2010年1月発行 No.71.72合併


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●≪ブルーベリー物語≫

それはブルーベリーワインの測定から偶然始まりました。セシウムが検出されたことを知った時は
なぜブルーベリーワインから?
と半信半疑でしたが、ブルーベリーを原料とした様々な食品を1年かけて測定していくうちに
それは確信へと変化していきました。

明らかにフランス以北のブルーベリー製品にセシウム137が検出されるという傾向が見てとれます。
(ベルギーのブルーベリージャムから181Bqなど、小金井市放射能測定器運営連絡協議会のHP http://hoshanousokuteishitsu-koganei.jimdo.com/
をご参照ください)
その謎については後で仮説を載せてありますが、この記事をお読みになったみなさんはどのようにお考えになるでしょうか?

●ちょうどチェルノブイリ原発事故が起きたのと同じ年、同じ月に生まれた息子が23歳になる
今になって、遠く北欧からやって来たこのおいしそうなジャムの中にひっそりと放射能がふくまれている
という事実に、何とも言い表しようのない痛みを感じます。(伏屋)


●≪ブルーベリーって?≫
ツツジ科スノキ属の小果樹。春に釣鐘型の白やピンクの花をつけ、夏に濃い青紫色の実が熟します。
北半球各地に自生し、日本にもクロマメノキ、ナツハゼ、シャシャンボなどの仲間がいます。
欧米では、古くから果実を生薬、食用として利用してきました。サプリメントなどでよく目にする「ビルベリー」は
北欧に自生する野生種です。各地の野生種のなかから、北米原産のものに20世紀初めから品種改良がすすめられ、       
世界中で広く栽培されるようになりました。現在も北米産は世界の産出量の90%近くをしめています。

●栽培ブルーベリー産業が現在のような形になり、各種の加工品、そのまま食べても美味しい果物として、
手軽に手に入るようになったのは1990年頃からの更なる改良の成果だそうです。
目に良いと言われるアントシアニン、強い抗酸化作用、ビタミンなどの健康効果が確認されて、ますます人気上昇中です。

●≪どうして放射能が?≫

ブルーベリーは酸性の土壌を好みます。栽培にはピートモスなどを土に入れて調整します。
ピートモスはミズゴケ、アシ、スゲなどの植物が堆積し、長い時間のうちに泥炭化したもので、北欧、ロシア、
北米、中国などの寒冷な地域に分布し、園芸資材として広く使われています。
●主にミズゴケからなる北欧のピートモスが採れる地域は、またチェルノブイリ原発事故の際に深刻な汚染に見舞われた地域               
でもありました。現在ヨーロッパのブルーベリー製品から検出されるセシウムはここから運ばれたのかもしれません。(江藤)



 2006年1月発行 No.70


             


耐震偽装が原発にも疑われないかどうかについては『コンクリートに海砂使用(中部電力
の浜岡原発)や、JIS規格違反の鉄筋使用(北陸電力の滋賀原発)や、ボーリングコア(地質調査で掘り抜いた土のかたまり)
のさしかえ(九州電力の川内原発その他いくつも)などの事例が』(たんぽぽ舎のニュースより)あるそうだ。

原発の耐震設計はまず起こり得る地震をどう想定するかに始まるというが、どうせ何かあったら「想定外でした」などと
言うのだろう。

●地震は揺れだけではない。日本では、53基の原発が海岸線に建てられており、中でも、浜岡原発は東海地震の震源域、
プレート境界の真上に5基も
建てられている。
スマトラ沖地震にみられるように、津波はコンクリートの建物をも根こそぎ破壊するほどの力を持つ。
原発の前には高さ10メートル長さ80メートルの砂丘があるから大丈夫とする中部電力の説明も液状化の可能性を
考えれば安心できない。

また、中部電力は耐震補強工事をすると発表したが、津波によって取水口が塞がったり、電気系統が破壊されることなどは
想定されていない。

●仮に原発が停止しても、燃料を冷やし続けなければメルトダウンの危険があり、冷却用の取水ができなくなれば
「メルトダウンするよりはまし」として、放射能を含んだ蒸気を外に出して原子炉を冷却することになる。
更に大事故になれば、わずか半日で放射能は日本列島を覆う。

●現在、梅原猛さん、坂本龍一さんなど各界の著名人が賛同人となって「原発震災を防ぐ全国署名」が取り組まれ、           
浜岡原発の運転停止を求める声は全国に広がっている  

●一方、わが小金井の放射能測定器がここ数年徐々にくたびれてきており、15年半も動かしているので無理もないの            
だろうが、それに対し小金井市は不要な事業として予算を打ち切ろうとしている。
来年度の測定器のメンテナンス等が危うい事態である。あのチェルノブイリ原発事故の悲惨さが市議会を動かし
全会派一致で放射能測定事業を決議した日のことを思い出す。あの時の危機感はもはや失われようとしている。

いつまた原発震災に襲われるかしれないというのに。(香田・伏屋)

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