスピオンが売れるようになるのである。トミーとしては、外部からのデザイン協力を得て、なおかつ1/24スケールという新たな展開という、失敗の許されない要素を多分に含んでいたと考えられ、ガイサックという安価な妥協案を消すことで、デスピオンが失敗する要素を少しでも減らそうとしたのではないかと思われる。