ガル・タイガー |
強行偵察型 |
GulTiger |
暗黒軍 |
型式番号 |
DPZ-16 |
シリーズ |
B/O グレードアップゾイドシリーズ(89年6月のカタログより) ゾイド・ジュニアコレクターズ(90年7月のカタログより) ジュニアコレクターズ(90年10月のカタログより) |
タイプ |
<トラ型> |
発売 |
1989年9月〜end |
全長 |
16.5m |
定価 |
1300円 |
全高 |
7.4m |
オペレーション |
バッテリー |
全幅 |
6.0m |
ライト点灯 |
無(ただしグレードアップユニットNo.3により点灯可能) |
重量 |
75t |
使用電池 |
単3×1 |
最大速度 |
260km/h |
部品点数 |
43(※1) |
乗員 |
1名 |
ゴムキャップ |
M(グレー)4個 |
搭載ビークル |
無 |
主成形色 |
ブラック・イエロー・オレンジ |
主要目的 |
格闘戦・偵察・各種単独行動 |
キャッチフレーズ |
- |
ギミック |
- |
||
その他 |
- |
装備
装備名 |
搭載数 |
特徴 |
超小型荷電粒子砲 |
1 |
|
連装ビーム砲 |
1 |
腰部に装備 |
パラライザー |
1 |
尻尾の先端に装備 |
サイドガーダー |
4 |
四肢に装備 |
ドップラーレーダー |
2 |
耳状のレーダー |
パワーコネクター |
1 |
背部に装備 |
特徴
すさまじい攻撃力を持つ戦闘機械獣。多くの武器を持ち、背部に超小型化された荷電粒子砲を備え、強力な破壊力を発揮する。装甲も強化されており、パワーも大きく、肉弾戦も得意としている。前線での敵の情報を集め、さまざまな作戦を単独で行うことができる。敵を完全に破壊するまで攻撃をつづける驚異の戦闘メカである。戦闘総合力は通常35ZEPである。 |
掲載バトルストーリー
ゾイド歴2045年、共和国軍とガイロス皇帝率いる暗黒軍の激戦が、暗黒大陸でつづいていた。広大な亀裂地帯で進軍を阻まれた共和国軍は、陸戦では力がほぼ互角であるため、空からの攻撃力を強化し、暗黒軍の奇襲を退けた。暗黒軍は対空用の戦力を投入したが、共和国軍を止めることはできなかった。勢いづいた共和国軍は、陸空の連けい作戦によって、暗黒大陸の奥へと進撃していった。対する暗黒軍は、更に強力な軍団を編成して迎え撃とうとしていた・・・・・ |
「これのどこがゾイドだ?」というかなり手厳しい意見も聞かれる最大の理由は、そのカラーリングであろう。とにかく目立つ。過去のゾイドは、兵器としての位置づけが確立されており、目立つ色を避けながら特徴的な色を選んでいた。ガル・タイガーでは、モチーフに近づける努力の結果からであろうが、とにかくゾイド的には変に目立つ色使いである。しかし、色のつきかた(流れるようなラインにごとに色が変わっているという配置の仕方)は、新しい息吹として、肯定したい面もある。
もう一つの問題は、ゴムキャップの使用であろう。使用キャップ数はたったの4。つまり、四肢を駆動させる軸に止めるのにそれぞれ使われているだけなのである。また、その使用方法も、唐突に穴があき、そこにゴムキャップが差し込まれているという、別にその足を止めるのに、ゴムキャップを使用しなくても良いのではと言いたくなるような箇所に、使われているのである。ゴムキャップの使用は、接着剤を使わずに組み立てることのできるゾイドの特徴ではあるが、この使用方法では、単に接着剤を使わないで済むようにするためだけの使い方にしかなっていない。当初のゾイドでは、各関節にゴムキャップが使われ、その使用箇所のまわりには軸を表現するような細かなデザインがされていて、材質は違ってもゴムキャップはプラスチック部品と一体となっていた。また、そうでなかったとしても、ゴムキャップ自体も、プラスチック部品同等の外部露出部品としての扱いがされていた。新世紀以降のゾイドには、ゴムキャップを使用しなくても良さそうな、一見すれば、単なるスナップキットにしか見えないモノが含まれるようになってくる。ゴムキャップの使用と、デザインの融合性をもう少し考えてくれれば、新世紀のゾイドにも、もう少し違った結果が待っていたかも知れない。
トラ型ゾイドの筆頭にサーベルタイガーを持ってくることに反対意見を言う者はいないであろう。同じトラ型と言うことでその流れをくんでいて欲しいかったのが本音であるが、足は一体成形部品にカラーアクセントとしての別の部品を外から取り付けあるだけで、駆動やギミックには一切関知していない。そのため、歩行はするが動きを見て楽しむには遠いものがある。
ガル・タイガーのすくいは、そのデザインから繰り出される躍動感である。直立不動と見間違えそうな足とは違い、飛びだそうと力を蓄え折り曲げられた四肢と、S字にくねろうかという背中の丸みなど、とにかく今にも動きだそうとしているその体勢は、往年のゾイドを含めても、トップレベルである。サーベルタイガーで遊び終えたとき、足がどの位置にきた時にスイッチを切るか? そんなことを考えたことがあると思うが、ゾイドは、リアルな動きがあるために、今にも動きだそうと言う体勢が好まれていたはずである。その意味からすると、ガル・タイガーも、ゾイドらしさが保たれていたと言えよう。
「特徴」の一つに、単独行動がある。トラや猫は単独行動を好む動物である。そこに、荷電粒子砲を装備させ、偵察を主目的としながら大型ゾイドに匹敵するような破壊力を持たせるとは、なかなかモチーフと設定をうまくくみあせたゾイドといえる。
1300円のシリーズは、独立パワーユニットを持たず、モーターを直接組み込んで、クランクギアを自分で差し込み組み立てることになる。構造を知るという意味ではおもしろいのであろうが、かつてのゾイドのように、動いているギアの回転が見えるような工夫があるわけではなく、総合的なゾイドらしさに劣る面があるのは否めない。
ガル・タイガー、パッケージより転載